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十五
瑠美「こうなってたんですね」
恵麻「ただ通路が続いてるだけみたいだよ」
文彦「研究棟って書いてあったから、ここのどこかに被害者が閉じ込められてる?」
八雲「使われてない檻がたくさんあるね」
瑠美「うーん・・・あ!」
瑠美は一つの檻に駆け寄った。
瑠美「まこちゃん!大丈夫⁉︎」
?「瑠美!なんでここがわかったんだ⁉︎」
瑠美「ここの近くの井戸に落とされたの。そしたらたまたま入り口のヒントを聞いて・・・」
碧「ダレ?」
誠「私は|桜庭誠《さくらばまこと》だ。瑠美の中学からの親友でね、ヘマをやって捕まっちまったんだ」
瑠美「今助けるから!待ってて!」
誠「鍵は4桁のパスコードで開くはずだ。監視員から奪ったヒントがある。これを解読してパスコードを導き出してくれ!」
最初の一桁は5以下
二桁目は偶数
三桁目は2乗の数
四桁目は素数
最初の二桁はその二桁を足した数と三桁目をかけた数
最後の二桁は素数
真ん中の二桁はは2乗の数
四桁を全て足すと20
同じ数字と0は入らない
瑠美「難しすぎない⁉︎」
文彦「とりあえず当てはまる数字をメモしよう」
八雲「一桁目の数は5から1のどれか、二桁目は2468のどれか、三桁目は149のどれか、最後は2357のどれかだね」
恵麻「やばい、全然わかんねぇ」
碧「アタママワラナインダケド」
文彦は黙ってヒントを見ている。そしてきっかり10分後。
文彦「解けた!」
瑠美「え⁉︎」
恵麻「はやっ」
八雲「早すぎね?」
文彦「3647!皆計算して確認してみろ!」
文彦がその数字を入れると、ガチャリと音がして鍵が開いた。
瑠美「まこちゃん!」
誠「瑠美!」
2人はしっかり抱き合って喜んだ。
誠「あんた達が助けてくれたのか。ここを見つけてくれたこと、心から感謝する」
誠は深々と一礼した。瑠美もそれにならい、ぺこりと頭を下げる。
誠「ここは恐ろしい人体実験施設だ。私も出来る限りこの施設について調べてみたんだが、この街にある各施設の収監者のリストが出てきたぞ。あんた達の知り合いもいるかもしれない、確認するといい」
誠がくれたリストには、100人近い人の数が書かれていた。
文彦「『竜王明希』・・・。これ、じゃっぴの妹じゃない?」
八雲「芳井麗・・・!この子nakamuの後輩だ!」
碧「花海果林、レウノイトコダネ」
恵麻「知らない名前もあるけど、どこに何人囚われているかわかったね」
誠「収監者をさっさと助けるぞ」
誠は先立って歩き出した。
今回の登場人物
桜庭誠(さくらばまこと)
瑠美の中学からの同級生。17歳。男らしい言動が目立つ女の子。
竜王明希(りゅうおうあき)
大和の行方不明だった妹。18歳。どこかの施設に収監されている。