編集者:˚₊⭑‧꒰ა 𝙼 𝙰 𝚂 𝙸 𝚁 𝙾 ໒꒱ ‧₊⭑˚
日替わりお題を気が向いたら短かく書きます。
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目次
2/16 悪魔とカントリーロード♪
〜日替わりお題に挑戦〜
砂糖田郎|《さとうたろう》
一介のサラリーマンとして特筆すべきことのない人生を送ってきた。
40代も後半に入り独り身ではなにかと寂しくなる。
そんなある日だ、悪魔が来たのは。
「契約違反ですね。砂糖さんは死んでもらいます。」
悪魔と契約した覚えのない俺は安いコンビニ飯を食べながら深夜帯2時に人様の家に現れた小人のような男の子をみた。
「そんな契約をした覚えはありません。誰です?」
「悪魔です。人間はぼくのこと怖がりがちなんですけどあなたは違いますね。まあ、どうせ今から死ぬので意味ないですけど。」
すこしムカっとしたので睨みながら記憶を探る。
「ちょうど15年前です。あなたはキーパーソンである子供を交通事故から守りました。その時にあなたの元に現れてその男の子に金輪際関わらないと契約しました。」
15年前、そんなことがあった気がしてきた。そういえば珍しくヒーローのようなことをしたのだ。
「本当ならその子供は将来世界を滅ぼすであろう子供であの時に死ぬ予定でした。ですがあなたが助けてしまったので予定が狂いこのまま世界は滅亡します。」
「はい…?」
なぜ善行を責められているのか…
「もし俺が助けたならその子はそれをありがたがって良い方向に更生とかは…」
「ないですね、記憶は消しました」
それが戦犯じゃ…とは思いつつそんな子にあった記憶がないので聞いてみる。
「だとしても、俺はそんな子と会った覚えないんですが。」
「昨日ですね。電車で隣の席に座っていて寝落ちしていたので終点で起こしてあげましたよね。彼です。」
「はぁ…?それはどうしようもないですよ。」
「でも契約違反なので死んでもらいます。」
「そんなメチャクチャな!」
「じゃあ、あなたが死んで悲しむ人がいるとでも?あなたが死ねばもう一度不慮の事故として世界を滅ぼす彼を抹消できるんです」
「どんな原理なんですか!そんなことのために死んでたまるか!」
「あなた1人の命と世界、天秤にもかけられません。」
なんてことを言うんだ。でもなんとも言い返せない。彼女なんていたこともないし特段仲良い友達もいない…そうだ!
「いますいます!俺が死んで悲しむ人!俺の母です!」
「はぁ…。でもリミットは後二十四時間ですよ。何をするんですか?」
「どんなに俺が死んだら困るか母に聞けばわかるはずです。そしたら悪魔やら神やらも思い返してください。」
「まあ。いいでしょう。情けをかけてあげましょう。僕には人間というものが理解できませんね。公共交通機関は僕がついて行きにくいので禁止です。二十四時間で帰郷できますか?」
どこまでも上から目線な男の子の自称悪魔はふわふわと漂っていた。
ただこの世にそんなに執着があるわけでもない。母だけが心残りだ。
別に希望がないわけじゃないが、死ぬと思って母に会って貯金で親孝行しよう。
奮発して新幹線と言いたいところだが交通公共機関の禁止をくらい歩いて故郷に帰ることにした。他県だが数時間頑張れば着くだろう。
死を前に楽観的になった俺は鼻歌を歌いながらアパートを出て田舎に向かう。
契約違反で明日死ぬ俺と悪魔は滅びゆく世界で故郷への道を歩いて行った。
特にオチはないですね、笑笑
私は間に合わなかった
こういう一夏の恋と愛する人が死んじゃう系好きなんですよね。
エモい!
ここにミステリーとタイムワープが加わると傑作です!!…と思いませんか?
夕立のあとの空は、疲れた薄い青をしていた。
---
あの人は、一途だった。
誰が見てもわかるくらい、まっすぐで。
私だけを見ていることを、隠そうともしなかった。
「また連絡するね」
「無理しないでね」
何気ない言葉の端々に私のことを思っているのが伝わってきたのに、
私はいつも、笑って、軽く受け流してしまった。
本気にしたら、怖かったから。
---
「夏が好きなんだ。終わりがあるから」
溶けかけのアイスを渡しながら、彼は言った。
その横顔は、真剣だった。
「終わるってわかってるとさ、大事にできるじゃん」
あのとき私は、冗談めかして答えた。
「なにそれ、ポエマー?」
好きって言われる前から、わかっていた。
あの人が、私を好きだってこと。
でも、言葉にした瞬間に壊れてしまいそうで。
軽い関係のままなら、失わずに済む気がして、自分が傷つかずにすむようにずるいまま黙っていた。
電話が鳴ったのは、蝉も命が尽きる前に精一杯ないていた午後だった。
事故だったという。
あっけなくて、現実味がなくて。
「え…?」
病室で見た彼は、眠っているみたいだった。
今にも目を開けて、「やあ!」なんて笑いそうだった。
その手に触れたとき、やっとわかった。
冷たい手は「終わりは、本当に来る。」と語っていた。
---
「終わるってわかってるとさ、大事にできるじゃん」
どうして、あのとき。
どうして私は、ちゃんと好きって言わなかったんだろう。
四年経った今も、夏になると息が詰まる。
別の誰かと歩いていても、笑っていても、ふとした瞬間に思い出す。
くしゃっと顔を歪めてちょっと困ったみたいな笑い方。
私の小さな変化にすぐ気づくところ。
何度も言いかけて、私を困らせると思ってやめた「好き」。
あの人は、一途だった。
きっと、最後まで。
伝えきれなかった想いを抱えたまま、
それでも、私を好きでいてくれた。
それなのに私は、
好きだと知っていて、何も返さなかった。
気づいたら何も残ってなかった。
彼をあっけなく失ってしまった。
---
今年も、コンビニで同じアイスを買う。
ひと口かじると、甘さが胸に刺さる。
ねえ。
あのとき、ちゃんと好きって言えていたら、
何か変わったのかな。
たとえ結末が同じでも、
あなたの最後の夏に、私はちゃんと隣に立てたのかな。あなたを笑わせてあげられたのかな。あなたは心残りはないの?
溶けたアイスが指を伝う。
今さらすぎるこの言葉は、
もう届かない。
「好きだったよ」
もう間に合わない。
夏の空に向かって、そっとつぶやく。
あなたが一途だった分だけ、私は後悔する。
「終わりがあるから、大事にできる。」
その意味を、私は1人の夏にやっと知った。