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第七話 懐かれたようです……?
やっと更新できました、!毎回毎回最新話更新が遅くて本当に申し訳ございません🙇
良ければ読んでみて下さい…!
「……よし、じゃあ説明してもらおうか?」
私たちは今、荒らされていた部屋で会議を開いている。
《荒らされた》、と過去形なのはこんなことがあったからだ。
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「話し合いするのに場所を移そうか……」
レンさんがそう言ってこの荒らされた部屋を出ようとする。だが、
『えー……この部屋じゃだめ?』
魔物の1人──赤い毛並みの子がそう言って唇を尖らせる。
「は?……このぐちゃぐちゃした部屋じゃ落ち着いて会議もできないだろ」
「お前らが荒らしたんだろ……」という目で魔物を見るレンさん。
『あ……僕たちはこの部屋でもいい。森の中みたいな感じで、落ち着く。けど、ニンゲンはそうはイカナイのか……』
何かに納得した様子でもう1人の魔物──青い毛並みの子が言う。
『あ、それなら俺に任せてよ!』
ドヤ顔で名乗り出たのは、全体的に黒いけど、顔の周りが白い魔物。
『ーーー』
……ん?
「あれ、誰か今……何か言いましたか……?」
サツキちゃんが戸惑いながら問う。
なんか……言葉にできないけど、確かに何か聞こえた様な気がする。
『今のは魔物が魔法を使う時に唱える呪文だよ。心の中で唱えても発動はするけど、声に出すと効果が強まるんだ』
青い毛並みの子が教えてくれる。
「へー……」
……今更ながら、異世界って不思議で溢れてるなと思う。
……ん?
「今、魔法って言った?え、部屋の中で魔法使ったの?大惨事にならない?ただでさえ荒らされた後なのにこれ以上荒らされたら困るよ?!」
私は慌ててそういうが、直後に魔法が発動した。部屋の中に光が充満する。眩しくて目を瞑る。
『目、開けていいよ』
黒&白色毛並みの魔物の声がして私は目を開ける。
──そこには、綺麗な整理整頓された部屋があった。
「えっ」
サツキちゃんはそう声をもらして驚いている。
レンさんも少しだけ目を丸くしている。
私といえば口があいたまま閉じてくれない。
「え、何したの??」
『部屋を荒らす前の状態に戻したんだよ?』
青い毛並みの子がケロッとしながらいう。……ていうか荒らしたって自覚あったんだ……?
『これでニンゲンも落ち着くだろ?』
黒&白の毛並みの魔物はえへん!と自慢げにこちらに顔を向けてくる。
『じゃあ、ここで、会議始める?』赤い毛並みの子がレンさんに問う。
「……ぁ、ああ、そうだな」
レンさんは気を取り直してそう言った。
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「で、じゃあ説明をしてもらおうか」
改めて、魔物達に向かってそう言い放つレンさん。その顔は少し疲れている。
「また王に事情を説明に行かないといけないのか……はぁ……」
なんて呟きが口から漏れていたのを私の耳がキャッチした。……ご迷惑おかけします。
「ヒリ」
「はいっ?」
「魔物に懐かれる心当たりは?」
「……全くないですねぇ……」
強いて言うなら、異世界転移特典、とか?
「じゃあ、そこの魔物3人」
レンさんは私から魔物に視線を移す。
そこからはもう質問責めだ。ここからはわかりやすく省略しよう。
……以下、赤い毛並みの子→赤、青い毛並みの子→青、黒&白の毛並みの子→黒となっております。
--- Q.何故ヒリに懐いたの? ---
--- A ---
赤『いい雰囲気がした』
青『そうそう。なんかよかった』
黒『魔物を寄せ付ける何かを感じた!』
--- Q.何故部屋を荒らしたの? ---
--- A ---
赤『私たちはニンゲンの匂いにつられてここに来た。魔法で部屋に入ったはいいものの肝心のニンゲン
見当たらなかった』
青『でもニンゲンの匂いしたから』
黒『どこかに隠れてるのかと思って、魔法とかで物を退けたりして探してた』
--- Q.ヒリのどこに惹かれたの? ---
--- A ---
赤、青、黒『『『ヒカリの気配がした』』』
---
……光の気配?……なにそれ?
「ヒリ、心当たりは?」
ちょ、レンさん、顔がちょっと怖いです!
「いや、そう言われても、な──……」
ない、と言いかけた時、一つだけ思い出した事があった。
「……もしかして、私の使える魔法?の事?」
確か、鑑定士が言ってた、『光を舞わすだけの能力』だっけ?
私は一瞬集中して、光を出す。
「これ?」
『『『そうそれ!』』』
どうやらあたったらしい。
『魅惑の光ぃ!』
『あー、いいー』
『いやぁ、良い……』
同じ様な事を言いながらはしゃぐSランク級の魔物三匹。
なんか……可愛いな、と思ってしまった。
「で、でもこの光はただ光るだけのものでしょう?」
『え、チガウよ?』
『それ、魔力の塊。僕たちの食糧になる』
『うん。美味しそうだなぁ!』
やはりよくわからないことを言う三匹。
「……詳しく説明してくれるか……」
もう何かを諦めた様にそういうレンさん。
すると、サツキちゃんが口を挟む。
「あ、あの……こんな時にすみません……ですが、先ほどから見ていると、欲が……。あ、あの!魔物さんたち!撫でてもいいですか!?」
勇気を出して魔物たちに言うサツキちゃん。健気。
『『『いいよー』』』
あっさりOKが出た。
「や、やった……!ありがとうございます!」
サツキちゃんは遠慮なくモフる。
……なんか一気に癒されたわ。
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サツキちゃんに撫でられながら魔物たちが説明してくれた内容をまとめると、こうなる。
「つまりヒリは魔法を使う時に必要とされる魔力量が半端なくて、光の粒はその魔力を放出する魔法で、魔力が餌の魔物の食糧にピッタリだ、ということか……」
レンさんが言うには魔物は人間で言うところの朝昼晩の食事全部が魔力なのだと。
ただ食事(魔力)を得るためには人間から魔力を分けてもらったりする必要があるらしい。
昔は人間と魔物が共存していたため魔物も食事に困らなかったが最近は何故か魔物と人間は敵対しているため、魔物は人間を襲って|食事《魔力》を補充する。ただ襲われた人間は魔物に反撃する。
簡単に言うと終わらぬ喧嘩というわけだ。
「……つまり私は最高の食糧の持ち主なの?」
『『『そうそう』』』
……なるほど?
『つまり私たちをここに住ませてほしいな〜』
『お願い⭐︎』
『これからよろしくお願いしますー』
「え、ちょ、勝手に決めないで……」
「ヒリさん、この子たちの毛並み、ふわっふわです……」
私は反論しようとした。けれどサツキちゃんは多分無意識だろうけど私に否定させまいと言葉を被せてきた。多分本人はそのつもりはないのだろうけど、私はウッとなった。
「……レンさん」
「……王に交渉してくる。…………魔物たちに名前でもつけてやれ」
私はレンさんの方を見る。するとそんな答えが返ってきた。多分「勝手にしろ」って感じの意図だと思う。有り難い。
レンさんがこの部屋を出ていったら、私は早速名前を考えた。
「じゃあ、赤い子はレイで青い子はリーフで黒い子はフランでどう」
まぁ思いついたのを適当に言っただけだが、『『『良い!』』』と思いのほか大絶賛だった。
1時間後、レンさんが「許可取れたぞ……」と疲れたオーラを放ちながら返ってきた。
「魔物が現れたって……説明むずすぎだろ。ヒリが来てから色々ありすぎだ」
またまたそう呟いていたのが聞こえた。本当、なんかすみません。
ともかく、サツキちゃんも魔物たちの毛並みを気に入ったみたいで、一緒に住めると喜んでいた。
……疲れたからもうこういうことが起こらないといいな……。
今回はすごく長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
烏音様のレーナ、次の回くらいで登場できると思うので、もう少しお待ちください…!すみません🙇
もう一度、感謝を述べさせて下さい。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!