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目次
禁断の寵愛
エロとグロが混じった心臓フェチです。
心臓にぎにぎされるだけでそんなにグロくないです。ファンタジーっぽい。
若い主人と何人かの美しい使用人。
そこに新たな使用人がやってきた。
「あなたさまに心臓を捧げる気持ちで頑張ります」
ぎこちなくしゃべる幼い身体。まだ14歳くらいだろう。背は小さく、けれど美しい身体をしている。
美しく、業務をこなすできる使用人のもと、幼い少女は仕事を覚えていく。
そして、彼女をサポートする使用人はこういった。
「馴れてきましたか?」
少女は頷いた。
「では、そろそろこの屋敷の作法をお教えしてもいいでしょう」
「何を教えてくれるのですか?」
「そうですね、まずはご主人さまの|夜伽《よとぎ》の練習でもしましょうか」
その夜。館の一番奥の部屋、主人の寝室にて。毎晩、使用人は時間を設けて主人と性交渉をしている。使用人たちのほとんどが多様な肉体美を披露しているのはそれが主な理由になる。
裸になった美しい使用人は騎乗位をして行為に励んでいる。身体の動きに合わせてベッドは軋み、主人は使用人の胸を触る。
主人は若く、使用人との性交渉を心待ちにしている。それからとある能力を持っているがゆえ、特殊な性癖を持っていた。
主人の手は撫でるように胸の肌を触り、弾力性の富む乳房を堪能している。膨らみを押し、手のひらを沈み込ませ、そのままにした。鼓動を感じる。
主人は、谷間に挟んだ手を動かした。その手は透過して乳房のなかに、肌のなかにゆっくり沈み込ませていく。
手首辺りまできれいに入っていった。胸は、肋骨と胸骨によって守られているが、それらを無視してとある臓器にたどり着く。
心臓に到達した。表面を撫でる。それは停止を知らないように動いていた。心臓の動き、激しい動き、それを束縛するようにやさしく握った。
「……覚悟はいいかい?」
美しい使用人は苦しみをにじませる声で言う。
「……どうぞ、思いっきり握ってください。私の命を感じてください」
主人は使用人の心臓を握りながら、命の鼓動を掴み取る。心臓を痛めつけるたびに背骨が折れるようにもだえ苦しむ使用人。それでも美しい彼女は行為を続けなければならない。
気を失ってはいけない。それが夜の奉仕と呼ばれるもの、主人を喜ばせる健気さである。その表情に若い主人はとても満足し、さらに力を込める。
その様子をベッドから少し離れた場所で少女は見ていた。裸になって立っていて、手に持っているバスタオルの裾から幼い身体の線が見える。金色に染まった陰毛はまだ生えていない。
唖然としてしまう。だが、なぜかそれに魅了されてしまう。内|腿《もも》にとろりとした液体がひと筋流れ落ちる。
美しい使用人は一人で果てたようにぐったりとしていた。ゼイゼイと荒い呼吸をして、心臓はもう停まる寸前まで動いていた。ようやく彼女の胸から主人の手が離れる。
その手でポンとベッドを叩いた。少女は少しずつ主人に近づいた。
「安心して。君ははじめてだ。痛いことはしない。約束する」
少女は生唾を飲み込んでから、
「いいえ。覚悟はできています。さあ、私の命を感じてください」
少女はベッドに乗り、主人の身体の一部を触った。自分の手よりも大きな部位。それがますます大きくなっていく。
胸を張り、主人に捧げるポーズをする。
「別にいいんだよ」
「これは私のわがままです。お願いします」
「……いいんだね? では、お言葉に甘えて。直接握って寵愛したいと思っていたんだ」
主人の手が胸の中に伸び、少女の幼い心臓を握った。怯えているも力強く跳ね返す肉の塊。主人のもう片方の手は小さな小さな花びらを広げ、彼女の花蕾をもてあそぶ。
苦しむ様子と甘美の性に身をよじらせる姿を見ながら、一層慈しみを持って彼女たちを愛でていくことになるのだろう。
「早く君の心臓に電流を流して止めたいな。蘇生してあげるから」
「今はできませんが、覚悟ができれば、お願いします」
「ははは。安心してくれ。今まで蘇生に失敗したことはない。みんな生きている。頑丈な命だ」
「その代わり、たくさん握ってください」
「ああ、そうしよう」
主は耳元で囁く。「大好きだよ」
全然時間取れない。
すごい物理的なもの。
あげれるときにあげようと思う。
都合の良いクスリ
僕のフェチ(心臓・聴診器)をふんだんに込めたやつです。
いのちを削ってる行為に興奮するやつ。
エロくなくてごめんね。
約5400文字
滋養強壮薬として売られている「魔鏡」。
副作用として一時的に心臓発作的に心臓のリズムが乱れさせ、心拍数を上げるというのがある。若者たちはこの薬を大量に買い乱用するという「Heart Beat Trip」という危険な火遊びをしている。
少なくとも通常の10倍ほどの量を飲み、早ければ15分ほどで効果が出始める。|巷《ちまた》で話題の|OD《オーバードーズ》と呼ばれるものだった。
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さあ、今宵の月は誰がする?
グループの誰かが言った。
平日の深夜帯のことだった。
大人たちでも家路に帰るレベルの夜の濃度。光の神殿のごとく輝く、歓楽街の危険なエリア。そこから少し離れた闇の棲む場所。ガード下の暗い雰囲気に、さらに影が落ちた。
未成年者の集いの場所である。安心して眠れずにいて、昼夜が逆転してしまった者たちが集っていた。
ネグレクト、家庭内暴力、いじめ、不登校、近親相姦、自殺未遂……。自分の身体を傷つけて、身内の大人、周囲の大人たちに助けを求めたが無視されてしまった。気付いたのは同じ境遇を持つ同年代の仲間たち。死にたいと願う男女の危険な界隈。その場所だった。
深夜はいつもここで夜を明かし、昼になると家に帰る。
集落と化したここに、一般的な社会の知識など無用の長物。学校なんていう真面目さ、宿題というつまらない時間、規則正しいという手堅さ。ここでは全部ダサい代物だった。
私がやっていい?
グループでは中間層の、〇学生女子が手を挙げた。こんなところにいるべきではなかった。彼女の通っている学則では、髪染めやピアス、化粧はだめらしいのだが、そんなの知ったことではない。茶髪に耳ピに黒のネイル。悪魔の使いのような黒を基調とした服装。裾上げしてミニスカート化した制服。
そんな彼女の立候補に、夜の友人たちは謎の盛り上がりをしている。かしわ手に似た強い響きが数発、夜の歓楽街に弾ける。花火でもやっているかのよう。
そんなに意気込むなら、景気づけにやってみよう。
いいよ、早くやろう。
そう来なくっちゃな。
当たり前のように白い錠剤の入ったビンを取り出した。
裏ルートで仕入れたらしいいつもの「|魔鏡《遊び道具》」。彼女はそのビンを受け取って蓋を開けようと力を入れる。
ビンはいつも新品だった。250錠もあるこのビンを、一日あれば|空《から》になってしまう。
ビンを開けるとなぜか盛り上がる。どのくらい飲むのと隣の人は聞く。えー、どうしよっかな、なんて挑戦者の彼女はとぼけている。
まずノルマとしてこのくらいでしょと、10錠を手のひらに乗せた。
そしてそのまま口のなかへ放り込む。自販機で買ったペットボトルで流し込んだ。
一回一錠を一日二回服用。錠剤の大きさは比較的小さめで、一気に飲めてしまう。すぐ飲めてすぐ効く。OD向きの市販薬。
おっ、いった!――と彼らは盛り上がった。
この時点で通常の量の五倍だった。
彼女はまだまだと挑発的にビンを振り、錠剤を取り出した。
夜の友人たちは彼女に話しかける。前回はプラス24だったから25でいいっしょ。彼女はその提案に乗った。じゃらじゃら音を立てて、白い錠剤を手のひらに乗せる。
一部は彼女の小さくて細い指の|器《うつわ》から抜けていったが、構わず地面に落ちたものを拾って手のひらに乗せた。
じゃあ、いっただきまーす、と彼女は大声で言って、口のなかに放り込む。それからえづきながらもお茶で流し込んだ。おー、と友人たちは拍手をした。
効果が現れるまで談笑していた。
最近の近況や今のトレンドについて共有した。
突然だった。彼女は立っていられなくなる。
ほつれ糸のようによろめいた。
大丈夫? ……大丈夫。
彼女は気丈に立ち上がるのだが、その後何回か転んでは復帰して。の繰り返し。
その間隔が狭まり、とうとう立つことができなくなってしまう。
地面のアスファルトの床に転がった。背骨を丸め、身体を縮みこませ、胸を押さえている。
ヤバい。心臓がバクバク鳴ってておかしいんだけど、ヤバい。
笑いながらみんなに言う。本人による実況中継ができるほど、声の方はまだ余裕はあった。
おっ、始まったか。
周りはニヤニヤした。彼女の異変に誰も心配なんてしない。むしろ待っていたといった感じだった。
彼女は自身の胸が熱くなっていくのを理解した。インフルが胸にだけ感染したような感じ。それ以外は全然普通だ。普段は感じない動悸がすごいした。心臓の鼓動が加速する。バクンバクンと大きく動いている。
肩で息をするように、呼吸が乱れる。普段は感じないはずの心臓が、肺を押してまで大きく動いているのが分かった。この時点で心拍数は150は越えていた。
仰向けに倒れて無様にがき苦しんだ。服の上から掴むように胸を押さえている。
始まったぞ、急げ、とみんなは言った。バーゲンセールのように彼女の周囲に人が集まりだした。
助けるためではない。彼女の急変の心配なんて誰もしていない。むしろここからが楽しむポイントだ。自身の胸を守るように、押さえている。いのちを削っている音を抱えている。その彼女の手をどけて、手首を掴んだ。
無理やり仰向けにさせ、腕を左右に広げるようにした。見えない十字架が地面の先に見える。彼女はゼイゼイと息を吐き殺して、苦しそうにしている。
その彼女を半ば強姦のように一人の男が身体の上に乗っかった。体重をかける。スカートの布と太もも全部に圧がかかる。
手足の自由を奪われて、前のボタンは夜の友人の手によって外されていった。
ぷち、ぷち、とボタンの外される音がする。彼女の声はただ喘ぐばかりに弱くなった。
ボタンを外していくと、乳房を支える下着の色が覗いた。おいおい|湿気《しけ》た色してんな―、と白色のブラをつまみ上げ、素肌を露出した。所々にキスマークが付けられた胸。それに反応する男たち。
夜の友人たちは、乗っかっている男以外に4人ほどがいて、全員がノリノリだった。それぞれ手と足に体重をかけ、拘束を担当している。
その、拘束する一人が聴診器を取り出した。
急変を確認し、救出するための手立ての道具ではなかった。楽しむための道具だった。
彼女の左胸に聴診器を当てた。聴診器は明確に、胸の中で激しく駆動する臓器音を捉えた。
ドクッ、ドクッ、ドクッ……。
心臓が皮膚から服ごと突き破ってこないか、心配になるほどだった。心臓発作と呼べるものだった。なのに、速い、速いと何故か喜んだ。他の男たちは大いに笑ったが、彼女の手足を拘束する力は緩めなかった。
よく聴こえるよ、
すごいすごい。頑張ってるよ。
力強い鼓動を褒めるような事を言う。聞き手は倒れてもなお鼓動する生を聴いてうっとりとしていた。
挑戦者の彼女は力なく首を動かしている。心臓の動きに従い、頷いているのだろうか。
彼女のブラの色やおっぱい大きさ、乳首の敏感さには目もくれなかった。あわよくば、そのまま下半身へ手を伸ばして、スカートの裾をめくりあげ、下着の汚れ具合と陰毛の生え具合、外性器の様子まで余すことなく閲覧可能な状態だった。
実は、今夜の彼女は昼間に性行為をしていた。見ず知らずの人とセックスをして、中に出され代わりにお金を得ていた。フェラチオだってしていた。歯磨きをせず、スイーツでごまかしたから、もしかしたら誰かがキスをすれば、精子のかすかな味があじわえただろう。
けれど、夜の友人たちは、それについてはどうでもいいと、胸の、中心部の音を聴診器で吸い取り、「彼女のいのち」について感想を述べていた。
ヤバッ。え、ヤバッ。
すっごい速いんだけど。
え速っ、なにこれ、ウケるんですけど。
聴診器を当てながらそんなことをつぶやく。
もっと聴きたい、もっと知りたいと、小さな金属をさらに沈み込ませた。
胸の中に、小さな円盤を押し込む。医学的な知識は浅いから、心臓は左胸にあると思っている。だから左胸に聴診器を当てている。
しかし、彼女の心臓付近にあることは確かだった。乳首のすぐ下。鼓動がもっともよく聞こえる場所。心尖部に当てている。聴診器の|円盤《ピース》を小刻みに跳ね返している。
聴診器の先に力を込めると硬い物質に当たった。肋骨だ。骨が聴診器の円盤の侵入を防衛している。そして肺の上下する動き。だが、聴診する持ち手は年上の男の子だ。その力はいつまでも沈み込めそうな気分がある。
彼女の乳圧に打ち勝ち、その奥の硬い部分、肋骨を押した。下品な笑い声とともにひび割れを入れてもよいぐらいの力で押した。肋骨の隙間を押し広げるようにしていった。仮に胸から離せば内出血の跡が一つ増えるだろう。
しばらく聴いたら耳を交代する。圧迫する者は固定だ。
速くなった、強くなった。
彼女の許可なく胸を触る者がいた。
ドクドクドク。
跳ね返してくるのが指に伝わる。
酒瓶の回し飲みならぬ、心臓の回し聞き。
乱れに乱れた心臓のバッドトリップ。
いのちを削ったドリップコーヒー。
心音のみを吸い上げる金属のストロー。
飲み込んだ錠剤は35錠。
通常の17.5倍。
後遺症は残らないと思い込んでいる。
苦しむ彼女もそう思い込んでいる。
現在進行形で苦しみながら、いのちを削る遊びに夢中だった。
あわよくば、死ぬかもしれない遊び。
あわよくばでないから面白い。
リストカットよりも白熱した火遊び。
若者たちは自分の心臓を差し出して、友人たちの娯楽としている。
いのちと直結している部分を差し出した。平気な顔をして。
普段なら大事にしているはずのところ。そこを、どこまで早く動かせるか。
挑戦していた。毎晩、この時間になると。
12345……。12345……。
聴診器を当てながら心拍数を早口で数えている。
10になると一つずつ指を折って、再び12345と数えた。そうしないとスピードに追いつかないから。はだけた彼女の「いのち」を聞いた。最大心拍数の220は絶対超えている。スピードアップ。250。それ以上。その気配が一段と増す。
でも、これだけでは終わらなかった。終わらせられなかった。
「Heart Beat Trip」。
「Heart Beat」は聞いているが、「Heart Beat Trip」は聞いていない。
かなり速いとはいえ、乱れていない。規則正しさは優等生の証。我々のように、乱れさせないといけない。
行くね、と主導権を握る男は言った。
いつまでも聴診器は、船のいかりのように沈んでいる。海底の奥を吸音している。
ドクドクドクドクドクドク……
苦難を与えてもなお優等生である心臓の真上。聴診器の真上に両手を重ね合わせ、手のひらを合わせた。
聴診器に合わせ、ぐっと両手を押し込んだ。あばら骨とともに、金属のいかりは深く沈む。
くぐもった彼女の苦しそうな声を出す。彼女は被害者。
その顔ににやりとした。男は加害者。
地面、背中、心臓、肋骨、聴診器、皮膚、男の両手。
地面と、男の押し込む両手が一気に縮まり、心臓の駆動範囲が一気に狭まる。
ドクドクドク……ドッ…………ドクドクドク。
脈が飛んだ。一秒につき4回は収縮するはずの赤い臓器が、一秒だけ停止した。
聴診器でそれを聴音した者は、それについて喜んだ。
停まった、停まった。連呼した。
代わって代わってと、隣の人は聴診器をねだった。そして聴いた。30秒ほど経過して、その機会を待った。なかなか来ないから、圧迫する力を強めた。
すると、すぐに乱れを確認した。連続で来た。
聴診者はとてもわめいた。規則正しい生活に対して反抗することがこれほど嬉しいように。
彼女に対する心臓圧迫で、期外収縮を聴けたら人を変えるということをし始めた。心臓が止まることに反応した。
ヤバい、ヤバいんだけど。
聴けた、聴けた。
同じ言葉を連呼するのみだった。
一周すれば、手足の拘束はもう要らなくなっていた。もう半周するころには彼女の目は虚空を泳いでいた。意識はもうない。白目の表面積が多い。もう気絶して、涙を浮かべていた。それでもなお、心臓の虐待は継続される。
心臓だけが懸命に圧迫の抵抗に喘ぎ、心臓停止の時間が若干延びる。
血流が4秒停止すれば、脳に血液がいかなくなって意識を失う。彼女の意識が飛んだということは……。
このまま続ければ許容範囲を超え限界を迎えるのだが、だれも彼女の危機に憂慮していない。心配も、AEDを用意することも、万が一のことも考えていない。全く考えていない。そうならないという架空の確信がそこにあった。
ただ下卑た笑みを弾けさせて、胸の圧迫をし続け、心臓の停止を頻発させて、聴診器の回し聴きをしているのみ。とても速く動いているのに、停止するのだ。それが面白いと感じている。
乱れた心臓の音を、聴診器で味わうのが最高のひととき。いのちを削る遊びは少なくとも30分以上は続く。心臓の調教、いのちの調教、彼女の調教。調教の時間は生の実感。
意識消失がとてもウケる。その脱力した顔がとても笑える。それなのに挑戦するのがとても楽しい。
次、オレがしまーす。
彼女の心臓が弱まることが契機となって、〇学生の男がビンをじゃらじゃら振った。彼女は放置され、バーゲンセールは終了する。いつかは復活するだろう。次だ次。
彼女の飲んだ数プラス1錠が喉を通り、薬物が胃で溶解されるな否や、次の発作が始まった。同様に胸を押さえ、そのまま倒れた。今度は立ち上がることはなかった。彼女よりも年齢が低く、体格も低い。義務教育中だった。
来た来たと期待する者たちが聴診器を持って飛んでいく。彼女は放置された。
服を脱がせ、胸に当てる。すぐさま高鳴る心臓を捉えた。
|心臓《いのち》を早く動かすのって、死ぬほどたのしい。次は|自分《ぼく》が立候補しようかな。
書き終わった後調べてみると「OD依存症になったら舌が青くなる」というのがあるらしく、「入れてー要素だったわー」とか思った。
“トー横”に広がる「青い舌」……楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/orutis/diary/202310210002/
理想的な夢
また僕の性癖(聴診器&蘇生)を詰めたやつが出来上がりました。
このジャンルは何なんだろ。
病みとグロの混血、みたいな。
「約7800文字」
いつからかは分からない。
けれど、わたしは死にたいと思っていた。
死にたい、死にたい。
小学生のころからそう思っていた。死にたいって。
けれど、そんな度胸はわたしにはなかった。
なのに死にたいと思ってしまう。
そんな思いの強さは、ここまで何不自由なく育ててくれた親に申し訳ないと。
それでも、夜霧に消えるように死んでしまいたいと思っては、学校|貸与《たいよ》のタブレットで「自殺 方法」と調べてみたり、「心臓 止め方」と入れてそういった記事を見たり。実際に心臓を止める方法が実在することに喜んでいたり。
その中で興味を注いだのが「安楽死」だった。
小学生・中学生・高校。そして大人になったわたしを|虜《とりこ》にした。
人間には死ぬ権利がある。自由に、いかなるタイミングで死ぬことができる。
その通りだと。そう思えば思うほど、死にたいと思う気持ちが増進した。自殺などという行為をせずとも、安楽死さえあれば、自由に死ぬことができる。
死にたいって思うのはどうしてかと問われたら、答えられないけど、強いて言えば、この世で長く生きたいとは思えないから。
どうしてこの世に安楽死がないのだろう。毎晩毎晩同じことが起こって、未来予想では確定必至である南海トラフ地震という、避けることのできない自然的|出来事《イベント》におびえる日々に飽きていたからなのか。
死にたいという人が簡単に死ねないのは、ひどい世界だと思っていた。
ヨーロッパの一部地域に行けば安楽死ができるというが、そんな大事な死は求めていないし、金銭的にも余裕がない。
日本で安楽死が採用されればいいのだ。けれど、日本政府は高齢化が激しいし、同性婚の問題に対してさえ、考えるどころかその考えに首をかしげるくらいの遅さである。
まだ時間がかかる。おそらく何十年もかかるだろう。老衰で死ぬのが先だ。その前に死にたいのに。仮に日本に安楽死が導入されれば、それで逝きたい。死を望んでいるというのに不自由な死を享受せよなんて、不条理だ。
だから、大人になってもこんな夢を何度も見てしまうのだ。
「わたしが死ぬ夢」を。
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「今日の日付は〇〇日だから……原口さんにしましょう」
わたしの名前が呼ばれた。
はい、と言って、席から立ち上がった。
足先に微かにうごく布の動き。制服を着ていて、中学生女子をやってるとわかる。
黒板の前にはどうしてか保健室にあるようなベッドがあって、横に寝てくださいと先生に言われた。
「これから「いのちの授業」をしていきます。まずは制服を脱がしていきましょう」
わたしの上半身を裸にした。プチプチと軽い調子でボタンを外していき、首から下の肌、胸とお腹を露出させた。
わたしの胸はまだ貧相で、おっぱいという感じはしなかった、淡い色をした乳首の周りが膨らんできたかなっていうくらいの、小学生のおっぱいだった。
そのおっぱい周辺に、心電図に使われるような電極をいくつかつけられた。
タコが張り付いたような、吸われる感覚がある。吸盤による吸着力で、胸の皮膚が引っ張られる感覚が次々となされる。
ただ付けられるところは、検査のようにお腹にはいかず、胸の中心と左胸に固まっていた。
心臓の真上とその周辺に固まっていた。
電極のコードは、ベッドの周りにあった大型の機械に繋がっていて、そこから音が鳴っている。教室は手術室みたいに変容していて、いつの間にか、ピッ、ピッ、ピッ、という音が響くようになっていた。
心臓の動きを写し取るような音のリズム。
拘束されてないのに、手足は伸ばしたまま静止していた。そうしないといけないと思ってしまっていた。
動いていいのは心臓と、わたしの呼吸により上下する胸の位置のみ。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
痩せ型なので、息を吸ったら肋骨の一部が浮き出てしまう。電極の付けられた周りに多い。
わたしはその浮き出てしまう肋骨のことをどこか気に入っていた。痩せているとはっきり判る部分。
心臓のパクパクとした循環器の音と呼吸器の動き。緊張が反映され、心臓の回数を数えていた。心拍数は120くらいだった。それでも電極は外れることはなかった。
先生の手が伸びて、なぜか解らないけどわたしの胸を触ってきた。
男の愛撫の仕方ではなくて、同性の、正しい触り方をした。指先から手首まで、手のひら全体を軽く付けた。そして皮膚の表面を滑っていく感じ。肉感は楽しまない。
電極部分は避けて、右胸、右胸の下部。向きを変えて、みぞおちの部分を渡って、左胸の下部へ。また向きを変えて左胸へ。コの字に手のひらでさするから、わたしはなんだかくすぐったい。
ちょうど息を吸った瞬間で肋骨が浮き出たところだった。
手のひらはわたしの肋骨が浮き出たところを通り、左乳首に触れた。突然だったから、身体がぴくんと跳ねた。声も「んんっ」と漏らしてしまった。
「左乳首が感じるようね」
先生は笑って、オナニーはしてるの?――と疑問系で聞いてきた。手を丸め、左乳首をつまみながらだった。
わたしは無言で頷いた。頷かなくてもよかったかもしれない。性的な反応を見せていたから。
自分でオナニーする時、よく乳首を刺激して快感を得ていたのだが、それよりも気持ちよかった。自分の身体じゃないみたい。身体が勝手に跳びはねてしまっている。
同じところを触っている。自分ではない、他の人が触っただけなのに、その快感は倍増したようだった。
「原口さん、いのちについて説明できますか?」
先生は、寝転がるわたしに質問した。
「はい」
わたしは、先生の責めに耐えつつ、あくまで授業中というマジメな空気圧を感じつつ、意見を述べた。
「心臓がドキドキと動き続けていることです」
「そうですね。では、心臓が停止してしまったらどうなりますか?」
「死んでしまいます」
「そうですね」
先生はクラスメイトを見渡しながら、
「では、これから原口さんの「いのち」を使って授業をしていきましょう」
先生は注射器を取り出した。
変な色をした液体が入っている。
「この薬を原口さんに注射してみましょう」
先生はクラスメイトに見せるようにしてから、針を下にする。注射器を回すとき、一瞬、針のとがった部分が視界に入る。怖い、という感情が自然と背筋を伸ばそうとする。
「麻酔をせずにするので少し痛いですけど、我慢してくださいね」
一瞬ちくっとしますよ、と歯医者のする麻酔前のセリフを言ってから、針を刺した。場所は胸の中央から数センチだけずれた場所。胸骨のすぐ隣。肋骨と肋骨の隙間。
針の先端が押し付けられて、皮膚の一部がくぼんだ。押し付ける力が強まり、皮膚は針を受け入れざるを得ない。
顔をしかめていたと思う。目を一瞬つぶる。心臓に激痛が走って、胸を押さえたい。
けれど、痛みは一秒も続かなかった。
針はもう離れていた。シリンダーの中身の液体はすでに無くなっており、注入済みだと分かった。
針の先端には赤い液体が。おそらくわたしの胸にも赤く刺された小さな跡が。わたしの……そう思うと途端に鼓動が速まった。
「あ、あのっ。それって、なんですか?」
わたしは質問する。〝それ〟とは注入された液体のことだった。
「原口さん」
先生はにこりと笑みを浮かべる。
「今の授業は何でしたっけ?」
「えっと……」
わたしは頭の中で答えを探している。けれど、どことなく、その答えよりも緊迫感の方が|勝《まさ》っていた。心臓の素早さが上がった。どくどく、どくどく、と、どんどん上がっていくのが解る。
わたしは考え込んだ。答えを出す前に先生は言った。
「聞いてなかったのですか? 今日から新しい単元、「安楽死」に入ったのですよ」
「あ、そうでした。……えっと、じゃあ、ということは……」
わたしは言葉に詰まった。先生は女性的な笑みを浮かべた。
「そういうことです。この薬は、安楽死用に開発された「オクスリ」ですよ」
まだ試作品段階ですから即死性は期待できませんが。そのように言って、先生は、空になった注射器を見せていた。
「それでも、猛毒ですから、授業で使用する分には問題ありません。時間がくれば原田さんの心臓は停止します」
注射器を見せられて、全部が注入されていたことに、わたしは納得した。わたし、ようやく死ねるんだ、そう言おうとしたら、言葉にできなかった。思っただけになった。
「さぁもうじきです。もう少し原口さんの近くに寄ってください。みんなとお別れをしましょう」
多くのいすが引かれ、床がこすれる音が。教室内は騒がしさに包まれる。クラスメイトのみんなが寄ってきて、わたしを見下ろすようにしている。距離が近くなった。じっくりと、わたしの苦しんでいる顔をのぞき込んだ。
その学習熱心な目つきは、教科書のそれをみるようなものだった。わたしを見ていたことは確実だった。身体を見ていたのか、電極の付いた身体を見ていたのか。わからない。
けれど、クラスメイトの男子は性的な部分を見ていたのだろう。仰向けになって平べったくなった胸を見ていたのか、女性器のワレメを見ていたのか。ぽっと腫れた感じで赤くなっている二つの乳首を見ていたのか。
わたしのおっぱいは、まだ初潮の迎えていない小学生程度のようなので、こんな風に寝てしまうと男の子みたいな平べったい胸になるのがコンプレックスだった。
けれど一部の男子たちを見たら勃起しているようで、スラックスの黒いズボンの上からでも分かるほど、こちら側に張り出したように硬くさせていた。
ああ、なんだ。別におっぱいの大きさとかは関係なく、ただ女の子の胸だけでいいのか。だったらわたしはなんてちっぽけなことで悩んでいたのかなって思ったりした。
異性の布越しに隠れた性器を見ていて、わたしのことも意識が向いた。軽く脚を開いただけなので、全体像は見えていないと思う。一応毛は生えている。一応。
性器の入口は閉じていると思う。ひと筋の切れ込みがあるだけ。そう思いたい。
けれど、先ほど注入されたクスリが、わたしのいのちを削っているからか、心拍数はますます上昇していった。心臓の収縮具合は自分のものとは思えないほどに膨らみ、急速に縮んでいく。その繰り返し。高速な動き方。おかしい。おかしい。
尋常ではない速さの血液の循環で、肌は上気して赤くなり、血流が増していた。
だから、それによって……。
わたしのワレメは閉じていたのではなく、興奮していたのかもしれない。生命の危機に瀕して、閉じていたところが若干開き、ワレメの入口付近が膨らんで、ちょっと見えていたのかもしれない。中身が、陰唇が。異性を誘う形をしていたのかもしれない。
恥ずかしい。
その思いがまぶたを重くさせ、目を閉じる。暗闇になった。まぶたの上あたりの細い血管がピクピクと揺れていた。頭蓋骨の中は送られてきた血流が滞留を起こしている。ボーリングの玉のように頭が重く、動かない。機能しない。でも心臓はいまだ速度を上げている。
途端、ドクドクドクと、とても速く鳴っていた心臓がドクンッ……と、一回大きく高鳴って、そのまま次が来なかった。急ブレーキをかけた。
とてもうるさかった機械音が、ピーーー、と一定になった。心臓がとまった。わたしは思うと、もう意識が遠くなる。とだえる。これが「死」と呼ばれる存在……
「無事、止まりましたね心臓が」
先生の声が聞こえる。鼓膜には声が届く。けれど、何も反応できない。意識は暗闇の濁流に飲み込まれたまま、身動きが取れず何もできない。何か声を発することもできない。考えることもできなくなった。わたしの状態は、ポンプ機能の失った機器と何ら変わらない。
「どうして停止したかと言うと、毒薬が心臓の細胞……冠動脈から心筋に行き渡り、心臓の機能を最大限まで増幅させたからです。早鐘を打つように動かすと、心臓のポンプとしての役割を失い、空打ちと呼ばれる状態になります。心室内に血液が溜まらないまま動くスピードになってしまう。膨らまずに萎むのをくりかえす、その心拍数の速さになってしまいます。
年齢により、そのとても速い心拍数……最大心拍数は決まっていて、それ以上速い状態が続けば危険な状態となります。心臓は冠動脈から栄養を得ている。それが流れなくなって酸欠状態となり、心臓が停止してしまいます。これで原口さんは死にました。確認しましょう」
先生がわたしに触れた。眼球を閉じたまぶたの上下に指を置き、まぶたのみを無理やり開けさせた……ような気がした。わたしにはそのように言うしかできない。
先生は目のなかに光を当てている。らしい。
ペンライトを向けて、瞳孔反射が起きるか確認しているのだ。けれど、そうやって目を無理やり開いて、光を入れても認識しない。わたし自身、光は見えなかった。眩しいとも感じない。
死亡確認は、心臓の停止と瞳孔の反射、あとの一つは何だっただろう。忘れてしまった。忘れるという概念すら忘れている。
心臓が停止して、どのくらい経つのか。
一分は経過したか。
その間ずっと、ピーーー、と機械音が鳴り続けている。永遠に動かない心臓を未だ監視している。
「原口さんの死亡が確認されました。さて、安楽死であれば、これで終わりとなります」
ですが――と、先生は断った。
「今回はあくまで授業。実際の安楽死ではありません。ですので……蘇生しないといけませんね」
先生は言葉を切って、何かを準備している。
機械音の継続的な音を聞き続けていると、突然全身がビクンッ、と震えた。電撃的なエネルギーがほとばしっていく。
その衝撃で、わたしの意識は暗闇から飛び出し、目の前の光に吸い込まれた。その先に先生と、クラスメイトたちがいた。
「はあ、はあ……」いつの間にか呼吸は再開した。
「死の|淵《ふち》から目覚めましたね」
先生がねぎらいの言葉をかけた。何かの機械を持っている。
わたしは何をされたのか、よく理解できていなかった。
いつからかわからないが、機械音は規則正しいリズムになっていた。ピッ、ピッ、ピッ……と、心臓を写し取り、電子音の点滅にしている。とはいえ通常よりもかなり速めで、音とともに緊急を告げる電子音も鳴っていた。
画面の数字を見る。180から200を推移していた。数字がブレるということは、心臓が混乱していることを意味している。
先生が聴診器でわたしの心音を捉えた。
「問題なく動いてますね。電気ショック、一度で成功してよかったです」
先ほど先生が持っていたのは除細動器だったようだ。緊急患者の心肺蘇生時にて用いられる電気ショックの機械。それを当てられただろう胸に、震える手で押さえ、心臓の拍動を確認する。動いている。問題ないリズムで収縮しているようだった。
「原口さん、心臓が止まったときのことは覚えていますか」
「はい。とても、怖かったです」
わたしは素直なことを言った。クラスメイトはみんな興味深い表情をした。みんな死んだことがないからだ。一部の生徒は自分の胸を押さえている。ちゃんと動いているか確認するように。
そのことに、どこか高揚感を覚えた。私だけが経験したという特権……。
「胸は痛みますか?」
その言葉通りに胸を押さえつつ、
「はい。少し……」
本音を言えば、かなり痛みがあった。
心臓が高鳴るたびに痛みがぶり返す。一瞬とはいえ、高圧の電気が流れたのだ。心臓にダメージがすごくあって、起き上がることすら到底難しい。
「我慢しなくて大丈夫ですよ。毒薬を打って、さらに「いのち」を傷つけたのです。回復するまでしばらく安静にしておきましょう」
わたしは頷いた。先生はまだ聴診器を当てて心音を聴いていた。鼓動が速いままの状態だった。
---
授業が終わるとそのままホームルームが始まって、早送りのように放課後となった。
わたしはその間仰向けのまま寝ていて、ホームルームのときも仰向けのまま聞いた。明日の授業に理科の実験があるらしい。そのことだけは耳にこびりついている。
胸につけた電極も、取り払えずにいた。だから、その最中にも絶えず機械音が規則正しいリズムで鳴っていたし、先生はその間も聴診器でわたしの心音を聴きながらクラスメイト達に話をしていた。
放課後になってクラスメイトは一人残らず教室から消えていった。残っているのはわたしと先生。
そして機械の音。
ピッ、ピッ、ピッ……
数字を見ると、若干下がったようだがそれでも心拍数は150をキープしている。ずっと速いままだった。
「どうでしたか」
先生はわたしに尋ねた。
「えっと……」
戸惑うわたしに、先生は微笑みを浮かべて、
「安全な心停止。癖になるでしょう?」
「えっ……」
「実を言うと、まだあるのよ。あの「オクスリ」は」
先生は微笑み、机の上に置かれた銀色のケースを引っ張って見せた。
「そろそろ原口さんは夢から覚めるけれど、戻ってきたら続きをしましょう? 再び授業が始まって、あなたが選ばれて、このおクスリを胸に打たれて、そして心停止して……蘇生される。死にたいあなたが死なせてくれるオクスリなんて、ご褒美みたいなものでしょう」
わたしは寝ながら聴いていた。心拍数が下がらないのは、さきほど打たれた薬の成分が残存しているからなのだろう。
「原口さん、あなたの|心臓《いのち》はイジメがいがあるわ。停めがいがある。本音はね、こんなオクスリに頼ってイジメるより、もっとすごいことがしたいの」
「すごいこと、ですか?」
「ええ。例えば……」
銀色のケースから注射器ではない何かを持った。わたしから見ると、ギザギザした刃がついた小さな歯車の器具だった。
それをわたしの心音を捉えている聴診器の隣に持っていって、皮膚の寸前のところで静止した。マイクロレベルでは刃の歯に触れているような気がした。そのまま縦に、転がした。皮膚が切られる痛みが走る。
「こんな風に、切りたいの」
「うっ、うっ……」
先生は何度も同じところを切っていった。刃を当てて、少しずつ肉を切っていった。
一度に切れるはずなのに、そうしなかった。
痛みを与える。そうすることで、わたしに罰を与えている。
表皮が切られ、真皮が。真皮が切られ、肉が。肉が切られ、骨が。骨が切られ、臓器が。臓器が切られ、目的のものが。
「こんな風に中身が見たいの。いのちを見たくって。そして、こんな風に触ってみたいの」
痛くて目が開けられない。けれど、どこを触っているのか解ってしまう。
触れた。かなり冷たいものが。
「……だめかしら?」
わたしの「いのちの本質」に聴診器を、当てている。直接聴いている。
ピッ、ピッ、ピッ……。
聴診器ではなく、心電図の電極のほうがもしれない。あるいはどちらもか。
ずっとそうしていたいのか。先生は名残惜しそうに、直接当てていた聴診器を離した。そして、もとに戻すように、銀色のトレイから一本の試験管を取って、ゴム栓を外し、とくとくと音を立てて中身の液をかけた。みるみるうちに胸の傷が塞がっていく。むき出しのままだった心臓は見えなくなり、切られたはずの肋骨も修復された。
そして、最後に、
「残念だけど、夢だから死ねないの。戻ってきてね」
と声をかけて、性的に敏感な左乳首を指で引き絞ったのだ。
えんい
エロくないけど、フェチに全振り。
1400文字
胸の鼓動を調べる検査がある。
別段、特別な検査ではない。
全国どこでも、あるいは年齢問わず。
法律で決まっているからという真っ当な理由で、大人は普通に受け入れるべき出来事。
単に聴診器を当てて胸の音を聞く内科検診である。心臓の音を聴き、ちゃんと動いているか調べるだけ。
それは年に二回、春と秋に訪れる。
どうしてなのか、子供たちにはよく分からない。
昼休みの後、幼稚園の先生の声に呼ばれて列を作る。
人数は30人。対象年齢は5歳。
来年春になれば小学校に入学する、背の小さな集団だった。
男女混合の列。
背の順でもなんでもない並び方だった。
だが、列の前の方はおとなしく、後ろにいくにしたがって私語をする子供たちが多い。
列の十人くらいは、私語をしても先生たちには気づかれない、という量の笑い声が聞こえている。
内科検診について、特に説明する様子はなかった、とその子は思った。
その子は列の後方にいて、先生の声が聞こえなかったのだ。一部の話し声で潰されたというのもある。
全体的に列はぞろぞろと遅めに歩き、みんなで順番待ちをする。内科検診の目的は知らない。
先頭から順に、何かをしている。
何をするのかな。と列の先頭が気になるように、その子は小さなかかとを上げて背伸びをするようにした。
しかし、ほんの数センチくらい高くなるだけで全然見えない。
一人ずつ、知らない大人の前に立たされていた。「えんい」と呼ばれる知らない人だ。
「えんい」にはいつも、そばに女性の看護師がいた。残念ながら、歳は食っている。
それにメガネ越しの目も笑っているようで笑っていない。目の奥は笑っていない。本当は子どもなんて好きじゃないのだろう。
その子の名前が呼ばれて、顔を見られ、本人確認される。
「じゃあ、めくって~」
と「えんい」に言われ、その子は戸惑った。
いつもはやさしい幼稚園の先生は、後ろに回ってその子の両手首を固定していたからだった。
誰がめくるのだろう。どこをめくるのだろう。そのままなのか。言い間違いなのか。
子供の表情。戸惑いと微かな目の動き。
言葉にできるほどの年齢は残念賞、持ち合わせていない。
助手の看護師が、許可なくその子のシャツの裾へ手を伸ばし、上へ持ち上げた。
シャツの下はまだ誰にも見慣れていない白い肌があった。休日もゲームばかりするものだから、日焼けもしたことがない。太陽の光の浴び方すらよく知らない。
まだ幼稚園児だから、男女の身体を区別する特徴のような凹凸感は見当たらなかった。
色の薄い小さな乳首があって、呼吸をするごとに少し肋骨が見え隠れしている。
その子自身も、それで上半身を見られた、という被害妄想的感覚には、まだ芽生えていない。
「じっとしててね〜」
服をめくり上げ、他人の手によって鎖骨が見えるほど持ち上げられた。
それで素肌に判を押すように、園医は子どもにはよくわからない円盤型の銀色の道具で、胸の中央に当てられた。
十秒も満たない時間。
布のない、|直当《じかあ》ての感覚。
その子の年齢では、なぜ当てられているのか、目的も何もわからない。
そうしてその変な恰好で、おなか側と背中側を看られた。
「はい、いいよ〜」
の声とともに、その子は解放。
ありがとうございます、と前の人が言っていた言葉を言って、次のこどもにバトンタッチ。
今度の子は自分からシャツをめくり上げ、上半身を裸にした。
大人たちは各々の仕事の役割を理解した連携を見せた。
分け隔てなく子供を拘束し、心臓の音を効率よく聴いていた。子供たちの鼓動のスピードは皆ほどよく速かった。
GirlMeet
グロめ。
(心臓)フェチに寄ったため、エロくありません。カニバリズム、死姦など。
約3600文字
|九龍城《クーロンじょう》のような、迷路が密集した建物の、隠し階段を降りると夜の闇が棲んでいる。
闇に溶け込む地下街。
法も良心も法もすべてが脱法して、死の気配が|黴《かび》のように広がる。それは今も進行中である。
黴の領域である地下街。その裏通りに居を構えるのが「朱海」という小料理屋。
一見さんはお断り。
闇の業界でも紹介者同伴でなければ問答無用で店の主に射殺され、その日のうちに料理の材料になるという。とある詐欺グループのフィクサーを務めていた大物が店主をやっているからである。
内装は高級感あふれる寿司屋を想像してほしい。料亭割烹。カウンター席が五、六席。
他にお座敷席があるようだが、あまり使われていない。
お座敷の奥にある|襖《ふすま》はぴったりと閉じられ、襖紙のデザインである獰猛な虎と可憐な鶴が対立している。密輸された銃などがしまってある、門番の役割を担っている。
今宵の客は目の前に座る客のみである。
客は、汚職警官であった。
寡黙な店主はしかし、その客がこの店の常連客であるからこそ、武器を別のところへに隠さず、目の前のまな板の「材料」を見つめていた。
「材料」の年齢は12歳。メス。130センチ。
生物学的名称はニンゲン、その子どもである。
生きている。「まだ」新鮮だ。
店の空気ごと整然となっている。
そこに、一人の静かな呼吸器の音が。息があることの証左である。
しかし、それはもう時間の問題であろう。睡眠薬を嗅がせて、長いまな板の、長い鯉のままとなっている。
数時間前に拉致した服装のまま仰向けにされている。上半身は薄水色のシャツ、下は薄赤のスカート。白いソックス、靴を履いている。
まずは皮を剥かなければならない。
店主は断りもなく「材料」に包丁の先を向けた。
子どもの首元に包丁の先を当て、首を斬り落とす……のではなく、まずは服を剥きにかかった。
襟元から刃を入れ、くるんと手首をひねるようにしてシャツを切り破った。
布の無機質な音が鳴る。ビリッ、ビリッ。
「おっ」
客である汚職警官は身を乗り上げた。
目の色を変え、ニヤニヤとしている。
「もうブラしてますなあ。生意気にも」
「最近の子は生育が良いからね。良いものを食べている」
店主は答えながら、ブラも容赦なく引きちぎって、そのへんに放り投げた。
破った服は、体の左右にかき分けるようにして、上半身を露出させた。
白い裸。上半身と下半身。上下する胸と、細そうなお腹。へそ。
「では……殺しますか」
と店主は、包丁の根本を鎖骨の下辺りに突き立て、押し込むようにしていった。
「おっ……!」
いった! と客の顔がさらに前のめりになる。
切れ目を入れていった。
するすると、鎖骨、胸の中央、腹……。縦一筋に長い切れ目を入れる。
胸の中心を通る胸骨、肋骨群の上を滑らせて、肉と骨を断ち切って、皮膚を翼のように左右に広げる。
よく斬れる長い包丁だ。刺身包丁……、いや、マグロ包丁だ。マグロ一丁を解体するように、ザクッ、ザクッ、とまだ生きているニンゲンにそのようにする。そのリアルタイムの解体に、客の目は輝いた。
子どもだからか、意外と肉と骨は柔らかいのだろうか。そんな風に店主の手元は見えるのだ。
周辺の肋骨数本を斬り落とすようにしてから、胸骨部分を取り外す。すると、少女の内部で特徴的な部位が見えてきた。
赤黒い肉塊であるが、規則正しく動いている。
心臓。
他の内臓より赤黒く、まだ動いているもの。
どくっ、どくっ。
店主はその心臓に用があった。
裏を返せば、心臓を手に入れるためだけにこの子を拉致して、そして殺したとも言えた。
包丁を持っていない手の方で、心臓を掴み取るようにした。心臓の下から四本指を入れ込み、親指は手前側。
どくっどくっ、と未だ動いている。
暴れている心臓を少し握るような手つきで添え手をし、包丁は、身体と心臓をつなぐ太い血管を容赦なく斬ってしまった。
これで「材料」としての命は途絶えたようだが、調理はまだ続く。
まだ拍動している心臓を横から包丁を入れ切れ目を作る。心臓内の赤い血液が垂れ、すぐに空っぽになる。
その中身に酢飯をぎっしり詰めて……。
「お待ちどおさま。ウチの新作料理だ」
「おぉ〜」
木の寿司台の上に直乗せされた。
客人は物珍しい顔をした。
まだ生きているように脈打っている心臓を、つんつんと箸でつついて反応を見ていた。
「心臓が料理の器って、すごいですね〜。はじめてみました」
「さあ、新鮮なうちに……どうぞ」
「えっと、どうやって食べるんですか?」
「そりゃもちろん。おにぎりのように、そのままガブッと」
「なるほど……」
汚職警官はごくりと生唾を飲み込み、赤黒い肉塊に噛みついた。命の象徴。今の今まで生き血を送り続けていた部分だ。
女の胸にしゃぶりつくようにした。
少女を選んだことで、小さな心臓である。とても食べやすい。
噛む毎に、歯ごたえのある心筋の、濃厚な肉汁を感じた。生臭い血と詰められた具材。ツンと来る酢の香り……。ふた口、さん口で口の中はいっぱい。
店主は淡々と「材料」を片付けている。
「……ごちそうさまでした。あの……」
命を平らげた客は、チラリと見た。
包丁の血を洗い流していた店主は気づき、
「ああ、君は『そういう趣味』だったね」
もう用済みである「材料」を持ち上げ、客の方へと渡した。
「あとはご自由に。お代はそれの処分費用でいい」
「へへへ、お主も悪よのう……」
客は立ち上がり、店主から「材料」を受け取った。おっとっと。腹を切り裂いた隙間から|腸《ハラワタ》が見えている。器から落ちないようにしないと。
お姫様抱っこで、虎と鶴の襖をあけ、男は奥の座敷に消えていく。
店主がいる傍ら、客は襖を閉じず、もうたまらんとベルトの金具に手にかけた。カチャカチャと金属製の音が鳴る。
「まったく、堪え性がないな」
「うるさい、ヤラせろっ」
店主はそそくさと退散。暖簾をしまいに行った。
客はもう少女の死体しか興味がなかった。
黒ズボンを足元までずり下げ、引っこ抜くようにしてズボンを遠くに蹴るように、そうした。
露わにした男性器は前戯などをする必要のないほどにすでに硬くなっていた。
透明のガマン汁が何滴か出ていた。
「はあ、はあ……」
もはや人間をやめた獣だった。目は怒り狂っているように凝然としている。
数度自分の手でしごいて、肉棒の先端の調子を整えたのちに、「材料」と向き合う。
「材料」もとい、少女の解体済みの裸の死体だ。新鮮なハラワタが胸と腹の切れ込みから溢れ出ている。人は死んだらたちまち腐敗する。臓器の獰猛なニオイ、肉のニオイ……、丁重に胃を傷つけていないはずだが、未消化のすえたニオイがした。刺身を一晩そのままにしたような、鼻をひん曲げる腐臭だ。
男としては、そうそう嗅げないので余すことなく堪能した。
当然仰向けにし、和室の床に直置きした。
太ももを掴み、ガバッと股を開かせて、幼陰の陰を見る。処女だ。処女……。
まだ未発達な幼膣に、いきりたったチンポをこすりつける。
生膣の女であれば、刺激に際しすぐさま分泌して濡れてくるだろうが、向き合っているそれはもう生気はなく、そんなことをしても分泌液は出ない。
客はその乾いた感触が良いのだ、という風に恍惚な表情になり、その後、無理矢理突っ込んだ。
「おお、締まる……っ」
何かにつかまるように、客は幼肉を揉む。
あとは猟奇的動作となった。
幼肉とは外側の皮膚のことではなく、中身の肉のことである。
切り裂かれた隙間より手を突っ込み、内臓をかき回した。腸をつかみ、引っ張り。普段は器用に収納された小腸がホースのように取り出せた。ぐちゃぐちゃ、ニチャニチャ。
黄色い腸液まみれを手につけて、腸を掴むと、腸内内容物の感触……液体うんこの感触が感じられた。
胃をつかみ、持ち上げ。その裏の肝臓や脾臓などを掴み、位置変えを行った。
食道と気管を握りしめ、引きちぎった。
瞬間、消化管から消化液のエグい臭さが立ち昇った。
ニチャ、ニチャ、と音が滴った。
ハンバーグを作るようだった。
肉でできた器から、材料とその液体が飛び散った。
生肉の臭いが鼻に付着して、鼻に迫った。
客の顔は、普段同僚に見せている表情の逆となっている。昼は正義の顔をして、夜は悪人の顔をしているのだ。
自分の欲望をぶつけられるのは、少女性愛と人肉嗜食、そして死姦のみだ。
「ああ、もう……イクっ、出るっ!」
欲望の結果が出る直前。
血まみれの手で、少女の首に手をかけ、思いっきり首絞めをした。すでに死んでいるのだから、首の骨を折ってやった。
その音に重なるように、下腹部の短い振動と、快感。
あー、めちゃくちゃ出た。
---
店主は客の行為の最中、襖を閉めにいった。
獰猛な虎と組み敷かれた白い鶴。
「それを放置するオレは|狩人《マタギ》といった所か」
この世界は弱肉強食。
店主は次の|鶴《ざいりょう》を仕入れに出かけた。
GirlMeet:
女性を食すカニバリズム。
心臓フェチのための短文
Twitterなど。後半、僕のネタ帳も込み
需要はあるんだろうか……?
わたしの生の心臓見てみたいなー。
グニャングニャン動いてるのかな
コロンコロン動いてるのかな。ドグンドグン動いてるのかな。心臓は脂肪で覆われてるのかな。真っ赤なのかな。
触っただけで鼓動乱れるのかな。
永年圧迫してて心臓変形してないかな。いろいろ気になる心臓。
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もし心臓が6-8秒止まると、すぐに意識は失われます。
失神の原因は脳の一時的な虚血(血が足りなくなること)です。
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どこかで誰かが言ってた気がするけど、若い頃は心臓に脂肪付いてないから圧迫でダイレクトに力加わるから乱れやすい。年重ねると心臓に脂肪が付いて圧迫しても脂肪がクッションになって乱れにくいとか。
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しゃがみ圧迫の時って手に心臓握ってるような感覚で拍動感じるの??
→手で圧迫したときはすごく心臓感じますよ
ゴロゴロ動いてる感触w
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心臓は、人によって筋肉とか脂肪のつき方が違うからそれだけで音が人それぞれ違うんだなぁ🫀✨
男性の方が力強い音のような気がする…(そんなに聴き比べていないが)
私は…なんか軽いというか柔らかい、優しめ?の音な気がする…脈を探すも大変。あったと思ったら、微かにミョンミョンしてる感じ🤣
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学校の内科検診とか心電図検診で胸ピクしてたら検診長くなりそう。自分が検診医だったら胸ピクピクいってるので異常が疑われるので詳しく聴診しますね~とか言いそう笑
そして上半身裸のドキドキも含めてさらに胸ピクピクさせます。
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肺と心臓も標本にするために体内から取り出されて、代わりに人工心肺が繋がれました。
健康な若い女性の心肺組織は貴重な標本になるのだそうです。
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普段は胸があるせいで、あまり胸ピクが見えないんだけど…昨日湯船入った時にお湯で胸が軽くなったからか、胸ピクと言うか、胸自体が心臓の音に合わせてぷるぷる?揺れて、フェチ浴爆発しました💥
普段は胸ピク見えない代わりに体自体が心臓に合わせて揺れるんだよね…💦
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無理して、不整脈出して良い行為は、圧迫までかと思います。針刺し、OD、電気等は、聴いててもそそられず、むしろ聴きたくない、までいく。即命に関わる行動での、拍動変化は、求めないで欲しいですね。
→確かに…。
圧迫だけでも心臓にダメージ与えているので、それ以外の方法で不整脈を出すのはかなり危険ですね…。
→圧迫は、危険度では低いとは思うので、好んで聴きますが、他のは痛々しく、聴いても、不安な気持ちになってしまう⋯。
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健康な安静時心音の、個々の違いは、心臓に付着した脂肪が分厚いほど弁の音の響きがこもり、重低音が強くなる。体形が大きいと、心臓も大きくなり力強い心音になる。心音が軽かったり、弱い感じの場合は、その逆だと自分は、そう思っております。そして、重低音が少なく、軽い心音が自分は好みである。
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私の心尖拍動との遭遇は小学校の頃に遡ります。
友達とプールに行った時、友達の胸がピクピク動いてるを見て「心臓が丸見えじゃね~か!!」って感激したのが始まりです。
こんなに早く力強く動く物が自分の胸の中にあって止まったら死んじゃう大切な物って意識したのが目覚めでしょうか。
それからは友達の胸触らせてもらったり、圧迫したり、全体重かけたり……
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(高1の内科検診)
保健室の先生「上半身裸で1列に並んでください」
自分「上半身裸になる」
(自分の順番がくる)
校医「具合悪いところはないですか?」
自分「ないです」
校医「心臓の音聞きますね」
自分「はい(ドキドキ)」
(心尖部付近に聴診器当てられる)
自分の心臓「ドッドッドッ」
(3箇所くらい心尖部に聴診器当てられる)
校医「息切れとかないですか?」
自分「ないです」
(背中を聴診されて終了)
校医「心雑音ありますね」
保健室の先生「そうですか」
健康診断結果に「心雑音あり」と記載される。
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学生の時にプールの時間で隣の奴に「脈をみせてくれ」と突然言われてその後心臓の場所を指先で押されて「この脈動はここから来ているんだ」みたいな事を言われた経験があります(笑)
今思い返せば最高に心臓フェチな奴じゃないか!と思いますね。
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私は昔超痩せ型で体脂肪率一桁だったので、立っていても寝ていても心尖拍動がバッチリ確認する事が出来ました。
拍動の上に何か置いてみたり、拍動を押してみたり、とにかく自分の胸の皮膚の下に心臓があると言う事実を感じられる拍動が大好きでした。太ってしまった今でももちろん大好きです。
でも、心尖拍動って痩せてる人の方が見えやすい感じやすいのはもちろんですが、個人差が結構あると思います。痩せている人でも拍動をあまり感じなかったり、普通体型の人でも指を押し返す程の拍動の人もいます。どの心臓も形や大きさ性能が違うんだなぁとガン見しながら妄想してました。
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小学生中学年の自殺幇助を頼まれる。
ワルガキすぎて子育てに疲れたらしい。
心臓圧迫で呼吸困難にさせる。
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大人よりも胸の骨が柔らかい子どもの方が、衝撃が心臓に伝わりやすいため、小中高生に起こりやすい。心臓を捉え喧嘩でも強い衝撃が胸に加わると、このような結果を招くことがあります。
---
心臓に負荷をかけ、心筋虚血を測定。
・運動負荷
・薬物負荷(アデノシン、ジピリダモール、ドブタミン塩酸塩)
→心拍数や血圧にほとんど影響を与えずに、心拍出量を増加させる。
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心臓がもとの動きを取り戻した場合も含め、心臓が動いている状態の時に胸骨圧迫を行っても、ご指摘のような悪影響はないとされています。実際、心臓がいつ動き出したのか、正確に判断することは不可能です。
---
心臓圧迫気味に胸を押される。
いっぱいドキドキしたから疲れちゃった。
というわけで寝ましょう。スヤスヤ……
---
(心臟)
位置は胸腔内の下部ほぼ中央、心膜が包む形で形成する心嚢の中にあり、前胸壁と食道を挟んでいる。
大きさは握りこぶし程度である。
形はおおまかに逆円錐状で、その軸は左斜め側に傾いている。
そのため心臓の下部は左側に傾き、肋骨の左側第5肋間から鎖骨中線の間に位置する。
心臓は、上部の太く大きな血管があり、右後方に尖る部分を心底、下部の左前方に尖った部分を心尖と言う。
成人の場合、心尖は第5肋間・正中線から左に7-9cmの場所にあり、・ここに触れると拍動を確認できる。
人気の臓器No.1!!
筋肉で出来ていて、タフな臓器に思われがちだが胸の上から弱い力で突いた場合、簡単に心停止をおこす場合もある。
触れた感触はもっとも堅い臓器。
潜在的疾患がある場合も多く、負荷試験で発覚する場合もある。
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--- ネタ帳 ---
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心臓責め
電流責め
電気ショックAED
鷲掴みにしてギュッ
心臓発作
呪い付与。
心臓圧迫
心機能操作
打撃で心臓震盪
針攻め 心臓内注射
心臓カテーテル挿入 心臓内視鏡
聴診器(心音)
心臓摘出
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・命の検査
ついでに心臓圧迫。
肋骨と肋骨の隙間から心臓を押して指圧。
規則正しく押し返しているね。ちょっと痛いと思うけど、命感じられるでしょ? 痛いは生きてる証拠なんだよ。
・心臓募金
心臓圧迫して、子どもが苦しむ姿や悶える姿を動画に収め、ネット販売する。
・心音募金
心音を録音し、60回で10円募金できる。
小中学生の場合は心臓募金、心臓検査も無料(半ば強制)でできる。
裸、胸晒し、聴診器、心臓圧迫。
・ボディチェック。
聴診器で心音もチェック。
・心臓罰ゲーム
いぎ、し、心臓が……
苦しいですか? でもこれで止まっちゃうことはないので、頑張ってドキドキして下さい。
心臓圧迫しても、子供の力じゃ乱れたりするくらいで、心臓が止まることはありませんから思いっきり圧迫してくださいね。
---
・聴診器
診察時、特に心音の聴診ではシャツを両手でやや前上方に挙上して胸を露出する。
聴診器を胸壁に沿って肌を滑らせ、置きながら移動する。
胸に聴診器を圧迫するように当てた。
胸から離すと、円く赤い跡が残るくらいだった。
---
・心臓拷問系
★ 心臓圧迫
わき腹から肋骨の縁に指を置き、肋骨と柔らかいお腹の境界線に沿って指を這わせる。やがて、胸の中央下にある、胸骨に合流する付近に指を深く沈め、ポイントを作った。そこに右手首を合わせ、左手も右手の上に乗せてぐっと力を込めた。数センチほどの深さのある一回目。
★ 心臓拷問(ノクターン?)
突然、吊るされた瑠奈の体が跳ね上がり、ビクビクと大きく痙攣させる。瑠奈の呼吸が荒くなり、ガクガクと体を震わせる。
「お、さっき打ったクラゲの毒が効いてきたみたいですね。血圧を無理に上昇させて、心臓部分が死ぬほど痛むんですよね」
急に心臓がバクバクと鳴りだし、血圧が限界まで上昇する。心臓がナイフでザクザクと刺されているかのように痛い。むりやり覚醒させられた臓器に体が追い付かず、体の中で破裂し続けているように暴れ回る。
---
・未来凍死
内科検診のワンシーン。
裸にした子供を「真実の鏡」(後にデタラメだとわかる)の前に立たせて、子供の将来を占う。犯罪者などが映ったら、その場で子供の心臓を停止→身体を瞬間冷凍、数時間コールドスリープ→解凍して蘇生させ、再び鏡の前に立たせて未来改変。
---
・心臓 停め方
一生に31億回も心臓は拍動する。
冠動脈に冷たい心筋保護液(カリウム液)を流し込むと心臓は止まる。
7分間停止までは大丈夫。
それまでに外部の血液循環の専用装置で、身体中に血液を送れば十時間は心臓を止められる。
十時間ほど心臓を止めて、中の弁を点検する。
動かしたいときは冠動脈に温かい血液を流すと自然に動き出す。
全身麻酔により血管が弛緩して血圧が下がる。
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・生きてる証拠
死にたい女の子が三途の川を渡る。
途中男性が女の子の胸の中に手を入れ、ギュッと心臓を握りしめる。
意識が飛ぶギリギリまで握り、これが「生きてる証拠」だと教える。
死にたいかい?
女の子はつぶやく。死にたいです。
さらに力を込めた。
・三途の川での話
少年が不慮の事故で亡くなった。
魂は路上から三途の川に来た。
目覚めると、三途の川に浮かべられて、ある人に見つかる。女の子。
少年は麻酔もされずに胸部切開。
おちんちんシコシコされながら、心臓の大きさ、色合い、握った感触、ギリギリのラインまで握りつぶしてみた反応を見られる。
つまり心臓責め手コキされる。
心臓責め後、胸部に手をかざし傷一つなく縫合されて、川に流される。
・心臓検診
特殊な光を照射して人体の身体を透過させ、心臓が動いている光景を間近で見られるようにする。
上半身裸にさせて、寝転ばせてる。
特殊な器具をセットして、皮膚、筋肉、肋骨・胸骨を透過。
心臓にアプローチ。心臓を掴む。
ちょっと胸がキュッとするかもしれないけど、我慢してね〜。
小学生の幼い身体を弄ぶ大人たち。
胸が苦しくなり苦しみに悶える様子を眺めつつ微笑む。
・身の潔白の証明
身の潔白の証明として、心音を聞かれる。
反省が足らないと心臓を早く動かすように急かす。
・呪われた装備品
指輪などを付けられ、呪いにより身体を透過させられる。あばら骨の中に心臓が見え、容易に握ることが可能。
---
・握心会
新入生の心臓を露出させて、校長の手でギュッと握る試験。心臓を握った際の苦悶の表情や身体の反応などを観察する。心臓表面の触り心地。弾力性。硬さ。大きさ。
この敷地内で生活するうえでは、心臓握り……、握心会は一ヶ月に一度は行われる。
入学前握心のつぎは入学式で、そのときは上級生に心臓を触られる。担任にもよろしくという意味でも軽く握られる。
1回目の授業は生贄学で心臓姦をする。
どうして女子の心臓は捧げなくてはならないか。男子に触られなければならないか。
握られる経験のない心臓は、どうなの?か講義する。
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・心臓
命の脈動 鼓動 心音 僧帽弁の音がよく聞こえる 心雑音
・いっぱいドクドクしないと出られない部屋
・猟奇枠
取り出した心臓をオマンコの中に入れて、ドクッドクッ、の拍動をバイブのように使う。
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・入国審査
この国の入国を許可する。
自由に見て回ることができるかわりに、安全の担保として、あなたのいのちを預かります。
と言って、胸に手をツッコミ、心臓を握られる。
驚かせてしまいすみません。これも入国審査の一環ですので。ご理解ください。
心臓を握り、いのちを鑑定する。
少し握って、心臓を特殊な魔法結界で包んで摘出する。
無断で敷地外に出ますと無断なく心臓を停止させていただきますので注意してください。
出国審査終了時の心臓返却まで、あなたのいのちは大切に保管させていただきます。
それでは、良い旅路を。
いってらっしゃいませ。
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・生贄の心臓置き場
チャック・モール
→アステカにあった生贄の心臓置き場。
置くところは少し凹んでいる。
チャックモールやん。
今見ると喉がギュウとなる。
ちなみに生贄は一年ほど蝶よ花よとご馳走に浴湯と世話を焼かれ(麻薬で)歓喜のうちに心臓をえぐり出されチャック・モールの腹の上の台に載せられて太陽神に捧げられる。
身体はポイや。
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・心臓時計
心臓でできた時計をコレクションしている。
学校健診中、良い心臓の音を見繕ってきては拉致ってコレクションしている。
直接心臓に耳を当てて落ち着かせる。
いい音だ。
中学2年生の、心音が大きめな鼓動を聞きながら、落ち着いている。心拍数のリズムが狂っているときは除細動器でリセット。
心臓停止のときは交換の合図。ストックはあるが、さて誰を見繕ってやろうかな。
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・ホルター心電図
24時間、心臓の動きを記録しています。
身体に機会をつけていると、爆弾をまかれてるみたいでドキドキしますね!
→異常心拍を確認!
きゅうばん
エロくないけど、フェチに全振り。
心臓検診。約2300文字
小学校に入学して数日が経った頃、「心臓検診」がありました。
心臓検診とは、一体どのようなものでしょうか。心臓がちゃんと動いているかどうか調べるという、心臓に特化した検査です。
小学校になると、運動量が飛躍的にアップしていきます。水泳学習、シャトルラン、運動会、持久走など。
心肺機能に負担がかかる運動が多くなりますから、心臓に病気がないか、不整脈がないか、授業開始前に心臓を調べる、というのが心臓検診の趣旨です。
小学1年生は全員心臓検診を受けなければならないと法律で決まっているということで、彼らはみな教室から列を成して図工室に向かいました。
当時のその子たちは、まだ入学したばかりなので、普段図工室とは一体何をするところなのかわかりませんでした。印象をあげれば、汚い。教室よりも広いけど、机や床が汚い。そういったところでしょう。
もう心臓検診は、始まっているようでした。
彫刻刀で傷つけられ、絵の具の飛び散った図工室の長いテーブルの上を、テーブルクロスを敷くように、白いシーツがかけられていました。
そうやって簡易ベッドを作り、検査中の生徒たちは硬い机の上で寝転んでいます。
検査をしている人たちはみな、上半身の体操服をめくられ、白い胸を出していました。
図工室の硬い簡易ベッドは横に並べられており、1番、2番、3番……という風に数字がつけられています。白衣を着た看護師さんが、ベッドの周りにいて、電子機器を操っていました。
図工室の隅の方で体育座りになるように指示されました。
新小学生たちは、男女混合でそのようにし、目の前で今まさにやっている心臓検診について、興味深く眺めました。
特に説明をするわけでもなく、出席番号順で看護師に呼ばれ、簡易ベッドの上に寝転んでいきました。
ついにその子の出番になりました。
その子は5番のベッドに案内されました。
看護師は女性のかたで、名前を確認してから、頭はこっちで足はそっちね、と仰向けになるように指示されました。また、胸をはだけるようにも言われました。
その子は体操服のみを着ていました。
下着は教室で脱いできて、素肌に体操服というものでした。
その子は女の子でしたが、まだ小学一年生と年齢が低いこともあって、肌着のない服装に違和感を持つことはありませんでした。もちろん乳首の感度も普通でした。
ともかく簡易ベッドで寝転がってから、看護師の言う通り体操服を首元へ引き上げるように、裾を持ってめくりました。お腹、へそ……、が見えてきます。それ以上は恥ずかしかったのかやめたようでした。
その子は、自分の胸は人に見せてはいけない部分だと思ったことはありませんでしたが、胸に対してなぜか恥ずかしさを覚えました。
上半身を自ら露出するこの行為に、若干の恥じらいを覚えて中途半端なめくり方をしました。へその上あたりで止め、胸は隠しました。
看護師が振り向き、その子を覗くように頭を下げました。
「もうちょっと上げましょうね〜」
と言って、上げ方の甘い体操服を掴んでその子の首元まで引き上げました。
この時に初めて、その子の平らな胸が公然に公開されました。ということはもちろん、乳首の色も人に見られるようになりました。
看護師は、その後取るに足らないという風にして次の工程の準備をしています。
しかし、先ほど言った通り、ここは図工室。
仕切りはなく、近くに順番待ちをしている同年齢の子供たちが体育座りをして待っています。男もいます、女もいます。
先ほどの順番待ちをしていたその子の通り、興味深く検査をしていた子供を見ていました。
入口からまた新たな集団が入ったり、検査を終えた者がチラリとその子の無防備な胸や乳首の色をみたりしていました。
看護師は、大きな洗濯バサミを持っていました。それで、左右の手足を挟みました。
痛いほどではありませんでしたが、それでその子は、少なくとも身体はカチコチに緊張していました。身動きが取れなくなったからです。
本邦初公開された乳首も、本人の緊張を受けて、少し硬くなっていました。
「アルコール消毒しますね」
看護師は、特に気にすることなく、胸全体を消毒綿で拭きました。
電極をつける範囲をアルコール綿で拭います。アルコールが乾く時のひんやり感を味わいました。そして、胸の上と脇腹に電極をつけていきます。
目視では視認できなかったのか、看護師の指は、その子の胸を触れていました。
その子の鎖骨のところから、下にかけて。
とん、とん、とん。
指で軽く押して、肋骨と肋骨の隙間を数えていました。正確な場所を確認したあとに、丁寧に電極を付けました。
電極は、吸盤タイプのものでした。
付ける時に皮膚の表面が引っ張られ続けます。なんかくすぐったい感じがします。
それが四つも五つもあり、脇腹にも装着します。その子の身体は、緊張で固まっていましたが、そのくすぐったさによって、幾分か力が抜けたようでした。
しかし、
「動かないでくださいね〜」
と、看護師が声を掛けると、ようやく検査が始まるのかと、身を固めました。
検査中、ドットプリンターのような起動音が鳴り、何やら紙を吐き出しているようです。看護師はそれを集中してみており、今まさに自分の心臓を検査されているという感覚を抱きました。
取付けられた胸の電極を見ると、呼吸で上下運動をする動きとは別のものが見られました。ピクッピクッと、細かく動いています。
これが心臓の動きなのだと気づきました。
トクン、トクン……。
目を閉じると、いつもは感じないはずの鼓動が、聞こえたような気がしました。
一分程度で心電図検査は終了しました。
電極を一気に取り去り、手足の洗濯バサミが外されました。
その子はふうと息を吐き、体操服を下げ、上体を起こしてベッドの上から立ち上がりました。
襟元を持ち上げて、胸を見下ろすと、うっすら跡が残っています。吸盤の跡でした。
その子は特に心配するわけでもなく、図工室から廊下へ、でていきました。
プロット
学校の内科検診や心臓検診 小中学生
1.教室で体操服1枚になって図工室に入る。
2.緊張した面持ちで、仰向けでそのまま寝る
3.体操服がたくし上げられて胸やおへそがあらわになる
4.身体をチェックされてアルコール消毒される
5.吸盤を付けていく
6.心電図検診
ちゃんと規則正しく動いているかな
7.吸盤を外される
精神病院での夢
約3000文字。
心臓フェチと外科的グロ?
こんな夢を見た。
視点は定点カメラのようで、病院の診察室らしい。
丸いすに座っているのは制服を着た少女で、男性医師と対話をしている。
話の内容と、少女の手首のキズより、どうやら精神科医のようだが、どうしてか聴診器を使用していた。
「どうやら心が疲れてるみたいですね。ちょっと心の状態を見てみましょうか」
と、少女をベッドにて仰向けにさせた。
「胸を見ますね」
男性医師は、少女の制服のボタンをプチプチと外していった。少女は精神を病んでいるようで、その行為に何の理由も抱かない様子だ。おそらく幼児退行でも起こしている。頭を働かせないで生きてきたから、精神年齢が幼いようだ。
上半身裸になり、医師は触診した。
胸を揉んだり、指を押しんだり……。
「所見では大丈夫のようですが、念の為『詳しく』見てみましょう」
医師はメスを持って、胸に刃先を当てた。
そして、当然のように皮膚の一部を切開した。
すぐに皮膚の真下にある生々しい真皮などが見て取れた。
「やはり心が疲れているので、麻酔無しでも良さそうですね」
そういう理屈なのだろうか。
筋肉や脂肪は電気メスで焼き切り、肋骨と胸骨はペンチのようなもので挟み込み、力を加えた。
所詮少女の細い骨。大人の手にかかれば、この通り。バチン、バチンと肋骨と胸骨が切られた。
手際は良いらしい。
数分もせず、心臓が見える範囲まで到達した。
じっと見る。
「みた限りは特に何もないですが、一応検査してみますね」
心臓は、心嚢と呼ばれる肉の袋で包まれている。これは心臓の動きが肺や横隔膜と摩擦しないようにするためであり、今の状態だと心臓が入った肉の袋が蠢いているだけに過ぎない。
その肉の袋……、心嚢にメスを当てた。
慎重にメスを入れ、少女の心臓を露出させた。
心嚢のメスを入れた隙間から漏れ出るように、動く赤い肉が元気よく動く姿が見えただろう。
精神科医は心臓外科医でもあるのだろうか。
そうして心臓に直接電極を付けた。
どくん、どくん、ドクン……。
心電図検査ででてくる電極コードで、モニター画面に波長が波打っていることと、同時に電子音がなっていることがわかった。
しばらくそのままにしていると、
「やはり、心が疲れているようです」
と医師は言った。
「心を休めましょう」
「どうすればいいですか」
沈黙を破る少女。受け答えはできるようだが、心臓を露出していることに、何の疑問も持たない様子だ。
そうですね、と医師は少女の心臓を触りながら考えている。心臓の表面を走っている細かい血管の模様に沿って、指でなぞっていた。
「この世に生を受けてから、ずっと活動してきてますから、一時的に止めてみましょうか」
医師はそう言ってきた。少女は念を押す。
「止めるってどこを?」
「心です。心の活動を止めるのです」
「心の活動を止める、というのは」
少女は念を押す。想像が働かない。
「そりゃもちろん……」
医師は胸まで伸ばし、今もぴょんぴょんと跳んでいる赤黒い臓物を軽く握った。
「この心臓を、です。そうすれば疲れた心が回復するでしょう」
「心臓を止めるだなんて。死んでしまうのでは」
「ええ、そうですね。死にますね。……遺言はそれで大丈夫ですか?」
ようやく少女は確信したのだろう。
ここまでされて、ようやく自分の結末を理解したのだろうか。頭の悪い子供だ。
少女は身体を起こし、逃げようと試みた。
しかし、すでに心臓外科をされて心が露出している状態なのだ。麻酔はされていないが、この状況で一体どうやって逃げるつもりなのか。
「ダメですよ逃げては。まだ治療中ですから」
医師は少女の心臓を握り、拘束した。
ぐう、と苦しく唸り声を上げた。
心は疲れていようと、身体は元気。身体は生きている証拠だった。
「握りにくいので、電極は外しますね……。これでよく見えますね」
ギュッ、ギュッ、と何度も握り込んだ。それでも、息継ぎはできる。
「人を、殺すことが、治療なんですか」
「心を休ませるだけです。身体は生きてますよ。この通り」
「ぐう、くっ……」
心臓を握り、大人しくさせた。
命令に従わなければ、このまま心臓を握りしめるつもりだったのだろう。
少女は、元通り仰向けになった。
しかし、心臓は男の手によってまだ握られている。
なぜ心臓を握っているのか。
それは心臓に用があるからだ。
どこからか、注射器が現れた。
インフルエンザワクチンなどで用いられるような、小さなものだ。
それを、直接。少女の心臓に近づける。
針先が、動いている心臓の左心室に刺そうとした。
空中で止まる針。拍動ごとに収縮を繰り返す心臓。針が当たるごとに、ズキ、ズキ、と胸に……、心に鋭い痛みが走る。
少女に苦痛を与えるのがゾクゾクするらしい。医師のサディスティックさが顔の表情に現れ、小動物の肉を持ち上げて、接近させた。
食い込みが増量した。食い込み、食い込み、そしてついに、針が心筋の中に入った。
「うっ。苦しい」
「まだ針が入っただけですよ」
薬液が注入された。心臓内に冷たさが広がり、それから拡散した。
「これは直接心臓に作用する薬です。ほら、拍動が弱まっていく……」
どくっ、どくっ、とく、とく……。
「心停止液です。冠動脈に作用する……心臓が止まると同時にあなたの存在は消えます。人生お疲れ様でした。さようなら」
即効性のある薬液だった。
セリフを言い終わるや、心臓の鼓動が弱まっていく。返事もする余裕もなく、少女は大人しくなっていった。意識を失う。
身体は痙攣を起こしていたが、やがて心停止する。
医師は仮死状態を確認する。
まぶたを開いてペンライトを当てる。
反応なし……散瞳の確認。
「さて、このまま蘇生するのも癪ですから、仮死状態姦でもしましょうかね」
医師は自分の勃起したモノを少女の中に入れ、偽りの愛を育んだ。死体を犯しているような感じでも、都合が良いこともある。
早漏なので数分で射精した。
死にたてだから、少女の下半身の肉壁は死んだことに気づいていなかった。締まりは衰えず、男性器をしならせ、吐精させた。
中出しした精液は無断で膣内と子宮内を汚し、外に漏れ出たものはティッシュで拭い取る。それを、よく分からないが、心臓に付けた。
特に意味はない。医師の性癖だろう。
「さて、そろそろいいですかね」
医療用の除細動器を使い、挟み込むように心筋に押し当てる。露出した心臓の再起動。
「Good Luck」
バチンッ。
電気ショック一回で、露出した心臓が規則正しく動き始めた。そのことを確認した後、名残惜しむように胸の縫合を進めていく。
特殊な針と糸を使用して、切開した皮膚を寄せて傷口を縫った。最後に溝を埋めるように、ワセリンのような接着剤を塗布していった。
「さて、記憶を操作するついでに、人格もリセットしておきましょうか」
植物人間のように、無事呼吸も復帰した少女の頭に、メカニックな半円球の機械を被せる。
ヘルメットのように見えるが、外側にいくつもの太いコードが繋がっていて、重そうである。
スイッチを押し、一瞬だけ強い電気が流れた。
バチンっと脳が。次いでビクッと身体に電流が走る。
前頭葉の一部を活性化させる代わりに脳細胞の一部を電気で焼き切ることで、人格の再構築を促す代物だった。
「あっ、あれ?」
女の子はその衝撃で意識が覚める。
古い意識は消え、新しい意識に生まれ変わったのだ。
「お疲れ様でした。治療は終わりましたよ」
「ち、りょう?」
「そうです。どうですか気分の方は」
「清々しい気分です。まるで生まれ変わったみたい……」
医師はニコリと笑った。「手術は成功ですね」
心を治すために手術したことを伝え、数週間は病院にて安静にするように指示をした。
「心が疲れたときはまたお越しください」
「ありがとうございます」
女の子は笑顔を取り戻し、診察室を後にした。
「次の方〜」
つぎの患者と入れ替わった。
今度は小学生女子である。
小学生を連れてきた女性は、あとはよろしくと医師に伝えてサナトリウムから出ていった。
小1、心臓圧迫ゲーム
久々に心臓フェチ系。
心臓圧迫したら、失神するまでが王道。
下等生物である小学1年生の子どもを対象にした「自分の身体についてもっと知ろう!」
という特別授業を保健室で開催している。
ここでは、主に低学年の子供たちを中心に、自分の身体を使った学びを提供しているという。
「1年B組、〇〇さんね。よろしくね」
「よろしくでーす」
子供たち一人ひとりがベッドに寝転び、素性の知らぬ大人が身体をペタペタ触って指導?する。
白衣を着た大学生風の男性に上半身裸、人前で自分の胸を見せる感覚に、まだ恥じらいという感情は薄い。
「今日、何するか聞いたかな? 心臓を使ったゲームをするからね」
「うん」
「じゃあ、まずは心臓がどこにあるか、一緒に確認しようね」
子供は素直に寝転んでもらい、指導員が子供の脇腹やお腹を触ったり押したりする。
「ここに心臓があるの、分かる?」
人さし指で心臓の真上を押し込む。心臓の押し返す微かな力。連続性。
子供はまだ胸壁が薄く、触るだけで心臓の動きが手に取るように分かる。骨でできた籠から鼓動が分かる。
「うん、とくっとくっ、てしてる」
「そうだね。う〜ん、ちょっと緊張してるかな? マッサージしてあげよう」
子供の胸と腹を触っていく。えぐるようにみぞおちを探るお腹の触診。
胸壁の厚さを確認する手つきで、胸を触診する。まだおっぱいが確認できないほどぺったんこなので、性的特徴は見当たらない。
医師はショタコンやロリコンではなく、児童の心臓だけ興味津々なのだ。
「この場所には骨があるね。ここには骨がないね」
骨が有るところ、骨が無いところ。心臓の有るところ。乳首付近も親指で押すように触診し、胸部を行ったり来たり。
肋骨も一本一本数えるようにして、骨のあるなしクイズをしながら肋骨のない溝を指でなぞる。
「この骨たちは何してるの」
「これらは心臓や肺を守るためにあるんだ。正面からナイフでひと突きされる時に防御するんだ」
「へー、大事なんだね」
「まあ、今だと拳銃で即死するね」
乳首をつねったりして、反応を観ていく。
心臓の拍動ポイントを見つけて、ここに心臓があるね、と指でてきた拳銃でつつきながら自覚させる。
「ここを撃ち抜かれると、君は死ぬんだ」
「ここに心臓があるの?」
「そうだよ。大事な所だから、俺以外に触らせちゃだめだよ。分かった?」
「うん」
「よし。じゃあ、少し心臓調べてみるか」
拍動ポイント中心に、心電図の吸盤をいくつも貼り付けた。乳首にもつけ、吸盤で吸って感度を与えていく。
「きちんと心臓が活動しているかを確認するよ。この画面に、君の心臓が動いているところが映るからね」
「心臓見れるの? ワクワク」
心臓の真上にゼリーを塗って、エコー機械を当てて、画面表示。医師と一緒に子供の心臓を観察した。
「心臓は四つの部屋に分かれているんだよ」
画面上で心臓を輪切りにしながら検査する。
「右心房右心室、左心房左心室。ほら画面見て。魚の口みたいにパクパク動いてるでしょ。これで血液を送り出してるんだ」
「先生、私の心臓元気?」
「見たところ、元気そうに動いてるね。ちょっと緊張してるかな。とくとくしてて可愛いよ」
「えへへ」
弁の動き方、心房心室の容積、心臓の形状、大きさ、動き、心臓の血液の動き方。心臓の拍動数。心電図、エコーとともに聴診器を当てて、心臓の音も一緒に鑑賞する。
90回/分が基準だが、子供は緊張気味みたいで、心臓の動き方が速い。140回/分ほど動いている。
「じゃあ、心臓が元気なのを確認したところでメインディッシュ。心臓の動きを感じよう。心臓圧迫ゲームだよ」
「心臓圧迫?」
「ほら、心臓圧迫したら、心臓が押しつぶされちゃって、動悸がするだろう? それに気を失わず耐えるゲーム」
大人は手をクロスして、子供の胸の中心に手のひらを当てる。
「いくよ、ぎゅ〜」
と胸骨を沈められちゃって、代わりに内臓がおヘソの方に移動して、お腹が浮き上がっちゃう。
子供は「うっ……」と苦しそう。
「心臓圧迫されて心臓が押しつぶされちゃってるね。苦しいかな、苦しいね。心電図の波も乱れちゃってるね。いったん手を離すよ……どう?」
「はぁ、はぁ……すごい、新かんかく。心臓、ドキドキしてる……」
「胸骨が下がって心臓を押しつぶしたんだ。心臓びっくりしちゃったみたいだね。何度も心臓虐めするから、耐えてね。今度は長めに逝くよ。ぎゅ〜」
「う、せ……んせ……、あた……ま、ボー、ッ……と……」
「もし耐えられなかったら、死んじゃってもいいよ。下等生物なんだから」
心臓圧迫中に心拍数が上がっちゃってヤバい。最後は長く、胸骨を押し下げて、心臓をギュッと圧迫しちゃいましょう。
「ああいい。苦しみの顔、そそる。目がとろ~ん、ってしてる。瞳孔開きかけてるね。小1が見せちゃいけない顔、もっと見せて」
「あ、う……」
心臓を締め付けられて頭フワフワして意識が朦朧に。カクンと首が動いて意識を失った。
男性医師は、子供の意識がないことを理由に、直接ハートブレイクショットして打撃打ち込んだり、低周波治療器を操作して心臓もみもみしたり。性器を確認したり、ワレメを触ったり。
ひと通り性的エッチと心的エッチをした後、電気ショックで強制停止・拍動を起こした。
その後、子供は息を吹き返したが、心臓フェチになった。放課後、友達同士で心臓圧迫ゲームに参加しているという。
「じゃあ、行くよ」
「お願い〜」
「心臓ぎゅ〜」
「あー、キモチイイ……」
おまけ(Twitterより):
小1の時の心電図検査で並んでいたら突然前の子が怖いって泣き出したことがあって、担任が「怖くない怖くない心臓の検査だよ」って言ったら、その子が「心臓を検査されるのが怖いの」って言って余計に泣き顔になって独特な感じがしました。私もそれから聴診の検診も「心臓」を意識するようになったかな。
生きてる証拠
軽いタッチ。
清水 発表者
髙木 指
「自分が生きてる証拠を自分なりの手法で提出しなさい」
夏休みの宿題。わが校の自由研究は、自由研究と言っておきながら強制提出だ。提出しないものは「生きる価値なし」と見なされてしまう。これは当然だろう。
休みが終わって、発表会をする。小学〇年生たちが、思い思いの発表をする。
「生きてる証拠」として一番多いのは、心臓だった。
「私の生きてる証拠は、『心臓』です」
そう呟く児童は、聴診器の円盤ピースを、自分の左胸に押し当てる。
今や聴診器はネットショップで簡単に購入できる世の中だ。5000円程度で、自分の生きてる証拠を自分の耳で聴くことができる。身体から音が取り出せるのだ。
とくん、とくん、とくん……。
教室用学タブのように、備え付けの拡音器を通して、クラスメイトに心臓の音を聞いてもらっていた。スピーカーで大きくなった生きてる音。それを出す。それを聴く。
いつしか生きてる証拠発表会は、「心臓発表会」みたいになっていた。
あるクラスメイトの児童は、実際に心臓が見える映像をとった。裕福な坊っちゃんで、親が大学病院の医師をやっているらしい。夏休み期間中、特別に貸し出した様子だ。
「これが私の『生きてる証拠』です」
と、普段は先生が振り回している指揮棒で、スクリーンに映し出された自分の胸に指をさす。普段は先生の作った黒板用スライドが掲出されるが、今回は「生きてる証拠」が映し出されている。白い影は絶えず動いていて、停止することはない。
説明中、棒の角度を傾けて、ここが左心室、ここが右心室と場所を差した。
最後に、自分の胸に指差した。
「今は服や皮膚で見えないんですが、見えないことが証拠です。皮膚の下で、この心臓がずっと動いていることが、私の生きてる証拠です。以上で発表をおわります」
「はい、みんな拍手〜」
「パチ、パチ、パチ……」
まばらな拍手だった。
お題被りが起きてしまっているなか、次の清水さんも、やはり心臓だった。
しかし、他の人より発表の仕方が違った。
「ぼくは、他の人より痩せっぽちなので、心臓の位置がわかります。ここです」
上半身が見えるように、自分で私服を、鎖骨が見える範囲までたくし上げた。それで首をカクンと下に向けてストッパーにした。あごで持ち上げた服を押さえて、それで自由な手で「ここです」と左胸を差した。
清水さんの身体が痩せていることは明瞭である。スレンダーと言っても良い。背の順は前の方で、背中から突き出た肩甲骨の一部は、長い髪で隠してごまかしているほどだ。時おり風に揺れて、髪の向こう側から背骨の筋が見えている。
呼吸をしても、しなくても。
脇腹に、ハの字になって浮き出た肋骨が見て取れる。触れば凹凸感が感じられることだろう。昭和時代の鄙びた洗濯板みたいに、四〜五本程度、肋骨が浮き出ている。呼吸をしてかすかに上下に動いている。
しかし、清水さんは、左胸を差しているだけだ。他の人のように透過装置や聴診器など用いていない。それでは、発表にならない。他の人のように「工夫」をしないといけないだろう。
自分を機械に例えると、皮膚のなかで稼働している重要な部品が正常であると自分の口で説明しなければならない。そうでなければ、自分で自分の「生きてる証拠」を説明できていない、ことになる。
「清水さん、あのね」
担任の先生が口を挟んだ。「それだとわからないのよ」
「いいえ。わかります。だって、いつも震えているんです。ここを触ると、ピクッ、ピクッ、て」
「……と、言われてもねえ」
先生は清水さんの発表に納得しない。しかし、
「あ!」と、最前列の高木さんが最初に気づいた。
「清水さんの胸、震えてる!」
席から飛び上がるように勢いよく立ち上がり、人さし指を伸ばした。教卓を越え、清水さんの左胸に指を、つんっと押し当てる。
びっくりしたようで、清水さんの身体は「んっ」と敏感に胴体を弾いた。
「ほら、ここ。動いてるよ。とくっ、とくっ、って」
そう言われると、クラスメイトの一部は立ち上がった。後ろの席の人は若干立って、近寄ってきた。どれどれ、と。
高木さんが指さすそこは、左胸の下方向。左乳首のすぐ横だった。
「この辺見てよ、この辺」と、発表者の代理をするように、高木さんが指をくるくるして場所を教えていた。
「呼吸て動いてるんじゃないの?」
「違うって。あっ、ねぇ清水さん、ちょっと呼吸停めてみて」
「うん。すぅ……っ」
清水さんは、深い深呼吸をして、吸った空気を肺に溜め込む。その状態のまま、十秒間だけ呼吸を止めた。
「ほら、見てよ」その間に観察を促した。
たしかに清水さんの淡いピンク色をした左乳首あたりに、かすかに動いているのがわかった。浮き彫りになった肋骨の、左胸全体の皮膚が、波を打つように動いている。その真上に高木さんの押しあてた指が乗せられている。指が聴診器のアレに見えた。
清水さんの「生きてる証拠」とは、いわゆる「胸ピク」だった。
押しあてた高木さんの指が、規則正しく動いていた。どく、どく……と。クラスメイトから見ると震えている。皮膚でできた檻から飛び出そうとしている小動物のように、それは激しく、そして丸わかりだった。
「すごいチカラ……。結構指、押してるけど、とん、とん、って押し返してるよ」
髙木さんの補足説明により、みんなも「へ〜」と知ったようだ。
「――はあぁ……」
清水さんは息が限界になったみたいで、長く吐き出した。それで呼吸を整えるような呼吸を再開させた。「生きてる証拠」は皮膚の檻の中に戻ったようだが、目を凝らしてみれば、未だ震えている。
一度視認すると、その動きだけを追うようになる。継続的に呼吸していても、左胸にある心臓の、リアルタイムの動きが、手に取るようにわかった。
「へえ〜!」
「すごい!」
「たしかに、胸が勝手に動いてる!」
「これが心臓?」
自動的に、自発的に。
清水さんの「胸ピク」の様子を見て、クラスメイトたちの一部が自分の服をめくっていた。自分の胸を見て、確かめているのだろう。
その中に、左胸部を指で押して、押し返してくるものを探しているのだろう。
「私のは見えないな〜」
「う〜ん、私も……」
「でも、強く押せばある感じがするかも」
「えー、ホント? 発表した身だけど、この中に本当に心臓があるのかなあ?」
「えいっ、っ……確かにある、けど、結構押さないと……、うっ……、苦しいね」
「それならみんなも触っていいよ」
発表者の清水さんの提案に、クラスメイトはノリノリだ。
「えっ、いいの?」
「うんっ。だって、髙木さんに触られてるし」
「あっ」
髙木さんは、それを言われてようやく触るのをやめた。指で圧迫された、赤い跡が少し残った。爪先で押されたところが赤くなり、内出血を起こしている。
「だ、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
と強がったが、顔はちょっと正直だった。
ちょうど肋骨と肋骨の間だったので、指で押されている最中、直接心臓圧迫されたみたいで息苦しかったのだ。
担任が話を引き継ぐ。
「じゃあ、お言葉に甘えて、清水さんの「|『生きてる証拠』《しんぞう》に」触ってみましょう」
「は〜い」
転校生の周りに群がって質問攻めをするように、清水さんの胸に集まる。
そして、みんなで清水さんの「胸ピク」部分を押し触った。
「うわあ。すごい……押し返してくるね。とくっ、とくっ、って」
「肋骨ごと押し返してて楽しいね。ハムスター飼ってるみたい」
「まるで直接心臓に触ってるみたい……!」
「普通にしててこれなの?」
「うん」
「えー、ズルいっ。私本気でダイエットしようかな〜」
「ねえ、もう少し押してもいい?」
先ほど圧迫された跡と同じところを押している子が言った。
「うん。もう少しだけなら」
「じゃあ、えい」
「うっ」
「わぁ、すごい。清水さんの心臓、すごい頑張ってる……」
「は〜いそれまでですよ〜」
途中で先生が間に入り、強い圧迫を中断させた。そして、この部分は心臓のどの場所を触っているか、みんなで考えた。
右心房、右心室。
左心房、左心室。
答えを考えながら、答えを触っていた。
「えっ、左胸にあるんだから、左心房、左心室のどちらかっしょ!」
「左心室!」と元気のよい一致で答えた。
みんなには簡単な問題だったようだ。
先生はもう少し踏み込んだことをいった。
「では、他のところよりも目立って動いているのはどうしてでしょう?」
するとこれは難問だったようで、みんなは考え込んだ。
そうやって清水さんの「|心臓《生きてる証拠》」を確認していたら、授業が終わる15分前になっていた。
「はい、皆さん。席について下さい。……それでは次回までの宿題を出しますね。今日学んだことや感想などをプリントに書いてください。答えられる人はさっきの問題にも取り組みましょう。あと、髙木さん」
「はい」元気よく返事をした。
「人の身体に触る時は、相手に声をかけてから触りましょうね。特に女の子の胸は大事な部分ですから」
「は〜い」
「あと、心臓を圧迫する時は、圧迫時間と力加減に注意しましょう。心臓が止まってしまうと死んでしまいますから」
「は〜い、気をつけます」
「それと、清水さんは念の為保健室に行きましょうか」
「わかりました」
みんな黙々とプリントに向き合っている。チャイムが鳴る前に先生が戻り、プリントを回収する。それで授業が終わった。1人が手を挙げた。
「せんせ〜、次の単元は何をするんですか?」
「次は『生きてた証拠』を勉強します」
「生きてた証拠?」
生徒は、てこっと首を傾げた。先生は、にっこりとしている。
「提出できなかった娘が一人います。それを使って、『生きてた証拠』を見つけてみましょう」
「……ってことは、次は実験っ!」
「ええ、楽しみにしててくださいね〜」
1時間くらい後、清水さんが保健室から帰ってきた。に連れて行った。休憩時間に入っても、みんなは清水さんに夢中だった。
「さっきはごめんね」
「うん、いいよ」
「ねぇねぇ、清水さんの心臓、触ってもいい?」
「あっ私も。指じゃなくて聴診器当てたいな」
「うん、いいよ。どうぞ」
服の裾を持ち上げ、左胸を露出した。
「はい、どうぞ」
内出血の圧迫跡は、まだ治っていなかった。
その部分に聴診器を当てた。
「さっきよりもちょっと早いね。保健室で何してたの? 『心臓検診』?」
「えへへっ。うん。電子画面で心臓、輪切りにしてもらったり、中身を見られたり。あとは心電図したり、胸を直接触られたりしたかなー」
「あー、もしかして保健室の先生に、心臓弄られにいったの? ズルい!」
女の子は、聴診器よりも会話を優先させた。
「いいなー。保健室の先生、心臓フェチだけどイケメンだし。私の心臓も、輪切りにしてもらいたいなー」
「ダメだよ千代ちゃん。あの先生、平べったい胸が好きなんだから。私のように幼児体型でないと……ね」
愛してくれないんだよ……。
まだ残っている内出血の跡の正体は伏せておこう。キスマークだと知っているのは私だけだと思うと……胸が弾んだ。どくっどくっどくっ……