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目次
やっと家族ができたと思ったら…
読んでくれてありがとうございます。
雲一つない青空。
そよそよと吹く風。
道端のタンポポ。
う~ん、春だねぇ。冬の寒さもすっかりなくなって今は春の丁度いい暖かさだけ。しかも、いいお天気。
「じゃあね」
「元気でね」
なのに、ここだけ悲しい雰囲気が流れている。なぜなら、今日はお別れの日だから。
「綾芽ちゃん」
院長の井上先生が、私の名前を呼んだ。
「今日からあなたは暁綾芽になります。新しい家族と仲良くね。でも、私たちは心で繋がっている家族よ。それだけは変わらない。悲しくなったらいつでも思い出してね」
院長先生はいつも心に残る言葉をくれる。
「はい!院長先生、みんな、今までありがとう。私は、みんながいたから今の自分になれたと思っている。感謝してもしきれないぐらいに。みんな、大好きだよ!ばいばい。元気でね」
言い切ったら、涙が出そうになったから、みんなに背を向けた。そのまま歩き出す。後ろは振り返らない。
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徒歩10分くらいのところの駐車場に迎えの車があった。黒のベンツ。窓を叩くと運転席のところから20代くらいのスーツ姿のお兄さんが出てきた。
「お待ちしておりました。綾芽お嬢様」
その人は田中と名乗った。
「組長が屋敷で待ってるので、早く行きましょう!」
田中さんが後部座席のドアを開けてくれた。
「ありがとうございます」
私が乗り込むと、田中さんも運転席に乗り、車が動き出した。
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「着きましたよ」
田中さんがドアを開けてくれながら言った。私は、ゆっくりと降りる。
「うわ」
私の視界に映った先には、豪邸と門の前に整列する、たくさんのスーツの人が見えた。私の家族、やっとできたと思ったら、結構やばい人たちだったのかもしれない。なるべく普通の家族でありますようにと、心から願った。
組長の娘1話目、やっと書き上げました。投稿初めてですので、結構がんばりました。もっとこうした方がいいよなどのアドバイスがあればお願いします。2話目も楽しみに待っていてください!