ここは、季節カフェ。それぞれ季節に合ったお客様が来店します。
そこで、どんな思い出がみれるのでしょうか?
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春 甘酸っぱいタルト
私の名前は|桜 麗美《さくら れみ》。今日、中学の卒業式があった。
友達と頑張った、部活の思い出。やっぱり、私にとっては、大好きな陸上の部活が思い出だ。私は、幅跳びを中心にやっていて、県大会にも出場したことがある。結果、入賞はできなかったが、無名の中学校としては、すごい記録だった。
それに、小学校から一緒の|堅山《かたやま》君も一緒の部活だった。
やっぱり、寂しい気持ちもあるけれど、高校生になるのだから、心機一転!
でも、今は思い出に浸っていたい。そう、歩いていると、おしゃれなカフェを見つけた。
白い外観に、桜色のカーテン。中には何人かお客さんが来ているみたいだった。
入ってみよう。興味本位で入ってみた。
カランコロン
「いらっしゃいませ、お客様」
そう言って迎えてくれたのは、ぱっつん髪の誰もが憧れるような艶のある髪の女性。化粧も上手く、ナチュラルだけど、優しい桜色のチークが美しかった。近づくと、桜と少し、甘酸っぱい匂いがした。
そんな風に見惚れていると、声をかけられる。
「こちらにどうぞ」
そう促されて、席に座る。
「メニューが決まりましたら、お声がけください」
そう言われて、丈夫に作られたメニュー表を渡された。
時計を見ると、ちょうど3時。まあ、お昼に卒業式が終わって、しばらく友達と昼食取ったり、ガチャガチャしたりしてたからなぁ。
おやつタイムということで、甘いものが食べたい。そう思って開いたのは、ゼリーがあるページだった。
「そう言えば、竪山君はゼラチンアレルギーだったな。だから、遊びに行ったりしても、ゼリー食べてなかったなぁ」
せっかく、思い出に浸っているから、思い出に関するものを食べたい。そう思って違うページを開くとそこには、タルトがあった。
タルトと言えば、市の陸上大会の打ち上げで、|結衣《ゆい》の勧めで、タルトが美味しい店に、私と優衣と竪山君と先輩2人と一緒に行ったなぁ。
でも、どんなタルトにしよう。迷っていると、店員さんが声を掛けてくれた。
「タルトだったら、旬のキウイのジャムを使ったものが、おすすめですよ」
そう言われて、キウイのタルトを見つめる。確か、前もキウイタルトを食べた気がする。
「あの、キウイタルトお願いします‼︎」
「わかりました」
厨房を見てみると、あらかじめ作られていたジャムと、焼かれているタルト生地が見える。だんだんいい匂いがしてきて、花粉症じゃなくて良かったと思った。確か優衣も竪山君も花粉症だった気がする。今日も優衣、若干鼻声だったな。
そんなことを思っていたら、どうやらタルトができたらしい。
出された、タルトは、どこか懐かしい。
断面は、美しいキウイのジャムが見えた。まるで、宝石のようで、花を愛でるように見つめた。
食べると、|やっぱり《・・・・》サクサクと良い音がする。味は、懐かしく、甘酸っぱい味。
サクサクのタルト生地を噛むたび、中学校の思い出が出てくる。
気づいたら、ホロっと涙が出てきた。
一通りの思い出を振り返ってから、よし!竪山君に告白しよう!
そう思った。
食べ切って、お会計を済ませようとすると、金額に驚いた。
「100円ですか⁉︎」
「えぇ。私の1番のお代はあなたの思い出、想い出ですから」
「そうなんですね。では、これでいいですか」
「はい。ちょうど100円ですね。高校生活、告白頑張ってください‼︎」
「あっ。はい頑張ります\\\」
少し、自分の顔は火照っていたけど、自信を持って、竪山君の家へ向かった。
結構恋愛系苦手なんですけど頑張って書きました!アドバイス頂けると嬉しいです。
次回は夏編を書いていきまーす
それでは、バイ彩また次回~