・文スト二次創作
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目次
名探偵と探偵-0
No side
江戸川乱歩。
魔都と呼ばれる街“ヨコハマ”で彼の名を知らない人は、殆ど居ないことだろう。
“異能力”という摩訶不思議な力を持ち、時間を一瞬で解決してしまう警察泣かせ。
探偵の仕事も徐々に乱歩へと奪われていくわけで。
しかし、そんな世でもまだ炎の消えていない探偵が一人いた。
作者の一言
「狐面と書き方が違う理由は気分」
next
→探偵は名探偵と出会う
名探偵と探偵-1
乱歩side
乱歩「福沢さーん、疲れたー」
トコトコと福沢さんの後ろをついていくこと半刻。
僕の足は、もう限界を迎えていた。
福沢「もうすぐ着く。この依頼が終わったら善哉を奢ってやるから━━」
乱歩「僕、凄くやる気が出てきた! 早く行こうよ、福沢さん!」
全く、警察は無能だね。
僕の『超推理』が無ければこんな事件も解決できないんだから。
着いて一分も立たないうちに依頼を解決して、僕達は甘味処へやってきた。
乱歩「おばちゃん、おかわり!」
味のしない餅だけを残して、お椀が積み重なっていく。
その塔を覗き込むようにしながら、彼は話しかけてきた。
???「少年、何故善哉の餅だけを残す?」
乱歩「……お兄さん誰?」
濃い青色の長髪をハーフアップにしている、黒い瞳の青年。
年齢は僕より五歳ぐらい上で、成人はしてない。
右手を腰に当てて重心が偏っているように見えるけど、何処からでも崩せないな。
Tシャツの襟から見える包帯的に、胴体に怪我をしている。
裏社会とも考えられるけど武装している様子はないし、福沢さんみたいに護衛業をしている人かな。
???「あ、急に話しかけて悪かったね。私の名前は|篠崎《シノザキ》。気軽に篠崎とでも呼んでくれ」
乱歩「君、あの殺人現場の野次馬にいたよね」
篠崎「まさか認知してもらえてるとは……」
乱歩「お兄さんみたいな人、一度見たらなかなか忘れないよ」
髪色も珍しいし、包帯を巻いている。
普通の大学生に見えるけど、どこか異常な雰囲気。
乱歩「それで、何の用? お餅を残す理由を聞きにきたわけじゃないでしょ、君」
篠崎「……流石は名探偵だ。実は少年に興味があってね」
乱歩「僕に?」
篠崎「先程の推理、実に素晴らしかった」
そこからお兄さんは、ペラペラとさっきの僕の推理について色々と話し出した。
着眼点やら、その推理に至った経緯とか。
どちらも、あの場では説明してないのにピッタリ言い当てられた。
こんなこと、初めてだ。
福沢「話の腰を追って済まない。篠崎と云ったな。一度座ると良い。立ち話は疲れるだろう」
篠崎「良いんですか?」
僕は福沢さんの隣に座って、引き続き善哉を食べた。
いつも以上に箸は進まなかったけど。
福沢「篠崎殿。貴君は何故、乱歩の推理内容か判ったか聞いても良いか?」
篠崎「あ、そういえばまだ云ってなかったか。私はこういう者です」
乱歩「……探偵?」
差し出された名刺には“篠崎探偵事務所”の文字。
篠崎「と云っても、この事務所はもう潰れたんですけど。今はフリーの探偵として日本を歩いている」
乱歩「ただの探偵にはさっきの事件は解けない。僕には及ばないけど優秀そうだね」
そりゃあ、ね。
篠崎は小さく笑った。
篠崎「君に敵うわけがないだろう。私はただの一般人で、君は“あの”異能力者だ」
乱歩「そう! よく判ってるじゃあないか!」
福沢「乱歩。声を落とせ」
福沢さんに云われ、僕は座る。
なーんか、久しぶりに褒められて嬉しいんだよね。
僕なら解けて当たり前って定着してるというか、なんていうか。
篠崎「あ、そろそろ行かないと。私なんかに時間をくれてありがとね」
乱歩「もう行くの? ま、話が通じるのが久しぶりで楽しかったよ」
篠崎「あ、最後に一つだけ。善哉は餅と餡で一つだ。少年が餡だとして、餅は置いて行かないようにね」
その名刺はあげる、とお兄さんは行ってしまった。
お金、置いていきすぎでしょ。
二倍ぐらいあるよ、僕の食べた善哉の。
福沢「悪い奴ではなかったな」
乱歩「そうだね。最後のやつは難しいけど」
福沢「……判らないのか?」
乱歩「多分、餅は福沢さんだけど……それ以上は判らないかな」
作者の一言
「台本書きのほうが楽」
next
→探偵の電話が鳴る
名探偵と探偵-2
福沢side
篠崎と名乗る男と別れ、私達は帰路を辿っていた。
相変わらず、乱歩は自由に街をフラフラとしている。
アレを購えやら、コレを購えやら。
初めて会った時から思っていたが図々しい。
最近は護衛業ではなく乱歩の付き添いが収入源とはいえ━━。
福沢「乱歩。そろそろ帰るぞ」
これ以上寄り道すれば、家に着くのが夜中になる。
そのことに気付かぬ乱歩ではない。
私は声をかけたが、返事が返ってくることはなかった。
福沢「……乱歩?」
辺りを見渡すも、乱歩の姿はない。
どこか遠くまで行ってしまったのか。
否、拉致の可能性も捨てられなくはない。
どちらにしても、目を離してしまった私の落ち度だ。
聞き込みをするも、残念ながらめぼしい情報は手に入らない。
どうするべきか。
あの時と違って乱歩からの手掛かりはない。
私一人では力不足だ。
乱歩のように、微かな情報から推理することができれば良いのだが━━。
福沢「……乱歩のように?」
気がつけば、私は一枚の名刺を手に持っていた。
慣れない手付きで電話番号を打っていく。
福沢「済まない、篠崎か! 乱歩が行方不明になった! 力を貸してくれ!」
篠崎「そんなに叫ばなくても聞こえてるって」
頭を抱えながら、目の前の青年は云う。
私は気づいていなかったが、彼はとっくに判っていたのだろう。
篠崎「福沢さん、だっけ。少年が消えたって、一体どういうこと?」
実は、と私は篠崎に乱歩が行方不明になったことを伝えた。
彼は団子を食べながら少し考える。
そして、此方を見て微笑んだ。
篠崎「少年のいる位置は分かったよ」
福沢「本当か!」
篠崎「でも、そうか……」
そう云った篠崎の顔に浮かんでいた笑み。
先程の笑みとは違い、少し恐ろしさを含んでいる。
篠崎「……久しぶりに楽しめそうだ」
作者の一言
「千文字いかなかったや」
next
→探偵って何だっけ
名探偵と探偵-3
福沢side
やってきたのは、何の変哲もない住宅街。
こんなところに乱歩は本当にいるのだろうか。
篠崎「いるよ」
福沢「……!」
篠崎「ほら、そこの角を曲がれば見えてくるはず」
黒煙。
霧深い街ではないはずだが、道が続いているのか黒が分からなくする。
福沢「何なんだ、これは……」
篠崎「異能力。貴方たちがよく知ってる、摩訶不思議な力だよ」
そう篠崎が呟いたかと思えば、黒煙が道を開くかのように塀沿いに分かれた。
篠崎「ほら、誘拐犯が待っているよ。こうやって道も用意してくれているんだから、ちゃんとお邪魔しないと」
福沢「あ、あぁ……」
篠崎「少年のことなら、たぶん心配はいらない。ただ拉致されただけで、傷つけられてはいないことだろう」
福沢「なぜ断言できる?」
篠崎「簡単な話だ。これは江戸川乱歩という少年に用があるから、と拉致したわけではない」
まさか、と俺の言葉は小さく漏れた。
福沢「……俺のせいだというのか…」
篠崎「ま、自分を責める必要はないと思うけど」
何の感情も抱かないのか、篠崎は歩く。
俺はただついていくことしか出来なかった。
篠崎「2時と10時。来るよ」
福沢「っ、下がれ篠崎!」
刀を抜いて攻撃を受ける。
咄嗟に後ろへ引いてしまったが、怪我はないだろうか。
否、心配している暇はない。
篠崎「……私を、守った…?」
相手の武器は短刀のみ。
銃器がないのならば、ひとまずこの場を制圧するのは難しくない。
敵「くそっ、俺らじゃ刃が立たねぇ……っ」
敵「まだ準備が終わってねぇのに、この場所を探し当てるなんて……っ」
準備、とは何だろうか。
だが質問は後でいい。
今は篠崎を守ることを優先に──。
--- ぐはっ!? ---
──何が、起こった?
篠崎「篠崎探偵事務所の名刺の裏、見ていないね」
福沢「は……?」
篠崎「何でもおまかせ──まっ、私も戦えるから」
一瞬にして倒された男たち。
何が起こったのか、理解できなかった。
ただ、目の前の青年は微笑んでいる。