───止まったままの彼女の時間が、再び動き出すまでの軌跡。
🛡️⚛️(⚛️ほぼない)夢注意
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目次
動く絵画
旅人は蛍です
理由は男女調節です。全然深い意味ありません。
極寒の地、スネージナヤ。
ここにも少し慣れて、スネージナヤの人々とも関わりが深くなってきた頃だった。
「旅人!バレリーから手紙が来てるぞ!」
「バレリーから?珍しいね。」
「おう!読んでみようぜ。」
『差出人: バレリー
件名: オルジェイナヤ・パラタへのご訪問のお願い
旅人、そしてパイモン。
お久しぶりです。オルジェイナヤ・パラタのバレリーです。
貴方方が近くを立ち寄られているとお聞きし、お引き止めしたい件がありご連絡いたしました。
実は、俺の管轄区域にて少々個人的な相談……異国の旅を続けてこられた貴方方のお知恵をお借りしたい件がございます。
急なお願いで大変不躾とは承知しておりますが、ご協力いただけないでしょうか。
詳しい事情につきましては、直接お話しさせていただければと思います。
オルジェイナヤ・パラタにてお待ちしておりますので、お時間のございます際にお越しいただけますと幸いです。
どうぞお気をつけてお越しください。
追伸:
ミティヤ様がまた何か騒がしい計画を立てているようですが、気にされないようお願いいたします。到着されましたら、直接俺へお声がけください。』
「うわぁ…相変わらずバレリーは堅いな。」
パイモンがしかめっ面でバレリーの手紙を見ていた。確かにかなり堅い文章だ。
「そこもバレリーの良いところだよね。」
「確かにな!とりあえず、この手紙の通りオルジェイナヤ・パラタに行こうぜ!」
---
なんだか今日のオルジェイナヤ・パラタはなんだか騒がしい。
…いや、やっぱりそんなことないかな。
「ミティヤ様、またアイデア出しと称して劇場に行き、職務を放棄しましたね。これで今週3回目ですが。」
「痛い痛いバレリーさん! 怒らないで! 僕はただ、新しいインスピレーションのためにヴォジャニーツァさんの歌や演目を観ていただけだってば!」
「お、おーい…、今大丈夫か…?」
「あ、旅人!助けてくれ!バレリーさんが───」
ミティヤが何かを言いかけたところに、バレリーが厳しい無表情に戻り、一礼をして割り込む。
「これは旅人。ちょうどいい所に。これからミティヤ様は職務に戻っていただきますので貴方様が手を貸すようなことはしないようにお願いします。」
「うぅ…旅人に助けを求めるのもだめなのか…。僕たち戦友だろう…?」
『戦友』といえばどうにでもなると思わないでほしい。
その気持ちに気づいたのか、ミティヤは借りてきた猫状態になり、他の研究員の人に連れて行かれた。
「それで、オイラたちを呼び出すなんて何かあったのか?」
「……実は、俺の管轄区域で保護している『ある特別な少女』の様子を、少し見てきていただきたいのです」
「『特別な少女』?へぇ、どんなやつなんだ?」
「見ていただいたほうが早いかと。」
「そうか?分かったぞ。」
「俺についてきてください。案内します。」
---
バレリーに案内され、静かで薄暗いアトリエ…確か、『特別保護室』だったか。に来た。
「うぅ…なんだか薄暗くて不気味だぞ…。」
「大丈夫です。幽霊はいませんので。…いや、いるといえば、そうかもしれませんね。」
「えぇ!?どういうことだよ!?」
パイモンがさらに顔を青くした。ロノヴァにパイモンを狙われてから、パイモンのことにさらに敏感になっていたので
「パイモンを怖がらせないで。」
思わず…。
バレリーの目が丸くなったが、すぐに元に戻りこう言った。
「申し訳ございません。もうすぐ着きますよ。」
…ミティヤと同様、この人もはぐらかすのが得意みたいだ。
ギィと扉が鳴った。
部屋の中央に大きなキャンバス。そこに少女の絵画があった。
絵画だったのだが……
「えっ…!?」
パイモンが声を上げた。
当然である。入った瞬間に少女の目が、ふっと開いたのだから。
そして彼女は私たちを一瞥し、無表情のまま冷たく言い放った。
「……また新しい見物人? 悪いけれど、私はもう、誰の批評も聞きたくないわ。」