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第一話
夢見るドリーマー
ハバカミ詐欺とは、ハバタクカミと同じようなことをできるポケモンの内、ハバタクカミに認められたポケモンのみが名乗れるグループ名。グループになったものは、ハバタクカミのために全力を尽くさなければならない。
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「みなのものよ、これより『ハバカミ詐欺』を開始する。」
ハバカミ様の点呼がかかる。
「登録者を確認するぞ。モロバレル、ドヒドイデ、ムウマ、ムウマージ、ギラティナの5人だったな。」
「さっそくだがムウマージ、うちのためにこだわりメガネを買ってきてくれたまえ。」
ハバカミ様からの初任務。がんばるぞ。
「お兄ちゃん。気を付けてよ。野生のポケモンなんて、トレーナーの標的なんだから。」
妹のムウマは心配性。僕のことを思ってくれている可能性があるが、僕もそこまでやわじゃない。
トレーナーのポケモンを1匹倒せるくらいには強い。
一番近いデリバードポーチに行くぞ。
今日はハバカミ様にとって一番素晴らしい夜のようだ。月の力が強いので、いつもよりムンフォースの威力が上がるようだ。
こんな日に撃つメガネムンフォなんかやばいにきまっている。普通なら、逃げだすだろう。
だが、今はハバカミ様に洗脳《マインドコントロール》された後だ。逃げ出すことが怖くてできない。いずれにせよ、僕たちの中の誰かが実験台にされるのは間違いない。そうこうしているうちにデリバードポーチに着いてしまった。妹が実験台にされてしまうかもしれないという恐怖の中、こだわりメガネを買い、拠点へと帰ってきた。
「お疲れだ。ムウマージ。」
ハバカミ様は今から実験台にするものを決める、なんてことを一切醸し出していない。
さては、俗にいう『サイコパス』の部類かもしれない。
「ムウマージ。それを渡すのじゃ。」
「今からこのギラティナ人形にメガネムンフォを食らってもらうぞ。いつもよりつきのひかりが強いこの夜じゃ。ワンパンしてくれる違いない。
犠牲が出なくてよかった(?)ということにしておく。
ハバカミ様は『サイコパス』じゃなかった。