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【海であい、泡沫に】参
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
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昼休み___。
朝「 学校案内するから着いてきてね。 」
夜「 お願いします!! 」
朝( 元気な人だな... )
先生に学校案内を頼まれたので、学校案内をし始めた。学校内を隅から隅まで練り歩きながら、教室の説明をしていく。
そんな中、後ろを歩く夜くんに気づかれないように視線を向けた。
新しい物を見るかのように目を輝かせて校内を見ている彼。身長は俺より少し高い、身軽そうな体、顔は整ってる、性格も良さげ。至ってどこにでもいる普通の高校生だ。
しかし一つ気になる事がある。それは、、s((
夜「 朝くん!この大きい木は何? 」
朝「 あぁ、それは学校建設祝いに植えられた桜の木だよ。 」
「 |百舞桜《ももまいざくら》っていう名前。 」
夜「 へぇ〜!なんか感慨深いね。 」
朝( 感受性豊かな人だな...(デジャヴ )
彼について新たな事ばかりを発見していく。
一クラスメイトな訳だしそれなりにこれから仲良くなるんだろうな。そんな事を考えていると、一拍おいて声をかけられた。
夜「 ...ねぇ。朝くんってさ、 」
檸檬「 おーい、お前ら〜!!( 遠くから 」
「 あ、お取込み中だった? 」
夜「 や、俺は大丈夫だよニコ 」
朝( 何か話したそうだったけど... )
取り敢えず夜くんは良さそうだったので、了承の意を込めて首を縦に振る。俺らを見て檸檬は安心した様な顔をして話し始めた。
檸檬「 俺と学習会のペア組んでくんね? 」
--- *** ---
数日後___。
始業式の日から何かと慌ただしい日々が過ぎ去っていき、一息付いた頃に学習会が訪れた。
この学校でいう学習会とは、一学期の中間に行われる成績にフルボッコ(?)に響く大きなテストに向けて学習をするというもの。学習会では3人1組になって勉強し 実施日とメンバーを紙に書いて提出するという謎ルールが設けられている。あまりにも日数が少ないと、それもまた成績に響くとかなんとか...まぁ面倒臭いこと
檸檬「 いやー。まじでありがとう! 」
「 組む人決まってなかったらヤバかったんだよね。 」
夜「 俺も全然知らなかったから、逆にこっちが感謝しないとだし笑 」
朝「 ま、俺も決まってなかったし... 」
そんな会話をしながら黙々と勉強を進めていく。時折、分からない点があるとお互い教えたり教えあったりしなが時間を過ごした。
1時間ほどぶっ通しでやり、一旦休憩を取る事にした。
檸檬「 そういえばさ〜 」
「 授業参観誰が来る? 」
朝「 どこの小学生の会話だよ... 」
檸檬「 なんでも良いだろっ笑! 」
「 で、二人は?ちな俺は母さん。 」
夜「 俺は多分お父さんかなぁ。多分ね 」
朝「 俺は...いとこかな。 」
檸檬「 なるほど、なるほど... 」
朝「 で、この質問に意図とかあるの? 」
檸檬「 ん?全くないけど...? 」
夜「 ないんかいwww 」
ここ数日で夜と檸檬は仲良くなったらしい。今も楽しそうに話しているみたいだし。
檸檬「 そういえばさ〜 」
朝「 2回目だな笑 」
檸檬「 俺、朝の両親見たことないかも? 」
「 学校行事でも見た記憶ないし。 」
朝「 あーそれね... 」
「 俺の両親小さい時に亡くなってるんだよね。 」
なんて事ないという顔をしながら打ち明けた。
途端に過去の記憶が断片的に蘇ってくる。
体が傷だらけで、
こちらに駆けてくる必死の形相な父さん
俺を力一杯抱きしめて守っている母さん
そして、母さんと父さんの間にいる“鬼”
目を閉じて耳に届いたのは肉が千切れる音
その次には、血飛沫と耳をつん裂くような悲鳴
目を開ければ母さんも父さんも居ない
目の前に居るのは“鬼”だけ
朝「 、、、っ( 俯 」
檸檬「 ごめん。 」
「 もしかして嫌な事思い出した? 」
朝「 ...気にすんな。もう昔の事だし。 」
檸檬「 や、本当にすまん... 」
夜「 、、、 」
朝「 こんなお通夜みたいな雰囲気好きじゃないから。ほら、さっさと勉強しよ 」
檸檬/夜「 はーい 」
なるべく普段と変わらない声色でこの空間を打ち破り、再び勉強を再開させる。さっきから小刻みに震えている左手は机の下に隠して、中々集中できない頭を無理矢理動かした。
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
次話もお楽しみに^ ^