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実力主義の世界で俺は‘大罪’を否定する #2
翌朝、俺は学校へ向かっている。
一応学生なんでね。まぁ、実力主義の学園ではあるが。
・・・なんか視線がするな。おそらくは昨日のツレの奴らのだろう。はっきり言って鬱陶しい。
走って撒くか。そして俺は強く踏み込んで、その場を走り去る。
ふぅ。撒けたか? で、学校着いた。
いうて同じ学園の生徒ではあるため、意味はなかったのかもしれない。
その場しのぎではあったが。
「おはようさん」
後ろから頭を叩かれながら挨拶された。
振り向きながら俺は返す。
「おはよ。毎度言ってるが、頭叩くな」
「嫌だよ」
「なんでだよ」
「だって揶揄いたいじゃない?」
「あっそ」
そこには、この学園で唯一仲のいい水瀬 心姫が立っていた。
「で、何か用か?」
「用がなかったら話しかけちゃダメなの?」
「別に、ダメではないが」
「ふぅん〜?」
ちょっとウザいな。
俺は足速とその場を去る。
後ろから声がするが無視する。
「全員いるか?」
授業始まり、開口一番に先生は言う。
いない状態で始められないだろ。周りはシンと静かになる。
「よし、いるな。いなかったとしても自業自得だ」
おいこら、後者の言葉は理不尽じゃないか?
先生がそれを言い終えると同時に、どこかへ転送される。
島、か? おそらく、どこかの島へと飛ばされたのだろう。
あたりを見回してみると、困惑している生徒が多数いた。
何だろうな、と辺りを見回していると、どこかからか声が聞こえた。
『あー、あー。聞こえてっか?』
この声・・・学年主任だな。
学年主任の声があたりに響く。・・・いや、どうだろうか。
『んじゃ、話すぞ。お前ら一年共は今日から一週間、この|島《・》で過ごしてもらう。誰かと協力するのもよし。一人で解決するのもよし。大事なのは生き延びることだ。あ、先生一人はいてもらうから安心しろ。後は頑張れ』
最後煽ってきやがったな、あの野郎。
・・・おそらく生徒に一人は、大罪所有者はいるだろう。それを相手にするとなると、少しめんどくさいな。
「ねー、何してんの」
心姫が後ろからそう言いながら攻撃をしかけてくるが、軽々とそれを避ける。
「攻撃はすんなって前言ったよな?」
「えー? そんなこと聞いてないよー?」
こいつ、覚えてるな絶対。
「お前はどうするんだ? 俺は一人で十分だが」
「一緒に行動するに決まってるじゃん。まさか、こんなか弱い乙女を一人で戦場に立たせるとでも!?」
「そこまでは言ってないだろ。それにか弱いってなんだ。全然か弱くはないだろ」
「か弱いよ? か弱い乙女ですが何か?」
若干圧をかけながら言われる。
「あー、はいはい。か弱いデスネー」
俺は適当に受け流した。
「一緒に行動するなら、それ相応の働きはしろよ?」
「はいはーい」
絶対やらねぇな、こいつ。
ふと周りを見渡すと、動き出している者が数名いた。そろそろ俺らも動かないとな。
そして俺は心姫と一緒に行動するのであった。