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友達作り㉔みんなで円を!
星
次の日の放課後。私たちは、佐藤くんをあの薄暗い「秘密基地の廊下」に呼び出した。佐藤くんはポケットに手を突っ込んだまま、不機嫌そうに現れた。「……何の用だよ。また俺に説教か?」その言葉を遮るように、一歩前に出たのは――昨日、一番ひどい言葉をぶつけられて泣いていたモモちゃんだった。モモちゃんの手には、新しいトランプと、可愛い手書きのカードが握られている。「佐藤くん。これ、受け取って」モモちゃんは真っ直ぐに佐藤くんの目を見つめた。「私ね、奈々ちゃんたちから佐藤くんの話をたくさん聞いてたの。ぶっきらぼうだけど優しくて、みんなのことが大好きな、大切な友達だって。……だからね、佐藤くんが戻ってきてくれて、本当に嬉しかったんだよ」「……え?」佐藤くんがハッと息を呑み、目を見開いた。奈々もモモちゃんの隣に並び、佐藤くんの目をじっと見つめる。「佐藤くん。モモちゃんは、佐藤くんの居場所を奪うためにグループに入ったんじゃないよ。佐藤くんがいない間も、みんなで佐藤くんの話をして、ずっと待ってたの。新しい友達が増えたって、佐藤くんが私たちの『宝物』であることは、一ミリも変わらないんだよ!」「お前がいないトランプなんて、なんか物足りなかったんだからな」後ろから李央くんがニカッと笑い、空ちゃんやカナちゃんも大きくうなずいた。みんなの温かい言葉が、佐藤くんのトゲトゲした心を、ゆっくりと、でも確実に溶かしていく。佐藤くんはしばらく黙って俯いていたけれど、やがて、その肩が小さく震え始めた。「……わりぃ。俺、本当に最低なことした」佐藤くんは顔を真っ赤にして、モモちゃんに向かって深く頭を下げた。「モモちゃん、ひどいこと言って本当にごめん。俺、向こうの学校でなかなか友達ができなくて、寂しくて……。なのにみんなが新しい友達と楽しそうにしてるのを見たら、俺のことなんか忘れちゃったんじゃないかって、不安で、嫉妬して……八つ当たりしちまった。本当にごめん」その言葉を聞いて、モモちゃんはパッと満面の笑顔を咲かせた。「ううん、もういいよ! 謝ってくれてありがとう!」奈々は嬉しくなって、みんなの手を引っ張った。「よし! 仲直りできたところで、今回のタイトルは『みんなで円を!』だよ! 全員で、大きな丸い輪っかを作ろう!」「えっ、こう?」カナちゃんが隣の手を握り、モモちゃんと佐藤くんの手が繋がっていく。奈々、ゆい、李央くん、空ちゃん……。全員が手を繋ぎ合って、秘密基地の廊下に綺麗な、大きな「人間の円」が出来上がった。「佐藤くん、私たちのグループへ……おかえりなさい!」奈々が叫ぶと、「おかえりー!」というみんなの声が廊下に響き渡った。「……おう。ただいま」みんなの真ん中で、佐藤くんは照れくさそうに、でも今までで一番嬉しそうな、最高の笑顔を見せてくれた。ちぎれてしまいそうだった絆は、新しく増えた仲間のおかげで、前よりもずっと大きくて、絶対に壊れない、強くて温かい「円」になったのだった。