ミステリに出てくることって現実だとどうなる?ミステリの魅力は消えるけど、これはこれで面白いかもしれない短編集です
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目次
アリバイ問題
〚登場人物〛
前橋警部…警視庁捜査一課。強面で有名
新見刑事…警視庁捜査一課。体育会系のノリ
A…犯人
B…容疑者
C…容疑者
D…被害者
ある日、マンションの一室で死体が発見された。
IT企業を経営しているD氏だ。
金庫の中は空っぽになっている。
「強盗殺人ですか?」
「どうだろうな…。容疑者たちに話を聞くか」
「はいっ!」
容疑者は3人。
被害者の友人のA氏、ライバル会社の社長のB氏、隣人で第1発見者のC氏だ。
「昨夜10時から11時の|現場不在証明《アリバイ》を聞かせてもらえますか?」
ミステリでお決まりのセリフ。
A氏はしばらく黙ったあと喋りだした。
「近所のバーで呑んでいました。マスターに聞けば分かるはずです。店を出たのは…11時30分頃のはずです」
「なるほど」
「|現場不在証明《アリバイ》ありか…」
続いて、B氏だ。
「|現場不在証明《アリバイ》!?そんなのありません!だいたい、普段から時計を気にしまくって生きているはずがないでしょう?」
…読者諸君に質問する。君は、昨夜8時から9時の自分の行動を正確に話せるか?
そんなもの覚えていない人が多数だろう。当たり前だ。
閑話休題。
「A氏が犯人だろうな。指紋やゲソ痕を調べろ!」
「はいっ!!」
後日、A氏は逮捕された。
「なんでわかったんだ!?」
「|現場不在証明《アリバイ》があったからだ。ミステリの読み過ぎだな。正確に自分の行動を行った時点で自白したようなもんだ」
前橋警部の理論は言い過ぎかもしれないが、まあ、現実はこんなもんである。
Which was to be demonstrated.
感想、質問、次の題材など送ってくださると嬉しいな…。
こんな駄作を読んでくださり、有難うございました!!