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公開中

花を、君に。

自分には不思議な力があった。 「わーっ!きれーなコスモス!」 「ほかのお花もだせないの?」 「ううん、コスモスしか出せないよ。」 自分には、「手からコスモスを出す」ことができた。 「あとねー、つちにむかってだすとねー…」 手から出すだけでなく、コスモスを生やすこともできた。 昔はよく、手からコスモスを出して遊んだ。 自分もそれを、心から素晴らしいと思っていた。
ある日、友人が「手からコスモスを出せる」と教えてくれた。 あの花、コスモスって言うのか。 すごい綺麗だった。 "友人"によく似て、とても綺麗だった。 俺以外に、知る奴はいないだろう。 俺にだけ、教えてくれた。 二人だけの秘密だ。 これは俺だけのものだ。 決して誰にも譲りたくはない。 せっかくのかわいいかわいいヤツを、手放してたまるものか。 俺はアイツが好きだ。 …なーんて、言ったらどう思うかな。 だけど、ずっと俺のそばにいてくれよ。 彼女なんて作ったら許さないからな。