プロセカの短編の色々をここに詰め込みます。
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目次
ニゴレンカイ 体調不良 風邪症状
KAITO(13) レンの兄。ミクの弟。ミク、レン呼び。
レン(11) KAITOとミクの弟。体が弱い。カイト兄さん、ミク姉ちゃん呼び。
ミク(16) KAITOとレンの姉。カイト、レン呼び。
2歳違いの兄弟。
さん人とも誰もいないセカイの皆ってことで解釈お願いします。似てないけど。
全員口調迷子。(ニゴKAITO兄さんのイベまだ見れてないんすよ…………)
KAITO兄さんの視点です
「ん……」
窓にかかったカーテンから少し朝日の光が漏れている。
俺はいつもより少し重たい体を起こした。
「ちっ……頭、痛いな」
まぁ、頭痛くらい大丈夫だろう。喉も痛いが、大したことではないだろう。俺はそう思い、リビングへと向かった。
「カイト、起きてる…?」
ミクの声が聞こえた。俺は「あぁ、起きてる。」そう答えた。
「カイト、レンが熱出したの…!だから薬局行ってきてくれる?冷えピタと飲み物買ってきて。お願い……!」
ミクが心配そうな声色で言う。
「解熱剤は?」
「解熱剤はあったから、その二つお願い。」
「…あぁ。わかった。」
俺はだるい体を動かし、薬局へと向かった。
一度レンの様子を見に行ったがかなりしんどそうだった。それを見ると、俺のこの頭痛や喉の痛みくらい、大丈夫かと思えた。
レンは、幼い頃から体が弱く、よく風を引いていた。おかげで看病などには慣れたのはいいものだが、自分の体調不良となると言い出しにくくなるのもあった。
「えっと…冷えピタと、飲み物か…」
ミクが渡してくれたこの二つの金額と、自分の財布も持ってきていたので、ついでに自分用に痛み止めも買った。
「ちっ……」
少しふらつくな、俺は帰り道、そう思った。思ったより、熱が酷くなってきているらしい。頭痛も酷い。歩くのが、いや、立っているのがやっとだ。そんな体調で俺は自分の家へと向かった。
足が重い。体が動かない。信号などで止まったときは近くにある体を支えられそうなものに寄りかかった。
「まずい……帰ったら寝るか。」
俺はそう呟いて、やっとのことで家にたどり着いた。
「ただいま。買ってきたぞ。」
「ありがとうカイト…!レンの部屋に、来てくれる?」
レンの部屋からミクの声が聞こえた。どうやらずっと看病していたみたいだ。
「持ってきたぞ。」
「ありがとう。冷えピタ、頂戴……」
「ああ。」
俺はミクに冷えピタを渡して、「ちょっとだけ飲み物冷やしてくる。」そう言って台所の方へ向かった。
ミクは今もしんどそうなレンにつきっきりで、俺のことなんて見ちゃいない。
冷蔵庫に飲み物を入れてから、自分の部屋に行こうと廊下に出た。
そのとき、視界がぼやけた。
「っ…!」
俺はドンッと壁に寄りかかった。
「はぁ…はぁ…げほっ、ごほ…っ、はぁ…」
立つのもやっとで、苦しくて、寒くて、歩けなくて、視界がぼやけ、ただただ壁に寄りかかっていた。
その数秒後、それすらもできなくて、俺は廊下に倒れた。
---
「ん……」
俺が目覚めたところは、自分のベッドだった。
あれ…俺は…。あぁ、そうか。レンが熱を出したからものを買いに行って……そのまま俺も倒れたのか。
「カイト兄さん……!良かった………」
「レ、ン……」
まだ頭は重いし痛いし、体はだるい。とてもじゃないが起きれる状態ではない。
「大丈夫……?」
「あぁ」
全然大丈夫ではないが。
「僕が…熱出したからカイト兄さんが…」
「レンのせいでは…―――」
「でも、僕が熱出したらカイト兄さん、自分が体調悪くても、隠すでしょ?」
「!」
「だから、僕が熱を出さなかったらカイト兄さんはちゃんと休めてて…」
このまま行ったら、更に自虐モードに入るだろう。レンは体も弱いくせにそういうところも弱いから。
「だから、レンのせいじゃない。言わない俺も俺だ。レンはちゃんと休んでろ!」
「カイト兄さん……」
お前は、俺よりも見てもらえて、心配してもらえるんだから。
「しっかり休め。早く直せ。ミクの心配モードを止めろ。だから休め。」
「…わかったよ…カイト兄さん。カイと兄さんも、ちゃんと休んでね!」
「あぁ、そうする。」
そう言ってレンガ自分の部屋に戻ってから、ミクの声が聞こえた。
「…カイト」
「ん?ミクか…」
「その、ごめん。」
「いい。体調悪いって言わなかった俺も俺だ。それに、俺に比べれば…」
レンのほうがしんどそうだった。きっとあいつは立てもしなかっただろう。
「これからは、ちゃんと言ってね…!心配だから、」
「ああ、そうする。」
「……」
ミクは黙って安心したような顔をすると、
「しっかり休んでね。」
そう言って俺の部屋から出ていった。
俺も、心配はされる…のか。
いやいや、されたところでどうなんだって話だが。
「…レンだけじゃなくてよかった。」
家族であることには変わりなく、ただの使いっぱしりにされるわけでもないと、改めてそう思えた。
---
数日後―――
「カイト兄さん!こっち行こう!」
「あぁ、レン待て…!」
「ふふふ」
俺たちは体調が回復し、久しぶりに3人で買い物に来ている。
「これ、カイト兄さんにすごく似合うと思うよ…!」
「え?あ。」
「着てみて……?」
下からキラキラとした目線が飛んでくる。俺はいいと言うしかできなかった。
「ぐっ…いいぞ」
その言葉を言った途端レンのキラキラが増した。
「仕方ないやつだな…」
「!カイト兄さん…!どういうこと?」
「なんでもない。着ればいいんだろう」
「うん…!」
---
レンは今まで通り、体調を崩す事はあるけれど、まぁ、前よりは過ごしやすくなったと思う。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
まふゆ2024Happy Birthday!!
おまふゆーーー誕生日おめでとう!!!!
まふゆSide
『まふゆ、今セカイこれる?』
奏でからナイトコードの通知が来た。
『これるよ』
『何かあったの?』
『そういうわけじゃないんだけど、またみんなでデモを聞こうって話になったんだ。』
『そっか、今行くね』
私はスマホで「悔やむと書いてミライ」を再生した。
眩しい光に包まれ、私はセカイへと移動する。
「まふゆ。」
ミクの声から出迎えられ、ふとあたりを見ると、小さめのテーブルとクッション、リボンや装飾でセカイが彩られていた。テーブルにはケーキやお菓子がたくさん置かれていた。鉄骨にリボンを巻き付けたり、鉄骨から鉄骨に横断幕を掲げている。横断幕には『まふゆ お誕生日おめでとう!』と書かれていた。
「ミク、みんな。」
「まふゆ、」
「「お誕生日おめでとう!」」
その場にいた奏、絵名、瑞希、ミク、リン、レン、ルカが言った。MEIKOとKAITOはただ黙って少し遠くから眺めているだけだった。
「ありがとう」
「それ、ほんとに思ってる?」
「思ってる…と思う。」
「なんなのよ、それ…」
「それがまふゆらしくていいじゃん!今はね!」
「たしかにそうだけど…」
「ほらほら!せっかくの生誕祭だよ?ぱーっと祝おうよ!」
「まふゆ、ここに座って」
奏でに促された席は、いわゆるお誕生日席だった。
「お誕生日席…」
「あんたの誕生日でしょうが。」
「そうだね。」
いつもみたいな口調になってるけど、本当はすこし、胸があったかくなってる気がしてる。
「まふゆ、」
「ミク?」
「これ、プレゼント…」
「みんなで、話し合って決めたんだ」
レンがそういう。
「話し合う?」
「ええ。あまりワサワサって多くても、大変でしょうから、みんなでこれにしようって決めたのよ」
ルカが説明してくれる。そういうことだったんだ。
「随分と大きいけど…」
「開けてみれば、すぐわかるよ」
リンもそういい、「じゃあ、開けるね。」私はそう言って包みを丁寧に開けた。
「あ…」
包みを開けて出てきたのは、シンセサイザーだった。
「これ…」
「シンセ。かなりいいやつ選んだの。」
「まふゆにもっと音楽を楽しんでほしくて。」
「それに、まふゆって作業前にここに来るってミクから聞いたから、使わないときはここにおいておけば、」
「お母さんに、見つからない…?」
「ええ。そういうことよ。」
「よかったら、使ってね」
「KAITOとMEIKOも、考えてくれたの?」
「うん!ちゃんと輪に入ってくれたよ!」
「入ってくれたというか、瑞希が半ば無理やり連れ込んだだけでしょ。」
「えぇ〜!?人聞きの悪いことをいうなぁ〜ボクはみんなで考えたかっただけなのに〜」
「それを無理やりっていってんの。」
「あはは〜」
「……そっか。」
「まふゆ?」
「みんなで選んでくれたんだね、KAITOとMEIKOも。」
自分でもわかった。少しだけ、口角が上がったのが。
今の私、笑ってる…?
「フン。」
「…」
相変わらず冷たい二人だけど、ちゃんと私のこと考えてくれるんだね。
「ありがとう、みんな。」
「っ…微笑が犯罪級…」
絵名がそう言う。
「いやほんとに!さて!まふゆの誕生を記念していっぱい遊ぶぞ〜!食べるぞ〜!」
「太らせないでよね」
「自分で考えて食べてね?」
「は?当たり前でしょ」
「まぁ絵名も瑞希も、今日の主役はまふゆだし」
「うん!」
「そうね。」
「改めて、あ、ほらふたりとも」
KAITOとMEIKOを瑞希が引き連れ、
「お誕生日おめでとう!まふゆ!」
もう一度言ってくれた。
このあたたかさを忘れたくないな。
「奏、絵名、瑞希、ミク、リン、レン、ルカ、KAITO、MEIKO、ありがとう。」
一人一人名前を言って、私は最後にそう言った。
おまふゆおめでとう!イラストが間に合いそうもなかったから小説にしたよ!
小説もギリギリだったけど…(汗)許せ…!
バースデー…ガチャ当たらないかもだけど推すからな。頼むから次出てくれよ。まぁ星2でもいいけど。(マスターランクでキャラランあげたい)
類瑞 ナンパされるほど可愛いんだよby類
類瑞って3Lの中のどれに入るんだろう
ずっと瑞希視点
今日は類とデート!楽しみだな〜
付き合って半年。もう手を繋いだ。早いって?そんなことないと思うけどな〜。
誰と喋ってるんだろうボク。楽しみすぎておかしくなってるよ。
今日は昨日買った新しい可愛い服着て類と並ぶんだ。
「そんじゃ、行ってきまーす!」
ボクは新しい服と靴、そしていつも使ってるお気に入りのカバンを持って家を出た。
ちなみに楽しみすぎて家を出たのは集合時間の1時間前で家から到着するまで10分もかからない。
「早く来すぎちゃったけど、まぁいっか!」
流石に50分も前となると類はいなかった。まぁ、類マイペースだし、そこが好きなんだし…いやいや何考えてんの。類とのメールの見返しでもしようかな。流石におかしいか。
ニーゴの曲聴いて待っとこうっと。
動画再生アプリを開いて今まで作ってきたニーゴの曲を再生する。
デートって感じじゃないな。でもいい。奏の曲はあったかいから。
待つこと数十分。
そろそろ来るかな〜まぁ20分前だしまだか。
そう思っていたら、目の前にすっと影ができた。
「ねぇ君〜」
「?」
ふと顔を上げると、見たこともない男3人組がいた。
あーこれが俗に言うナンパってやつ?
面倒だな〜。どうやって返そう。もう無視でいいか。
「君、めちゃくちゃ可愛いね。その服とかもしかして新品?よかったら俺等と遊びいかね?」
「お茶でもいいぜ〜」
「マジで可愛いな。」
少し強制的に行かせようとする雰囲気を感じ取った。流石に少し、怖気づいた。
「……人を待ってるので、、」
それでも声を出した。これで終わればいいんだけど…
「いいじゃん。ちょっとだけだって。」
終わらないよね。でも、
「いや、もうすぐ来るんで…たぶん」
「まぁまぁ少しくらい大丈夫だって。」
あー、もう面倒だ。無視しよう。
ボクはスマホにまた目を移した。あーそういえばこの曲めちゃくちゃ張り切ってMVつくったっけ。
絵名と一緒に燃えてたな〜懐かしいな。奏でたちも張り切ってたな。クオリティがいつもに増してすごいもん。
「ちょっと君、無視?」
「まぁいいじゃん、どっか行こうぜ〜」
「っ!あ、ちょっ…!」
腕を強引に惹かれる。とっさにスマホはカバンに突っ込んだ。
怖い。この後お茶だけで済むの?ボクはどこに連れて行かれるの?………怖いよ…類‥。
「あ、あの、待ってくださ…―――」
それでも逃げ出せるように抵抗しながら声を出す。その声を遮ったのは、3人組じゃなくて―――
「なんですかあなた達。」
「るっ…‥!?」
急に後ろから聞き馴染みのある声が聞こえてきた。類だ。類はボクを守るようにバックハグしてきた。その反動でボクの腕は男から外れる。あぁ…よく知ってる、類の手だ。ボクは類の手を握った。
「類っ…!」
「なんだてめぇ。…あー、待ってる人ってこいつのこと?」
「お三方、僕の彼女に、手出さないでもらえます?」
低音で、冷たくて、でもボクを守るというかボクに手を出すなっていうあったかい思いが伝わってくる。
今、3人組の前には3人よりも遥かにイケメンで背が高くておしゃれでかっこいい人がいる。そして超高圧な視線を送られ続けている。つまり、物怖じというか、一歩後ずさるわけだ。
「っ…」
「こいつは無理だ。行くぞ」
一人の男が言うと、つまらなさそうにしながら3人組は帰っていった。
「類…大丈夫?」
「それ、僕が君に言いたいことなんだけどねぇ。」
「あはは。だって逆恨みとかされたら怖いじゃん。」
「そうだけど、そう簡単に会うことはないよ。」
「そうだけどっ…」
「それに、瑞希のほうが怖かったろう?」
「別に怖いとか…」
「手、握ってるのが証拠かな…?瑞希。」
「っ!」
恥ずかしさで顔が熱くなる。でも、そのあとすぐに、
「…ちょっと、ううん。このあとどうなるのって……怖かった…。」
「ごめんね。もう少し早く来てあげられればよかったんだけど……」
「ううん。類は悪くない。」
「ふふ。瑞希、怖い思いさせてすまないね。」
彼はボクを真正面からぎゅっと抱きしめた。
暖かい。一気に安心がボクを埋める。
少し目頭が熱くなった。
「っ…」
「怖かっただろう。泣いていいんだよ。」
「別に、泣いてなんかないし。」
でも、
「ありがと、類。」
「どういたしまして。さて、どこから行こうか?」
「あ、そうそう、類と食べたかったものがあるんだよね!」
「おやおや?楽しみだね」
「こっち〜」
「これは?」
「このお店、カップル限定のパフェがあるんだ〜。それを類と食べたくて!」
「限定ってことは特別ななにかがあるということだよね」
「そそ!おそろいのアクセがもらえるんだ♪類に似合いそうだったし、おそろいなのボクが嬉しいから。」
「フフ。いいね。じゃあ、それにしようか。」
「やった〜!類ありがと!」
「かわいい」
「あはは、漏れてる漏れてる」
そうして仲良く1カップに入ったかわいいパフェを二人で食べて、まだ何もついていない首にかけられるネックレスを選んだ。最高に可愛くてかっこいいのをね!
思ったより長くなってしまった…。
読んでくださった方ありがとうございました〜
類瑞いいですよね〜
❄×💻🍨 私だけを見てよ
まふカイです。地雷Uターン。
みずカイも出てくるよ、少し。
ちょっとグロいよ
まふゆ↔カイト 付き合ってる。ヤンデレ。キャラ崩壊、まふゆが言いそうもない事言います。
瑞希→カイト カイトがまふゆと付き合ってるということを知っていながらも好き。
まふゆ視点
最近、瑞希がカイトにベッタリだ。
カイトとは私から告白していいよと言ってもらえたのに。
どうして?瑞希もカイトが好きなの?でも、渡す訳にはいかない。絶対に嫌だ。それだけははっきりと分かる。
「カイト〜あのさぁ…」
「お前、いつも俺に話しかけてくるな。」
「んーカイトと話すの楽しいし?あ、迷惑だったらやめとくけど‥」
「…そうか。」
「そういう反応好き。」
「!そうか。」
「それでね〜‥」
また、今日も楽しそうに話している。羨ましい。私は最近話そうと思っても瑞希がいて話せないのに。
どうして?
ある考えが頭の中によぎった。
「……流石に…だめだよね…」
今の私は、その考えを晴らすことができた。
どうせ、この考えも実行してしまうんだろう。このまま瑞希がカイトと居続けたなら。
瑞希は私とカイトの関係を知ってるはずなのに……。
どうして?おかしいよ、瑞希。カイトは私といるはずなのに。いるべきなのに。
次の日も、また次の日も。ずっと、ずっと。
私も話す機会はあったけれどほんの少しだけ。
あぁ、瑞希のことなんてどうでもいい。私は、カイトと幸せになるの。
もちろん、死んでね。バーチャルシンガーに死ぬなんて概念があるのか知らないけれど、やってやる。私はそう決めた。
明日、実行しよう。私はそう決めた。
---
翌日―――
「ねぇカイト。久しぶりだね。二人で話せるの。」
私はカイトのもとに行って話しかけた。今日は瑞希が休日の補修らしく、いない。
やるなら今だ。
「そうだな。」
顔は瑞希と話すときと同じくらいかな。前のほうがもっと嬉しそうに話してくれていたのに。
「ここって、湖あったよね。そっちの方で話さない?あそこあんまり誰も来ないし。」
「ああ。行こうか。」
私はそっとカイトの手を握った。彼も私の手を繋ぎ返してくれた。
やっぱり、あったかい。
私達は湖の方へ移動し、そこで話した。
「ねぇ、カイト。」
「なんだ。」
少し溜めてカイとの首に手を添える。
「もっと私を見てよ!愛してよ!」
バシャン!と音を立ててカイトを湖の方へ首を絞めながら倒す。カイトも私も湖に浸かる。
「っ…!ま、ふゆ…」
久しぶりに名前を呼んでもらえた。でも、それだけじゃ今まで溜まってたものは消えない。
「私と一緒に死んで、一緒になろう。幸せになろう。ね?」
片手で首をきつく締めながら、私はカイトの指の爪を剥ぎ始めた。
痛々しいカイトの顔。でもそれも瑞希とばかりいたお仕置き。
とても擬音では表せないような痛い音が誰もいないセカイの湖に響く。
「っ……!い”っ…ぐっ……」
「カイトは私のこと、嫌いなの?なんで瑞希ばっかりなの?私のこと、もっと見てよ、愛してよっ……!」
今までにないくらいの叫びだった。お母さんの色々とかそういうの全部越えて。
私はただ、カイトが好きなだけなのに!
こんなに好きなのは私だけなの?カイトは私の事好きじゃないの?
ねぇ、どうなの?
首を締める力をさらに強くしながら問い続ける。更には
「ねぇカイト、好き。だから幸せになろう?」
そう言って私はカイとの口を奪った。
その後私はカイトと私の髪の毛を引きちぎり、カイとの口の中にグッと入れた。
「ぐっ!」
「そのまま死んで、一緒に…」
そして更に首を絞めようとしたとき、邪魔なあの人の声が入った。
「カイトっ!」
瑞希だ。
私は瑞希のことを睨んだ。
ニーゴ?仲間?違う。今はただの邪魔者。私とカイトの愛を邪魔する者。
「カイト…!ハァッ…ハッ…」
ここまで走ってきたのだろう。息が切れている。割と遠いのに。本当、来なくてよかったのに。
「み、ずき…」
カイトがそう口にした。
「っ!」
もう、私は耐えきれなくなった。また、叫んだ。
「どうして!?私がいるのに、私を見てくれないの?!瑞希のほうが好きなの?ならどうして私を選んだの?!」
もっとグッと力を込めた。もういい。私もカイトとすぐに向こうの世界に行くんだから。
「カイト!まふゆじゃなくて、ボクを見てよっ…!」
瑞希もそう叫ぶ。
「カイトは、私と付き合ってるの!瑞希は知っているでしょう?」
「知ってるよ…!でも、まふゆなんかより、ボクのほうがカイトのことを幸せにできるし、一緒に死のうとか考えないよ!カイトの幸せを願うよ!だから、」
少し溜めて、
「ボクのところに来てよ。」
そう言い放った。「まふゆではカイトを幸せにできない。束縛で苦しくなるだけ」そんな想いが含まれている気がした。
「カイトは瑞希のところに行かないよ。ね?カイト。私だけでいいよね?瑞希が話しかけてくるから相手していただけ、だよね?」
半分自分に言い聞かせるように、半分カイトに問うように、私は言った。
「っ…」
首を絞められて話せないのだろう。私のせいだけど、でももういいの。私もすぐ逝くから。
私はそのまま首を絞めて、締め続けた。瑞希が私とカイトを離そうとしても、力づくで踏ん張った。
「まふゆ…!カイトが…!」
カイトの意識が途絶えたとき、瑞希はそういった。
「いいの。だって…」
「っ!もしかしてっ…!?」
私はポケットからカッターを手に取った。このために今日はポケットに入れていたのだ。
「まふゆ…!ニーゴはどうするの!?まふゆ!?カイトも殺って、自分まで死ぬつもり!?ふざけないでよ!?」
「そうだよ。それの何が悪いの?そもそも私のほうがカイトの事好きなのに瑞希がずっと話してたからじゃないの?私の気持ちも考えないで。何が幸せにできる、よ。そっちこそふざけないで。じゃあ、さよなら。」
「っ…」
私は瑞希の前で吐き捨てるように言って首筋にそってカッターでなぞった。
「まふゆ…!」
赤い鮮血が飛び散る。湖の上に、まさに血の雨のように降り注いだ。
だんだんと意識が遠のいていく。
瑞希が何かを言っている。
あぁ、これでカイトと一緒になれるんだ………。
カイト、好きだよ。
私は意識を手放した。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました!
本当はカイト兄さんの舌を引きちぎるつもりだったけどやめた。書けなかった。
奏2024Happy Birthday!!
奏!誕生日おめでとう!
ずっと奏Side
「ふぅ……」
作業が一息ついて、私は息を吐いた。一回ヘッドホンを耳から外す。
かなりいい出来になったし、いつもよりも早く作業が終わったから、余裕がある。
「もう一回聴いて細かいところもやろうかな」
一応ナイトコードには入っているけれど、みんな予定があるらしくて誰もいない。
静かなナイトコード、珍しいな。いつもは絵名とか瑞希が話してるから。
もう一回ヘッドホンを着け、自分の曲を再生する。
「えっと、ここはもう少し音を高くしようかな。…うん。良くなった。あとは…―――」
そうこうしている間に、気がつけば3時間くらい経っていた。
「いつの間に…お腹も空いたし、カップ麺でも食べようかな。」
私はお湯を沸かしてカップ麺に注ぐ。待っている間の3分は、嫌いじゃない。
「いただきます」
いつものように、健康には良くないカップ麺をすする。
美味しい。
それにしても、3人はどこにいるんだろう。みんな同じ場所に行くらしいけど……まぁいいか。もしかしたら作業をはかどらせれるように気を利かしてくれたのかもしれない。みんな優しいから。
カップ麺を食べ終わって片付けたあと、ナイトコードに通知が入っているのに気がついた。
「あれ?Amiaからだ。」
Amiaからメッセージか。なんだろう
『ちょっとセカイ来れる?』
「セカイ?なにかあるのかな……」
『うん。いけるよ。』
私はそう返事して、Untitledではなく、『悔やむと書いてミライ』を再生した。
「瑞希?どうしたの―――っ!」
「「「ハッピーバースデー!奏!」」」
まふゆ、絵名、瑞希、ミクたちが急にそう言った。
「……え?」
「え?って、自分の誕生日くらい覚えておきなさいよね」
「あ、そっか…今日誕生日…」
すっかり忘れていた。作業、作業、作業の毎日を送ってるとだいぶ時間間隔がずれる。
「おめでとう。奏」
「まふゆ、ありがとう」
「これ、ボクたちからのプレゼント!はい!」
「真剣に選んだから、よかったら使ってくれたら嬉しいな」
「これなら、奏の役に立つと思って」
「私達からも、これ。」
「ミクたちも?」
「うん。瑞希たちがショッピングモール見せてくれて。」
「そっか。開けてみるね」
瑞希からは新しいヘッドホン。ダークな色をしていて着け心地も最高だった。
「どうどう?奏が使ってるのと同じメーカーで超超ハイスペックなやつ!」
「ありがとう、でもこんな高価な物いいの?」
「いいのいいの!我らが奏の誕生日なんだからね!」
「ありがとう、瑞希」
「どういたしまして!」
絵名からはスキンケア用品だった。それも少し簡単なやつ。
「これは…?」
「もともと奏はきれいだけど、外には出ないしカップ麺だし、少しは手入れしたほうが良いかもなって思って。奏でも使いやすそうなやつ選んでみたの。一回だけでも試しに使ってみてくれたら嬉しいかな」
「ありがとう、使ってみるよ。作業とかで忘れちゃうこともあると思うけど…」
「それくらいいいってば。お肌は大事にね」
「うん」
まふゆからは時計だった。ピアノの形をした。
「素敵な時計だね…」
「そう?よかった。作業とかで時間忘れるだろうし、奏の家ってシンプルなものが多いから、音楽関係でシンプルな黒ピアノに、金色の針なら良いかなって。」
「きれい…机の近くの壁に掛けるね」
「ありがとう」
ミクたちバーチャル・シンガーからはキャンドルブランドだった。
「キャンドル…?」
「作業の息抜きに癒せるかなって…」
レンがそういう。
「飾るだけでもきれいだし」
「それに、部屋暗いんでしょう?」
ルカやメイコ、
「ちょっと明るくしといたほうが良いでしょって思って」
リンもそう言ってくれる。
「音楽を自分が聞くときとかについでにつけると、リラックスできるだろ。」
「疲れたときに、自分のことを癒やしてね。」
カイト、ミクがそういう。
「ありがとう、みんな。」
ニーゴのみんなと、セカイのみんなからたくさんの素敵な誕生日プレゼントをもらえた。
こんなに素敵な誕生日、いつぶりかな。
このヘッドホン、スキンケア用品、時計、キャンドル、全部大切に使いたいな。
「さてさて、今日の主役、奏を祝う会はまだまだ終わらないよ〜!」
「こっち来て、奏!」
「え?」
連れてこられたところには、小さめのテーブルとみんなの人数分の椅子が並べられていた。
そのテーブルの上にはケーキとお菓子。
「奏、ここ座って」
まふゆに促されるまま誕生日席に座る。
その後はケーキを食べて、お菓子を食べて、たくさん話して。
すごく幸せな誕生日だった。
「ありがとう、皆」
最後別れる前に、皆の方を向いて、改めてそう言った。
割と長くなってしまった。
お誕生日おめでとう!奏!
リク🎀×🎨 ❄×🎨 君色に染まってしまったから
みずえな、まふえな
口調迷子&キャラ崩壊 意図的にそのキャラが公式では使わないような言葉も出てきます。
まふみずヤンデレぽくなってる。流血表現あり。
みず⇔えな 付き合ってる みんなこのこと知ってる
まふ⇒えな
予め、ばか長いです。
瑞希Side
絵名と出会ってどれくらいかな。付き合ってどれくらいかな。
ニーゴで一緒になって、何度か助けたり助けてもらったり。色々あったな〜。あぁ、早く絵名に会いたい。でも…最近まふゆとよくいるからな…
別にめちゃくちゃ嫌ってわけじゃないけど、それでも嫉妬するし、一緒にいる時間を増やしたい。
まふゆをどっかにやるしかないけど、絶対まふゆも絵名のこと好きだよね。
わかる。だって顔がそういう顔してるもん。はぁ、まふゆのことまで染めちゃって…絵名ってば。
ボクだけをみてボクの色に染まって、ボクだけを絵名色で染めてほしかったのに。
「あ、もうそろそろ25時か。」
今日は奏がデモができたって言ってたからセカイで集合になってるし、そろそろ行こっかな〜
ボクは『悔やむと書いてミライ』を再生した。
最初のこの眩しさにも慣れたもんだよ。
パッと見慣れた景色が目に写った。
「あ、やっほ〜ミク!」
「瑞希」
「皆は?」
「絵名だけいるよ」
「え、絵名が?珍し〜」
「ちょっと、珍し〜ってどういうことよ」
「あ、絵名〜!」
ばっと絵名に抱きつく。
「きゃ!もう、急に抱きつかないでよね」
「って言って嬉しそうな顔してるじゃん!」
「なっ…!ほ、ほらミクとかレンとかいるし」
「恥ずかしいの〜?」
「もう!そんなんじゃないってば!」
あぁ、今日もかわいいな。ボクの彼女。
「はぁ〜かわいい」
「ちょ、ちょっと!急にそんな恥ずかしいこと言わないでよね!…でも瑞希ももっと可愛いよ」
「!ありがと〜絵名〜!」
ずっとこんな時間が続くと思ってた。まふゆがいたとしても、そこまでの支障はないんだって。
嫉妬くらいは、ちょっとモヤッとはするけど、それ以上の時間を過ごせばいいって。
でも、アイツがそうはさせてくれなかった。
翌日―――
「んー今日は早く起きれたな〜」
あ、そうだ。絵名とどこか行こうかな。
ボクはそう思い立って絵名にメッセージを送った。
『絵名、今日空いてる?』
すぐに既読がついた。返信は…
『ごめん、瑞希!先約があって…外せないの』
『また今度の機会に!絶対行こうね!!』
『りょーかい!』
『またね〜』
「…はぁ」
メッセージアプリを閉じる。同時に小さくため息が出る。
最近、休日空いてないこと多いな、絵名。まぁ、絵名も暇じゃないんだろうけど…
「まぁ、今度すぐ出掛けられるよね」
今日はショッピングモール一人でいこうかな〜。あ、バチャシンの誰かと一緒に行こうかな。よし、誘ってこようっと!
ボクはセカイでミクとレンを誘った。カイトを誘おうと近づいたけど「行かない」って言われた。
「さてさて!今日はミクとレンが欲しいものいっぱい買っちゃうぞ〜!」
ボクはテンションを上げてそう言った。ほんとにたくさん買っちゃおうっと!絵名にも色々買おう!うん、楽しみ!
「いいの?」
声を揃えて問いかける二人。かわいすぎるでしょ。お世話したいよ。もう自分でも何言ってるかわかんないよ。
「もちろん!なんでも言ってね!」
「瑞希がそういうなら‥」
「ミクがそういうなら‥」
「あはは、ほんとに似てるね!ふたりとも」
「そ、そうかな…?」
「似てる似てる!ちょっとオドオドしてるところとか、でもちゃんとしっかりしてるところとか、優しいところとか。」
「ありがとう」
「どういたしまして〜。さ、お買い物にレッツゴー!」
ショッピングモールでたくさん買い物をしたボクら。
最後の店に行く途中、見慣れたボブを見かけた。
ちょっとついて行ってみると、
「あ、絵名だ。」
絵名がいた。隣には、
「……まふゆ?」
絵名の隣にまふゆがいるのだ。なんで?先約ってこれ?あ、へぇ…そっか。まふゆも黙ってないよって?まぁ、そんな毎週とかたくさんじゃないだろうし、いいけどさ。
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そう思えていたのもちょっとの間。
あれからまふゆは時間ができれば絵名を誘って何処かに行ったりセカイで絵名と話していたり。
ねぇボクと絵名の関係、知ってるはずだよね?なんで?ボクだって絵名ともっと話したいよ…。
まふゆ、ボクの絵名を返してよ…
数週間後―――。
誰もいないセカイで25時までの時間を潰していた。というかは、まぁ絵名のこととかまふゆとか自分のこととかでモヤモヤしてて来たんだけどね。正直、まふゆが出てきたら殺そうかなとは思ってるけど。
そこにまた1人来た。
「瑞希?珍しいね、一人なんて」
その一人からはものすごく愛おしくてたまらない声が発せられた。
「あ、絵名!ちょっと湖の方行こ!」
「え?なんで急に?まぁいいけど」
「よっしじゃあ行こう!」
ボクは絵名の手を引いて湖の方へと行った。まふゆに見つかる確率が減るかもしれないから。
「でもなんで急に湖?」
湖の近くまで来て絵名が聞いてきた。
「んー、なんとなく?こっちのほうが人来ないしさ。絵名ともっと近くにいられるなって」
自然に頬が緩む。はにかんじゃうっていうのかな?今ボクはそんな感じの顔になってる。と思う。
「なっ、なによそれ…」
ちょっとうれしそうにでも照れてる絵名かわいいよ!
ずっと、こんなふうに絵名の可愛いところ見れたらなぁ…
…あーあ、この時間をもっと増やせたらいいのに。壊すやつなんか、いなくなればいいのにな。
って、ボクは何を考えてるんだろう。一緒に入れる時間なんて、こっちが先に一緒にいれば取られない筈なんだから。まふゆだってバカじゃない。きっとわかってくれる。そう思ってるのに心からそう思ってない。いなくなればいいのにって、思ってるから。
「ねぇ、絵名」
「なぁに?瑞希」
「絵名は、ボクのこと…ちゃんと好き?」
「え…?」
「最近、まふゆとよくいるじゃん?だから心配になっちゃって」
「ちゃんと好きに決まってる。瑞希のためなら何だってできる。ただ、まふゆはあまりその日ドタキャンされるのは嫌みたいだからドタキャンはやめてるだけ。ちょっと前のもそうだったの…」
ホントは瑞希と出掛けたかった!と絵名は言った。そう言ってくれる絵名でよかった。
「なんでも、か…」
「うん。なんでも」
「…じゃあ、殺人でも?」
ボクは少し間を置いてそう口にした。
「殺人?」
「うん、殺人。別に冗談だよ?ちょっと聞いてみただけ」
「目が冗談じゃないんだけど。」
「あはは、そうかな」
「でも殺人か…あんたが捕まってもいいなら協力する」
「え、ホント!?」
「私あんまり嘘付かないから」
「じゃあ…」
「じゃあってことは、殺したい人がいるの?」
「まぁ、うん。」
「それって…ま―――」
絵名がまふゆと口にしかけた時、その声があの邪魔なアイツの声で遮られた。
「絵名」
「あ、まふゆ…」
「瑞希も、もう25時。来ないの?」
25時、行かなきゃ駄目。わかってる。でも、ボクの口は「うん、今行く」と言いたいのに全く別の言葉が出てきた。
「なんで…?」
「…なにが?」
「なにがじゃない……ずっとずっとそうやって…ボクと絵名は付き合ってるのに」
全部その時間を奪ってきた!色んなところに出かけて、絵名を連れて。ボクの時間は全く無かった!ボクと絵名の関係を知ってるくせに、わかってるくせに!どれだけボクの邪魔をするの!?やっと2人で他愛もない話もいろんなことも話せるって思ってたのに!ボクは絵名のこと、どうしようもないくらいに好きなのに!
「この件に関して正直に言うと、まふゆ、すごく邪魔!」
怒り狂って、半泣きで、喉が焼けてるような感覚になるくらいに、みっともないくらいに感情をむき出しにしてボクは叫んだ。
ふたりとも、唖然としていた。そりゃそうだろうね。ずっとこの思い隠してたんだから。いつもまふゆの前でも奏の前でも皆の前でも”元気いっぱいの普通のボク”を出してたんだから
「私だって……私だって、絵名といたいの…絵名といると楽しいと思えるから家の苦しいこととか、学校で疲れたこととか全部忘れられるの!私だってどうしようもないくらい好きなの!」
「ふざけないでよ!ボクの…ボクが向こうから認めてもらえたのに…!」
「認めてもらえたとか、そういうの関係ないでしょ!」
「もういいよ!まふゆの目からボクも含めて消えてやる…!」
「何を言ってるかわからない」
「絵名をまふゆの前から消すの。」
「瑞希、殺す気なの?」
「ごめんね、絵名。」
「私は、いいよ」
「じゃあ最初で最後の…」
絵名をグッと引き寄せて顔を近づける。
「絵名、好きだよ」
そう言って唇を重ねた。
初めてだけど、これが最期なら、そう思ってボクは舌を絡めた。
誰かの前で、まふゆの前ですることじゃないだろうけど、ボクはここで死ぬから。絵名と一緒に。
チュククチュ…クチュクチュ…
普通響くことのない卑猥な音が誰もいないセカイの湖に響く。
「ん…」
トントンとボクの胸板を叩く絵名。それが可愛くって少しだけ続けてしまった。
「ぷはっ‥」
「はっ…瑞希、長いってば…」
「えへへ、絵名が可愛くてつい、ね。ごめんね、絵名」
ボクは予め持っていたカッターを手にして絵名に突き刺した。ボクはどこが致命傷とか何も考えてなかったから、少し致命傷からは外れた。絵名の服に血が滲み、もう後戻りはできないと感じた。
「っ……あんたのためなら、いいって言ってんの…っ」
「大好き、絵名」
「わた、しもよ…瑞希…っ」
「ごめんね」
「ああそうだ。ボクを苦しめたんだから、まふゆにも苦しんでもらわないと」
「どういうこと」
「絵名、痛いけどいい?」
「瑞希の頼みでしょ。好きにしていいよ」
「わかった。ありがとう」
ボクはそう言ってから絵名の人差し指の第二関節までを思い切り切った。
「あ”っ!」
「ねぇしってる?シンガポールでの人差し指を折る意味。」
「は?」
「『死』って意味なんだよ」
これで、この指を見て絵名が死んだきっかけは自分だって思えばいい。
辛いよね、きっと。
「じゃあね、まふゆ」
ボクはまふゆにさよならを言って絵名の心臓と、ボクの心臓にカッターの刃を突き立て、刺し、痛くても構わないから抉った。絵名が苦しんでる姿で、まふゆも苦しめばいい。そう思ったからだ。
誰もいないセカイの真っ白な床の一部が先決の赤色に染まっていく。
絵名の赤色と、ボクの赤色がぶつかって溶けて混ざっていく。色味に分かりやすい変わりはないけれどボクも絵名もお互いの赤色に染まっていく。これが最期の絵名の色。ボクの色。最期までボクは絵名の色に染まることができるんだ。幸せだなぁ…
「これで、‥しあわせだ、ね‥‥」
行きもまともにできていない状態の絵名がそんなことを言った。
「うんっ…」
ボクも息が十分にできないまま、返事をした。
最期に見えたのは、まふゆの歪んだ顔と、絵名の尊すぎるきれいな死に顔だった。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!
リクエストをくださった方もありがとうございます!
4000字以上になってしまいすみません…あと一週間以内に出せなくてすみません…
一か月くらい遅れたのですが許してください!
学タブはきついですね…