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理科好き望月くんは猫である。①
sakura
エ〇じゃないよ・・・
僕は、家の都合でよく転校をする。でも、今回が最後の転校かもしれないらしい。
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主人公
望月うさぎ いつもはシャイだが、寂しくなると甘えてくる。
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「では、望月くん自己紹介をお願いね。」
「はい。嘉拿李椰《かなりや》高校から来ました。望月うさぎです。理科が大好きです。よろしくお願いします。」
「では、何か質問がある人。」
「はい!こんちは!鼠我ミケでーす!もっちーが好きなモノは?」
マジかこいつ。一瞬であだ名付けやがった。嫌いなタイプ・・・
「えっと・・・本とか、イヤホンとかです。国語と音楽が好きだからです。ボカロとかをよく聴いています。」
あ、ヤバ。ヲタクって思われる・・・
「へー!いつかボカロ聞かせて!」
「鼠我さん!もう後で話しなさい!」
「はーい」
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ふう、やっと一人になれる。
僕は、昔から人を信用していない。昔から裏切られてきたからだ。赤ちゃんの頃には両親に捨てられ、買われて今生きている。そして、小学生の頃には虐めを受けていた。そして、中学生の頃にはギャルに虐められていた。僕のように虐めがずっと続く人は他にもいるのだろうか。
勉強は裏切らない。だから僕はひたすら勉強した。音楽も、ボカロしか聞かない。
最近好きなボカロは桜音サクだ。あの心地いい歌声はいつ聞いても飽きない。
そんな感じで一息ついていると、
「やっほー!もっちー!」
と元気で、思い出すだけで腹が立つ呑気な声が聞こえた。やはり、鼠我ミケだ。
「何の用ですか?」
問うと、
「さぁ?わかんない!でも先生が後で話せって言ったから。」
馬鹿なのか?あれは任意だぞ?日本語もわからないのかコイツは。
「ま、いいけどさ。ボカロ聴かして。おススメある?」
「うn・・・はい。最近は『ハッピーを君に』が好きです」
「へー!初めて聞く!というか、同い年だよ?タメ口でいいんだよ?堅いってwww>▽<」
「あ・・・うん。」
なんなんだ。この気持ち。嫌いなはずなのに、心を許せる・・・って!そんなわけない!絶対違う!
「鼠我さんはなんて読んで欲しい?」
「うーん・・・みんなからは『ミケ』って呼ばれてる!」
「へーわかった。ミケ。」
・・・なんなんだ。口が勝手に動く。
嗚呼、そうか、この人が僕が心を許せる人なんだ。ちょっと、心がフワッと軽くなった気がした。
これは1巻っていう予定です。2巻は・・・いつかです。