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電源コード
彰人「なんか妙なモンは口にしなかったか?」
絵名「特に心当たりはないけど…」
瑞希「そういえば…絵名は事務室に料理を持って行ったよね?」
絵名「う、うん…会場の料理を適当に…」
彰人「そこに下剤が入ってたんじゃねーか?」
愛莉「それだったら、料理を作った望月さんが怪しいけど…」
穂波「え、えええ!?私はそんなことしませんよ!」
穂波「せっかくの味が台無しになっちゃいますし…!」
司「…いや、下剤を入れたとは考えられないはずだぞ」
司「あそこにあった料理を食ったのは東雲さんだけではない…暁山やえむだって食べていただろ?」
寧々「そっか、料理に下剤が仕込んであったら…お腹を壊したのは東雲さんだけじゃないはずだよね」
えむ「あたしはピンピンしてるよっ!」
瑞希「ボクも元気だよー!」
穂波「だ、だから言ったじゃないですかぁ…!」
絵名「騒がせちゃってごめんね…」
彰人「……俺の方こそ、言いがかりつけちまって悪かったな」
こはね「じゃあ、東雲さんの腹痛は偶然ってことで…停電の件に話を戻そっか…」
殺人が停電の最中に起きた以上、あの停電の謎が重要なのは間違いない…
だったら、あの停電がどうして起きたのかを…ハッキリさせるぞ…
一歌「誰がどうやってブレーカーを落としたのか…」
えむ「石でも投げて当てたのかなー?」
咲希「ラジコンとか使ったんじゃない?」
みのり「きっとブレーカーに仕掛けがあったんだよ!」
まふゆ「ブレーカーに限らず、送電所とか送電線に細工した可能性もあるよね…」
杏「単純に電気の使いすぎじゃないの?」
司「白石の言う通りだ…あの停電は、《《電気の使いすぎ》》が原因だったんだ」
司「もちろん偶然ではない…誰かがそれを、意図的に引き起こしたんだ」
類「その為に使われたのが、倉庫で仕掛けられた3台のアイロンって訳だね」
司「停電後に類が見つけた時は、まだ電源が入ったままだったんだよな?」
杏「なるほど!倉庫で何台もアイロンを使って、わざと電気の使いすぎの状態にしたんだね!」
司「あぁ、犯人はそうやってあの停電を…」
えむ「ちょっと待ったーー!!!」
司「え、えむ!?」
えむ「倉庫のアイロンが停電の引き金…それはおかしいよっ!」
えむ「そのアイロンが原因なら、犯人は電源を入れる為に…」
えむ「わざわざ倉庫に行ったってこと?」
えむ「じゃあ、停電が起きた時に大広間にいた人達は…」
えむ「容疑から外していいって事だよね!」
司「いや、大広間にいた者も…まだ容疑が外れたわけではないぞ!」
えむ「大広間にいた人に停電を起こすことはできないよ!」
えむ「アイロンが停電の引き金なら…」
司「待て!アイロンは停電の原因にはなったが…直接的な引き金になったわけではない!」
司「直接の引き金になったのは、大広間と事務室のエアコンの電源が入ったことなんだ!」
えむ「エ、エアコン…!?」
司「あの2台のエアコンのタイマーは、どっちとも《《11時30分》》に設定されていたんだ」
志歩「11時30分って…宵崎さんが死んだ時間もそのくらいだったよね?」
えむ「そっか…エアコンがタイマーでオンになった瞬間に、ブレーカーが落ちて停電が起きた…」
えむ「なるほどー!納得したよ!」
類「きっと、あらかじめ旧館の電力量を調べておいて、アイロンでギリギリの電気消費量にしておいたんだろうね」
類「その上で、エアコンのタイマーを設定しておけば、後はエアコンが動き出すのを待てばいいだけ…」
咲希「それなら、東雲さんが事務室にいたままでも、停電にする事が可能だったってことだね!」
冬弥「きっと、その電力量に関しては、モノクマあたりに聞いていたのかもしれませんね…」
モノクマ「ド、ドキィ!」
モノミ「当たりなんでちゅか!?憎い奴でちゅ…万死に値します…!」
モノクマ「万死だって!?そんなに死んだら、ほんとに死んじゃうじゃないか…」
杏「うるさいよ!あんた達は黙ってて!」
絵名「私が事務室にいても停電は防げなかっただろうけど…だとしても悔しいよ…」
絵名「事務室にいればすぐにブレーカーを入れられたし…そうすれば、奏も死ななくて済んだかもしれない…っ!!」
瑞希「いや、事務室のブレーカーはボク達の手が届かない高さにあったし…」
瑞希「真っ暗な中でそれをすぐに戻すなんて、どっちにしろ無理だったはずだよ!」
瑞希「だから絵名…気にしないで、ね?」
絵名「瑞希……」
志歩「にしてもずる賢い犯人だね…ちゃんと見つかるのか不安になってきたんだけど…」
類「大丈夫。心配いらないよ」
類「しょせんは『たかが人殺し』だよ?《《希望の象徴》》と呼ばれるみんなの敵じゃないよ」
…は?
類「こんなところで君達が負けるわけない…この程度の事件なんて、ただの踏み台だからね」
類「だから、最後には希望が勝つ…僕はそう確信してるんだ!」
司「る、類…?お前…どうしたんだ…?」
類「え…?何が?」
司「お前はずっと言ってたよな…?オレ達の中に犯人なんているはずないって…」
類「そうだったかな?まぁ、そんな事より事件について話し合おうよ」
類「とりあえず、停電の仕掛けはわかったわけだけれど…問題はそれを誰がやったかだよね」
類「エアコンのタイマーを隠れて設定するのは誰にでもできるし…」
類「アイロンを倉庫に持ち込むのも、宵崎さんが旧館に来る前にやっておけばいい…」
類「困ったね…僕達の誰にでも可能だったみたいだよ?」
彰人「…何が言いてーんだよ?」
志歩「結局何も分かってないのと一緒…って事でしょ?」
瑞希「えええ!?こんなに話し合ったのに!?」
類「残念だけど事実だよ…」
類「今まで散々話し合ってきたのにも関わらず、犯人に繋がる手掛かりは何一つ見つかっていない…」
類「それも当然かもしれないね。だって、僕達の中に犯人なんているわけないんだから」
司「お前…また言ってる事が変わってないか?」
類「それはそうと、今後のことについて…僕から一つ提案があるんだ」
類「…こう考えたことはないかい?」
類「人を疑って生き延びるより、人を信じて死ぬ方がマシ…ってね」
杏「あ、諦めて死ねってこと…!?」
司「類!お前…やっぱりどうかしてるぞ!」
類「僕をどうかしてると思うのは、君達の方がどうかしてるからだよ…」
類「こんな風に仲間内で糾弾し合うような真似…正気の沙汰とは思えないよ…」
類「もうやめようよ、犯人なんて見つけなくたっていいじゃないか!」
類「僕はもう嫌なんだ…仲間同士で、こんなことはしたくない…」
穂波「そ、そんなの…私だって嫌ですよ…っ!」
えむ「うぅ…早くお家に帰りたいよぉ…!」
愛莉「や、やめてよ…みんながそんなだと…私まで…っ」
司「おい…!お前ら落ち着け!」
類「僕達は仲間なんだ…仲間同士で、殺人なんて起きるはずないんだよ…」
司「だったら宵崎はどうして死んだんだ!?」
類「そんなこともうどうだっていいよ」
類「どうせ犯人に繋がる手掛かりなんて、もうないんだしさ…」
冬弥「それは違う!!」
冬弥「…と、思いますよ」
類「………………」
類「…何か言ったかい?」
冬弥「はい、犯人に繋がる手掛かりなら、もう見つかってるじゃないですか」
寧々「あ、青柳君には…犯人が分かってるの?」
冬弥「犯人…なのか…?怪しい人物の手掛かりならありますよ」
類「へぇ…だったら試しに言ってみてもらえるかな?」
冬弥「まずは、犯人があの停電の中で、どうやってナイフを手にしたのか考えてみましょうか」
類「その話ならさっきしただろう?夜光塗料を目印にしたってさ」
冬弥「そうじゃなく、その前の話です」
その前…?
それって、犯人がどうやってあのテーブルに近づいたのかって事か?
夜光塗料を頼りにナイフを手にしようにも、その為には犯人は…
暗闇の中、あのテーブルまで近付いて行かなくちゃいけないんだもんな
司「…状況を確認しよう。雫が書いたあの図が役に立つかもしれんな」
雫「停電前の、みんなの立ち位置をまとめたやつよね?えっと…これだけど…」
…やっぱりそうだ
この図が手掛かりになる…!!
誰がどうやって暗闇の中をあのテーブルまで移動したのか…
この図には、それがはっきりと書かれていたんだ…!
まずは…犯人が暗闇の中をあのテーブルまで移動した方法からだ…
おそらく…犯人はあれを使って、移動したんだろうな
司「犯人は…あの暗闇の中を移動する時、卓上ランプを使ったはずだ!」
類「卓上ランプを…まさか明かりに使ったなんて言わないよね?」
絵名「旧館は停電中だったのよ?卓上ランプなんて使えるはず…」
司「いや、犯人はランプの明かりじゃなく、電源コードを使ったんだ」
みのり「で、電源コード…?」
司「電源コードを手繰りながら移動すれば、卓上ランプのあるテーブルまで辿り着けるだろ?」
司「そうやってテーブルまで移動した後、夜光塗料を目印にナイフを取ればいいだけだ」
冬弥「それが可能だった人物は、俺達の中にたった1人しかいないんです」
穂波「そ、それって…誰のことですか…?」
オレ達の中で…それが可能だった人物は…