公開中
絶叫遊戯 ❧Prologue
ちと怖いかも。
1か月かけて頑張って書いたよ💪
最高傑作✨
是非読んでね!
蝉が鳴く音だけが聞こえる校庭。
その校庭に全校生徒約1000人が校長によって集められた。
「えー。全校の皆さん。おはようございます。」
何時もの口調とは違う、硬い口調に先生含め、校庭、いや、学校全体の空気が凍り付いた。
「先程、救急車やパトカーが走っているのを見た人、居るのではないでしょうか。」
校長の声がだんだんと震えていく、声の震えを必死に抑えているのがよく分かった。
「そして、今もあそこ…屋上のすぐ下にブルーシートが敷いてあります。」
そこまで聞いた生徒たちの中から、一学年の一組だけがザワついた。
「すみちゃん…は…?」
「ホンマや…すみかがおらん…」
か細く、それでいて校庭全体に響き渡るようなその声とともに、生徒たちの顔が青ざめていく。
挙句の果てには泣き出す生徒もいた。
校庭の端で生徒たちを見守っていた先生たちも、顔に手を当て、誰とも顔を合わせないようにしている。
「2年B組の人…気持ちは、気持ちはとても良く分かります。でも…今は先生も我慢しているから、今は少しだけ、頑張って落ち着いてください…。」
校長の声に、状況を察したさっきとは違うクラスの人も背伸びをしたりして、鋭い目で回りを見始める。端から順に、前から、後ろから順に。「すみか」という生徒がいるであろうクラスを見つめて。
「今、先生の言葉で状況を理解した人もいると思います。ですが、分からない人もいると思いますので、伝えます。」
そんなにヤバいことなのか… 普段は空気を読めない男子も、いつもなら長い校長の話に草臥れ喋り始める女子も。今ばかりは顔を強張らせて、手が激しく震えながらも校長とブルーシートだけを見つめる。
「今朝、2年B組の門井すみかさんが、今、ブルーシートが敷いてあるところで、血だらけになって倒れているところをある、先生が見つけました。」
やがて、校長も耐えられなくなり腕で顔を覆う。
この場にいる全員の身体が震える。
「そして、皆さんを集める、数分前に病院から、すみかさんが亡くなった。との連絡がありました。」
すみかが死んだ、そんな衝撃の事実に一部生徒たちは、悲しみに暮れ、座り込んでしまった。
まさか、あの、すみかが…誰からも好かれていたはずのすみかが、死んだ…?
もう何も聞きたくない。 耳をふさぐ生徒もいた。
「先生からは以上です。詳しいことは、担任の先生から聞いてください。では、皆さん、教室へ…帰りましょう。」
学校中が絶望感で包まれる中、校長が話を終わらせた。
校長の話が終わった後の2年B組は、誰もが席を立ち、泣き、座り込み、震えている。
行動からすると五月蠅いはずなのに、聞こえるのは蝉の鳴き声のみ。
誰かが小さく『嘘だろ…』とつぶやいたけれど、その声は蝉の声にかき消されて、誰も聞き取れなかった。
不思議な空間だった。
何分経っただろうか。
2年B組の生徒たちからしたら、何十分にも、何時間にも感じられたであろう。
ふいに、ガラッと大きな音がして先生が教室へ入って来た。
座り込んでいた生徒の肩が大きく震える。
今までの静けさとは合わない教師らしい声がした。
「皆さん。一度席へ座って。」
教師の声は、教室中に澄んで響き渡るはずだったが、2年B組の教室には何故か低く、重く響いた。
一斉に椅子の引く音がする。
「校長先生から、すみかさんのお話がありましたね。」
もう一度、教室中が重い空気で満たされた。
「先生からは、今回の事件について、詳しく説明します。」
ザワついた。教室にいる全員の心がキュッと締め付けられた。
幾ら何でも、生徒の前で、詳細を説明するのは酷過ぎる。辛すぎる。
「まず、警察から聞いたお話から話します。すみかさんの死亡時刻は午後10時と思われます。そして死因は屋上から落ちた、とのことだそうです。自死又は他死です。」
早口に言った。
言い切った後の教師の顔は蒼褪めている。
誰が見てもそう分かる。
自死…すみかはクラスの、いや学校で誰よりも幸せだったはず。金持ちであり、誰からも好かれている。自殺した訳がない。
一方他死もあり得ない。さっきも言ったように誰からも好かれていて、恨まれるようなことも一切なかった。
「この二点で終わりです。目撃者がいないため、とても少ない情報ですが、最近のすみかさんについて、変わった様子や出来事はありますか、?出来る限り、何でもいいので教えてください。」
と、言っても何か情報が出てくる訳がない。
何せ、午後10時といえば生徒たちは全員帰っているはずだし、校舎の前の道も薄暗くて通る人はまずいない。
教師も就寝時刻、というところだろう。
何度目だろう。クラスにいる全員が静まり考え込んでいる中、突然扉が ガラッ と開き、百合の花を持った生徒が現れた。
「先生。これっ、すみちゃんに…」
そういって、一つの空席へ歩いていき、机の上に百合の花を置く。
少しの間、生徒たちが百合の花を見つめる。
その、白く、華麗に咲く百合の花はどこか、少しすみかに似ていた。
見れば見るほど、生徒たちの心に刻まれた傷が抉られていくのだった。
暫くすると、耐えられなくなった一人の生徒が言った。
「さっきの話、しようぜ…。」
その一言で全員が我に返った。
教師も我に返り、百合の花を持ってきた生徒に向けてもう一度言った。
「最近のすみかさんの様子見ついて、何か思い当たる事、ありませんか…?」
話さない。
教師も、もう一度説明しようとはせず、ただただ、生徒たちの顔を見つめるだけだった。
やがて、さっきの百合の花を持ってきた生徒が小さく手をあげ、話し始めた。
「あ、あたしは特に変わったこと…無い、な。って思ったんだけど…ほ、ほら!あたし、そんなにすみちゃんと話さなかったからっ…ね、高嶺の花って感じで、っ。もうちょっと仲良かった子に聞いたほうがいいと思いまぁすっ…例えば…あ、あやか、とか?」
早口に言った後、ガタンッ、と座る。
全員が一人の生徒に目を向ける。
「じゃあ、あやかさん。何か、ありますか?」
あやか、そう呼ばれる生徒は言を発しようとはせず、何故か、笑みを浮かべていた。
「ぇ…っと、あや、か…」
「あやか、どうしたの」
「無理に言わんくてもええよ…?」
次々と心配の声が上がる。
そりゃあそうだ。無言のまま笑っているのだから。
肩を揺さぶる生徒もいる。
そんな中、急に席を立った。
大きく手を挙げる。
**「はーいっ!!」**
大きく、教室中に響き渡る声だった。
その声に驚きながらも教師は話を聞く姿勢をとっている。
「どうぞ。」
「はいっ!あたしが、やりました~っ!!」
そんな訳がない。
あやかは、すみかの一番の親友だった。
そのはずだった。
何故?
もしかしたら、『殺って』はいないのかもしれない。
「あやか、何、何をやったの……?」
息を呑む。
「え⁉そんなことも分からないのかぁ…残念!とんだ天然ちゃんだねぇ」
馬鹿にするような声。間違いない。此奴だ。此奴がやったんだ。
「あ、そっかぁ。君、天然の振りした、ぶりっ子ちゃん。だったねぇ…いやぁ。此奴に惚れてた男子、残念だったねぇ!」
ケラケラと笑う。
あやかを抜く全員の顔が凍り付いた。
もう、元には戻らない。
「いい?もう一回だけ、分かりやすく、言ったげるからね~。よく聞いときな。天然ちゃんっ」
語尾にハートが付いたような喋り方。
天然ちゃん、に向けてあおるような喋り方だった。
**「あたしが、すみかを、殺して、あげたの!!」**
笑う顔がまるで、氷のように冷たい。
塾の冷房効きすぎだろぉッッ
さみぃよ
良かったら、読んだ人、読んだよ~っ!って教えてくれないかなっ<m(__)m>