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目次
𝕺𝖓𝖊 コードネーム「碧桜」
血というものは、そこにあるだけで残酷さを出し、腐りやすく、そして、中々取れない。
一度服につくとこびり付いて、沢山付けば付くほど誰か殺したんじゃないかと思われる。
……まぁ、人を殺したのは事実だけど。
俺は「殺し屋」を仕事に過ごしている。まだ17だから、あと1年辛抱しないと大人にはなっていない。
周りからは、ただの独り暮らしの高校生。だけど、裏は全く別の人。
今日は30代ぐらいの女の依頼を頼まれた。
その女は俺らの組織の敵であり、大きくなれば国にも害をなす組織の一員らしい。
どうやら油断していたようで、家にたった一人で居るところをちゃちゃっとやれば案外すぐに殺れた。
でも、少し俺は疑問を抱く。
この女を一日中監視していたものの、女以外他には誰も家にいなかった。
机には3つ椅子があり、一軒家で部屋の数もそこそこある。
家族で住みそうな家になぜ一人だったのか。
接客用か?それとも幻覚なので家族がいると思ってるのか?
わからない。だが、この女以外には用はない。
他の人にバレる前に早く出ていかなければ。
俺は血の付いたジャケットは仕方なく脱いで腕にかけ、仰向けに倒れた女をちらりと見てすぐに窓から外に出た。
夜中だから、殆ど人はいない。月の光で町が少し照らされながら家に帰った。
「ただいま」
誰もいないはずの部屋に入りながら、つい癖でただいまと口にする。
すると、奥からゆっくりとエプロンを着た男がこちらに歩いてきた。
「お前、マジで部屋汚いな。週1ぐらいで家政婦やってやろうか?」
「るっせー。家政婦なんていらねーよ。」
男の名は|島 幸明《しま ゆきあき》、コードネーム白薔薇の俺と同じ殺し屋の先輩。
やけに粘着質があり、お節介なお父さんの様だ。身長も高いし。
今日は勝手に遊びに来やがった。
「碧桜はまだ高校生なんだから、今日はもう寝ろよ。明日も高校あるだろ?」
俺のコードネームは碧桜。本名は|櫻江 雅《さくらえ みやび》。超和風な名前。
「ここでコードネームを使う理由がわからん」
「あー癖だな。普段本名で呼び合うことないだろ」
「まあな」と返すと、「部屋片づけといたから、またいつでも呼んで」とやけにテンション高い感じで言いい、帰っていった。
はぁと溜息をつくと、そんなに疲れたのかいつの間にかシャワーを終え歯磨きもして布団に潜っていた。
そして日が上がるまで目を閉じた。
あいかいと交代しながら小説書いていきます。
これは自主企画にはしませんが、もしこんなキャラ入れて欲しい等あれば適当にテンプレ作ってコメントください。
その場合そのキャラ一部変更することがあるかもですが。
𝕿𝖜𝖔 俺はベビーシッターじゃない
一話完結投稿するって言ってたのにシリーズ書いてしまいました☆
学校の帰り。
久しぶりに仕事がなく家でゆっくりできそうだ、と夕陽の光に照らされるアスファルトの上を歩きながらそう考える。
勝手に口角が上がっていそうだ。こんなに嬉しい日はそうそうない。帰ってゲームでもするか、それともこれまで削ってきた睡眠時間の遅れを少しでも取り戻そうか。なんだか楽しみだ。
気分が良く、いつもは絶対にしない、振り返り、夕陽に真っすぐ誘導されているような道にカメラを向けて写真を撮った。
俺らしくないな、と思いつつもクルッと体を180度回転させて家に向かった。
角を曲がる直前、角の先に誰かがいる気配がした。
殺気は全くない。ただ、殺し屋の仕事をしていると勝手に身につく人の気配の察知能力が働いただけだ。
避けようと角から少し離れて歩く。
けれど、角に曲がると避けたはずの相手とぶつかった。
やべっ。
俺は反射的にすぐ謝ろうとした。
「すみまs…」
あれ、でも、ぶつかった感覚が下半身しかない。
不思議に思い、下を見ると、そこには俺の足をギュッと抱きしめる幼児が居た。
おそらく幼稚園の制服を着て、髪は真っ黒、目は…。
「お兄ちゃん…」
目が合った。
真っ赤だ。燃えるような、強くたくましい瞳。不安になっているような今にも涙が零れそうで、うるっとしていながらも真っすぐ俺を見つめている。
誰かに似ている気がする。
「お前どこから来たんだ?親は?」
しゃがんで幼児と視線を合わせる。
制服は泥で汚れたような、ただ帰ってきたらこんな事にはならない汚れ方をしている。
「ママは、い、いない。パパは見たことない。」
お父さんはやり逃げってことか?
お母さんが居ないのはどういう…?
「お家に帰れない…ヒッグ…ヒッグ……帰る場所ない…」
こういうのって警察署に行く方が良いのか?んーわからん。
「あれ、雅君?」
声がして振り返ると仮面を被った男、|禮士《れいじ》先輩がスーツ姿でこちらを見ていた。
「外でも仮面は外さないんですね。」
「この辺りではもう殆ど知ってもらってるから良いんだよ。…ところで、その子は?」
「どちらも親が居なく、家に帰れないみたいです。」
「ふーん…家に帰りたいの?」
禮士先輩は幼児に訊くと、わかりやすく首を横に振った。
幼児は続けて言う。
「お家、じどーよーご施設ってところになったんだけど、楽しくない。だから親戚のお家に行くって言って出てきた。」
幼児って親戚って言葉知ってんだな。最近の子供ってすげー。
禮士先輩は少し考えるようなポーズをすると、パチンと指鳴らしをしてこう言った。
「そうだ!雅君がこれから世話をしてあげなよ。」
「え?」
「お兄ちゃんのとこ連れてってくれるの?」
「いや、まだ決まったわけじゃなく…世話するなら禮士先輩の方がいいんじゃないですか?」
「俺の家には姉貴がいるから。」
「僕お兄ちゃんと暮らしたい!!」
幼児は俺の足に勢いよく抱き着いてきた。抱き着いたらしがみついて中々放してくれない。
「だってよー。」
禮士先輩はきっと今、仮面の中でニヤニヤとしているに違いない。
終わった。仕方ない。この幼児と最初に話したのが俺だった責任だ。
「わかったよ。じゃあ、また仕事で。」
「うん。勉強との両立頑張ってねー。ベビーシッター君♪」
先輩に手を振る幼児を負んぶして、家に向かった。
俺まだ、ただのではないけど一応学生だよ?ベビーシッターじゃないんだけどなぁ。
自主企画開きたい…幼稚園児と殺し屋組織の募集したい…
KFG(殺し屋組織)プロフィール
〖[KFG]〗とは
雅が所属する殺し屋組織の名前。
主に依頼、国の反逆者、敵組織の処理を行う。
給料は依頼やランクによって異なるが、少なくて年収700万、多くて5000万らしい。
ランクは上から、御三家(三人のみ)、芍薬、牡丹、百合(研究員に多い)、水仙(組織に入りたて、または研修者)となっている。
`他シリーズに関するネタバレを含むため、見たくない方は戻ることをお勧めします。`
|櫻江 雅《さくらえ みやび》
コードネーム「碧桜」
性別:男性 数え年:17 誕生日:4月1日 血液型:AB 身長:172
ランク:不明 担当:実行 バッチの花:桜
|島 幸明《しま ゆきあき》
コードネーム「白薔薇」
性別:男性 数え年:28 誕生日:12月11日 血液型:О 身長:187
ランク:芍薬 担当:実行 バッチの花:バラ
|栗栖 彩夢《くりす あやめ》
コードネーム「桃菊」
性別:女性 数え年:26 誕生日:9月9日 血液型:B 身長:160
ランク:百合 担当:薬品研究 バッチの花:菊
|篠宮 里琴《しのみや りこ》
コードネーム「空梅」
性別:女性 数え年:17 誕生日:10月24日 血液型:A 身長:154
ランク:牡丹 担当:武器研究・実行 バッチの花:梅
|藤谷 彼方《ふじたに かなた》
コードネーム「翠椿」
性別:男性 数え年:30 誕生日:12月10日 血液型:A 身長:181
ランク:芍薬 担当:実行 バッチの花:椿
ウェ・ロー
コードネーム「橙花車」
性別:見た目は男性 数え年:不明 製造日:3月16日 身長:175
ランク:御三家 担当:実行・武器改造 バッチの花:ガーベラ
|伊瀬 禮士《いせ れいじ》
コードネーム「縹菫」
性別:男性 数え年:28 誕生日:2月21日 血液型:AB 身長:176
ランク:御三家 担当:実行 バッチの花:スミレ
|櫻江 琉麗《さくらえ りゅうれい》
コードネーム「臙脂四季」
性別:男性 数え年:存命なら24 誕生日:10月18日 血液型:AB 身長:179
ランク:御三家 担当:実行 バッチの花:球根ベゴニア
𝕿𝖍𝖗𝖊𝖊 勘違いされましたよ
「お前、光流幼稚園通ってたんだな。」
「うん!」
朝、こいつの制服がどこの幼稚園のものなのか調べてみたら、あの有名な光流幼稚園だった。
幼少期の頃からエリートの子が通う幼稚園。こいつそんなに賢かったのか。
「名札つけて!」
エリートなのに名札は付けられないんだ…。
名札を受け取り、制服に付けようとしたら、ふと思い出した。
「そういえばお前の名前、知らなかった。『ひいらぎ いつか』って言うのか?」
俺はそう聞きながら名札を付けてやると、いつかはリビングに走ってボールペンと紙を取って何かを書き、こちらに持ってきた。
まだ汚らしい字だが、幼稚園にしては上手な気がする。
「|柊一佳《ひいらぎいつか》…お前親に良い名前貰ったな。」
幼稚園でもう漢字が書けるのか。やっぱエリートなんだな。
一佳に鞄を渡すと、少し下を向いて『しゅん…』という文字が浮かびそうな顔をして言った。
「ママは僕を他の子と違うと思ってるから。」
「?」
それっていい事じゃないのか?そう思いながら時計を見るともう出発する時間になっていた。
俺は一佳の忘れ物がないようさっと確認した後、自分の鞄を持ちながら一佳を背負い、玄関を出て走った。
「お兄ちゃん速ーい!」
後ろで一佳が燥いでいる。
「すぐ着くからなー。」
光流幼稚園は運よく学校の登校ルートだから、送ったらすぐに学校に行ける。
神過ぎる。
「行ってきまーす!」
「おー。」
幼稚園前で手を振り、学校に向かおうと振り向く。
すると、大分聞き覚えのある声がした。
「雅って弟居たんだな。知らなかったよ。」
ビクッとして声が聞こえる方を見ると、クラスメイトでいつも一緒に居る男、|天花寺 翔惺《てんげいじ かいせい》が鞄を高速回転させていた。
「翔惺、なんでお前が此処に居るんだよ。」
「登校ルートだから。」
普通かよっ。
翔惺は俺の隣に歩き始め、俺の肩を叩きながら言った。
「雅、弟居るなら早く教えてくれたらよかったのに。お前に兄が居るのは知ってたけどさぁ。」
「いや、あれは俺の弟じゃなく…」
「あーはいはい、『実は俺、ずっと隠していた弟が居るんだ☆』って言いたかったんだろ?」
ウゼェ。マジでこいつ後で殴りたい…。
「先輩、やっぱり勘違いされましたよ。」
放課後、俺は一佳を迎えに行き寝かせてから今は仕事にいる。
結局あの後クラスで色々大変な勘違い
俺が禮士先輩に事を告げると、すぐに笑いながらこう言った。
「やっぱそうだよねぇ。でもいいじゃん。実質弟みたいになった訳だし家が寂しくなくなったでしょ?」
「そうですが…兄が居るのと弟が居るのとは話が違いすぎます。」
「琉麗も雅と同じ思いをしてたかもよ?」
確かにりゅー兄はもっと大変な思いをしてるかもしれない。それは本当に申し訳ない。今から土下座でもして謝りたい。まぁ、りゅー兄にはもう会えないんだけど。
禮士先輩は「そうだ」と言いながら黒い手袋を嵌めなおして続ける。
「最初に勘違いをした第一号は誰だったの?」
「聞いてどうするんですか。」
「興味本位で。」
「…天花寺翔惺っていう最近ずっと一緒にいる人です。偶々幼稚園前で会いまして。」
そう言うと、、禮士先輩は仮面の上から顎に手を置いて上半身を左右にくねくねさせた。
「何してるんですか?そんな気持ち悪い動きして。」
訊くも、禮士先輩は「ん?ん~…?んー?」と不思議になっているだけ。
「……禮士先輩?」
すると、いつも通りの禮士先輩に戻り、
「やっぱり何でもない。」
と言いながら一枚資料を渡してきた。
「はい、これ。一週間後に実行。敵組織依頼だよ。」
【コラボ編前編】文化祭へご招待
「お疲れ。今日はもう帰っていいよ。」
禮士先輩はにこやかにそう言って、依頼金が入った封筒を俺に渡す。
お辞儀をしてから封筒を鞄に入れ、拠点を出た。
出た瞬間疲れがドッと俺を襲う。
くっそ疲れた。
けど、よし。なぜなら今回はいつもより依頼金額が高かったから!!
疲れた体が逆に軽くなるようにテンションが高くなると、無償にスキップをし始めた。
スキップやったの何年ぶりだ?
角を曲がるとき、角の先に誰かがいる気がした。
何だか雫のときもこんな感じだったような…。
俺は角を曲がる直前、咄嗟に避けようと角から離れると、なんとか避けた。
横を見ると、小さい灰色の髪の人と大きいエメラルド色の髪の人が歩いていた。
が、歩き方はなんか大きい方が小さい方を守ってるって感じだな。
小さい方はめっちゃ驚いてる顔してる。
って、その制服…。
「文化祭が近い高校の制服…」
そう呟くと、2人は振り返り驚いた顔をして近づいてきた。
「僕らのこと知ってるの?」
「お前、初対面の人が知ってるわけないだろ」
「あ、そっかー」
「知ってるというか、聞いたというかって感じです。」
俺が知っている理由は、この前翔惺に言われたからだ。
「そういえば、■■高校文化祭あるらしいよ。」
「?なんで翔惺が知ってるんだよ。」
「そりゃあ雅より友達多いから。」
「マウント取りやがったな。」
「本当の事でしょ?」
「僕らの高校の文化祭行きたいんですか?」
大きい方が言う。
「いや、なんとなく聞いただけで、」
「お前どこ校の人?」
小さいほうが割り込む。
「|彗遥《すいよう》高校、です。」
急になんだろう。怖い。殺し屋やってるこっちの方が怖いんだろうけど。
「彗高って確か2か月後に文化祭ありますよね?」
「まぁ、はい。」
なんだ。何が言いたいんだ…。
「彗高の文化祭に行かせてくれるんだったら招待しますよ?」
「え」
「あー確かに!よく彗高の文化祭クオリティ高いって聞くもんね。」
ちょ
「彗高の偏差値70越えだもんな。真面目な人しかいないんだろ。」
待って??
「あの本当に良いんですか?」
別にめちゃめちゃ行きたかったわけじゃなかったけど、折角機会があるんだったら行くしかないよな。
「全然いいですよ。むしろこっちが気になってるんで。」
「…ありがとうございます?」
そう言うと、大きい方が「あ、そうだ自己紹介してないね。」と言い、続けた。
「僕は海原流夢です。」
るむ…珍しそうな名だな。
「俺は成夜霧真。」
かっこいい名だな。
「櫻江雅です。」
なんか自分の名前に自信をなくす…。
「よろしくねー。」
「よろしくお願いします。」
「固いなー。タメ口でいいよ。」
「ほとんど同じ年だろ?」
「…よろしく。」
「そういえばキミって学校帰り?」
「バイト(仕事だけど…)帰り。」
「えこんな遅くまでか。」
「偉いねー。ちなみに何円稼いだの?」
「えっと…今日は15万。いつもは5万位。」
「高くね?」
「まさか闇バイト…?」
「ちげーよ。(いや、闇バイトか?そういえば闇バイトに近い仕事してんな…。)上司に気に入られてるんだ(嘘)。」
「すげぇ。」
「そっちはなんでここに?」
「アイス食べて、うろうろして公園で花火してた。」
「花火って季節ちょっと外れてるくね?」
「スーパーに売れ残ってたから買ったんだ。」
「5割引き!」
「安っ半分じゃねーか!」
「季節外れの花火も、中々悪くなかったな。」
「へー。」
違う高校の文化祭、自分が行くのは初めてだな。
慣れない事だけど、結構楽しみだ。
2人は文化祭で一体何をやるんだろう。3階でやることしか知らない。
先に訊いとけばよかったな。
まぁどうにかなるだろう。
今回コラボさせていただいたのは、ノルラ様の「は?普通、男が少女役やらないだろッッッ???」です。
コラボありがとうございます!後半もお楽しみ!!
敵組織【ウヴィスト】情報
ウヴィストとは
KFG(殺し屋組織)の敵組織。
情報屋からのウヴィストについての情報がまとめられたメールが届いた。
---
ウヴィスト
ある男を中心に、不合理な殺人を行っている組織。
国の反逆者として国から警戒されつつもしぶとく隠れている。
KFGと同じように殺しを行う者と研究員らしき者がいるが、KFGと違う所と言えば被験者もしくは生贄の役割を持つ者がいる。
それは組織の者なのか一般人なのかは明らかではない。
拠点の位置は不明。だが地下にあるとの噂有り。
ウヴィストの殺しを行う者は能力が存在する。
殺しをサポートするような能力のみで、直接殺人できるの能力はない。
今発見されているので例えれば、「身体能力向上」「未来予知」「巨大化」など。
目的は不明。
それぞれやりたい事をしているようだが、中心の男が何を企んでいるのかはわからない。
ウヴィストにはKFG同様|位《ランク》があり、上から順に月光、シリウス、カノープス、アルファケンタウリ。
一方被験者または生贄者はレグルスと呼ばれる。
ウヴィストの特徴は「仮面」。みな必ず何かの仮面を被っている。
その仮面で仲間と通信を行っている模様。
KFG東本部御三家の伊瀬禮士の仮面については、禮士の顔の傷を見られたくないという理由なので関係はない。
現在一度接触したが、取り逃がしたウヴィストの一員の一覧(本名不明)
・エクリプス
青紫色の蝶の仮面。
性別:女性
能力:不明
・エリュシオン
白黒の半々の仮面。
性別:男性
能力:不明
・鳥兜
下地は黒、赤と紺色のLEDの仮面。
性別:恐らく女性
能力:相手の重力を上げる
---
接触したらなるべく連絡し、単独で挑まない事。
取り逃がした三人は月光かシリウスに位置し、芍薬以上に値する。
𝕱𝖔𝖚𝖗 ウヴィスト依頼
「こんにちはー」
そう言いながら会社のドアを開くと、今から依頼を引き受けるんだとすぐにわかるような服装をした仲間達が、ちゃんとした服装とは真逆にソファーでテレビを見ながら盛り上がっていた。
なんで会社にソファーとテレビがあるのって?まあ会社って言っても会社の中で仕事なんか早々ないからな。仕事ないときはみんな暇なんだよ。
「おー来たか雅」
「うおっちょ、そこじゃない!!戻ってる戻ってる!!」
「わーっ落ちます落ちます!あー落ちた!!」
「馬鹿か?行くならこっちだろ」
「いやこっちだね、さっき右だったじゃん」
「これ協力ゲーだよ??全く協力してないけど??」
なんか色々わちゃわちゃしてると思ったら、4人協力プレイのテレビゲームをしていた。
「あのー今から仕事じゃ?」
俺はゲームで集まる場所から少し離れたテーブルで仮面を少しずらしながらコーヒーを飲む禮士先輩に言う。
「そうだよ。みんな雅を待ってたんだけど盛り上がりすぎてるというか。」
すると禮士先輩の隣に座っていたロー先輩が立った。
「チョットコンセント抜イテキマス」
「おー行ってら」
柚将さんがロー先輩に手を振ると、ロー先輩はブチッとコンセントを抜き、テレビ画面が真っ暗になった。
「わー切れた!!良いとこだったのに!」
そう言うのは八代天斗。コードネーム「雌黄鈴蘭」、柚将さんと一緒に情報屋をしてる。
「今カラ大型ノ仕事デスヨ」
「そうだった!」
慌てて準備?してるのが名鳥懐。コードネーム「吹鼓」、明るいムードメーカー。
「僕はもう準備満タンだよ」
明らかに清掃員っぽい服装してるのが瀬野蛍。コードネーム「濡羽鬼灯」、優しいお兄さんのアラサー。
「…あなたは早く死体清掃したいだけでしょ。っていうか今回の仕事でその服は着ちゃダメ。」
そう素っ気ないのは鳳花莉菜。コードネーム「薔薇鳳花」、1つ上のツンデレな人。
「早く行かないの?行かないのなら縹菫に手合わせを申し込みしたいのだけれど。」
藤咲真澄。コードネーム「楝撫子」、戦闘以外は関わりを面倒だと思ってる。武器の扱い方が上手い。
まだいっぱい仲間はいるけど、今回の依頼のメンバーは俺と禮士先輩含めこの6人
禮士「さ、そろそろ時間だね。行こうか」
真澄「やっとね」
蛍「清掃の時間かー楽しみだなぁ」
懐「最近調達した小型爆弾使えるかなー」
莉菜「爆弾落とさないでくださいね…」
雅「禮士先輩、改めて今回の仕事内容を」
禮士「そうだね。
今回の依頼、仕事は、高級レストランで行われる宴会で、ウヴィストの機密情報が引き渡しさ
れる。それを阻止するんだよ。」
蛍「その宴会の奴らをみんな殺す?」
禮士「いいや、その中の誰かがウヴィストのメンバーで、恐らく宴会場の地下で引き渡される。俺達はその宴会の参加者として紛れるが、上手く地下に行って|阻止《殺》してほしいんだ。結構大事な情報っぽいから強い奴いるかもしれないけど、行けそう?」
懐「行けなかったら殺し屋やってないですよ!!」
禮士「じゃあ、よろしく頼むよ。俺は宴会を監視してなきゃいけないから。」
雅「蛍さん間違えて一般人殺さないでくださいよ…」
蛍「大丈夫、もし殺してもキレーに掃除するから!」
莉菜「…そういう問題じゃない」
蛍さんは服を着替え、他はそれぞれの武器や用意を済ませると、もう一度コンセントを指しながらゲームを再開しようとする他の仲間たちにこう言った。
「じゃ、留守番頼みまーす」
「りょーかい」
「何かあった時はトウガーベラが何とかするから心配しないで」
「アマリ頼リ過ギナイデホシイデス。故障シマスヨ?」
「故障したらあたしが治すから安心しな」
そんな会話が聞こえながら、俺たちは会社を出た。