編集者:霄川 饗
主人公「蔵本 標」は、ある日図書室で本を読み漁っている時、栞の裏に一言メッセージを見つける。その日常の栞一枚一枚が、彼の卒業へ導いていく。
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目次
本の間の雑記帳
初めて誰の手も借りずに書きました。
案は貰いましたけど(チャッピーに)
文字数少ないな…
拙いですけど、100話書くつもりです。
暇潰しにしてもらえれば。
彼、|蔵本 標《くらもと しるべ》は暇をしていた。
頁を捲る音だけが響く。
放課後の図書室は静かだ。
司書は珍しく帰ってしまっていた。
本棚の周りを歩いていると、あるタイトルが目に入った。
「しょくざい」
つい、手に取ってしまった。
昨日までは無かったはずだ、貸し出しされて返ってきたのかな?
そう思いながらパラパラと本を開く。
**バサッ**
何かが落ちた。
しゃがんで拾い、ここでは読みにくいな…と思って座る。
拾ったものは、栞だった。
手作り感の溢れる、ピンクの厚紙。
ところどころにシールが貼られている。
裏返してみると、小さく文字が書いてあることに気づいた。丸い字で、変に飾らない一言。
「ごめんなさい。」
掠れていた。消しゴムで何度も消した跡。
シャー芯の食い込んだ小さな傷。
見てはいけないものをみてしまった気がして、栞を挟み直して閉じた。
その日は、お母さんが変に優しかった。
その短冊の行方は
僕はその日も図書室にいた。
昏く、分厚い雲に覆われたその部屋は、
普段から人が少ないこともあってか秘密基地のように感じられた。
カーテンは薄く、外の様子は簡単に見ることができる。
ふと、カレンダーに目をやった。
可愛い丸っこい字で「今日は七夕!」と書いてあった。
なぜこんなものが目に止まったのだろう。
普段はバレンタインもホワイトデーもこどもの日も、
特に気にしたこともなかった。
今日もいつもと変わらない日だと、そう思っていた。
しばらく気になっていたのだが、そんな些細な疑問はすぐに打ち消された。
読み終わったはずの一角、そこの一つの本棚に見慣れない本があったのだ。
その本はとにかくカラフルな七夕の歴史についての本だった。
パッと見は分厚いが、中身は薄め。
青や紫系の表紙と裏表紙、黄色い星々ピンクの織姫、黒い彦星。
織姫は可愛らしく、クラスの学級委員長に似た顔のはっきりわかる女の子。
対して彦星の服は真っ黒で、特に綺麗な装飾品もなく平凡で記憶に残らない男の子。
僕は何を思ったのか、その本をゆっくりと開いてみた。
しばらくはなんの感慨もない前置き、
そして七夕の風習や概念の説明がたらたらとされている。
すると中盤に差し掛かる辺りで、ビリビリに破られたページが数枚あった。
この程度の損害は、図書室には良くあることだ。
誰かの妹か弟、それとも悪意ある幼稚な生徒がやったのだろう、と
その時は特に気にせず読み飛ばしていた。そして、あるページで手が止まる。
それは白紙で、可愛らしいマスキングテープが
栞……ではなく、短冊をそのページに縫い留めていた。
いかにも幼女が使っていた形跡の強いこの本は、よく見るとところどころ黒い。
もしかしたら、誰かの妹ら辺が持参して置いて行った本を、
誰かがここの本と間違えて仕舞っていたのかもしれない。
そんな仮説を立てながら、短冊を剥がしてみた。
どうも内容が気になって仕方がなかった。裏返しに貼られていたせいもあるだろう。
『おとおさんがしにませんように。くろまと しる』
なんとも不吉な内容だ。
父が病弱なのかもしれなかった。
名前はよくみても判別できないほど書き直されていた。
「ま」は左右逆に書かれているし、「る」は上下も逆である。
後から確認すると、この本にはバーコードがない。
やっぱりここの私物ではなかった。
これ以上人の私物を読むのも気が引けるし、第一内容に興味がない。
だから僕は白紙のページに短冊を丁寧に貼り直し、本を閉じた。
今日は帰ろう、と立ち上がって本を落とし物ボックスの中に入れた。
そのうちバーコードがないことに誰かが気づくだろう。
部屋を出る直前、本の整理をしていた今日の当番は
なぜか悲しい顔をして僕を見送っていた。なんとなく、あの本の織姫に似ていた。
家では、特に変わらない日が続いていた。
違うのは、お母さんが死んだお父さんの遺影を見つめていたこと。
夕飯時に僕へ「今日は七夕ね」と話しかけてきたこと。
アルバムを取り出してきて一緒に見たことだった。
アルバムの中の僕は、誰の記憶にも残らないような平凡な顔だった。
そしてツインテールで可愛い服を着ている。
なんでも、娘が欲しかったお母さんが着せたと言っていた。
理由はよくわからないが、ひどく胸の奥が痛いような気持ちが寝るまで残っていた。
ChatGPT使ってません!進歩!
プリ小説始めました。名前は同じです。
「そらがわ あえ」と読みます。
勢いのまま書いたので矛盾点や上手く伏線を張れていなかったりします。
もう少しお付き合いくださると嬉しいです。