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目次
第一話:潔癖症、転生します
俺__|白河《しらかわ》|潔《きよし》はただいま、部屋の掃除をしちゅうです。
俺は大の潔癖症。街中で汚い人を見つけたら、すぐに掃除をしたくなってしまう。
それくらい重症の潔癖症。
「うっ…埃が多すぎるッ!!!」
毎日、朝起きたら部屋の掃除をしているというのに、次の日には汚くなっている。
この世界には、汚い物が多すぎる。
埃・塵、これは当然汚い。だが、人間としての“心“が汚い人もいる。
心が汚いと、人に優しくもできないし、気遣いもできない。
これは人間としては最悪だ。
**「うん、今日も綺麗!!」**
俺は頬をつたって流れて来る汗を拭き取った。
その汗が窓から差し込む光で、キラキラと輝いた。
俺は、今日もルンルン気分で会社に向かった。
---
「うっ…うっッ!!」
俺は今、唇を噛み締めて堪えている。
信号待ちをしているのだが、横の人の…服が汚すぎるッ!!
どう考えても、洗濯機で洗っていない。
シミが大量にあるし、埃が大量についている。
**もはやこいつ…O型か!?**
そうだ、O型に違いない。
そんなことを考えていると、信号が青に変わった。
俺は走って信号を渡った。
「ふぅ…間一髪だぜ!!」
あと1秒信号が青になるのが遅ければ、俺は横の人の服を勝手に触って綺麗にしていただろう。
それくらい、俺は大の潔癖症なのだ。
と思いながら、歩道を歩いていたら、体が綺麗にクルッと回転した。
何事だ、と思って歩道を見てみたら、バナナの皮が落ちていた。
俺は回転の軌道的に、頭から落ちる。
これ…死んだな。
せめて、死ぬならこんな人の靴の汚れが付いている汚い場所じゃなくて、綺麗な場所で死にたかった。
俺は、ゆっくりと目を閉じた。
最後に見えたのは、歩道の埃であった。
---
「イタタ…」
俺は頭を手で押さえた。
…ん?俺、死んだんじゃなかったか?
いや、死んでいたとしたら普通病院の綺麗な病室にいるだろう。
「…だが、ここはどこだ?」
辺りを見回すと、周りは木で囲まれており、明らかにおかしい。
だって、バナナの皮で頭から落ちて死にかけた人が、森の中に一人で放置されていると思うか?
…それにしても、この森、汚いな…。
**『スキル:清掃が発動しました』**
スキル?
ちょっと意味がわからないな…。
**もしかして…転生した!?**
それしか説を立てられない。
スキルなんて、現実世界には絶対にない。
あったとしても、空想に過ぎない。
けど…この声、脳内に直接響いてきた
「と言っても…清掃?俺の雰囲気にはあってるけど」
潔癖症の俺の雰囲気に、スキルの能力は合ってるけど、何も変わってな…くな〜い!!!
なんか視界が緑になって、至る所が赤くなっている…。
なんか…スコープみたいな感じかな?
俺は、赤くなっているところへ向かって見た。
「ここは…?」
見てみると…んなっ!?
赤くなっているところは、埃が付いていた。
…そういうことか。赤くなっているところは、**汚い場所を示しているんだ。**
俺は“いつもの装備“を装着した。
・いつもの装備とは!?
**・手袋:汚い物に直接触れないようにするアイテムだ!!**
**・マスク:空気中の埃ができるだけ顔につかないようにするアイテムだ!!**
**・消毒スプレー:まず、汚い物に吹きかけるアイテムだ!!**
**・除菌ウエットティッシュ:消毒スプレーをかけたところの上に、これで吹くアイテムだ!!**
よし、装備も整ったことだし、早速周りの“汚い物“を処理しますか!!!
---
30分後ーー
「よし、処理終了!!」
俺はスコープで見える範囲の汚い物を全て処理することに成功した。
にしても…ここ汚過ぎないか?
30分くらいかかったんだから!!
『スキル:清掃がスキル:綺麗な者へ進化しました』
いや、周りの汚い物を清掃しただけで、進化するの?
Revelすぐに上がりすぎだろ!!
「まぁ周りを清掃しながら、どっか向かうか!!」
俺は、前を向いて歩き出した。
第二話:潔癖症、仲間ができました
「発見、発見!!」
俺は、街や村などを求めて歩き回っていた。
その道中に、赤い部分がたくさんあるから毎回『清掃』している。
いやぁ…やっぱり清掃ってたんのしぃ〜!!!
「それにしてもっ…腰が凝るな」
埃を見つけて、清掃しようとする時はしゃがんでやるから、腰が凝ってるんだよ…。
一応前世で俺、30歳なんだからね!?
「…ん?赤い部分が…動いてる!?!?」
どういうことだこれは、怪奇現象か?
今まで、動く赤い部分なんて見つけたことがない。
なんかスコープに聞くことができないのか!?
『はい、何か言いましたか?』
「ギャァ〜〜〜!!!!!」
俺は脳内に知らない声が響いてきて、心臓が皮膚を破って飛び出てくるかと思った…。
今、俺の心拍数180かもしれん…。
『自己紹介が遅れましたね。私はスキル『清掃』です』
「お前が…俺のスキル・清掃…?」
うん、何が何だか理解ができないよ。
そもそも、俺のスキル、清掃って喋れるの?
『はい。この世界でスキル・清掃“だけ“が喋れます』
「……いやすご」
この世界に知らんけど、スキルが何万とあるとします。
その中で、スキル・清掃だけが喋れます。
………神じゃね!?!?
だってさ、この赤い部分に関することを全部喋ってくれるんでしょ?
最高じゃねぇか!!!
『言っときますけど、「赤い部分」は|歪点の魔標《わいてんのまひょう》と言います』
「わ、わいてんの…?もう、わけわかめだからいいの!!」
「そ、そんであの動く赤い部分はなんだ?」
『解析・鑑定します』
---
名前:ブラッディーガルブ
No.186
ランク:SR級
攻撃力:1600
防御力:900
瞬発力:80
危険度:1000
聴力:100
体重:100
---
「………逃げろぉ〜〜〜!!!!」
俺は全力疾走で叫びながら、離れていった。
なんだよ、ランクSR級とかァ!!!
初っ端からこんな強い敵くるとか運悪すぎん!?
『叫ぶと気づかれますよ?』
「あっ………」
そういえば、“聴力100“って書いてあった気が…しなくもない!!!
いや、なかった!!
うん、なかったと信じよう!!
**うん、なかったァ!!!!!**
『というか、もう迫ってきてますけど〜』
なんでそんな生意気?
俺は背後に振り返ってみると、すぐそこにブラッディーガルブがいた。
速すぎんか?
結構遠くにいた気がするんだけど。
『私を使いなさい』
「それで解決するの…」
俺は息を切らしながらそういった。
まだ追いかけてきてるよ、ブラッディーガルブ…。
『解決します。早くしないと食われますよ?』
「**スキル・清掃発動!!!!!**」
『……………………』
なんだよ!?
何もしてくれてないんだけど…!!!!
ブラッディーガルブは一向に止まる気配がないし…。
何?
ただ単に使わせて意味ない!!!って感じにしようってか?
それだったら…スキル・清掃をステマス!!!
『心を綺麗にしました』
清掃がそう言った瞬間、ブラッディーガルブが急に止まって、目がキラキラに変わった。
その目は、何かに愛着を沸かしているような…。
そう思った瞬間、ブラッディーガルブが俺に飛びついてきた。
「お゙っ!!…重すぎるんですけど!?」
俺は体重100キロのブラッディーガルブに飛びつかれ、思わず口からキラキラを出しそうになったぜ。
変な声も出てしまったし…。
「これは… お゙っ!!どういうことだ…?」
『私がブラッディーガルブの心を清掃で綺麗にしました』
「綺麗にしたら…なんで俺に懐く!?」
『そう設定しました』
な〜にやってんだこいつぅ!!
まぁ強い仲間ができたのは嬉しいことだ。
…けど、「ブラッディーガルブ」って呼ぶの、めんどくさいな…。
名前をつけよう!!
「名前つけようとしてるんだけど、どんなのがいいと思う?」
『……もうガルブでいいんじゃないですか?』
「それは味気がねぇ!!」
『そちらが「どんなのがいい?」って私に提案してきたんですよね?』
「…ぅるっせぇ!!……けど思いつかないから、ガルブでいいわ」
『どういうこっちゃ』
俺は頼もしくて、とても強い仲間を手に入れることに成功したのであった。