イラストレーターになるため、プロの漫画家・猪野のアシスタントになった、羅希(らき)の話。
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目次
お仕事の始まり
【主人公の設定】
凪海 羅希(なぎうみ らき)
中学2年生
将来の夢はイラストレーター
私はスキップで家を出た。
今日からイラスト学校の実習!
プロの漫画家さんのお手伝い!やった!
私は持ち物の書かれた紙を見ながら漫画家さんの家に向かうための電車に乗った。
私がお手伝いするのは人気少女漫画家の《《みぅむぅ》》さん…。
みぅむぅさんの作品は私もよく読んでいて、絵柄が好きで作品がアニメ化された時もずっと見ていた。
どんな人だろう!?きっと可愛らしい人なんだろうなぁ。
色々な想像をしていたら電車がみぅむぅさんの家の最寄り駅に到着した。
---
ピンポーン……
私が緊張して震える指で押したインターホンは家の中に響いている。
ガチャ。
出てきたのは、20歳くらいのぶかぶかのパーカーを着た若い男の人だった。
「あ…の…」
「んーー…あぁ、今日初日か。とりま入って」
その男の人はダルそうに背伸びをしてドアを大きく開いてくれた。
(この人がみぅむぅさんじゃないよね…?弟さんかな…)
男の人に付いていくと、お仕事図鑑で見たような、漫画家さんの仕事部屋に入れられた。
「じゃ、今日から…2ヵ月くらいか、よろしく」
ん?よろしくってことは…。
「みぅむぅさんですか!?」
私は思わず身を乗り出して訊いていた。
「はぁ?俺だけど?」
え……え!?
私の脳内にあった可愛いらしいハーフアップのアニメキャラみたいなみぅむぅさんはガラガラガッシャ―ンと崩れ落ちていった。
お久しぶりです。
部屋の隅の○○○○
主人公・凪海 羅希(なぎうみ らき)
プロ漫画家・みぅむぅ(猪野)のアシスタントをしている。
「じゃ、早速ここのホワイトと消しゴムかけよろしく」
「えっ、あっ、はい!?」
もう作業!?普通もうちょっと自己紹介とかしない!?
私は心の中でそう叫びながらさっそくホワイトと消しゴムを持った。
「おい」
私は少し低い声に肩を震わせた。
「もう少し強く紙を抑えて消しゴムをかけろ、紙にシワが…」
「はいィっ!!」
うぅ……厳しいよぉ…。
でも。
私は猪野先生が作業している机を見た。
背筋を伸ばして良い姿勢であるのに熱中して、集中して描いている。
「おい?」
ギクッ。
「手を動かせ」
私はよそ見をなんとか誤魔化そうと、部屋の隅にポツンと置かれているトランクについて訊いた。
「あ、あれを見てて…何ですか?」
猪野先生は面倒くさそうに首を掻きながら答える。
「あー…じいちゃんからのプレゼントだ」
「何が入っt」
「早くしろ」
「…はい」
私は再び手を動かす。
中身気になるんだけど…。