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②
数日後。
夏コラの時期になり、優亜はいつものメンバーに妖怪天生の話をしてみた。
予想通りというべきか、誰もそんな伝承は聞いたことがないらしい。
優亜(だと思ったよ)
メンバーのるなが復帰したため、そっちの方が注目すべき話題だったのもあるだろう、誰も興味を持たなかった。
ところが、ある日突然それは起きた。
いつものように配信をしていると、地震が起きた。震度4程度だったため建物に被害はなく、震源地もからぴちハウスから少し離れた場所だったようだ。
どぬく「ゆあんくん大丈夫⁉︎怪我してない⁉︎」
優亜を心配して白石どぬくが走ってきた。
優亜「大丈夫。そっちは?」
どぬく「さっき外を見てきたんだけど、何ともなかったよ。庭石がちょっとずれてたくらい」
優亜はほっとした。でも、これがきっかけとなり、妖怪天生の伝説が再び始まった。
真弘「あれ?こんな扉あったっけ?」
恵麻「いや、なかったと思う」
からぴちハウスの廊下に、見たこともない古びた扉が現れた。
大和「・・・開けるの?」
真弘「気になるし」
恵麻「このメンバー、100枚の扉の世界から脱出したし?まぁ大丈夫だって」
大和「えぇ・・・」
|橙野恵麻《とうのえま》が、扉に手をかける。
ガチャ
扉の先には、虹色に光るトンネルが待ち構えていた。
バタン
|灰瀬真弘《かいせまひろ》はすぐさま扉を閉めた。
真弘「やっぱりやめとこ?」
恵麻「だね」
大和「はやっ」
3人は扉から離れていった。
3人が去った後、扉の奥から誰かの目がのぞいていた。
そして翌日。
里音「・・・ん?」
|宇野里音《うのりおん》は、廊下に知らない誰かの姿が見えた気がした。
誰かが向かったと思われる先に向かうと、やはり赤髪の女の子の姿があった。女の子は里音の方には気づいていないようで、そのままどこかに向かっていく。
しばらく追いかけると、見覚えのない扉が一枚。昨日真弘達が見た扉である。
女の子は扉を開けて入っていき、再び戻ってくることはなかった。
?「何してるんですか?」
里音「あっ、なお兄」
花瓶の手入れを終えたばかりの|朝霧直斗《あさぎりなおと》に声をかけられ、里音は我に帰った。
里音「さっきこの中に、からぴちのメンバーじゃない子が入っていってさ」
直斗「気になりますね・・・。ふうはやさんがこういうの詳しいと思いますよ。今日来ることになってますし、僕が調べて欲しいって言っておきます。__僕はこういう都市伝説には弱いので・・・__」
里音「助かる。んじゃ頼むわ」