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3話 学校までのミチノリ
ゆずれもん
()の中は思ってることです
馬車に乗っている途中、スノーウィーは一段とワクワクしていた。
馬車の中では、クラシックのような音楽が流れ出した。街の雰囲気にとても合っていた。
目はとてもキラキラしていて、見たことのない服、見たことのないお店、全部に興味を持ったようだった。ただ何か思うところがあったようで、窓を開けていた。
その隣でスノーウィーとは真逆の顔をするオペラ、彼女の過去に疑問を持ったようだった。
当の本人は何も気にしていないようだった。
街中を走ったかと思えば、街外れに出たり、街に進んだりを繰り返して数十分が経った頃、
スノーウィーはふと気づく、
「あの、オペラさん、私たちずっと同じ場所を走っていませんか?」
「そんなわけないと思うけどなぁ」
「さっき見たお店があそこに見えるんです」
「似たようなお店と間違えてるんじゃない?」
「絶対同じお店です」
「どうしてそんなことが言えるのさ」
「あのお店のショウウィンドウに石を投げて窓を割りました、でも周りの人は怒るでもなく普通に会話しています」
「窓割ったら、分かるか」
オペラは怪しそうに笑って言った。
「どういうことですか、何か仕組んでますか?」
「君は知ってるかどうか知らないけど、この世界には特定の力を持つ人間がいるんだよ」
「オペラさんはまさにそれだと?」
問い詰めるように言った
「そうだよ、ここから脱出できるかな?」
スノーウィーは思考を巡らせた
状況を整理することから始めた
今の現状は、ずっと同じ場所を走り続ける馬車
割れた窓を見ても何も言わない、気づかないような周りの人達
(とするなら、周りの人たちは本当に人間なのか?何かの能力の類だとしてどんな能力の可能性が出てくる?)
「オペラさん、馬車を停めていただくことってできますか?」
「できるけど」
スノーウィーは馬車から降りた
そして、馬車の先頭を見た、やはり運転手はいなかった。
(居ない、となるともしかしたら馬車で走っていること自体がダミーだった?能力とやらでどこまでできるの?)
馬車から顔を出したオペラは挑発するように
「分かった?」
と言った
馬車からはまだ音楽が流れていた。ずっと同じ主題が繰り返し使われている。
「その音楽、止めていただけますか?」
「げ、バレたか笑」
うっかりしたような顔をするオペラ
「ええ、分かりました」