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NO.1王都への呼び出し
LYON
光り輝く敵の刃が俺の剣を打ち返した。大体こんな無理な戦場に勝ち目はない。今すぐ退却すべきなのに将軍は指示を何一つ出さない。「何やってんだよ!」という俺の心の憤り。
そして、直ぐに敵の刃が頭上から迫っていた。その強攻撃を受けるとガクンと体制が崩れた。しかし崩れた体制そのままに俺の右手の片手剣は、敵の脇を捉える。そのまま斜め上に切り上げた。悲鳴。そして四散音。その後も俺はがむしゃらに戦いを続け、空が少し赤みが買ってきたところで陣に引き上げた。
夜。戦いつかれた俺は今、陣の中にいた。この戦場は東の聖光国との最前線。3日前、聖竜軍3000VS聖光軍10000で始まったこの戦いは、いよいよ厳しいものになってきた。昨日、左翼の部隊長が討ち死にしたことで、中央に敵軍が流れ込んできて中央の戦場は8000VS900という絶望的な状況だ。それなのに本営は撤退命令を出さず、将軍も退却命令を出さずに無駄に兵を死なせている。
そんなことを考えていると隣の女部隊長のフューリアがやってきた。
「ね、リパルサー。あんたと私、明日王都に来いって言われたんだけど・・・。」
「はぁ!?今のこの戦場で中央の要を二人抜くっていうのかよ・・!」
俺は敵に聞こえないように、驚きを押し殺した声で言った。
「よく分からないけど・・行くしかないでしょ。本営の命令なんだから。私、隊に戻っていあない間の戦い方伝えとくね。あんたも伝えときなよ。じゃ、また明日。あ!そうそう明日、寝坊したり遅れたりしないようにね!」
そう言って俺の肩をたたいて過ぎ去っていた。
アイツについても少し話しておかなければならない。アイツは俺の幼馴染で二十連突きを得意とする槍使いで聖竜国の五本槍ににも数えられている優秀な槍使いだ。俺の威力重視の片手剣とは反対に彼女の槍は威力は弱くともスピード重視と攻撃量重視。そのためアイツとの試合では、常に高速移動を繰り返して振り切り、攻撃を入れる必要があるため、疲れるどころの問題じゃない。
俺はテントに戻り横になるとすぐに視界が暗くなった。
翌日。俺の馬はもう王都手前の山脈を超えていた。はるか後方、もう地平線の向こう側で仲間たちが戦っている。なのに俺はこんな所にいていいものなのかという罪悪感。右側の山脈の少し向こう側の王都の煙が見え始めたころだった。何か後ろで馬の走る音が聞こえると思ったら、フューリアだった。
「遅いぞ。あんだけ昨日俺に遅れんなよって言いまくったくせに。」
「ゴメン、ゴメン。うっかり寝坊しちゃって・・・。」
「はぁ・・。お前なぁ・・・。」
俺のため息がつき終わったころ、道は東に曲がり王都圏の関所が見え始めていた。
どうも皆さん初めまして。‘‘LYON‘‘というものです。よろしくお願いします。
これからもどんどん次回を書いていくので見守ってくれると嬉しいです。
ではまた次の投稿の時に会いましょう。
See you next time.