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目次
すとぷりのさとみの妹だった件についてついて。①
主人公はちぐはちゃんです!
第1話:ピンクの王子と、天使の降臨
「……嘘だろ。可愛すぎて、直視できねぇ」
すとぷりの最強最帥、さとみが柄にもなく震える声を出した。
彼の腕の中に抱かれているのは、生まれたばかりの妹・ちぐは。
ピンクがかった柔らかな髪、吸い込まれそうな大きな瞳。新生児とは思えない整った顔立ちは、まさに兄ゆずりの「国宝級」。
ちぐはが「う、あ……」と小さな声を出すだけで、さとみの理性は崩壊寸前だ。
「よし、決めた。ちぐは。お前が成人するまで、男は一切近づけない。俺が一生守ってやるからな」
まだ言葉もわからない妹に、真剣な顔で重すぎる誓いを立てる兄。そこへ、騒がしい足音が近づいてきた。
「さとみくーん!妹さん生まれたってマジ!?見せて見せて!」
「あ、莉犬くん、走っちゃダメですよ。……わっ、すごい美形……」
なだれ込んできたのは、すとぷりのメンバーたち。
そして、彼らもちぐはと目が合った瞬間、雷に打たれたように固まった。
「……え、待って。これ天使? 妖精の間違いじゃない?」(莉犬)
「さとみくんに似てるけど、さとみくんより数倍綺麗……。ちぐはちゃん、僕が美味しいタピオカ……あ、まだ飲めないか。最高のおもちゃ買ってあげるね」(るぅと)
「ちょ、お前ら近すぎ! ちぐはが怖がるだろ!」
さとみが威嚇するが、メンバーの独占欲に火がつくのは一瞬だった。
「なーくん、俺今日からこの子の専属執事になるわ。仕事休んでええ?」(ジェル)
「ダメに決まってるでしょ。……でも、確かにこれは……目が離せないね。ちぐはちゃん、俺が君の人生、全部プロデュースしてあげる」(ななもり。)
「……ふん、まぁ、可愛いんじゃない? ……ねぇ、指、握らせてよ。……うわ、柔らかっ!……ちぐは、僕のこと一番好きになれよな!」(ころん)
ちぐはが、ころんの指を小さな手できゅっと握りしめる。
その瞬間、部室……もとい、さとみの家は「ちぐは推し」の聖地と化した。
国宝級の美貌を持つ新生児・ちぐはと、彼女を溺愛してやまない6人の王子たち。
あまりにも過保護で、あまりにも熱い「最強の兄貴たち」との生活が、今、幕を開ける――。
超甘々です!
すとぷりのさとみの妹だった件について。②
第2話:初めての抱っこ争奪戦(カオス)
さとみ兄さんの腕の中で、すやすやと眠る国宝級美少女・ちぐは。
その天使すぎる寝顔を囲んで、すとぷりメンバー5人が息を殺して見守っている。
「……よし、寝たな。さとみ、そろそろ腕疲れただろ? 俺が代わってやるよ」
ななもり。くんが、リーダーらしい(?)気遣いを見せて手を差し出す。
「は!? なーくん、下心が透けて見えるんだけど! 順番なら、最年少に近い俺でしょ!」
莉犬くんが身を乗り出すと、横からるぅとくんが冷ややかな、でも執念のこもった声で遮る。
「莉犬くん、力加減わかってます? ちぐはちゃんはシルクより繊細なんですよ。……僕が一番安全です」
「お前ら、ちぐはを物扱いすんな! 俺の妹だぞ!」
さとみ兄さんが、ちぐはを離すまいとぎゅっと抱きしめ直す。その時、ちぐはが「ふにゃ……」と目を覚ました。
宝石のような瞳がぱちりと開く。
さとみとそっくりな、でもどこか吸い込まれそうな美しさに、全員が息を呑む。
「……あ、笑った? 今、俺を見て笑ったんちゃう!?」
ジェルくんが身を乗り出した。「ちぐは〜、ジェルお兄さんやで。抱っこさせてくれたら、一生お前の最強の味方でおるからな」
関西弁の甘い囁きに、ちぐはがキャッキャと手足を動かす。
「あー!ジェルくんずるい!……ちぐは、僕だよ、ころん! ほら、ヤギの鳴き真似してあげるからこっちおいで!」
ころんくんが必死にアピールするが、ちぐはは不思議そうな顔で彼を見つめるだけ。
「……もう、みんなうるさい。ちぐはがびっくりしちゃうでしょ」
さとみが溜息をつき、しぶしぶ腕を緩めた。
「……一人30秒な。あと、ちぐはの肌に少しでも傷つけたら、一生出禁だからな」
ついに解禁された、ちぐはの抱っこタイム。
一番手はななもり。くん。
「……うわ、あったかい。……ちぐはちゃん、生まれてきてくれてありがとうね」
聖母のような微笑みで抱きしめる彼に、ちぐはは安心したように身を委ねる。
「はい、30秒終了!次は俺!」
莉犬くんが、壊れ物を扱うようにちぐはを抱き上げる。
「……ちぐ、大好き。俺、お前が大きくなるまでずっと隣にいるからね」
その様子を、さとみ兄さんが般若のような顔で見守る中、ちぐはを巡る愛のバトルはさらにヒートアップしていく――。
超甘々です!
すとぷりのさとみの妹だった件について。③
第3話:離乳食デビューは、愛の重さの味がする?
ちぐはちゃんが生まれて数ヶ月。ついにやってきた離乳食デビューの日。
国宝級の美貌はさらに磨きがかかり、ぱちくりとした大きな瞳で食卓を見つめるちぐはちゃん。
「よし、ちぐ。お兄ちゃん特製の10回裏ごしした10倍粥だぞ。……あーん」
さとみ兄さんが、もはや執念すら感じるほど滑らかに仕上げたお粥をスプーンですくう。
「ちょっと待った! さとみくん、お粥だけじゃ味気ないでしょ。僕が北海道産のかぼちゃをペーストにしてきましたよ」
るぅとくんが、どこで仕入れたのか最高級食材を差し出す。
「ちぐはちゃん、こっちの方が甘くて美味しいですよ? はい、あーん」
「えー! るぅとくんずるい! 俺はちぐのために、可愛いイチゴのスプーン買ってきたんだから!」
莉犬くんが、キラキラした目でちぐはちゃんを見つめる。
「ちぐ、俺のスプーンで食べて? ね? お願い!」
そこに割って入ったのは、エプロン姿のななもり。くん。
「みんな落ち着いて。ちぐはちゃんがびっくりしちゃうでしょ。……はい、ちぐはちゃん。まずはパパ……じゃなくて、なーくんのお粥からいこうね」
どさくさに紛れて自分をパパと言いかけるなーくん。
「なーくん、パパは俺や。……嘘や、お兄ちゃんや。ちぐは、俺の面白い顔見ながら食べたらもっと美味いんで?」
ジェルくんが全力の変顔を披露するが、ちぐはちゃんは無反応。
「……みんな必死すぎ。ちぐ、僕が食べさせてあげるよ。ほら、飛行機ですよー、あーん」
ころんくんが、意外にも一番まともな(?)飛行機ごっこでアプローチ。
ちぐはちゃんは、目の前に並んだ6本のスプーンと、必死すぎる6人の顔をじーっと見つめる。
そして……。
「……あぅ、あー……!」
ちぐはちゃんが、一番近くにいたさとみ兄さんのスプーンを、小さな手できゅっと引き寄せた。
「……っ!! 食べた……ちぐが、俺のお粥を食べた……!!」
さとみ兄さん、感動のあまり全米が泣くレベルで号泣。
「あー! さとみくん一歩リードじゃん!」(莉犬)
「次、次は僕のかぼちゃです! ちぐはちゃん、こっちも!」(るぅと)
結局、ちぐはちゃんが一口食べるごとに、6人の大男たちが一喜一憂し、部屋中に歓声(と鳴き声)が響き渡るカオスな食卓に。
「ちぐ、美味いか? ……よし、明日からはフォアグラのペーストにするか」
「さとみくん、新生児にそれは早すぎます」
ちぐはちゃんの胃袋を掴むための戦いは、まだ始まったばかり――。
さとみくんが一歩リードした回でした!