文ストの夢です。
オリキャラ注意
普(あまね)
異能力
[ Paste ]
許可を受けた相手の異能をコピーできる。数量は決まっていて15。持ち主が死んだ場合は使えなくなる。
身長 165
体重 43
好きなもの 白玉あんみつ 甘いもの オムライス 猫
嫌いなもの トマト 納豆 キノコ 生魚
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目次
あまねくすべてに(文スト夢?)お知らせ編
おしらせ~
今まで書いてたのを全部書き換えます。
そしてアニメの一話、二話に合わせて書くことにしました。
今までのを一部変えて書かせていただいてます。
大体は一緒((
です。
あまねくすべてに(文スト夢?)本編1
主人公(?)
普(あまね)
異能力
Paste
許可を受けた相手の異能をコピーできる。数量は決まっていて15。持ち主が死んだ場合は使えなくなる。
身長 165
体重 43
好きなもの 白玉ぜんざい 甘いもの オムライス 猫
嫌いなもの トマト 納豆 キノコ 生魚
どこか遠くで、なにか大きなものが水に落ちた音がした。
ぜってぇ太宰じゃん
嫌だなぁ。いやこれ結構ガチで
……探しに行く、か。
---
「あ、いた」
それもなんか知らない少年付きで。
「それを君が余計なことを‥‥」
ヤレヤレ、と首を振る太宰。初対面っぽい少年に説教してんのか?
めっちゃうざいじゃん。
ていうか私もいるんだけどなぁ…そろそろ声かけるべき?
その時ぐぅうううと少年の腹の虫が鳴った。
つられて私の腹の虫も…あ。
「オー、アマーネチャーン。オハヨー…」
しばらく時が止まる。少年も気まずそうにている。
「く…空腹かい?少年…と普ちゃん」
…無理やり話を戻した。
「じ、実はここ数日何も食べていなくて…」
「そうかい私もだ。」
「え?」
「ちなみに財布は流された」
「え?!」
ちなみにこっちは私。給料日前だけど…大丈夫?
「おーい!こんな処に居ったか、唐変木!」
「おー、国木田君ごくろうさまー。」
川の向こうから国木田さんがなんかしゃべってる…申し訳ないけど全然聞こえない。
「そうだ。国木田君になんかおごらせよう!」
国木田さんかわいそう。
「君、名前は?」
太宰がさっきから呆然としていた少年に声をかけた。
「中島…敦ですけど。」
「ついてき給え、敦君。何が食べたい?」
少年がすっと顔を下げ、照れくさそうに茶漬けが食べたいです。と云った。
「ふふっいいよ。国木田君に30杯くらいおごらせよう。」
「太宰―私も白玉あんみつ食べたーい」
「普ちゃんのもついでに3杯位おごらせよう!」
「私は1杯でいいかな?」
「俺の金で勝手に太っ腹になるなー!太宰ぃ―!!!」
「…太宰?」
敦君がふと首を傾げた。
「あぁ…そういえば自己紹介をしていなかったね。私の名前は太宰…太宰治だ。」
かっこつけてるー
敦君がそっと私にも視線を向けてくる。
そういえば私も名前を言った覚えはない。
「私は普。」
私はできるだけ友好的に、かつ怪しく見えないような笑顔を作った。今のところ私たち、怪しさ大奔流だし。
「よろしくね。敦君」
---
「おい太宰。早く仕事に戻るぞ」
特に珍しくもないが国木田さんが苛立っている。
_______禿げるよ?
「仕事中に突然『良い川だね』とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった」
そういっていつもの理想手帳を太宰に突き付けた。
それを横目で見ながら国木田さんにおごってもらったあんみつを食べる。
うん。やっぱり安定のおいしさ。
「国木田君は相変わらず予定表が好きだねぇ」
「これは予定表ではない!理想だ!我が道の道しるべだ!そしてこれには『仕事の相方が自殺嗜好』とは書いていない!」
国木田さんがダンッと力任に手帳を叩きつけた所為で机が揺れた。
「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
「五月蝿い。出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない。
…ついでに云うと普、お前もだ」
____マジすか。
「んぐむぬ?」
「だから仕事だ! 俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を──」
なんで二人会話できてるの?
「君達なんで会話できてるの?」
あー…、人の金で食べる白玉あんみつおいしい。
---
「はー、食った!茶漬けはもう十年は見たくない…」
「いや、ほんっとーに助かりました! 孤児院を追い出されて横浜に出てきてから、食べるものも寝るところもなく……あわや斃死かと」
「ふぅん。君、施設の出かい」
ここから少し長めの話になってきたので聞くのがめんどくさくなってきた。
つまり今回の彼らの仕事『虎探し』の目標である『人食い虎』に敦君が『お世話』になっているらしい。
めんどくさそうだなぁ…。
そんなことを考えていると横でガタッと音を立てて敦君が椅子から落ちた。
顔が真っ青だ。
逃げようとしたところに国木田さんが捕まえる。
流石~(我関せず)
「む、無理だ! 奴──奴に人が敵うわけがない!」
「貴様、『人食い虎』を知っているのか?」
また面白くなさそうな話だ。虎のせいで経営が傾いた孤児院から追い出されたらしい。ふぅん、それで餓死しかけたっていうのか。
なんというか…よく出来すぎてるね。
斜め前にいる太宰をちらっと見るといつも通りぼーっとした顔をしていた。
「それで小僧、『殺されかけた』と云うのは?」
「あの人食い虎──孤児院で畑の大根食ってりゃいいのに、ここまで僕を追いかけてきたんだ!」
そんなこと___あるわけないのに。
少なくとも私が虎ならそんな無駄なことをしない。
てかあんみつおいしい。
私がお茶を飲んでいるといつの間にか話は進んでいて、太宰に巻き込まれた敦君が無理やり虎探しを手伝わされる羽目になったらしい。
かわいそう…とは思わないかな?報酬いくらかは見てないけどすごそうだったから。
「普ちゃんは?ついてくるの?」
「暇だし行ってもいいよ」
「そういえば普、お前最近全然社に顔を出さないが…」
やばい。
「ちゃんと書類仕事は遣ってるよ?……社の自分のpcハッキングして」
「は?!」
「太宰!何処行くの?」
太宰はそんな暇ないのに、ふふっと笑ってこう云った。
「虎が現れる場所」
---
______『虎が現れる場所』
そう太宰に言われついてきたのは15番街の倉庫。
「本当に…ここに虎が現れるんですか?」
「うん。本当だよ」
不安そうな敦君。それもそうだ。なぜなら__
「心配いらない。虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えても『武装探偵社』の一員だ」
そういってる本人が『完全自殺読本』なんて本読みながら言ってちゃ…ね?
「ははっ。凄いですね、自信のある人は。僕なんか孤児院でもずっと『駄目な奴』って言われてて___」
常に不安そうで、自信がなさそうな表情をしている理由はそれか。
あんな良い『ヤツ』が一緒にいるってのになぁ。
ふわっと風が通り抜け、上を見上げるときれいな満月。
奥でガタッと物音がした。
それにおびえた敦君が太宰さんに詰め寄る。
「ヤツだ…ヤツがここまで僕を追ってきたんだ!」
「君が街に来たのが二週間前。虎が街に現れたのも二週間前。君が鶴見川べりにいたのが四日前。同じ場所で虎が目撃されたのも四日前」
太宰はだんだんと彼を追い詰めていく。
これしかなかったとしても遣り方の趣味が悪い。
________巷間には知られていないが、この世には異能の者が少なからずいる。
その力で成功する者もいるのに対して、力を制御できずに身を滅ぼす者もいる。
「大方、施設の人は虎の正体を知っていたが、君には教えなかったのだろう。君だけが解っていなかったのだよ」
白虎が目の前、三メートルくらいまで近づいてきていた。
え、やば。
「死ぬ奴、じゃんっ?!」
慌てて木箱から飛び降りて間一髪助かった、けど!
「なんか!言えよ!だざぁいっ!」
なぜか敦君虎の目標が私になっていた。なんで?失礼なこと考えてたから?ごめんね?!
シュッと掠っただけで結構痛い。血出てるかなぁ…。
「凄い力だ。人の首ぐらい簡単に圧し折れる」
太宰が壊れた木箱を見ながら他人事のように言った。
…縁起でもないこと言うんじゃねぇよ!
腹が立ったので太宰を攻撃目標にしてもらうことにした。
うまく木箱の間に体を隠して壊れた破片を太宰に向かって投げる。目標を失った虎が音のほうを振り向き____
「え」
太宰を見つける。
しかし壁の近くに立っていたせいで追い詰められてしまった。
まぁ大丈夫だろうけど。
「獣に食い殺される最期、というのも悪くないが…」
とん、と襲い掛かってきた虎の額に触れた。
「君では私を殺せない。」
『人間失格』
敦君の変身が解けた。
…カッコつけてたからいいや。
「…男と抱き合う趣味はない」
ビタッと音がして敦君が床に落ちていた。かわいそうに。
「おい太宰!」
「あぁ、遅かったね。虎は捕まえたよ」
国木田さんが探偵社員を連れてやってきた。遅い。
「なんだ、怪我人はなしかい? つまんないねェ」
「はっはっは。中々できるようになったじゃないか、太宰。まぁ、僕には及ばないけどね!」
「でも、そのヒトどうするんです? 自覚はなかったわけでしょ?」
「どうする太宰? 一応、区の災害指定猛獣だぞ」
次々と皆が太宰を問い詰める。いいぞもっとやれ((
ふふ、と太宰が笑った。気持ち悪い。
というか嫌な予感しかしない。
「うちの_________社員にする」
皆がどよめく。なにより国木田さんがうるさい。
眠い。虎の爪が掠った腕が地味に痛い。女医にみつからないうちに逃げよう。運がいいことに辺りは暗いから見つかりにくい。
…早く寝たいなぁ……
普です
眠い!でも腕痛い…
なんか明日の寝覚めがとてつもなく悪くなる気がする…
次回、ある爆弾
ポートマフィア本部に爆弾を投げ入れたらどうなるかなぁ…
作者コメント
文スト5期だー!
あまねくすべてに(文スト夢?)ファンレターの感想
やばい・・・
あさおきて、お気に入り登録している二人のコラボ作品読ませていただいて。
マイページ見たら。
え?
ファンレター?
ふぁん・・・
俺にファンっているのか?ってなりました。
えっとひとつずつかえしていっていいですか?
ののはなさん!ありがとうございます…大好きです((
そんな、俺のほうが絶対下手なんで…尊敬してます!
あと匿名で送っていただいたかた!
誰かわからないですがありがとうございます!
花子くん見てます!
海嘯さん!え、認知…?認知されてる?神…自主企画まで?!神すか?設定ちゃんとしてるどころじゃないじゃないですか?!神じゃないですか?!
あ、送っていただけると嬉しいです…神です(何回目)
神ファンレターありがとうございます
これ以降読むの注意↓
実は自主企画で文スト書いてる神作家さん来ないかなぁって思ってたのは事実((
あまねくすべてに(文スト夢?)のキャラ紹介
ネタバレ凄いw
名前
普(あまね)苗字がないのはもともと貧民街にいたから。作者の勝手な希望だと櫻城(桜木)にしたいらしい
所属組織
元ポートマフィア裏幹部→武装探偵社
↑この間に特務科のお手伝いとかしてた時期があった
年齢
17歳(いまだに敦君に年上扱いされるのが悩み)
誕生日
2月27日
身長
165cm
体重
43kg
好きなもの
猫、読書、オムライス、白玉ぜんざい、カスタードシュー
嫌いなもの
犬、生クリーム、生の魚・卵、キノコ
趣味
読書、(太宰に遊ばれている)国木田さんかんさつ
苦手なこと
道を覚えること
戦闘方法
体術・ナイフなどを使った近接から異能を使った中距離、狙撃などの長距離まで結構できる
ただ少しサポートが苦手。前に出たいタイプ
見た目
色素の薄い茶髪ボブに右は赤、左は黄の瞳(前から見た場合)。
服装は白のブラウスに黒のスカート
持ち物
ほぼ持ってない。スマホとか財布だけ持ってる(ポケットとかで)
その他
異能発動時の文字は青。
ポートマフィアをやめた理由はーーーーーーーーーーーーーだから(さすがにここはネタバレ)
名前
アマネ
所属組織
ポートマフィア裏幹部
年齢
15歳
誕生日
2月17日
身長
158cm
体重
38kg
好きなもの
特にない。(猫と甘いもの)
嫌いなもの
森さん
趣味
読書、太宰の観察、中也をいじめて遊ぶこと
苦手なこと
集中すること、道を覚えること
戦闘方法
近接、狙撃
見た目
前髪が長くて目がかくれている(目を見ると殺されるという噂があった)目は赤。片方が黄色になった理由はーーーーーー(ポートマフィアをやめた理由にかかわってくる)
黒のコート(まえしめてる)
異能力『paste』
許可を得た相手の異能力をコピーできる。(15個まで)
持ち主が死んだ場合は使えなくなる。
今持ってるやつ
『人間失格』『汚れっちまった悲しみに』『金色夜叉』『羅生門』『檸檬爆弾』『君死給事勿』『夜叉白雪』『月下獣』『雨ニモ負ケズ』
元々持ってたやつ
『天衣無縫』
練習して同時にいくつも使えるようになった。異能力の上書きで例えば太宰の人間失格を人間失格で上書きできる。
アマネとは―
ポトマ時代の普。今とはちょっとテンションとかが違わ…ないかも
10歳でポートマフィア所属(太宰さんごとまとめて放り込まれた)
12歳で裏幹部(太宰さんが17歳と仮定して)
13歳でポートマフィア脱退(?)←太宰さんが辞める1日前
15歳まで夏目先生の食事とか用意する係(家政婦的な)
15歳で夏目先生の紹介で武装探偵社に入社(太宰と同日)
↑夏目先生が朝食で駄々こねたせいで遅刻した、と本人は言っている
17歳←今此処
ですです
あまねくすべてに(文スト夢?)本編2
やっとここまできたぁあー!
(言われなきゃわかんないくらいの)小説版のネタバレあるかも(探偵社創立秘話の敦君入社前夜のほう)
目線というか、時間ちょっと飛ぶときに区切を使ってるので結構多くて煩わしいかもしれないですがすみません…これでも4個くらい減らしたんです。回想のところとか
電話が鳴った。
一応出社の用意はとっくに済んでいるけど朝一で電話をかけてくるような迷惑野郎は一人しか思い当たらない。
「…なに」
『やぁ普ちゃん、おはよう。よく眠れたかい?』
「あんたのせいで寝起きから最悪の気分です」
嘘。
『そうかい、まぁそれはいいんだけど―』
いいのかよ。
『助けて。死にそう』
「……」
私は息を大きく吸って、近所迷惑にならない程度に叫んだ。
---
「「おはよう敦君」」
「おはよう…ございます?」
戸惑っている敦君。それはそうだ。なぜなら…
「…なんですか?これ」
「なんだと思う?」
「朝の幻覚」
「ちがう」
ドラム缶にはまった太宰。そして助けるでもなく横でそれを見下ろす私。
「いや、このような自殺法があると聞き、試してみたのだが…苦しいばかりでいっこうに死ねない。」
「探偵社の皆さんに助けを求めなかったんですか?」
「求めたよ?そこにいる普ちゃんにも。でもなんていわれたと思う?」
「よかったじゃん」
「ご名答。只普ちゃんに関してはもっと非道い。」
「え……」
『助けて。死にそう』
「……」
私は息を大きく吸って、近所迷惑にならない程度に叫んだ。
「勝手に死んでろ糞太宰ぃー!!!」
「ってね!」
「えぇ…」
(この後無事太宰は敦君によって救出されましたとさ。
めでたくない、めでたくない)
---
「まぁ任せたまえよ! 私は太宰、民の尊敬と探偵社の信頼を一身に浴する男…」
太宰治だ!でしょ?
「おい太宰!何をしている!この包帯無駄遣い装置が!!」
太宰のホラ自慢話は国木田さんの怒声によって遮られた。
有難う、国木田さん。
「クニキダクン。イマノコショウハドウカトオモウ…」
「この非常事態に何をとろとろ歩いて居るのだ! 疾く来い!」
「朝から元気だなぁ…。あんまり怒ると禿げるよ?」
「そうなのか…?!」
そのあと嘘だといわれて国木田さんが太宰を締めていたのは言うまでもない。
揺さぶられて『うへへぇ』と笑っている太宰。気持ち悪い。
「あの……『非常事態』って?」
「そうだった! 探偵社に来い、人手が要る!」
なんだろう。
「何で?」
「爆弾魔が…人質連れて探偵社に立て篭もった!」
なんか手伝わされそう…逃げよ。
「え」
私の腕をつかんだ手の行く先は太宰。
「どこに行くのかな?普ちゃん」
うわぁぁぁあああん!!
---
「ワー、ナンテコッター」
今私達の目の前には人質である見覚えある制服を着た女学生|爆弾魔《谷崎君》。
…ほんとになんてこったーパンナコッタ―…パンナコッタって何?おいしいの?(知らんがな)
「犯人は探偵社に恨みがあって、社長に会わせないと爆発するぞ、と」
「ウチは色んな処から恨み買うからねぇ」
「爆弾に何かを被せて爆風を抑える手もあるけど……」
「この状況じゃ無理だろうね」
「どうする?」
がんばれ二人。私には無理そう。いろんな意味で。
あー…昨日の会議出とけばよかった。
太宰…なんで|此奴《敦君》探偵社に入れるなんて言ったんだよ…!
「会わせてあげたら? 社長に」
「殺そうとするに決まってるだろ! それに社長は出張だ」
あのあと私が帰ってから、何やってたんだろーなぁ…。絶対楽しかったやつじゃん。谷崎さんが揶揄われるタイプのやつじゃん。善いなぁ…。
などと考えていたら国木田さんが爆弾魔さんを宥めに行っていた。
いつの間に。てかアドリヴ苦手なのにあんだけの演技力ってことは相当練習したんだな…
「おい、落ち着け少年」
「来るなァ! 吹き飛ばすよ!」
「ふむ、普ちゃん。どう見る?」
無理やり私に振られた。おい太宰。今度『うずまき』のパフェ奢らせるぞ万年ツケ野郎。
「えっと、やっぱり探偵社に私怨を持つだけあって社員の顔と名前ぐらいは調べ上げている。もちろん、太宰君や私が行っても余計警戒されるだけ」
「そうだねぇ…却説、どうしたものか」
そう言った彼の視線は敦君を捉える。
「…はぁ」
にやぁ、と笑って太宰は予想通りの提案をした。
「________」
---
「ややややめなさーい!お親御さんが泣いてるよー!」
「ぐふっw」
「敦君ダメ人間の演技うまいなぁ」
思わず吹き出すところだった。てか吹き出した。
「ぼぼ、僕はさ、騒ぎをき、聞きつけた一般市民ですっ! いい、生きてればいいことあるよ!」
「誰だか知らないが無責任に云うな! みんな死ねば良いんだ!」
「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくて、この前その院さえ追い出されて、行くあても伝手も無いんだ!」
「え……いや、それは」
困ってる…
「社員が行けば犯人を刺激する。となれば、無関係で面の割れていない君達が行くしかない」
「む、むむ無理ですよ、そんなの!」
「犯人の気を逸らせてくれれば、後は国木田君が如何にかしてくれるでしょ」
能天気だ。
「それか普ちゃんが」
「おい。やらないぞ」
「ね、張り切ってるでしょ」
「やらねぇからな?!」
「そうだね、落伍者の演技でもして気を引いては如何かな」
「訊けぇ!!」
「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたらたぶん縛り首だし、とりたてて特技も長所も無いし、誰が見ても社会のゴミだけどヤケにならずに生きてるんだ!」
「えぇ…」
「ね、だから爆弾捨てて一緒に仕事探そう」
目がガチだなぁ…。
てか|アイツ《谷崎》、めっちゃ困ってるし。まだまだだなぁ…。でもその隙に太宰が国木田さんに何か指示を出した。
「手帳の頁を消費うから、ムダ撃ちは厭なんだがな……!」
『独歩吟客』
「手帳の頁を___鉄線銃に変える…!」
彼が手に持っていた爆弾の釦を弾き飛ばし、ついでに彼を投げ飛ばした。砂埃が薄くなって見えたのは伸びている彼。
うわぁ…、と思わず声が漏れてしまう。
谷崎君かわいそう。
これでめでたしめでたし…?
「ピ」
「ピ…?」
「あ」
「あと五秒?!あと五秒で爆発する?!」
敦君の叫ぶ声が部屋中に響き渡った。
_____その時、信じられないものを見た。
「__は?」
『爆弾に何かを被れば爆風を抑えることが___』
でも、実践するとはだれも思わなかっただろう。___それも人間『自身』が。
「莫迦!」
そんな誰かの声が後ろで響いた。
・ ・ ・ ・・・・・・・・・
「やれやれ……莫迦とは思っていたがこれほどとは」
「自殺愛好家の才能があるね、彼は」
「へ?」
「ああーん兄様ぁ! 大丈夫でしたかぁ!?」
ゴキッ、と爆弾魔の___谷崎君からすごい音がした。
あれ|胸骨《あばら》折れたんじゃね?
ちらっと敦君のほうを見るとぽかんとしていた。それもそうだよなぁ…。
「恨むなら太宰を恨め。若しくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」
「そう云うことだよ、敦君。つまりこれは一種の──入社試験だね」
「入社……試験?」
「その通りだ」
バッと後ろを見ると和装の男性が立っていた。
「社長」
探偵社社長、福沢諭吉。
「そこの太宰めが『有能な若者が居る』と云うゆえ、その魂の真贋を試させて貰った」
「君は社長に推薦したのだけど、如何せん君は区の災害指定猛獣だ。保護すべきか社内でも揉めてね。で、社長の一声でこうなったと」
「で、社長……結果は?」
社長は少し目を瞑って何か考えるようにしてから、口を開いた。
「太宰に一任する」
「合格だってさ」
「よかったねー敦君」
ちょっとかわいそうだけど。
太宰と敦君が揉めている。
「いやこんな凄い仕事!僕には無理ですよ!」
「えー…じゃあ社員寮引き払わなくちゃな―…電話代の払いもあるけど…大丈夫?」
・・・これからまた、いや
今以上に五月蠅くなるなぁ…
敦君気を落としちゃだめだよ!縛り首にされないってことは希望はある!
…ということで買い出しに行こうか!帰りに甘味処にでも寄ろう!
白玉あんみつが食べたいから!
あまねくすべてに(文スト夢?)本編3
うぇえええい
頭痛い・・・
「すンませんでしたぁっ!」
静かな店内に声が響き渡った。
「その、試験とは云え随分と失礼なことを」
「あぁいえ、良いんですよ」
白玉あんみつが届いた。
___おいしい。
「ともかくだ、小僧」
太宰と|遊んでいた《争っていた》国木田さんが咳払いをした。
「貴様も今日から探偵者が一隅。ゆえに周りに迷惑を振りまき、社の看板を汚すような真似はするな」
俺も他の皆もそのことを徹底している、と国木田さんが続けた。
「なぁ太宰」
「あの美人の給仕さんに『死にたいから頸締めて』って頼んだら応えてくれるかなぁ」
「黙れ、迷惑噴霧器」
また始まった。ふと敦君のほうを見たら目が合ったので苦笑いしておいた。
「ボクは谷崎。探偵社で手代みたいな事をやってます。そンでこっちが___」
「妹のナオミですわ。兄様のことなら……何でも知ってますの」
「き___兄弟ですか? 本当に?」
怖いもの知らずだな、と思った。その質問はしちゃいけないやつだ。
「勿論どこまでも血の繋がった実の兄妹でしてよ……? このアタリの躯つきなんてホントにそっくりで……ねぇ兄様?」
谷崎君の服の中へと手を入れているナオミちゃん。谷崎さんが顔を赤くしたり青くしたりしている。
「そういえば、皆さんは探偵社に入る前は何を?」
敦君が話の流れを変えたかったのかそう聞いた。
シーンと店の中が静まり返る。
すると谷崎君が新入りが社員の前職を中てるのが定番だ、と敦君に教えた。
この二人仲良くやれそうだなぁ。空気が似ている。
「谷崎さんと妹さんは……学生?」
「おっ、中った。凄い」
「じゃあ国木田君は?」
「止せ。俺の前職など如何でも__」
「うーん、お役人さん?」
「惜しい」
太宰が彼の前職を数学の教師だ、というとやけに納得したような顔をしていた。
よく『ここはxの累乗を使うにきまっているだろう!』とか、黒板を差しながら叫んでそう、とか考えてるんだろう、と安易に想像ができた。
「じゃ私は?」
「太宰さんは……」
にこにこと笑う太宰さんに対して敦君は何も思いつかないようだった。
まぁ、私は知ってるんだけど。
「無駄だ、小僧。武装探偵社七不思議の一つなのだ、こいつの前職は」
「そういえば、最初に中てた人に賞金があるンでしたっけ」
「そう。誰も中てられなくて、懸賞金が膨れあがってる」
「ちなみに懸賞金って如何ほど」
「参加するかい? 賞典は今__七十万だ」
_____人の金への欲は時に人を殺させる。
そういえば、彼の金への執着は______
「中てたら貰える? 本当に?」
「自殺主義者に二言は無いよ」
____凄まじかったな。
「勤め人」
「違う」
「研究職」
「違う」
____すごい剣幕だ。
「工場労働者」
「違う」
「作家」
「違う」
「役者」
「違うけど、役者は照れるね」
でも、どれだけすごい剣幕で当てようとしたって。
わかるわけがない。
少なくとも政府公認のこの仕事をしている限り考えもつかないだろうね。
だって彼の前職は、溢物なんてものでさえなく、浪人でも無宿人でもない__________なのだから。
「___違うよ。この件では私は嘘など吐かない」
彼が話さない限り私が広める必要もないだろう。
広めていいことがあるわけでもないし。
「そういえばー普ちゃんの前職はなんだっけ?」
……は?
折角私がお前の前職を二年も黙ってやっているのに…私のことはお構いなしか!
「えっ…なんだろう。谷崎さんたちと一緒で学生、ですか?」
「ちがう」
「え」
その時私の携帯が鳴った。
「____はい。わかりました」
横目に見ると探偵社に向かうのであろうスーツ姿の女性。
「依頼だよ。この話は終わりだ。早く帰ろ」
---
「あの、えーと…調査のご依頼だとか」
「……」
「それで
「なんて美しい…!」
谷崎さんと、依頼人。そして私たち関係ない探偵社員。
「睡蓮の花のごとき果敢なく、そして可憐なお嬢さんだ」
「へっ…?!」
「どうか私と心中していただけないだろ__」
スパァンッと痛々しい音が部屋に響いた。
|2つ《・・》。
一つは国木田さんの。
もう一つは____
私。
多分私のが国木田さんより痛かったのだろう。私のほうを見て太宰が文句を言ってきた。
「ちょっ、普ちゃん?!何するのさー___うわっ」
「えっと……」
「あ、済みません。忘れてください」
国木田さんの一言で太宰さんが隣の部屋に引きずられていった。
「心中~…」
うわまだいってるし。
それでも段々聞こえる声が小さくなっていく。バイバイ。
「それで依頼と云うのはですね、我が社のビルヂング裏手に……最近、善からぬ輩が屯しているようなんです」
「善からぬ輩ッていうと?」
「分かりません」
普通に話再開したな…と思っている間に国木田さんが帰ってきた。
「ですが、襤褸をまとって日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す者もいるとか」
「そいつは密輸業者だろう。軍警がいくら取り締まっても船蟲のように涌いてくる、港湾都市の宿業だな」
「えぇ。無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます」
つまり足を棒のようにして走り回り、証拠を見つけろ、と。
見張るだけだから初仕事に良いだろう、と敦君が受けることになった。
ついでに付き添いの谷崎さん兄妹。
「おい小僧。不運かつ不幸なお前の人生に、些かの同情が無いわけでもない」
故に、と云って国木田君が一枚の写真を取り出した。
横からのぞき込むと見覚えのある顔。
「うげ」
「こいつには逢うな。遭ったら逃げろ」
「この人は__?」
「マフィアだよ。尤も、他に呼びようがないからそう呼んでるだけだけどね」
敦君たちが出かけ、国木田さんは奥の部屋から順に掃除を始めた。
「心中は〜一人では〜できない〜二人では〜できる〜すごい〜」
すげぇ歌だな…即興ソング?
さて___そろそろ
「何処行くの?」
後ろを向くと太宰がヘッドホンを付けたまま此方を向いていた。
黒く、どこまでも奥が見えない目。
私は少し考えてから、云った。
「禍狗が現れる危険地帯に」
太宰はじっと此方を見たまま動かない。私が何と言ったかわからないわけじゃないだろう。読唇術使えるし。
どちらかというと何かに集中しているような…
はっとして全意識を耳に集中させた。
「失礼__が、_______た。此処__で、死んで___います!」
言葉とほぼ同時にガガガガという音がした。
何度も聞いたこの音___
---
遅かったな。
路地の奥には倒れているナオミちゃんと谷崎さん。
そして、『禍狗』___芥川、それに___『白虎』。
「糞っ、やられた」
思わず悪態が漏れる。
敦君は完全に虎化している。
異能はあまり使いたくないがそういっている場合ではないか…
「はぁーい、そこまでー」
「太宰ッ?!」
いつの間に…
「貴方、探偵社の___! 何故ここに」
「美人さんの行動が気になっちゃう質でね。こっそり聞かせて貰ってた」
ワー気持ち悪い。お巡りさんこっちです。
視界から太宰が消えたと思ったらしゃがみ込んで敦君の頬をぺちぺちと叩いていた。
「起きてよ―敦君私三人も負ぶって帰るの嫌だよー。それとも…」
「私絶対やだから」
「でしょうねー」
「ま……待ちなさい! 生きて帰す訳には」
そう銃を構えた樋口さんに対し、芥川君は落ち着いていた。
「止めろ樋口。お前では勝てぬ」
「芥川先輩! でも!」
「太宰さん、今回は退きましょう。しかし、人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く」
「なんで?」
「簡単な事。その人虎には闇市で七十億の懸賞金が懸かっている。裏社会を牛耳って余りある額だ」
へぇ、それは景気の善いことだ。
「探偵社には孰れまた伺います。その時、素直に七十億を渡すなら善し。渡さぬなら──」
「戦争かい? 探偵社と?」
ふふ、と太宰は笑って居た。
そして___
「やってみ給えよ。__やれるものなら」
どーしよー此奴勝手に宣戦布告してやがる。頭どうした。
「零細探偵社ごときが! 我らはこの町の暗部そのもの! 傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治・経済の悉くに根を張る!」
「たかだか十数人の探偵社ごとき、簡単に消せるって?」
私の言葉に樋口さんは驚いているようだった。
「わ、我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!」
「知ってるよ、その位」
然り、と芥川君は言った。
そこら辺を歩く一般人なんかより、太宰君はそれを衆知していることだろう。そして、『私も。
何故なら__。
「元マフィアの太宰さん」
そして__と芥川君は続けた。
「元『マフィア裏幹部』のアマネさん」
「今はアマネじゃない。普だよ」
その言葉に耳を貸さず、では、と芥川君は踵を返した。
それについて行く部下であろう樋口さん。
今期のマフィア面白い人多そうだなぁ。今度遊びにいこっかなぁ。
「やめといたほうがいいよー普ちゃん。首領に見つかって勧誘されたらまた飛び降りしなきゃいけなくなっちゃうよー」
…それは嫌だなぁ。無意識に右目に手を遣っていた。
『あの時』の影響で黄になった目。
「それより早く帰ったほうがよくない?まぁまぁの怪我だよ?」
「そうだね」
広津さん?僕。アマネだよ。
何?太宰がまた芥川相手に暴れてるってぇ?
はぁ…めんどくさい。
嫌、確かに僕が言ったけどさぁ?『芥川相手に太宰が暴れてたら電話くれ』って…
ん?もう一つある?『次回予告しろ』って?
あーいいよ、やりゃいいんでしょ?
次回、『運命論者の悲み』だよ。
眠い。昨日寝たの2時だよ、今日の…って切れてる‥糞ッ
逢った初めてん時位の…とは言わないけどもうちょい慕ってくれてもいいんだよ?広津さん。
あまねくすべてに(文スト夢?)本編4
前の時―敦君と龍君の戦闘シーンを思いっきり伐採したのは作者が戦闘シーン書きたくない―って駄々こねたせいです。
今日は頑張ります…許してください・・・ごめんなさい・・
遠くで爆発音が鳴った。
ポートマフィアの、確か首領の直属遊撃部隊『黒蜥蜴』。
このごろマフィアが派手に暴れている。
『あれ』と何か関係があるのだろうか…
---
who side?
「こんな所に居ったか、小僧。お前の所為で大わらわだ」
手を貸せ、と続ける国木田君だったが敦の両手は大荷物で塞がっていた。
それに少し、悲しそうな表情をしていた。
「……心配いりません。これでもう探偵社は安全です」
「はぁ?」
そういうと、敦は駆けて行った。
---
この処社に顔を出さなかったせいか大量の書類を国木田さんに渡される。
書類整理をして数分…。
十人余りの足音が聞こえてきた。
「やばい」
バンッ、と大きな音を立てて扉が飛ばされた。
彼の斥力だな、と思うのと同時に社内へ流れ込む黒服の男達。
それに、数人の十人長であろう影。
____『黒蜥蜴』か。
「失礼。探偵社なのに事前予約アポイントメントを忘れていたな。それから叩敲も」
一つ一つの動きがとても早い。
「大目に見てくれ。用事はすぐ済む」
生憎書類で手がいっぱいになっている。このまま狙撃を受ければ死ぬな。
仕方ない。あまり異能は使いたくないのだけど…
『_____』
銃声が鳴り止んだころ、私は目を開いた。
「銃弾が…止まっている?!」
暫く心配はいらないだろうと踏んで部隊の面々をよく見る。
何人か知り合いがいるみたいだね。
そんなことどうでもいいや。この書類何処にしまうんだっけ。
「辞めろ!」と叫びながら敦君が戻ってくる頃には全てが片付いていた。いろんな意味で。
「おぉ、帰ったか」
どうでもないような顔をしている国木田さんに対し敦君は変な顔をしている。
グチグチと小言の始まった国木田君。
聞きたくない。
「国木田さーん、こいつらどうします?」
「窓から棄てとけ」
わーお。敦君の心の声が手に取るように聞こえる。
(マフィアより…|探偵社《此方》のほうがぶっちぎりで物騒じゃん…!)
ってとこかな。
「国木田ー。僕そろそろ〝名探偵〟の仕事に行かないと」
「名探偵? あぁ、例の殺人事件の応援ですか」
そう!と乱歩は机の上に飛び乗った。
「警察がね、世界最高の能力を持つこの名探偵、乱歩さんの助言が欲しいって泣きついてきてさ」
「こいつに手伝わせます」
とりあえず降りてください、と国木田さんが敦君を指差す。
ぽかんとしている敦君に国木田さんが声をかけた。
「おい、呆けていないで準備しろ。仕事は山積みだ」
「太宰も連れてったら? どうせその辺の川を流れてるだろうし」
「そうだな」
にしても太宰は何処を流れてるんだよ彼奴。
あ!さてはマフィアが来るってわかってて逃げやがったな、糞あとで殺す。
「あ? 何だお前泣いてるのか?」
「泣いてません」
「泣いてないのか」
「泣いてません」
「泣いてるのか?」
「泣いてます!」
窓から外をのぞくと青い空に七色の虹___ではなく怪我をしたマフィアの黒服たちがすごすごと退散していた。
___この高さだし何人かは怪我してるんだろうな、と思いながら私は乱歩さんの事件についていくことにした。
太宰を拾って帰らないといけないしね。
prrrrr・・・
私だ。
あぁ…アマネ君か。
ん?今は普?・・・そうか。
昔次回予告をさせられたから今回は私が…そうか。それよりアマネk・・・普君。太宰君にも云ったが電話番号はかえたほうが…切れたか。
相変わらず小言が嫌いなようだな。
次回、『Murder on Ⅾ Street』。
昔アマネ君に読まされた『Ⅾ坂の殺人』という本は犯人は誰だったか…
あまねくすべてに(文スト夢?)本編5
あー・・・
「乱歩さん。その足元の本、横の棚に戻さないと」
「おっと、これは失礼」
そう言った乱歩はニコッと笑い本のあるべき場所を指差した。
え…と困惑した表情を浮かべる敦君。
すると国木田君がとっさに拾い、棚へとしまった。
「頼りにしています、乱歩さん」
「そうだよ国木田。きみらは探偵社を名乗っておいて、その実猿ほどの推理力もありゃしない」
あー・・めんどくさいな。
私小言は嫌いなのだけどなぁ。
「皆、僕の能力『超推理』のお零れに与っているようなものだよ?」
「凄いですよね、『超推理』。使うと事件の真相が判っちゃう能力なんて」
「探偵社、いえ全異能者の理想です」
流石国木田さんだ。速攻終わらせた。
「小僧、ここは良いから乱歩さんにお供しろ。現場は鉄道列車で直ぐだ」
「え、僕なんかが探偵助手なんて___」
しかし、助手などいらないと乱歩さんが言った。
「え? じゃあ何故」
ふふ、と笑って乱歩さんが言った。
「僕、列車の乗り方判んないから」
暇だからついてくことになった。
---
「私がついていてよかったねぇ。いなかったら迷子になってたんじゃない?君」
「ハイ…」
「あっはっはっ、まさかきみも駅までの道が判らないとは!」
「すみません……」
しゅん…と余計に敦君の頭が下がる。
「まぁいいよ。君も此方来たばかりなのに指名する国木田も悪い。今から覚えていけばいいだろう」
…結構時間が掛かっちゃったな。
先方、と言っても警察だからそこまで文句は言われないと思うけど──。
「遅いぞ探偵社!」
「ん、きみ誰? 安井さんは?」
箕浦、と名乗った警官は苛々としている様子だった。
そちらが読んだというのに不要だと突っぱねられ、少し腹が立つ。
しかし、そんな私とは違って乱歩さんは堂々と言い放った。
「莫迦だなぁ。この世の難事件は須く名探偵の仕切りに決まっているだろう?」
「抹香臭い探偵社など頼るものか」
「何で?」
「殺されたのが___俺の部下だからだ」
そーゆうこと。
部下が殺されたのに、平常心でいる人は中々いない。…よっぽど嫌いな相手じゃない限り。
私にも、そんな覚えがある。部下…ではなかったけど。
「普ちゃん?」
乱歩さんに横から顔を覗き込まれていた。
「……あぁ、すみません乱歩さん。少し考え事を」
そう、と乱歩さんはいって私の目の前から消えていった。
そうこうしていると、被害者の状態を確認することになった。
「今朝、川を流れている所を発見されました」
「……ご婦人か」
乱歩さんが帽子をとった。
前にも与謝野さんがつぶやいていたが、どうして普段ああなのにこういうところだけしっかりしているんだ…?
「胸部を銃で三発。それ以外は不明だ。殺害現場も時刻も、弾丸すら貫通しているため発見できていない」
「で、犯人は?」
「判らん」
職場での様子を見る限り、特定の交際相手などはいないらしい。
「それ、何も判ってない、って云わない?」
外していた帽子を被って乱歩さんが言った。
「だからこそ、素人あがりの探偵になど任せられん。さっさと__」
「おーい、網に何か掛かったぞォ」
どうやら、証拠が流れていないか川に網を張って調べているらしい。
「ひっ、人だァ!」
「人が掛かってるぞォ!」
まさか第二の被害者じゃ、と焦る周りの人達。
私には嫌な予感しかしない。周りの人たちとは違う意味で。
「……チッ」
思わず舌打ちをしてしまった。年上相手に。これは失礼。
「やぁ敦君、仕事中? おつかれさま」
「ま……また入水自殺ですか?」
「独りで自殺なんてもう古いよ、敦君」
警察の人達は、ポカンとした顔をしていた。
私はもう…呆れと怒りしかなく。
「前回、美人さんの件で実感したよ。矢っ張り死ぬなら心中に限る! 独りこの世を去る淋しさの、何と虚しいことだろう!」
きもちわる。こいつ。
それと、此奴忘れてるな。7年前の約束。…もう7年たつのかぁ。
「というわけでね、一緒に心中してくれる美人募集」
「え? じゃあ今日のこれは?」
「これは単に川を流れてただけ」
ドヤ顔で言うな。万年自殺野郎。
太宰は警察の人達に降ろしてもらっていた。
オーラーイじゃねぇよ。
---
「何と!かくの如き佳麗なるご婦人が若き命を散らすとは……!」
何という悲劇となにか叫んでいる。
またくだらないことだろうと聞き流す。
「悲嘆で胸が破れそうだよ! どうせなら私と心中してくれれば良かったのに!」
は?
「……誰なんだあいつは」
「同僚である僕にも謎だね」
乱歩が被害者の無念を晴らすと何故か自信満々に言っている太宰君。
しかし、未だに依頼は受けていない。
「残念だねぇ。居ないねぇ名探偵」
乱歩さんの言い方がやけに芝居がかっている。
するとふと近くにいた警官に目を付けた。
「君、名前は?」
「え? じ、自分は杉本巡査です。殺された山際女史の後輩__であります」
ポン、と乱歩は杉本君の肩に手を置く。
「杉本君!今から君が名探偵だ!六十秒でこの事件を解決しなさい!」
この日と敦君に似てる…いや、これが普通の人間の焦り方か。
まぁ時間だけは過ぎていく訳で。
「そ……そうだ。山際先輩は政治家の汚職疑惑、それにマフィアの活動を追っていました!」
へぇ。
余計にめんどくさそー。
なんとなく話の顛末は予想がついたが考えるのがめんどくさい。
頑張れ太宰。
「そういえば! マフィアの報復の手口に似た殺し方があった筈です! もしかすると先輩は捜査で対立したマフィアに殺され___」
「違うよ」
「え……?」
杉本君の言葉を遮ったのは、太宰だった。
「マフィアの報復の手口は身分証と同じだ。細部が身分を証明する」
太宰は書かれた文章を無表情に読み上げるように冷静に話を続けた。
「彼等の手口はまず裏切り者に敷石を噛ませて、後頭部を蹴りつけ顎を破壊。激痛に悶える犠牲者をひっくり返して胸に三発」
「た、確かに正確にはそうですが……」
うわー改めて聞くと気持ち悪い。てかそんなことやってたっけ。私達。全面破壊しか記憶にない。
マフィアに似ているけどマフィアじゃない。
つまり
「犯人の偽装工作!」
「そんな……偽装の為だけに、二発も撃つなんて……非道い」
「ぶ〜!」
「はい時間切れー。駄目だねぇ、君。名探偵の才能ないよ!」
「あのなぁ、貴様! 先刻さっきから聞いていればやれ推理だ、やれ名探偵だなどと通俗創作の読み過ぎだ!」
はぁ、とため息をついて乱歩さんは箕浦さんに対して言い放った。
「まだ判ってないの? 名探偵は調査なんかしないの」
彼の異能は確かに凄い。
一度経始すれば犯人が誰で、何時どうやって殺したか瞬時に判るのだから。
それだけでなくどこに証拠があって、どう押せば犯人が自白するかも啓示の如く頭に浮かぶらしい。
「巫山戯るな、貴様は神か何かか! そんな力が有るなら俺たち刑事は皆免職じゃないか!」
「まさにその通り、漸く理解が追いついたじゃないか」
煽るように乱歩は言う。その煽りにきれいに箕浦さんが乗る。
「まぁまぁ刑事さん、落ち着いて。乱歩さんは始終こんな感じですから」
それを制止するのは太宰。あくまでも私は探偵助手ではなく案内係。
「僕の座右の銘は『僕がよければすべてよし』だからな!」
「そこまで云うなら見せて貰おうか。その能力とやらを!」
「それは依頼かな?」
「失敗して大恥をかく依頼だ!」
「あっはっは。最初から素直にそう頼めば良いのに」
乱歩さんは愉快そうに笑った。
「ふん。何の手がかりもないこの難事件相手に、大した自信じゃないか。60秒計ってやろうか?」
「そんなにいらない」
にぃっと笑って乱歩さんは言った。
楽しそう。
『超推理』
「……な・る・ほ・ど」
「犯人が分かったのか」
勿論、と乱歩は言った。
どんなこじつけがでるやら___と箕浦さんが言う間に乱歩さんの手はすっと上がって一人の人物を指した。
「犯人は君だ」
全員が指先にいる人物を見て目を丸くした。
指差されていたのは、杉本巡査。
「おいおい、貴様の力とは笑いを取る能力か? 杉本巡査は警官で俺の部下だぞ!」
「杉本巡査が、彼女を、殺した」
「莫迦を云え! 大体こんな近くに都合良く犯人が居るなど……」
「犯人だからこそ捜査現場に居たがる。それに云わなかったっけ? 『どこに証拠があるかも判る』って」
拳銃、貸してと杉本巡査に乱歩さんは言った。
一般人に官給の拳銃は渡せない、と巡査は断っていた。
その銃を調べて何も出てこなければ、乱歩の推理は間違っていることになる。
でも彼には自信しかないようだった。
「……ふん。貴様の舌先三寸はもう沢山だ。杉本、見せてやれ」
「え? で、ですが」
「ここまで吠えたんだ。納得すれば大人しく帰るだろう。これ以上時間を無駄にはできん。銃を渡してやれ」
杉本巡査はただ地面を見ていた。次に自分がどうすればいいのかを考えるように。
それを見て乱歩は推理を続ける。
「いくらこの街でも素人が銃弾を補充するのは容易じゃない。官給品の銃であれば尚更」
「何を……黙っている、杉本」
「彼は考えている最中だよ。減った三発分の銃弾についてどう言い訳するかをね」
その言葉が切っ掛けになったように、杉本巡査は|私《・》に拳銃を向けてきた。
「おや」
「いけぇ敦君!」
「えっ?!」
太宰に押された敦君が杉本君の身柄を拘束する。
凄い。上達(?)してる。
「放せ! 僕は関係ない!」
「逃げても無駄だよ。犯行時刻は昨日の早朝。場所はここから140米メートル上流の造船所跡地」
「なっ、何故それを……!」
「そこに行けばある筈だ。君と、被害者の足跡が。消しきれなかった血痕も」
ここまですべて予測通り。
……話の流れは。
あとは取り調べで補われることだろう。
---
「凄かったですね乱歩さん!」
敦君がとても興奮している様子で私たちのほうを見た。
太宰は考え事をしている。
「半分……くらいは判ったかな」
「判った、って何がです?」
「だから先程のだよ。乱歩さんがどうやって推理したか」
「え、異能力を使ったんじゃ…」
君はまだ知らなかったか、と言って太宰が続けようとした。
「乱歩さんはね、能力者じゃないんだよ」
云ったのは私だけどw
「へっ?」
「乱歩さんは、能力者揃いの探偵社では珍しい、何の能力も所持しない一般人なんだ」
それに、ああ見えて26歳。そういうと敦君はもっと驚いたようだった。
本人は眼鏡をかけると異能が発動すると思ってるんだっけ。
「でも……どうやって事件の場所や時間を中てたんです!?」
杉本巡査は『偽装の為だけに遺骸に二発も撃つなんて』と言っていた。
普通なら三発撃たれている死体を見たら『三発同時に撃たれた』と考える筈。
つまり、彼は解剖前なのに一発目で被害者が亡くなったことを知っていた。
まぁ、そんなこと犯人しか知らないはずだよね~みたいなことを太宰は敦君に説明していた。
犯行時間については、被害者の状態から想像できる。
遺体の損害は少なかったから川を流れていたのは長くて一日。
昨日は火曜で平日なのに、彼女は私服で化粧もしていなかった。
激務で残業の多い刑事がそんな状態で亡くなったことを考えると、早朝だと推理できる。
「他の……犯行現場とか、銃で脅したとかはどうやって」
「そこまではお手上げだよ。乱歩さんの目は私なんかよりずっと多くの手掛かりを捉えていたのだから」
私でもわからなかったな、それは。
「あ、でも! 彼女の台詞まで中ててましたよね」
「それは私にも判った。被害者には交際相手はいない、という話だったよね。でも彼女のつけていた腕時計は海外の銘柄ブランド。あれは独り身の女性が自分用に買う品じゃあない。そして杉本巡査も同じ機種モデルの紳士用だった」
「じゃあ……あの二人は」
「うん。早朝の呼び出しに化粧もせず駆けつける。そして同じ機種の腕時計」
二人は恋人同士だったんだ。
しかも、職場には内緒の。
「な、なるほど……」
マフィアの仕業にしようとしたけど、杉本君が出来なかった理由。
彼女の顔を蹴り砕くことが、彼にはどうしてもできなかった。
おそろく政治家も捕まることだろう。
「さて敦君、これで判ったろう?」
「何がです?」
「乱歩さんのあの態度を、探偵社の誰も咎めない理由さ」
おーいと手を振る乱歩さんと、そばに立つ箕浦さん。少し疲れたような表情ではあるが、最初の嫌そうな表情はどこかへ消えていた。
ポケットを探ると飴。
「あっ、普ちゃん。ぼくにもちょーだい」
「…薄荷ですけどいいんですか?」
「…いや、やめとく。あスース―するの僕キライ」
「ふふっ、じゃあこのイチゴ味のもいりませんね」
「えっ」
「いいですよー仕方ないです。私はこのスース―する薄荷食べときますよ」
パクっと思い切って口に入れるとスゥっとする、この味が広がった。
私もあんまり好きじゃなかったけど、たまにはいいな。この味。
ここからさきはね、前書いてた書き溜めがないんで、雑になるかも。
あと次回の『蒼の使徒』『理想という病を愛す』は俺的に入社試験として扱いたいんで過去編かつ小説版のネタバレ注意となります。
あまねくすべてに(文スト夢?)本編6
どうも、久しぶりの本編の普ですー(メタい)
或る繁華街。
「お嬢ちゃん。ねぇ、誰か待ってんの?」
「……。」
酔った男たちが少女に話しかけている。
「こいつ、昨日から同じ姿勢だぜ。死んでんじゃね?」
「あっ、今瞬きしたよ」
「……」
関わりたくはないけど助けたほうがいいのかな。
「うおっ、動いた!」
そう思っていると少女がいきなり走りだす。
少女がつかんだその先は、
砂色の外套。
「だ、ざい・・・?」
「え? 私?」
「……見つけた」
旋風と光。現れたものは…
「……これはまずい」
---
「相変わらず悪巧みかァ太宰!こりゃ最高の眺めだなァ」
「最悪。うわっ最悪、、」
えー私が今どこにいるかと言いますと―
「良い反応してくれるじゃねぇか。嬉しくて縊り殺したくなるぜ。」
「わあ黒くてちっちゃい人がなんか喋ってる」
「なっ」
「前から疑問だったのだけれど、その恥ずかしい帽子どこで買うの?w」
「はっ、云ってろよ放浪者。いい年こいてまだ自殺がどうとか云ってんだろどうせ」
「うん」
「否定する気配くらい見せろよ…だが今や手前は悲しき虜囚。泣けるなァ太宰。否、それを通り越して__少し怪しいぜ。何をする積りだ」
「何って…見たままだよ。捕まって処刑待ち」
「あの太宰が不運と過怠で捕まる筈がねぇ。そんな愚図なら俺がとっくに殺してる」
「考え過ぎだよ。心配性は禿げるよ…まさか!」
えっとーこれいつ出てったらいいのかなぁ?
「俺らが態々ここに来たのは手前と漫談する為じゃねぇ」
「じゃ何しに来たの」
「嫌がらせだよ」
「!」
「あの頃の手前の嫌がらせは芸術的だった。敵味方問わずさんざ弄ばれたモンだ。だが__」
そういって中也が太宰をつないでいた鎖を壊す。
「そう云うのは大抵後で10倍で返される。」
「手前が何を企んでるか知らねえが__これで計画は崩れたぜ。」
「俺と戦え太宰」
かっこつけてますねぇw
「手前の腹の計画ごと叩き潰してやる」
「はぁ…、中也」
「あ?」
そういうと太宰はヘアピンで鍵を開けた。
「嗚呼。君たちが私の計画を阻止?、、、冗談だろ?」
「何時でも逃げられたって訳か、、いい展開になってきたじゃねぇか!」
「あ、あとついでに―」
「?」
「はい、そろそろ出てきたらどーう?それとも異能解除されたいの?」
「…事後報告しないでくれない?」
『細雪』
「なっ、手m…アマネ…?」
「違うっ…!私はっ…アマネじゃ、な…い、!」
「はいはいー私抜きのおしゃべり辞めて―。…お疲れ様、普」
「う、ん…」
「、眼の色がちげぇ…?人違い…?」
「ほら、この蛞蝓莫迦だから」
「…なんか今ので気が抜けたわ」
「…?」
「とりあえず、気を取り直して続けていただいていいですよー?私は口出さないのでー」
「そ、じゃあー」
太宰が先に手を出した。
先に手出したら正当防衛って言えないじゃない。莫迦だなぁ
「なんだその打撃」
「!」
「按摩にもなりゃしねぇ」
そのまま中也が前に出る。
勢いのまま吹き飛ばされる太宰。もっと食えよ。
「手前の格闘術はマフィアでも中堅以下だ。異能力無効化は厄介だが、この状況じゃ異能を使うまでもねぇ。立てよ。パーティーはまだ始まったばかりだぜ」
「……流石はマフィアきっての体術使い。防御した腕がもげるかと思ったよ。」
おー。寸前で腕を挙げて防御したのか。攻撃を読んでるね。流石は元相棒ってとこかな、
「君とは長い付き合いだ。手筋も間合いも動きの癖も完全に把握している」
「じゃなきゃ、相棒は務まらない。だろ?」
にこっと笑う太宰。あ、中也キレた。
「じゃあこの動きも読まれているんだろうなァ⁉打撃ってのはなァ こうやって打つんだよ!」
ありゃ、太宰首絞められてる。
「っ…」
「動きが読める程度で勝てる相手と思ったか?終いだ。最後に教えろ。ワザと捕まったのはなぜだ。此処で何を待っていた。」
あれ?結構危機?私手伝った方がいいの?
「ふふ、何に対して喋ってんのー?中也w」
「…めんどくさ」
『細雪』
「は?」
「普ちゃん録画してた?」
「してない」
「あとで監視カメラでも見に行こうかなぁ…」
「はいはい」
「な、太宰には異能は効かないはず…!」
「ふふ、君のその頭じゃ千年考えてもわからないよーw」
「……で、一番は、敦くんについて、だったっけ?」
「敦ィ?」
「嗚呼、君たちがご執心の人虎さ。懸賞がかけられているのを忘れたかい?」
「その額70億。いいなぁ夢がある数字だ」
「そうだねぇ、…彼のために70億もかけたお大尽様は誰か知りたくてね。」
「身を危険にさらしてまで?泣かせる話じゃねぇか…その結果がこの様じゃあな。麒麟も老いれば駑馬に劣るってか?」
「でも脱出したじゃん」
「中也に勝ってるじゃん」
「っ」
「ふふ、良いことを教えよう。明日、五大幹部会がある。」
「五大幹部会?莫迦な、、あるならとっくに連絡が…」
「理由は私が先日組織上層部にある手紙を送ったからだ。で、予言するんだけど、、君は私を殺さない。どころか、懸賞金の払い主に関する情報を私に教えたうえでこの部屋を出ていく…
それも、内また歩きのお嬢様口調で、ね」
「はぁ⁉」
「私の予言は必ず当たる。知ってると思うけど」
「、巫女戯る…手紙?」
「手紙の内容はこう。『太宰、死没せしむるとき、汝らのあらゆる秘匿、公にならん。』」
「……!」
「裏切者さんを捕まえた。そこまではよかったけど彼を殺せばマフィアの秘密がぜーんぶばらされちゃうよー、っていう手紙も一緒についてきた」
「検事局に渡れば幹部全員百回は死刑に出来る。幹部会を開くには十分な脅しだ。」
「彼を死刑にかけるかは幹部会の決定事項だ。それより前に君が太宰を殺せば君は裏切り者だ!」
「そして俺形振り構わず手前を殺しても」
「手前は死ねて喜ぶだけ?」
「ふふ、ってことで、やりたきゃどうぞ」
中也キレてる
「ほら早く」
顔真っ赤だけど?w
「まーだーかーなー?」
「わーうざいw」
カラン、と音を立てて中也の持っていたナイフが落ちた。
「っ、糞」
「何だ。やめるの?私の所為で組織を追われる中也ってのも素敵だったのに。」
「真坂、2番目の目的は俺に今の『最悪な選択をさせる』こと?」
「そ」
太宰笑顔。気持ち悪
「俺らが嫌がらせをしに来たんじゃなく手前が、俺に嫌がらせをするために…?」
「久しぶりの再会だ。これくらいの仕込みは当然だよ」
「死なす…絶対こいつ死なす…!」
「おっと、倒れる前にもうひと仕事して。鎖を壊したのは貴方。このままだと貴方が逃亡幇助の疑いをかけられる。貴方が言うことを聞いてくれるなら、」
「探偵社の誰かが助けに来たように偽装してもいい」
「......それを信じろってのか」
「私はこういう取引では嘘を付かない。知ってると思うけど」
「で、望みは何だよ…ハァ、人虎がどうとかの話なら、芥川が仕切ってた。奴は2階の通信保管所に記録を残してたはずだ。」
「あ そう。予想はついてたけどね」
「てッ…!」
「どーも。でも一つ訂正。今の私は美女との心中が夢だ。君に蹴り殺されても毛ほどもうれしくない。」
「そーかよ、じゃ今度自殺志望の美人探しといてやるよ。」
「中也…君は実はいい人だったのかい?」
「さっさと死んでほしいってことじゃない?」
「そん通りだよ、バカヤロウ。言っておくがな太宰。これで終わると思うなよ…二度目はねぇぞ」
「違う違う!何か忘れてない?」
すっげぇ嫌そう
「✨」
「✨」
「二度目は無くってよ!!」
「……」
「……」
「そこは笑うとこだろ!」
「じゃあさっさと帰ります?」
「そーだねー情報だけもらって行こうか」
「無視するなぁッ!」
---
2階の通信保管所
「…ほんとに莫迦ね」
「…知ってたでしょ?…アマネは死んでるんだ」
太宰が開いていたのは敦君の情報ではなかった。
『アマネ
ポートマフィアビル最上階、首領執務室から飛び降り死亡。動機はポートマフィアより離脱したいという意思が認められなかったため』
「死体も見つかってないのに信じるのね」
「もう四年前だ」
「…もう四年になるのか」
「ま、見つかったら私みたいに死刑かなーっ?」
「わ、サイアク」
最後意味わかんねー
あまねくすべてに(文スト夢?)本編⁇
本編思いつかなくなってきたので書きたいとこから書いてこ―!
という前向きな姿勢
「こんな僻地で、再び君と見まみえるとは……。余程、私と雌雄を決したいらしい」
「こっちおいで―わんちゃん」
「おっと! 威勢がいいね。だが無駄だよ、こちらには切り札がある」
振り返ると見給え、とドッグフードを取り出す太宰。
彼奴持ち歩いてんの?ドッグフードを?
「欲しいかい? 欲しいよねぇ」
「何してるの、彼奴」
「いや……」
手に出したドッグフード。
手を閉じてまた開くと消えている。
これが格の違いだ、ってくだんねぇな…
あとドッグフード食うなよ
「犬……苦手なんですか?」
「人間より余程難敵だよ。」
「事務員さん…ナオミさんや春野さんたちは…?」
「国木田君からの連絡が来てたよ。予定通り次の列車だって」
「事務員が狙われるなんて……この三社戦争、探偵社は大丈夫でしょうか」
私の今の見立てでは人数、影響力ともに少ない探偵社が最も劣勢。
「太宰さん…、何か逆転の計略は無いのですか?」
「あるよ、このぐらい」
「三つも?」
「いや? 三百だけど」
「三百!?」
「森さんは合理性の権化でね。数式の如き冷徹さで戦況を支配する。問題は、刺客から逃れて気が緩む今だ」
「あの人なら……必ず何かを仕掛けてくる。そういう人だから」
しばらく続く沈黙。
「もうすぐ電車が来る時間だね」
「……む」
いきなり、太宰が立ち上がる。
「…どしたの」
「これ……食べ過ぎた所為か、急に差し込みが……」
「は?」
「え?」
空になったドッグフードの袋。
…ぶん殴ってもいいかもしれない。
「莫迦じゃないの?」
「敦君…私の胃腸はここまでが限界のようだ。後は頼んだよ」
「云っておくけど、あの人は凄い人なんだぞ」
敦君が誰かに言い訳したくなったのか犬に話しかける。
もちろん犬はきょとんとしている。
「あ」
逃げちゃった。
耳を澄ますと列車の音。
目の前に列車が止まる。
扉が開いて、ナオミちゃんと春野さんが降りてきた。
「ご無事でしたか!」
「えぇ……でも真逆、事務員が狙われるなんて」
「安心してください。僕達が避難地点まで護衛しますから」
太宰遅いな。
「そうだ、紹介しますわ。列車の中で知り合ったのですけど……」
「わ」
「おっと」
敦君と___そばにいた私もその人物にぶつかった。
「籠のなぁかのとぉりぃは、いつぃつ出遣ぁる」
「き、み…」
「…後ろの正面だァれ?」
異能の中でも最も忌み嫌われる精神操作の異能力者『Q』。
命あるものを等しく破壊する、狂逸の異能者。
「や、ば」
「敦さん!」
「退いて!」
仕方なくナオミを突き飛ばす。
Qの異能のせいか上手く異能が出せない。
異能を解くのはとりあえず諦めて敦君を止めるしかないか。
「…春野さん!」
今彼には何が見えているのか。
春野さんは____敦君に首を絞められている。
「糞ッ…」
ナオミちゃんを蹴ろうと無意識に出された脚を無理矢理敦君に向ける。
「っ……ぁ!」
「あ、普さん!」
虎の異能で強化された腕で振り払われる。
「くっ…」
「見ろ! 此れが僕だ! 僕の力だ!」
「なっ」
「止めるんだ敦君! よく見ろ!」
え…、と敦君の手が春野さんから離れた。
「だ、ざい」
「やめろ! やめろおおおォォッ!」
敦君が振った手が駅舎の柱にぶつかりガラガラと崩れる。
「嫌ぁぁぁっ!」
「ナオミちゃん!」
人形、人形はどこだ?
「太宰!ベンチの下!」
太宰が走り寄る。
「消えろ」
ぼろぼろと崩れて消える人形。
「…痛ぇ」
「…大丈夫?普ちゃん…ごめん」
「ごめんじゃねぇよ」
「太宰さんの新しいお友達、ずいぶん壊れやすいんだね。」
「Q…なんで…」
「けどいいんだ、太宰さんを壊す楽しみが残ってるもの☆」
「それはおめでとう」
「僕を閉じ込めたお礼に、いっぱい苦しめて壊してあげるね」
「よく憶えているよ。君ひとり封印する為に大勢死んだ。けど、次は封印などしない。心臓を刳り抜く」
「ふふふ。また遊ぼうね、太宰さん☆」
「私も策の清濁に拘っている場合ではない……か」
何をしようとしているかわかってしまう自分が嫌だった。
何より彼があまり好まない選択だろう。
「行くよ、敦君」
「……。」
「立つんだ」
「…駄目だ」
「敦君…」
「僕は駄目だ……僕は居ちゃいけなかったんだ……」
パンッという音が響く。
太宰が敦君を、平手で打っていた。
「自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ」
「……。」
「さぁ、そろそろ反撃といこう。こちらも手札を切るよ」
「…まさか」
「この戦争に、政府機関を引き摺り込む」
雑いな
あまねくすべてに 最終話が書けない!
技量不足で最終話かけない…
ということでどんな内容になるのかネタバレしちゃうぜ☆((
最終話待ってくれるって人は内容みずに最後まで飛んでファンレター送ってくれたら作者のモチベーションが上がります((
質問あれば聞いていただければ答えます!
アニメ61話までの微ネタバレ
55minutesの微ネタバレ
ネタバレ☆
Q.普とは…?
白紙の文学書の一枚。頁からうまれたよ☆((
書いたのはアマネです。
Q.なんでアマネは普を書いたの?
ポートマフィアを抜けて数日。織田作が亡くなる数時間前。アマネは彼がよく行っていた喫茶店を訪れます。(夏目先生と織田作が会った場所)その席の一つに一枚の白紙の紙が置いてありました。彼女がそれを手に取ると異能無効化によってその中の記録が彼女の頭に流れ込みます。本編の世界。BEASTの世界。それによって織田作の死により太宰の運命が大きく変わること、そして『ほかの世界には自分がいない』ことに気づき自分のせいで彼らが本来通りの平和な終末を迎えられないと考えます。彼女は『白紙の文学書』のことを知っていたので本来の終末を迎えられるよう元の流れを導くための存在、『普』を作ります。普の使命は「話の流れを戻すこと」「ハッピーエンドにすること」そして「太宰を救うこと」でした。
Q.普の記憶は?
普にはポトマ時代の記憶はほぼありません。何処からが普かというと…夏目先生に本格的に「探偵社に入りたい」とお願いした時です。白紙の文学書によって太宰が探偵社に入ることもわかっていたので。そこから夏目先生雑用・特務課雑用時代が始まりますね…
Q.普はどうなるの?
普は異能生命体になります!(?)アマネと普二人とも同じ異能が使える+普はエリスちゃんみたいに飛べます。すごい。
Q.アマネは救われますか?
アマネは救われます。大丈夫です。『あまね』に名前の表記が変わります。普ちゃんにごめんなさいして和解。アニメ61話を迎えます。内容は少し変わってます。ストーリー的にはあまねがムルソーに向かい太宰・中也と再会。日本は福地がお亡くなりして平和が戻りましたーみたいになってます。本編とは変わったけどハッピーエンドになったね。っていう終わり方。その後は平和に探偵社員として過ごします。
Q.アマネは普がいた間どうしていた?
普はアマネの異能生命体になりましたがアマネは普の異能生命体でした。でも気づいてなかったし顕現することはなかったのでガブみたいな状態でした。
Q.普・アマネの面白い話
普のロッカーの中身には外套とトースターが入っています。(え、なんで)朝寝坊した時に道中でパンを買って焼いて食べます。ちなみにジャムはりんごが好き。
アマネはいつも太宰の執務室のソファーで寝てました。一応セーフハウスはあったんですけど…帰るのがめんどくさかったようで。ちなみに普のロッカーを見て「天才かよ」ってつぶやいてました。ちなみに寝るときの毛布と枕は自前です。
外套は森さんにもらったものは売りました。善い値で売れたそうです。その後自分で気に入った外套を買いなおしました。どうやらデザインが気に入らなかったようで。
アマネはヴェルレェヌさんのところに行くときは毎回甘いものを土産に持って行っていたそうです。ケェキとか。
…頑張って彼女の話をハッピーエンドにします…