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目次
優等生なんだから。(1)
「今日は、数学のテストを返す」
先生がそう言った瞬間、「うわあ~」という声が上がった。
そんなクラスメイトたちを見て、私は鼻で笑った。
どうせ、今回も100点よ。
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「天野あや」
「はい」
テストの点数は、もちろん100点。
“優等生”なんだから、100点は当然。
70点とか80点とか、そんな点数取りたくない。
いや、`取っちゃダメなんだから────`
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家に帰って、親にテストを見せる。
「また100点!?すごいじゃない。もっと頑張りなさいね」
「…うん」
私だって、遊びたいよ。
私だって、休みたいよ。
引き出しの中につまった「100点」「99点」のテストたち。
全部全部、私の努力のかたまりだ。
努力なんて、もうしたくない。
たまには遊びたいよ。
100点のテストをぐちゃぐちゃに丸めて、ゴミ箱へ捨てた。
「あや」
もういい。また勉強しなさいとか遊ぶなとか言ってくるんでしょ。