🍎曲をモチーフにしてます。
「鶏と蛇と豚-椎名林檎」
🎵個人的に解釈が合うなと思ったプレイリストです!(話数更新毎にアップデートします)
「鶏と蛇と豚-椎名林檎」
【蛇】
「あなた-宇多田ヒカル」
【鶏】
「RUN-Doona」
【ふたた尾】
「逆夢-King Gnu」
【尾を喰んで紡がれた輪】
「M4D LUV-MILLENNIUM PARADE」
⚠️注意書き⚠️
ネタバレになる恐れあり!それ以前の地雷防止策にもなるので読まなくてもいいと思う方は自己責任で!
#女装
#不穏
#異種族同士(人外)の恋愛描写あり
#仏教モチーフ
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目次
蛇
一歩、一歩が凄まじく重くなっていく。
歩いていくごとにカラダに纏うものを全て捨て置く
わたしは一体いつまで
"この感情"を抱えていなければならないのだろう
"----"から生を授かってもう幾年
時間というものは
ワタシのようなモノにもどうやら有限らしいが、
一体いつになればその限りが訪れるのか
「…待ちくたびれて朽ちてしまいそう」
いつも気がつけばここで目が醒める。
ここは言わば、遊女の階級の最上位____
「花魁」の個室___、普段から実生活を送る部屋なのだろう。
広くて豪勢な柄を催したお客のための大きな布団に
ぽつんと、独り
深く眠りこけていたワタシのその姿は
酷く滑稽であったろうな。
淡々とした動作で、いつものようにカラダを起こし、布団から出る。
ふと、あたりを見回すと"あの道"に脱ぎ捨てたはずの仕掛※や前帯※がすぐそばにある__
身に纏うのは|襦袢《じゅばん》※のみ。
お目汚しも|甚《はなは》だしい。
|己《おのれ》の醜さ、浅ましさに打ちのめされるも、
もう"|彼《あ》の方"は去った後。
ワタシみたいな醜い心根を持ち合わせた者にも
手を差し伸べて下さる"彼の方"
せめてそのお優しい手の温もりさえわかれば、
彼の方を初めて目にしてから随分と時間が経った気がする。
ワタシが"あの道"を辿ると、気づけば意識が消え失せている。
そして、あの時もまた、意識が_____
うつらうつら、薄暗く、朝焼けのような中
もう見飽きた景色に囲まれ、布団の上で目を醒まそうとした時だった。
彼の方の後ろ姿がこの重苦しい籠の中のような部屋から去っていく、
微睡んだ瞳に差し掛かる日のように。
今も記憶に残っている。
今では彼の方だけがワタシのーーー。
望みのない希望を抱えることもワタシには
|赦《ゆる》されないことであるのだろうが、
仕掛…羽織
前帯…豪勢な魅せる帯
襦袢…肌着のようなもの
3/13加筆修正等
鶏
お前がこの世に堕ちてきたときに、
俺はとても恐ろしくて仕方がなかったさ
ただ同時に、_______
俺とお前そしてあいつは切れることがない
深く互いの体を傷つけ、蝕まれる程の繋がり
廻り続けるこの因果、きっと終わりが訪れるとき
それはヨツギモノ含めた人間が全て朽ちて、かえる
という事なのだろう。
包み込むようで研ぎ澄まされた美しい姿、
張りつめた微笑みに見舞われて、
その妖艶なる瞳に吸い込まれていくように
皆、釘付け
欲望とは本能的なものだと勘違いする馬鹿がいる。
だが、それは違う
欲望とは、
理性という本能を制限する首輪によって
誘発されるもの。
つまり、「支配にみちる、その範囲内で唯一の無制限が通る望み」
それこそが欲望なのだ。
嗚呼、気分が良い
全てが望むまま
美しくも汚れたこの"俺"に
皆が翻弄されていく
欲する心は純なるもの。
こたえる心も清いもの。
だが、その行為は汚れに満ちたものでもある。
惜しいことだが、
_もう、そこまで奴等がきているようだ
---
広々とした空虚な箱庭に地面に低く大きな音が伝わってくる
突如として巨石でできた玉座があらわれた
そこに多腕の男の体をした化け物が腰を落とす。
そのまま頬杖をついて俺の顔をじっと見つめたかと思えば、
飄々とした態度で俺に言葉をかけてきた。
「どうやら、お前が今世の俺の"ヨツギモノ"で間違いなさそうだな」
「……はぁ、男であったならそう云え。女の姿で出迎えてやったというのに」
「は?」
しまった。もう少し慎重に接触すべきだったのに思わず、
いやいや!この状況での対応措置に関してはもっと酷いパターンがあったはず。
それにあの化け物の容姿を見るに、「三毒」の中でもかなり友好的なやつでなかったか?
あいつは確か___
………っああ!駄目だ、名前がでてこねぇ!!
でも、こうして無事会えたんだ。
|楊志《ようし》と|寧々《ねね》も他の二体との接触はひとまずあいつ曰くできたらしいし、
この場で焦って墓穴を掘るのが一番危ない。
慎重にいこう。頭を休めて、落ち着こう___
「ふぅぅぅぅ___欲しいのは女じゃない。俺たち"人"が欲するのは、」
「わかっているわ!そんな事!大体すぐに本題に入って仕舞えば、つまらないだろう?こういうのは、焦れったくも互いをためす時間が大事なんだよ!!」
「……………はぁ……俺はお前たち"ヨツギモノ"との紡がれる時間をとても大切にしている…………」
「…………わかるか?俺の言いたいこと、…………」
ドンッと大きな音とともにどこからか、杖がそいつの手元に飛んできた。
あたり一面に砂埃が舞う。
俺は反射的に強く目を瞑ってしまった
風によって砂埃がまた荒々しく舞う
瞬間、どこからか頭上に吹き抜ける感覚があり、目を向ける。
それは、大きな陶器でできた、
「え、皿?」
それは獅子や蓮の花が美しく描かれた器だった。
ガキィィィィン
勢いよく後ろからあの化け物が持っていた杖が大きな器に向かって飛んでいく。
金属と金属がぶつかり合うよな耳や頭に嫌に響く音が鳴る。
あまりの杖の飛んでいく速さに俺は避けきれず、
耳をかすめた。
「!!!いぃゔぅっっっ!!!!」
思わずかすめてしまったビリビリと痛み熱が溢れていく方の耳を両手で覆い隠して、俯いてしまう。
地面にボタボタと赤い血が垂れていく。
鉄臭い匂いが鼻腔を通って、自分が今いる状況がどれだけ危機的なものか知らしめられるように思った。
「んん?………俺はこの貧相な人の子しか招いていないはずだがぁ、何故お前らのようなモノがここに?……………」
「は?え、このデカい器ってもしかして、………」
「…………………我は三善根に名を連ねし者。穢れた三毒なる者ら___人々を惑わせし、邪気よ_この"離欲なる器"の|盈済《えいずい》が捨て去ってしんぜよう」
不味いことになった。
よりによってこのお方に_____
ふたた尾
ここは、どこだろう
ああ、そうか私本当にきちゃったんだ
夢なんかでもなかったんだ
ああ、身体が震えて仕方がないよ………
はは、もう誰もそんな風に弱音は吐いていないのよ、
………誰かにとっての都合がいい世界があるなら、わたしにとっての都合のいい世界もあってはだめなの、?………
………っ、……|陽志《ようし》くん!|悠《みき》ちゃん!
お母さん!!
………私は……私!……頑張るよ!
できる限りのこと全部やってみせるから!
絶対やり遂げるよ!
……だから、絶対死なないで!!
絶対に"人"、……"人類"を守るから!!
私も全部終わるまで絶対に死なないから!!!!
神を裏切っても!!!
私は………
五感に伝わる情報量の多さに吐き気すら覚える。数秒前までは、ふわふわと身体が浮いていたような真っ暗で視界が碌に機能しないような空間だったのに、突然にこの和室が現れた。いや、私が移動したんだろか。何にしろ、此処は「人が立ち入ることが絶対にない境界」を超えたところに存在する和室だという事。今更何が起こったってそれも必然的な事なのだろう。
なんだか、ひどく冷静になっている自分がいる。
先程までの精神状態とはまるで違う。
「まるでもう1人自分の中に生まれたみたい………」
誰にも聞こえないように静かに溢れてしまった。孤独でないなら、何でもいいか
この感覚も"ヨツギモノ"の影響なのか。そうでないのか、わからない。わからないって言葉が頭の中に蠢いていく。段々とまた不安感に侵食されていくようで怖くなる。それを誤魔化すように私は襖に囲まれたこの間を抜ける為、ありとあらゆる襖を勢いに任せて開けて、開けて、開けて、進み続けた。どの方角が正解か、なんて皆目見当もつかない。でも、私が進んで行った先にそれはある。肌に刺さるこの痺れる毒みたいな空気の匂いがより確信へと私を導いているように思えて、不思議と自分が塗り替えられる感覚になっていく。
そうして何十回目かもわからないが、今まで見たような白地に花が描かれた控えめな柄の襖とは違う、金色に輝いた蛇が此方に睨みをきかせたような絵が左右対称に描かれている襖があった。如何にも、何人たりとも立ち入らせないという雰囲気を漂わせていて不気味というより、図々しく思ってしまうのは"三毒"という彼らの記号的な役割に私がこの世に存在した瞬間から全てが定められてしまったことへの恨みに近いような怒りが湧いてきたからだろう。それが思わず、前のめりになり過ぎて大きく音を立て襖を勢いよく全開に開いて半ば強引に物に当たるようになってしまった事を後々酷く後悔しても、もう遅く、私がこうしてこのヒトに出会ったことで、互いの命までもを危うく散らせる程の大事になるとは到底、想像出来なかった。
私は全く冷静ではなかったのはこの瞬間に自覚した。
---
--- スパァァァァン!!!! ---
しゃらん
花魁の美しさを象徴させる豪勢に飾られた簪が襖を勢いよく開いた反動でゆっくりと嫋やかに揺れた。後ろ姿でさえもそこから放つ異様で禍々しい美麗さには、くらくらと脳を揺さぶり、足が宙に浮いてしまってそのまま死んでしまうかのような感覚に陥いった。ぴんとたった狐の耳の様に結われたその髪型は実際に江戸後期に見られた花魁や太夫だけが結うことをゆるされた「横兵庫」という髪型であった。実際に書物で見た様よりも遥かに美しかった。ただ私はこの美しいヒトをじっと見つめる事しかできない。目を逸らすことでさえも大罪を犯しているように罪悪感に呑まれていき、身動きがとれずにいた。そうしていると全く視線があっていないのに何故かその背中や首筋からの重圧感に押し潰されていくように段々と呼吸が浅くなっていく。
「っはぁ、はぁっぐっ…」
「……ふふふ、………」
目の前が真っ白になり、意識が飛ぶ寸前に、この美しいヒトがこちらをゆっくりと丁寧な所作で振り向いて美しく顔を綻ばせた姿をみせてくれた。その姿は目眩がするほどの艶めく黒髪の前髪をさらさらと揺らし、首を傾げるようにしたのでその角度を追いかけるようにして、飾りに飾られた簪が顔に陰を落とすようにしゃらしゃらと音を鳴らして垂れている。豪華絢爛な身に纏う着物や帯、羽織の美しささえも霞めてしまうほどの眉目の麗しさに圧倒されるばかり。
綺麗だ。とそんな単純な言葉でさえも口にするのも否、頭に浮かぶ事でさえ冒涜と捉えられるような、それほどに暴力的で支配的な美しさが目の前に存在している。悍ましいくらいに紅く艶めく瞼から覗く明らかに人のものではないその眼。惑わすようにその紅い唇を僅かに綻ばせ、妖艶なる微笑みを私に一方的にぶつけてくる。そこから発するその声すらも儚くも美しい。まるで物凄く強い酒でも浴び、一気に血の気が引くほどの酔いがまわるほどの威圧感のある声だった。
かつての楽園と謳われた遊女の街に確かに存在していた花魁___の姿で私と向かい合わせに腰掛けているこのヒトは、女でもなければ人でもない。
「……ようやく、会えたね………」
「此方においで…………」
煌びやかな黒地に金が散らばった蛇柄の袖から真っ黒な腕が此方へと伸びてくる。指先まで黒い腕には
言われた通りに身体が勝手に動いていく。意識もまともにないような夢の中にいる感覚なのは、この空間と、絶世の美人が目の前にいることもあるのだろう。と勝手に納得してしまう。
そして彼の名前は、彼自身の"ヨツギモノ"である私しか知らない。本来、ヨツギモノと三毒との間にそのような関係が確立されることはない。恐らくその名前に関しては容易く扱ってはいけないものなのだろう。それを裏付けるようにして、私の一挙手一投足に過敏にこのヒトは反応している。
数歩進んで彼の前で畳に膝をつこうとした時だった________
「………?!……ッッッうガァっ、くっ?!………んがっぐっぅぐゔぅぅ」
ひどい吐き気がする。クラクラと五臓六腑に脳味噌、五感、筋肉、骨、全ての機能を激痛と熱とともに急停止させるように畳み掛けてくるこの吐き気が________痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあつい
死ぬ
直感で伝わる。
もう、アたまもマトもにまわラなぃ
あア死ぬ
ゴトッと、頭から倒れる音がした。全てが歪んで見える
私が倒れたのを目視した彼は立ち上がり、こう言った。
「搾取される側に自ら堕ちることを選ぶ愚か者」
「おいらは恨めしくて仕方がないねぇ」
---
「うっふふ悶えてる♡気色の悪いもんだなぁ」
この女も、ワタシももうじき死ぬだろう
「ふふふ、おいらの毒はおいら自身のヨツギモノにとっても毒になるんだよ……だからこうしてお前らヨツギモノ達がおいらの元に訪れる度に毒をなるべく抑えていたんだぁ♡」
可哀想に。腹這いになってえずいてしまって、、
みっともない。
すぐそこの鏡面台まで丁寧に裾を魅せるようにあげてゆっくり歩いてみせた。座布団に正座して胸元にしまっていた彼の方が置いていった手拭いに包んだ煙管を取りだし、いつものように煙をふかす。鏡面に掛かった布を後ろへとはらうと、まだあの女はうごうごとうずくまりながら、唸っていた。次第にワタシの口からも血が垂れる。
「!………ああ、着物が汚れちゃうわ」
近くにあった手拭いはもうこれしかなくて。どうせ死ぬなら彼の方の匂いに包まれて死のう。そう思って、今まで慎重に大切に扱った代物であった物をやはりこうして使うのにはまだ抵抗があって、鬱陶しいほどのこの紅い唇で汚さないように丁寧に拭った。
涙が目から溢れないよう、垂れぬように反射的に袖で拭った。目に映る人影に目をやると、鏡の中でこれほど着飾っているはずなのになんとも見窄らしい、女の装いをした男がじっと見つめていた。少々、化粧が落ちてしまったようなので台に無造作に置かれた白粉をはたき、瞼のよれた紅も手直しし、ついでに唇の紅も塗り直し、乱れた前髪に胸元にひそませた、櫛を通す。顔の横に垂れる髪にもゆっくりと毛先片方の手で持ち上げて、櫛を丁寧に通していく。
「……慣れた仕草ね、女のなりそこないの癖に………」
こぼしてしまった独り言にもあのうるさい野郎どもにも聴こえていない。
ほんとうに独り
不意に先程まで無惨にも悶え続けていた女の方に目をやると口元を両手で押さえ、こぼれないよう必死に耐えるその姿に目も当てられず、箪笥の横にあった積み重なった客人用の座布団を女の頭上に落とした。
「これに吐きなさい……もうじき死ぬのにあんたも変にプライドが高いのね、」
そう言えば女は落ちてきた座布団を持って、それを受け皿に嘔吐した。上から呆然とそれを眺め、煙管をまた口元へと運ぶも、口の中では鉛のような味しかしなくて、こんな重みのある煙を呑んだって何の誤魔化しにもならない。ただ、そこに何の感情もないままに吸って吐いてを繰り返す。
女が此方に目をやる。お互い、目も離すこともなく虚無な時間が流れた。
これほどに目を惹く存在に出会ったのはいつぶりだろうか。彼の方のような眩い存在とは違う、何と表せばいいのか、、
違うのも当たり前だ。彼の方は人ならざるモノ。
人と比べることでさえ愚弄だろう。
でも、そんな事はワタシが一番わかっている。それなのに、この女___ヨツギモノに惹かれる。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
--- どうしよう。どうして?何で?なんてことを!!! ---
神は本当に酷いお方ね
「………っふぅー……………ねぇ、ワタシねぇ殺さなきゃいけないのよ。ワタシを唯一慈しんでくださる、愛するお方を________」
「っ彼の方がいたから今もこうして生きていた!!!!!……………こんなにも永い間にもワタシを、ワタシを!!________……嫌よ!!殺したくなんてない!!!だって愛してしまったから!!!!嫌!!!!!あああ………だから死のうと思ったわ___殺すくらいなら、死のうってっ」
段々と喉から唇へ熱がこもっていく。声が上擦ってしまう。この歯痒さほど、見てられないものはないでしょう。
|貴方《ヨツギモノ》から溢れんばかりの怒りの感情が伝わる。そうよね、そうだよね。だってこれほどに不当な扱いを受けるなんて、許せないと恨めしいと憎らしいとしか思えないでしょうね。ヨツギモノと三毒それぞれの命は繋がっている。ヨツギモノが死ねば、三毒は確実に死ぬ。ヨツギモノは、三毒の命綱のようなもの。贄___"ミツギモノ"なんかとはまた違う存在。人々から望まれない三毒を人である限り肯定させるしかないから、その為の妥協案みたいな扱いだってあの鶏野郎も言っていたっけ。人と神との繋がり程愚かしいものはないでしょうね。
煙管の熱を逃して、また汚してしまった手拭いで丁寧に包み、そっと胸元にしまう。
「お前を殺す事でしか、おいらは確実に死ねない________だから死ね」
漆黒に染まった両手を左右に広げて、着物の柄に潜んでいた蛇をよびだす。身体に巻きつく三色に光り輝く三匹の蛇に語りかける。
「|黒硝《コクショウ》、|璃乱《リレイ》、|翆亡《ズイナ》________殺せ________」
「ううゔ…………三毒タルモノ、|瞋《へび》ナリモノ___|瞋恚《しんに》司ル…っゔぅゴホォ!ゴホ、ゔおぅっっっ………|怒罵巳《どびめ》様________貴方の怒りを貫いて、"三善根"を殺して……っくだっっ_っさい…………」
「…………神からのお導きのとおり…………」
甘くてツンと鼻に通り、脳味噌からこびりついて離れない匂いがした。
「ふふ、ふ…………不覚ね________」
⚠️作品に関する世界観のお話⚠️ 作者の自我注意
ちょっとほんとに色々注意⚠️
皆さん、こんにちは
白糖幽霊です。よろしくお願いします
まだこのオリジナル小説シリーズ「誘発された、絡まるヒト」をご覧になっておられない方はブラウザバック推奨です。
この作品シリーズは抽象的すぎると自覚もあるので解釈を沿わせるといいますか、少し説明をいれとこうと思いまして書いた次第です。
まず、前置きに今作はチベット仏教の「三毒」をテーマとした世界観となっております。そして、この作品を書きたいと思わせていただいた全ての起源ともなる楽曲ですがシリーズの方の紹介文とかに公開させていただきますね。私のこれらに対する解釈や考え方は作品を通して読んでくださった方々に伝わればとても嬉しく思います。それに伴い、改めて誰かの解釈、仏教、生き方、考え方、それら全てに関わるものを否定したいと微塵も思っておりませんし、否定もしていません。そこの所のご理解の程よろしくお願いします。
では早速本題に入らせて頂きます。
私は彼らなくして人は成り立たないそう常々感じていながら生きてます。
持論ですが、欲って例えば、ご飯食べたい、寝たい、性的なことしたい、出世したい、お金欲しい、もっと人から注目されたい
これ、何一つ悪いことではありません
怒り。不満爆発で怒ることも、無知。知らないでいる、迷ってばかり、これら何一つ悪いことではありません。
ただそれらを追いかけているその姿こそが醜くて見窄らしい
これが人間だと私は思います。
これから書く時間が確保できたなら説明回的な本編も執筆したいと考えましたが、無理そうだったら今回みたいに説明いれますねー
尾を喰んで紡がれた輪
当初は番外編の予定だったんですが、
作中一番の重要回みたいになってしまった
テーマが壮大で宗教っていう重めのやつだから結構調べたり個人的解釈も構築してってるけど言うて、全然資料不足だし趣味の範囲内なので大目に見てほしい定期
………………
「ねぇ、おいらの簪どこか知らないかい?」
久方ぶりに訪れた、三毒らが巣食う閉塞的な「宮殿」には珍しく鶏、蛇、豚の皆が揃っていた。宮殿と言っても、その構造は至ってシンプル。楕円になった蛇の徘徊する渡り廊下ともなる長い長い一本の道。その円に囲まれるようにある箱庭には鶏が鎮座する玉座。そしてそれらの全ての中心には豚が眠りにつく異空間のようなものがある。其々がその配置に着き、全ての並びが「輪」として完成された時こそ「三毒」という「人」に不可欠な欠けた情が芽生えるのだ。
「…………」
相変わらず、豚は無口だった。数世紀ぶりの再会で口から音を出す方法もわからなくなったのか、それすらに"迷い"が生まれるのか、まさに豚と云った所だと感心すら覚える。
「知らないなぁーあ!」
「あんたにゃ聞いてないよ」
すかさず、鶏の野郎が絡んでくる。此奴は三毒の中でも一番最初に世に産まれたモノだ。そのような存在であるというのにいつも"彼の方"だけでない万物の何よりも尊い存在あらせられるあのお方にも不敬をはたらく。
気に食わない。鶏は馬鹿ではない。何よりも人の世の末や三毒は何たるかに重きをおく者。そうだと云うのに鶏の言動には一々、矛盾や何某か理解の至らぬ点がある。______
「おい!!ひでぇじゃねえか!おい!」
「ごめんよ、あんさん」
「やめろや気色わりぃお前が|下手《したて》にでるなんて、今からでも空から槍が降ってきそうだ!」
「あらあら、そりゃあ酷いことをしちまったみたいだねぇ、あはは」
「ごめんよ♡」
「ゔぅぅ」
「で、---------?あんたはアタシの簪知らないかい?」
「………見て……ないわ………」
「……そうかい、」
嗚呼この女の生前あった事象全てが偽りやまやかしであれば今頃、アタシはこの世にうまれる事すら、無かったというのに。
憎くて仕方がない
そんな愚かしい感情と生来の付き合いになっていくのかと思うと、涙も枯れる。というものだ_____
---
つくづく思うが、|怒罵巳《どびめ》とあの女の距離感は一向に縮まらないどころか、開いていくばかり。怒罵巳のあの女に対する触れ合いには少々角が立つものも垣間見える。彼奴が豚でなかったのなら今頃、どんな風に関係が破綻していたのか、と軽く想像するだけでも肩に降りかかる重力が増す。
まぁ仕方がないのかもしれんな
怒罵巳からしたら、アイツ___三毒における|愚癡《ぐち》を司る|癡《ぶた》は怒罵巳………
否、|瞋《へび》をこの世に産み落とした存在だからな。
怒罵巳の生まれもった怒りという情はそれを産んだ豚の無知や迷いなどと云う愚かさと対照的になるよう"あのお方"によって|デザインされて《創られて》いる。
もつれた繋がりが一番面倒臭いな
「うぅゔぅー!あー暇すぎる!!!」
「女でも侍らすこととするかな」
「またかい?飽きないねぇお前さんは本当に」
「………飽きるも何もなぁ?________
欲望ってのは湧いて出てくるもんなんだよ!
そして、俺は三毒における|貪《にわとり》だぞぉ?!
欲望は尽きない。それが渇いて枯れて消えてなくなった時こそ!______________
|人《ヒト》の死が訪れる瞬間だ!」
「そりゃそうね、誰しも人には望みがあるもの。
衰弱死寸前の人だってもう何も望まないなんていいつつ、楽になるのを望んでる…………」
「はははは!自分語りか?"ジン"よ___」
「ふふふふ、|黒硝《コクショウ》_____」
着物の袖から体を波打つようにして怒罵巳の腕に巻きつくように現れた黒蛇はすぐさま、鞭へと変貌した。
空にしなやかに回して魅せると弾くようにまた反対方向へと手首をしならせた。
シュパァァァァッッッッン
あたり一体に破裂音が響く
「__それを言うならあんさんは、怒りの化身ともなるおいらを怒らせて___……どうなるのか検討くらいはつくでありんしょう?
ましてや、その名を呼ぶことを赦されるのは|現世《うつつよ》や|黄泉《よみ》においても何より尊い存在である"あのお方"のみだ!!!!
この狼藉者が!!!!________」
---
「___逃げ足が随分と早いものだな」
「はぁぁぁぁあ………失くした簪も戻ってこなければ、鶏野郎はなんたる無礼を!!!!」
ゔぅゔぅ…………意識が段々と混濁して____
突如として蛇の視界が墨汁が一滴、一滴と垂れてその水滴が一つのかたまりへと親和していくように、視覚が途切れた。途端に身体のバランスが崩れ、花魁がその美しさをひきたてる為の高い下駄がガラガラと地面との摩擦で引き摺れていく音が鳴り、それに連なり頭を豪華に飾り立てた簪の音もしゃららんと辺りに反響した。
嗚呼、今宵もこの"道"にまた呼ばれてしまったのね………
--- ズシン ---
その瞬間に怒罵巳______もとい、蛇の身に纏う美しい着物のたもとから一本の簪が溢れ落ちた。その簪はその身に纏う着物の三匹の柄の黒色、瑠璃色、翡翠色が混ざり合い、溶けあう綺麗な色の簪であった。その簪は蛇の最愛を注ぐ"彼の方"から贈られた物であった。その大切な簪を蛇はその黒々とした足や全身の重みに耐えきれず踏み潰してしまった。そして、その地面に強く踏みしめた片足から胴体、ついには顔まで漆黒に染め上げられていき、その麗しく綺麗な形に結いあげられた黒髪が、そこに飾られた簪を弾き飛ばしていき、その髪も自身の身体と比にならない程に伸びていく。頰を伝って地に落ちる涙と同時に瞼を開くと蛇の黒と白の境界のはっきりとした瞳とは違う金色の瞳孔があった。周囲に立ち込める蛇の覇気で風が起こり、その額に厚い前髪で隠された瞼も解き放たれていた。
その眼球には大きく正三角形の数があった。
蛇はそれまでの可憐な姿とは打って変わって禍々しい怪物のような姿を隠しもせず、ただ透けていてとめどなく溢れる涙と共に、着物や下駄、羽織全てを身から捨ておくように歩みを止めなかった。______
---
鶏が蛇との諍いに逃げ隠れた場所は、永い時も共に生きてきた、三毒の蛇と豚も知りえない、密かに佇む"真堂"に訪れていた。
真堂というのは、三毒と人の未来を導くお告げを頂く神聖なる堂の事だ。
鶏はその昔、人がまだ火という恵みを天から授かるよりもずっと前から天で健やかに暮らしていた。
だが、人との出会いが鶏という神聖な存在を大きく変えた。
謂わば、堕とされたのだ。人の手によって
その事象を鶏は悔いを残す事も人を憐れむ事をなかった。
鶏は既に天に無い、人のみに司る"情"という災いがその身に宿っていたからであった。
天にすむ者たちは、鶏を拒絶した。
そうして鶏は人を惑わす卑しい存在へと成り果てたのであった。
空から光が溢れ照らされていく。
「|貪《とん》よワタシが憎いかい?
のぞめど、満たされずにその原因もわからずに不満ばかり募る
三毒
人が悟りを開く道標に立ち塞がり、阻まんとする者らよ
三善根をワタシは止めることはできなかったことをここに
もうすぐ、弥勒菩薩との結びも果たされようとしている
ワタシは人を悟りへと導く神となって幾億年
もうお前たち三毒を人は超えずとも悟りに辿り着いてしまうのだ
願わくば、人には乗り越えて進まんとして欲しかった。
だが、それが人の行く末なのだ。
ワタシはそれを悟るのみ………………
|神《ワタシ》はそれを阻まない。」
「………神の御言葉を否定なさるような者は神への信仰を無下にする不届き者。___私めはそう存じておりまする。ですが、どんな処罰を身に受けようとも言わせてもらいたい
貴方様を憎いなどと感じた事などありません。」
ズッシャァァァァァァァア
瞬間、鶏の身体から大量の血が噴き出した。
顔や、首、腕、背中、至る所まで傷だらけになりしまいには腹には骨が文字通り、木端微塵に砕け散り、臓物が弾けて血みどろになって肉塊となり辺りに散乱していた。
--- それには道理があった ---
--- 神の御言葉を否定した罰が下ったという ---
--- 立派な道理が ---
再度、鶏は至純な敬意を表すべく一意専心のごとく深々と頭を下げた。
それを目の前にした釈迦は満足そうにも、苦渋そうにもしておらず、淡々とその瞳の揺らぎすらも無い、まるで大地が水や太陽の加護の元生い茂り、育つように自然の摂理として見届けていた。
「そうか
であらば、何故先のような呼び名を蛇にかけた___」
「はい。先も貴方様が申せられたように、我ら三毒の人にもたらす、貪、瞋、癡なる者らが三善根の多大なる影響で衰弱が読みとれた次第になります。」
と、淡々と述べている鶏の神のご意志を否定した報復の末負った傷がみるみる回復していく。鶏の膝をついて頭を下げた視線の先にある赤黒い溢れでた血液すらもすぅっと身体にまるで治癒というより、最初から傷などついていないような真っさらな肌へと戻っていった。
最初から神からの罰など存在していなかったように
---
箱庭の中心で独りで深く眠りについていた豚がゆっくりと身体を起こす。そしてぽそりと呟いた
「…………………無知でいることが何よりの幸」
豚のその背には大きなつぎはぎに縫われた口があった。また、豚が眠りにつくため身体を丸めるとにんまりと不気味に微笑み、頑丈に縫合された傷から血が滲み出ていた。
誘発された、絡まるヒト作業用BGM
シリーズ紹介からこっちに掲載変更しました!
🎵
・鶏と蛇と豚-椎名林檎
・レディーレ-Reol&椎乃味醂
・give it back-Cö shu Nie
・Wink(feat.ロス)-Azari
・薄ら氷心中-椎名林檎
・月読-細野晴臣
・メビウス-柊キライ
・あなた-宇多田ヒカル
・逆夢-King Gnu
・Which Hunt-Azari
・GOLDENWEEK-MILLENNIUM PARADE
・喧騒(feat.Aile the shota)-椎乃味醂
・Moonthief-キタニタツヤ
・RUN-Doona
・Dragon-釈迦坊主
・Fly with me-MILLENNIUM PARADE
・命綱-syudou
・):阿修羅:(-King Gnu
・結願-細野晴臣
・獣ゆく細道-椎名林檎と宮本浩次
・M4D LUV-MILLENNIUM PARADE
・キルマー-煮ル果実
・紗痲-煮ル果実
・ダーリン-須田景凪
・藤壺-細野晴臣
・HUGs-Paledusk
更新(r8.4/15)