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第2話:脳内魔神の恋愛会議(※全員ピントがズレている)
誰かさんのサブアカウント
「……はぁ。お前たち、いい加減にしろ」
王城の一室。
用意されたふかふかのソファに深く腰掛け、レオンはこめかみを指で押さえていた。
ついさっき、宿敵であるはずの王国と「不可侵条約(という名のルル接待期間)」を締結した。
宰相のオズワルドが「ルル様がレオン様と毎日一緒にクッキーを食べたいと仰っている! 和平じゃ!」と涙を流して即決したからだ。
これで一応、戦争は止まった。
だが、レオンの胃の痛みはここからが本番だった。
『フハハハ! 案ずるなレオン王子! 我らソロモン72柱の魔神が、主様の恋路……もとい、世界の平和のために最高の知恵を授けてやろう!』
脳内に直接響く、やたらとエコーの効いた男の声。ソロモン序列1位の魔神バアルである。
『……やかましいわバアル。我は別に、この人間の若造に恋などしておらんと言うておるじゃろ!』
続いて響くのは、最高神にして堕神アスモデウスの声だ。
昼間、ルルの体を乗っ取ってレオンに手を掴まれた彼女は、今も脳内の精神世界で顔を真っ赤にしてフンスフンスと鼻息を荒くしている(気がする)。
『お言葉ですが主様(のじゃ様)、昼間の心拍数の急上昇、あれは完全に“恋(ガチ)”の動きでしたよ?』
チャラチャラした声で会話に入ってきたのは、恋愛を司る魔神ゼパルだ。
『ゼ、ゼパル! 不敬であるぞ! あれは……その、急に手を掴まれて驚いただけで……!』
「おい、神様だか悪魔だか知らんが、俺の脳内で痴話喧嘩をするな。それより、どうすればあのポンコツ女王の心を『幸福』で満たせるのか、具体的な案を出せ」
レオンが脳内に向かってツッコミを入れると、魔神バアルが自信満々に声を張り上げた。
『うむ! やはり女を喜ばせるなら【生贄】だな! 隣国の小国の心臓を3つほど捧げれば、ルル女王も「キャー! 素敵!」と大喜び間違いなしじゃ!』
「物騒すぎるわ! 悲鳴をあげて世界が滅びるだろ! 次!」
『では【力】を見せつけるのはどうだ?』
知的なライオンの顔を持つ魔神ブエルが静かに提案する。
『明日、王城の前に巨大なクレーターを作るほどの破壊魔法を放ち、強さを誇示するのです。メスは強いオスに惹かれるもの……』
「テロリストの手口だよ! 恐怖で世界が滅びるわ! もっと普通の、平和な恋愛テクニックはないのか!?」
恋愛経験ゼロのレオンは、すでに涙目だった。
頼った相談相手が全員、世界を何度も滅ぼしかけた大悪魔なのが完全に間違いだった。
すると、ゼパルが呆れたようにため息をついた。
『ハァ……これだから脳筋の魔神どもは。レオン、女の子が一番喜ぶのは【不意打ちの胸キュン】っすよ。明日ルルちゃんに会ったら、挨拶代わりにサラッと髪を耳にかけながら「今日も可愛いね」って囁く。これでイチコロっす』
『なっ……!?!?』
ゼパルのアドバイスを聞いた瞬間、脳内の堕神アスモデウスが今日一番の大声をあげた。
『な、なな何を言うておるかゼパル! そのような破廉恥な行為、我が器に断じて許さんぞ! も、もし明日、レオンがルルにそんなことをしたら……我の神力が嫉妬で……いや、怒りで暴走して世界が消し飛ぶからの! 絶対にやるでないぞ!』
「めちゃくちゃ嫉妬って自分で言っちゃってるじゃねえか! のじゃ神様!」
『し、嫉妬ではないわ! 主としての危機管理じゃ!』
アスモデウスの声は完全に裏返っており、脳内は大パニックだ。
「……はぁ。もういい、お前らのアドバイスは一秒も役に立たん」
レオンは深くため息をつき、懐から一冊の怪しげな本を取り出した。
帝国の隠密ハンスに、極秘で街の本屋から買ってこさせた『初めての少女漫画・完全攻略本』である。
「明日はとりあえず……この本にある『頭ポンポン』という技を試してみる。これなら命の危険はないはずだ」
『……頭、ぽんぽん……?』
脳内のアスモデウスが、小さく呟いた。
『それを……明日、ルルにやるのか?』
「世界を滅ぼさないための義務だからな」
『……ふ、ふん。勝手にするがよい。我には一切関係のないことじゃ……』
ふいっとそっぽを向く気配が脳内に伝わってくる。だが、アスモデウスの心音(のような神力の波動)は、なぜかトクトクと切なげに、そして激しく波打っていた。
「……明日も胃が痛みそうだな」
レオンは特製の胃薬を口に放り込み、明日の「強制初恋デート」に向けて、重い一歩を踏み出すのだった。
明日テストなのにワーク終わっていないのに小説投稿している件について((
以上です。
作者情報落とします。
作者は学生です。
女性です。
質問あったらファンレター等からドウゾ((
では!