短編カフェの「日替わりお題」機能を使って考えた小説です。
一話完結なのでお試しで読んでみて下さい。
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目次
「製造工場」
この工場では、「人の身体」を作っている。
手、足、胴体、頭…
指、内臓、脳…
爪、血液に至るまで。
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それは誰が作ってるかって?
そんなの神様や天使に決まってるでしょう。
人が自ら人間の身体なんて作りませんよ。
だって、人間界で「人間製造工場」なんて聞いたことないでしょう?
あ、ほら、流れてきましたよ。
あれが心臓です。
今はまだ動いていませんが、体の中に入れて、血管と繋いでから電気ショックで動かすんです。
体の中に入れるのと動かすのはそれぞれ別の工場で分担します。
今度は肺。
あれで酸素を取り込むんです。
あの中には肺胞がたくさん詰まっているんですよ。
肺胞を作っている工場に行けば肺胞を作っているところも見れますよ。
興味があれば見に行ってみるといいでしょう。
あ、胃が流れてきました。
胃の中にある消化液は他の消化液専用の工場で作っています。
胃の中に入れるのは別の工場でやります。
ここは臓器専門の工場ですからね。
おや、大丈夫ですか?
顔色が悪いようですが…
え?「こんな気持ち悪いの見せて、何がしたいんだ」ですって?
何をおっしゃっているんですか。
あなたは今日からここの工場で働く従業員なんですよ?
そりゃ、多少見学くらいしておかないと…
「辞める」?それはいけませんねえ。
辞めるも何も、あなたはここで働くために作られた天使なんですから。
神様の意思に従わず、勝手に行動するなんてできません。
そんなことしたら、消されるのはあなたなんですからね。
さあ、見学の続きに行きますよ。
---
天界では今日も「人の身体」の製造が行われている。
新たな新入社員を迎えて_
817文字。
今回はちょっと短めでしたね。
日替わりお題で思いついたものを書いてみました。
一話完結なので続きはありませんけど、なかなかナチュラルサイコパス感を出せていたらいいなと思います。
ちょいグロかなーと思ったので一応PG12に設定させていただきました。
それでは!
「罰を与える人々」
あるところに、とっても無邪気な男の子がいました。
「ママ!みてみてどんぐり!」
『拾ってきたの?とっても綺麗でかわいいわね』
「えへへ」
それはそれは、天使のように純粋でした。
「ママ…何してるの?」
『…ママはね、わるーい人に罰を与えてるの』
「ばつ?」
『そうよ。悪いことしたら、叱らないといけないの』
「そっか…」
「…ねえママ、ぼくもそれやってみたい」
『…わかったわ。でももう少しだけ待ってね』
「もう少しってどのくらい?」
『そうね…あなたはまだ五歳だから、十歳になるまでね』
「全然少しじゃないじゃん!なんでそんなに待たなきゃいけないの?」
『体力がないといけないからね。訓練なら今からでもできるわよ』
「ほんと!?じゃあそれやる!」
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「お母さん、今日もいっぱい『罰』を与えてきたよ」
『おかえり。えらいわねえ』
「もうそろそろクリスマスだし、これができるのもあとちょっとだね」
『そうね。クリスマスは殺しはしちゃいけないから、道具の手入れをしましょう』
「僕、新しい道具が欲しいな。ナイフも錆びてきちゃったし」
『買いに行きましょうか』
「うん!」
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【次のニュースです】
【今日、あの無差別殺人の容疑者が捕まりました】
【容疑者は----容疑者とその母_ _容疑者で、親子で殺人をしていたそうです】
【_ _容疑者は離婚しており、夫は現在消息不明です】
【次のニュースです_】
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彼がこうなってしまったのは、どうしてでしょうか。
母親の教育が悪かったのでしょうか。
…それとも。
誰も、殺人を「悪いこと」だと教えてくれなかったから、でしょうか。
どっちにしても、彼は「純粋」で「無邪気」だったのです。
彼にとって、母親が「世界」を教えてくれるもの。
母親の言うことが、絶対だったのです。
この物語はフィクションです。
実際の人物、団体には関係ありません。
880文字