あの日、私は電車に轢かれて死んだ… ――――
はずだった。
2026/03/10 推敲完了
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目次
転生したらJKだった話。
―――――――ファァァーン……
警笛と ブレーキ音、周囲の人の悲鳴が聞こえる。
『 あーあ… 』
ドンッッッッ!!!!
――――――――――――私はあの日、線路に突き落とされ、轢かれて死んだ。
はず、だった。
……なのに。
「いつまで寝てるの!? もう入学式終わっちゃうわよ!!?」
『………ん???』
1階から母親の声が聞こえる。
てか私、死んだじゃ…??
いやまず、入学式ってなんだよ…私もう成人してるはずなんですけど…
ドンドンと足音を立てながら、母が階段を上がってくるのが分かる。
ガチャリと扉を開けた母。
だが、私が知る母ではなく、代わりに、超絶美人な母であろう人物が居た。
『あれ? 母さんってこんな顔だったっけ…ってか若!!!』
「 何寝ぼけた事言ってるの。支度しちゃいなさい! 」
母(美人)に急かされる。
『待って、支度って何すれば良いの?……ですか』
思わず敬語になってしまう。だってびっくりしたんだもん(
「決まってるじゃない、もう高校生なんだから分かるでしょう?」
『もう高校生!!?』
てことは私15歳!!?
驚きを隠しきれないまま、改めて周りを見渡してみる。
寝ていたということは、自分の部屋なのだろう。
いや きったねぇな(
まぁ前世でも掃除とかする暇無かったから言えないけどさ…
よくよく考えるに私は、いわゆる転生ってのをしてしまったらしい。
いやアニメかよ。
しかも今日からJKとか、んなのねぇだろ。
入学初日から大遅刻ぶっかましてる猛者になってるし。 (
ほんとに今後生活していけんのかな……
↺ 転生したらJKだった話 START…――――――
こんにちは、夜桜という者です。
この度は【 転生したらJKだった話 】を読んで頂き、ありがとうございます!
私は本作が初の投稿なので、至らぬ箇所が多々ある事と思いますが何卒ご容赦下さい。
これからもこちらを愛読していただけると嬉しいです。
コメント等受け付けておりますので話しかけていただけると嬉しいです!!
PROFILE
五井 秋穂 ( ごい あきほ )
年齢 23歳→15歳( 転生したため )
身長 168cm→163cm( 転生したため )
血液型 A型
誕生日 7月23日
↺勉強力皆無。でも悪知恵は人一倍働く()
↺電車に轢かれ、気づくと転生していた。
↺A型だが部屋がめっちゃ汚いので血液型占いは信じていない。(
↺高校入学初日から大遅刻をぶっかまし、
急カーブでじゃがいもを咥えたおっさんにぶつかる。 (
↺前世では限界社畜してました。オールとか余裕( )
芋おじと、急カーブにて。(
前回までのあらすじ!( 不定期 )
オレは限界社畜界隈! 五井 秋穂!
いつもより早く仕事が終わり、ウハウハで定時帰宅しようとしたんだ!
気分が舞い上がっていて、自分が駅のホーム、スレスレに立っていると知らず!
すると、オレは背後から何者かに押され、線路に落ちた。気づくと…
華のJKに転生していた!!(
オレが転生者だとバレれば、周りの人から「 そういうお年頃だよネ… 」
認定されること間違いなし!!!(
高校生活、一巻の終わり!!(
アオハル、台無し!!!(
…まぁそんなこんなで、なんとか生きていくことに決めた私は、
高校初日に大遅刻をぶっかます猛者になっていた――!!
見た目はJK、中身は社畜、その名も!!! 五井 秋穂!!!!
――――
どうも皆様、ご無沙汰しております、秋穂です。
只今私は…―――――――
『あ゙ーもう!!! 終わってるって!!』
全力ダッシュしております。(
全力ダッシュと言ってもスカートがバカ短いのでろくに走れない。
スカートの長さ太もも上あたりとかマ???
えもしかして私ミニスカ系ピチピチギャルだった??
いやね?少女漫画みたいにさ。「いっけなーい! 遅刻 遅刻〜!(ゝω・)vキャピ☆」
とか想像してたんよ。(
でもさァ!!!
現実ってんな事出来るぐらいの余裕とかマジ1ミリもないワケ。分かる!!?
夢見すぎだろ角でイケメンとぶつかるとか。そもそもさ。←
小学生の頃そういう少女漫画大好きだったけどなぁ!!!!!(
『てかカーブ急すぎだろコレほぼ曲がり角やん。』
全力ダッシュのせいで、もし万が一億が一絶対ほぼアリエナーイと思うけど
人が出てきたら私止まれないからな!
私は言ったかんな!!(
止まれの標識が見えた気がしたが、構わず突き進む。
―――――それが大きな間違いだった。
ドンッッッッ!!!
とてつもなく大きな脂ぎった(?)打撃のせいで、思わずドサリと尻もちをつく。
私は数m軽く跳んだのに対し、相手は微動だにしていない。
は? フィジカル最強かよ ムカつくなぁ(
『は…??』
思わず声を荒げる。…が、それはすぐに驚きへと変わるのだった。
『………エッ』
「いた…だっ、大丈夫ですか!!?」
『は、…なにこれ芋!!?しかも蒸かしたて!!!!()』
蒸したての芋が手に乗っかっていた。ほっくほくだ。(
「あっ、すいませぬ! それは僕がさっきまで咥えていたじゃがいもです!」
【悲報:ワイ、急カーブにて、じゃがいもを咥えた不潔なおっさんに衝突する】
いや、あるかボケ(
そこはパン咥えた美少女か普通に走ってきたイケメンやろがい、ボケ(
『あの私全然平気なんで救急車呼ぼうとしないでもらっていいですか( 』
何してんねん(
「えっ、だって時速50kmの僕にぶつかったんだヨ? 無傷ですむワケ…――――」
いやおめぇみたいなデブが( 失礼 )んな速さで走れるわけねぇだろ
『あの! ほんとに大丈夫なんで。私急いでるんで失礼します!!!』
「あ、待って君ほんとに大丈夫―――!!?」
遠くで、芋おじ(笑)が叫んでいるのが聞こえる。
でも今はそんなの気にしている暇はない。
ごめんよ。お前おもろい奴だったよ(
空っぽの学生カバンを肩に引っ掛け、全速力で走る。
私はただひたすらに、入学式真っ最中であろう高校へと向かうのだった。
今回のあらすじ、なんのオマージュか分かった人いますか?
いたら教えてください!笑
入学式、大遅刻案件。
――
『っはぁッ、はぁッ』
待って死ぬ。(
私ってこんなに運動できない人でしたっけ!!?
一応、高校生の時にバド シングルス全国行ったハズなんだけどなぁ!!?
クッソ、何でこの坂こんなに急なんだよ…!!!
しかも長ぇんだよ!!!(
『はーッ、はーッ……つ、着いたぁ…』
――桜が咲き乱れ、思わずくすっと笑ってしまいそうな程澄み切った空。
The・春 と言った感じだ。
入学おめでとう と書かれた看板が、体育館前に立てかけられている。
誰も居ない風景は、自分が完ッッッッ全に遅刻したことを非常によく物語っていた。(
乱れ切った荒い呼吸をゆっくりと整え、思いっきり深呼吸する。
うわ、イヤだなぁ…コレ絶対めっちゃ注目されてさ…もうこの時点でヤダ…
そろそろと、体育館の扉を開ける。
そこには―――――――――――――――
誰もいなかった!!!!!!!
否、誰もではない。
腹の出た、いかにもなズラを被ってるちょび髭脂ギトギトジジイと(大失礼)、
聖ニコラウスのひげを短くしたような優しい表情の人、二人が残っている。
『あ、アレ…?入学式の会場ってここで合ってますか…?』
すると脂ジジイは、百匹の苦虫を噛み潰したかのように、顔を顰めた。
あ? 何だオメェ、やんのかゴルァ(
幼稚園時代の頃にはもう既にキレ性と謳われ、柔道もボクシングもやってきた私の
闘争心が限界に達しかけたその時、 サンタ先生がゆっくり口を開いた。
「おや、君は…?」
『あ、遅刻して今来ました。』
何だろう、サンタ先生が話すと、途端に空気が和んだ気がする。
暖かな日向のように、ほわほわする声だ。
絶対入学式で誰か寝ただろ、これ。(
「 嗚呼、五井…秋穂さんだね。バドで推薦入学した 」
え、マジかよ私推薦入学してたんだけど。
新事実多すぎて頭割れそうだね。知らんけど。(
「あのね困るんだよ。もう少し時間を考えて行動してもらいたいものですな。」
ちょび髭が滝のような汗をひっきりなしに拭きながら、ぎろりと此方を見る。
うわ、私コイツ嫌いなんだけど。ぜってぇ面倒くせぇタイプだな。
『あー、すいません』
何だこのクソちょび髭。ムカつくなコイツ。
やっぱりどうやったって戦闘態勢に入る私を見て、サンタ先生が言った。
「まぁまぁ。良いではないですか、教頭先生。」
え、待ってサンタ先生めっちゃ好き。
おで、おまえ、すき。(((
……てかちょび髭お前教頭なん????
呑気に考え事をしていると、サンタ先生の説明が終わるところだった。
終わった、なんにも聞いてなかった(
「――で、五井さんは2組ね。…五井さん? 体調でも悪いのかい…?」
『あ、いえ! 大丈夫です』
「そうか、そうか。では、教室までの道は分かるかな?」
『はい!』
「それじゃあ、いってらっしゃい。」
サンタ先生(校長先生)とちょび髭(教頭先生)に見送られながら、
私は急ぎ足で体育館を出た。
校内迷子
前回までのあらすじ!( 不定期 )
五井秋穂、不憫な朝↓
寝坊し、通学路を全力ダッシュ中に芋おじに衝突!!
自分の体力のなさを実感しながら高校のある丘の上へ!
ようやく着いたは良いものの、入学式は少し前に終わっていた…!!
体育館に居合わせた校長の話を聞き( ほぼ聞いてない )、教室へと向かった…!!
――
五井秋穂、23…否、15歳。高校一年生。(前世社会人)
只今私は――――――
『っひっっっっっっっろ…』
絶賛迷子になっています。(
あれれれ、高校見学行ったんじゃないの〜???
こういう転生モノって記憶もちゃんと引き継がれるタイプなんじゃないの???(
全く記憶ないんだけど。
それともただ単に私の転生ガチャ失敗しただけってこと????
『え、マジここどこなん。私どこまで来たん??』
もう自分がどこをどう歩いてきたかも忘れてしまった。
サンタ先生(「入学式、大遅刻案件」参照)に教室分かるって言ったけど。
分かってなかったわ。話聞いてなかった。
終わった。何なんマジ。
『うぁぁぁどうしよう』
そろそろいい加減私も疲れてきた時、ふと後ろに気配がした。
「あの、大丈夫…?」
『…大丈夫、じゃないです…』
声をかけてくれたのは、ふわりとした雰囲気の可愛らしい子だった。
しかも、その子も制服の胸元に 入学おめでとう の花飾りをしている。
ほう…??? これは…
「、もしかして…ごい、あきほ…さん?」
ハイ キタ ビンゴ〜!!!! はい勝ち確〜!!!
『あ、はい。五井秋穂です。』
心に反して随分と小さな声だったが、彼女はパッと表情を明るくした。
「良かった〜! さん、私のお隣の席なんだ。」
それじゃあ行こっか! 彼女はそう言って、先へと進み始める。
待って私教室の場所知らない(
『…、あの、』
声を掛けると、くるりとこちらを振り向く。
『教室って、どこですか…』
「…、もしかして分かってない? 一緒に行こっか。」
彼女が一瞬吹き出しそうになっていたのを私は見逃さない(
「あ、そういえば私の名前、まだ言って無かったよね。」
『…確かに。』
でもなんか絶対可愛い名前してそう。もう美人だし。何なん(
「私は 神楽 碧 って言うの。宜しくね。」
『かぐら、あおい…』
彼女の名を、口の中で転がしてみる。
とってもぴったりな名前だ。
『良い名前なんだね。』
そう言うと、神楽さんは 嬉しそうに目を細め、ありがとうと笑った。
「秋穂っていうお名前もとっても素敵だと思うよ。私は好きだなぁ〜」
唐突に名前好きって告白された。うれし(
---
その後、無事に教室まで一緒に来てもらった。
『ありがとう、神楽さん。』
「ううん、全然いいの。」
『…それと、名前だけど。無理に さん 付けしなくていいし、なんなら
名前で呼んで欲しい…なんて。』
駄目だったら良いんだけどね、と付け足す。すると、神楽さんはにっこり笑った。
「分かった。じゃあこれから…秋穂ちゃんて呼ぶね。」
おっふ…(
美女に名前呼ばれるとか私凄くね(
それと、 と神楽さんも付け足すように言った。
「私は秋穂ちゃんって呼ぶ。だから、私の事も名前で呼んで欲しいな。」
おっふ…!!!!(((((
これは呼んでも良いやつなのか!!? 良いのかこれ!!?
『じゃ、じゃあ…急で申し訳ないけど…碧?』
「うん。なぁに? 」
おっふぉん(
『えっ…と、これからも話したい、から、その…』
こんなに饒舌な胸の内とは違い、しどろもどろになる。
これが私の国語力ってやつか。否、コミュ力か。皆無すぎて最早笑えない
そんな私を見ても、真剣に話を聞いてくれている。
なんて良い子なの。お姉さん泣いちゃう(
『仲良く、して下さい…?』
終わった、何で最後疑問形になっちゃたんだろ。これじゃただのダリィ奴で草
でも、そんな心配をする暇もなく、彼女は大きな花が咲いたように笑顔になった。
「うん、私からも、仲良くさせて!」
私、入学式に遅刻するも絶世の美女と友人になる(
PROFILE -2-
神楽 碧 ( かぐら あおい )
年齢 15歳
身長 158cm
血液型 AB型
誕生日 6月23日
↺入学初日に校内迷子していた雪穂を救った救世主。
↺学校で一番モテている説が浮上している。
↺あまり他者と話さないタイプだが、数人には心を開いている模様。
↺頭の良さは学年でもトップクラス。勉強で推薦入学している。
↺ほんわかしているが、偶にえげつない事を言う時がある。
教室に入れない…だと?
――――
「あ、ねぇねぇ秋穂ちゃん!」
『ぅあい!!?』
急に話しかけられ、思わず素っ頓狂な声が出る。
「自分のクラスは確認してると思うんだけど…誰がクラスに居る、とかは見た?」
『あ、見てない』
そもそも私はサンタ先生ならぬ校長先生に教室を教えてもらった。
…ので、誰がクラスメイトとかは全く分からない。
『遅刻しててそんな余裕なかった…』
ていうかもし万が一同じ中学の友達いたら私記憶ないから終わったくね(
つんだもんですね(
だが、私のこの心配事は、碧の次の一言で消し飛ぶことになる。
「あ〜。それに秋穂ちゃん、同じ中学の子いないんだったよね。」
『え、ぁ…うん、そうなんだよね! 私同じ中学の友達居なくて!!』
物凄く大げさになってしまったが、まあ良しとしよう。
仕方ない!!!!(
…あれてことは私ぼっちじゃね(
海よりも深く考え込んでいると、碧が ちょん と眉間をつついてきた。
『ぅお…』
「ふふ、すっごいしわ寄ってた 笑 」
え、美女に眉間チョンってしてもらえるとか最高じゃねぇか((
『え、ホントに? うわ、これから気をつけよ…』
「あははっ! …あ〜あ、もう着いちゃった…」
え何もう着いちゃったって…ちょっとほっぺ膨らませてるの何!!?
思わせぶりな行動は控えましょう、世界が滅びます((
めっっっっっっちゃ可愛いんだけど。(((
『し…ししし失礼しマース…』
カラカラと音を立て、開く扉。
賑やかだった教室が一瞬、しん…と静まり返った。
私の喉が、ヒュッと変な音を上げた。注:緊張してるだけです。
殺す気か、一年二組。(
足がすくんで動かず、かたかたと震える。 注:緊張してるだけです。
自分の顔がどんどん青ざめて行くのが分かった。 注:緊張してるだけです。(
そんな戦意喪失した私の前に、スッと立つ者が居た。
――― 碧である。
ヤダイケメン…ッ!!!((
「おはようございます! すみません、少し遅れてしまって…!」
『お、おはようございます…』
碧の後に続いて、私も入室する。
なんて勇敢な姿。素晴らしい。私惚れちゃう。((
「お、二人共来たな。それじゃー、自己紹介でもするかー」
「「は〜い」」
さっきまでの恐ろしい雰囲気とは打って変わり、明るく返事をする一同。
何だったんだ、さっきの。いじめか何かか???(
「じゃあまず、一番の青葉から行け〜」
『うぉ…』
なんてのんびりした担任なんだ…
てかまずは自己紹介担任からじゃねぇのかよ。
悶々と思考を巡らせていると、 次、五井〜 と呼ばれた。
順番回ってくんのはっっや(
絶対みんなテキトーに終わらせただろ。
『五井秋穂です。得意科目は歴史で苦手科目は数学です。宜しくお願いします。』
ぱらぱらと拍手が起こり、そのまま着席する。
いやぁ自己紹介って面倒くさいね。((
そんなこんなで全員の自己紹介が完了。
先生曰く、明日委員会決め等があるそうなので、各々で考えておく事が宿題らしい。
いや私何委員会があるのか一ミリも知らねぇんですけど。(
放課後の一年生
―――
「ねぇねぇ秋穂ちゃん!」
『はーあーいー?』
先生が居なくなった途端、賑やかになる。
教室の中心では、多くが連絡先を交換し合う。
けたけたと笑う声、肩を組み、早速遊ぶ約束をしてはしゃぐ生徒たち。
あーこんな時期あったなぁと一人懐かしんでいると、碧が声をかけに来てくれた。
「委員会、何にするか決められた?」
『いや、全然…。何があるかもあんま覚えてないし。』
「! 秋穂ちゃんさえよければ、委員会、同じにしない…?」
はぁぁぁぁぁー(
なんて嬉しいお誘いなのでしょう。
私の高校生時代なんてクソガキだったから誘ってもらうとかなかった。
それに、中学時代の知り合いは誰もいないから話しかけに来るのは彼女くらい。
つまり碧って、優しいのです。(
『え、嬉しい。めっちゃ嬉しい。私で良ければ。』
私の言葉に、彼女は花が咲いたように笑う。眩しい…(
「秋穂ちゃんはどういう委員会に入りたい? 図書委員とか?」
『あー、図書も良いね。』
前は委員会無所属だったなぁ、私。
係とか面倒だし、バドとかで忙しいって事にしてた。全然忙しくなかったけど。(
「そうだ、園芸委員会はどう? 」
碧が手をぽんと鳴らす。ふと思いついたようだった。
そう言えばそんな委員会もあったようななかったような…。
――園芸。不器用が服を着て歩いてるような私とは全くの無縁に思える。
花となんて、小学校の日直が水やりする係や宿題でしか触れる機会もなかった。
夏休みのアサガオも、大事に育てようとしたのに全滅させた。解せぬ
だからこそ、面白そうだとも思う。
『うん、園芸委員会、良いかも。碧が良いなら、私は園芸にしてみたい。』
「よし、それじゃあ園芸委員会に決まりね!」
二人で顔を見合わせ、笑い合う。
青春って感じがする。入学式遅刻してるけど。(
「そうだ秋穂ちゃん、連絡先交換しない?」
『うん、何から何までありがと、碧。』
スマホ同士をかざし、互いの連絡先を確認する。
ぴこん と、可愛らしいアイコンが表示される。流石は碧である。
私なんてアイコン チベスナ なのに。そろそろ変えよっかな(
「さっきグループ追加してもらってたから、秋穂ちゃんのこと招待するね!」
『えっはや いつの間に』
すぐさま、碧がクラスのグループに私を追加したようだった。
【 1−2 】 に招待されました、と画面に浮かび上がる。
思い立ってから行動に移すまでが鬼早いぞ、この子。すげぇ。
いつの間に連絡先を交換していたのだろう なんて思いながら、通知を確認する。
既に通知が凄いことになっていた。教室にいるんだからそこで話せよ。(
早すぎる1日
――
あの後私は碧と別れ、それぞれ帰路についた。
ええ子やったなァ…(
会ったばかりでも笑顔で接してくれる、優しい子。
あんなに良い子久しぶりに見た気がする。
『あれ、碧からメッセージ来てる』
ふと目の中に入ってきたのは、スマホの通知画面。
〝 今日はありがとう! 秋穂ちゃん、これからもよろしくね!! 〟
なんて良い子なの。お姉さん感激。(
じーん、と心があったまった気がした。
---
布団に潜り込みながら、今日を振り返ってみる。
まず、電車に轢かれてー、何故か転生しててー…
…この時点で結構やばいな(
入学式に遅刻してー、迷子になって、碧に会って仲良くなって…
濃厚すぎないか、今日。
そもそも、死んでなかったら今日もまだ仕事をひたすらにこなしてて…
会社の同僚と、ブラックだぁ なんて言いながらも楽しくやっていた。
あの時、最期の風景は…
慌てた運転手の顔と… ✘ ✘ ✘ …
あれ、 ✘ ✘ ✘ って、何のことだっけ…
そもそもホームの方なんて見てないハズなのに、何でこんな事覚えてるんだろう。
あー頭痛くなってきた気がする。…いや痛くはないな(
『やーめた。今考えてもしょうがない気がする。未来の私に託そ。』
そう言いつつも、布団から出て部屋をがさごそと探り始める。
もしかしたら、私が何で死んで更にそこから転生したのか分かるかも知れない。
私の魂がこの身体に入る前の、JK五井秋穂はどんな生活をしていたのだろう。
私を落とした✘ ✘ ✘とやらについて、何か手がかりはないだろうか。
そんな考えが、ひたすらに私の身体を突き動かす。
足の踏み場が殆ど無いくらい物が散乱しているから期待大である。(
『…日記?』
今時の子がアナログなんて珍しい、なんて思いながらぺらぺらとページをめくる。
日付が飛ばし飛ばしで、いかに飽き性で好きな時に書いていたかが分かった。(
ふと目に入った後ろの方のページには、こんな事が書いてあった。
❝ 3月15日
今日は、田中と、田川と、田辺と一緒に遊びに行った。
田辺が、中学はみんなバラバラだけど、高校は一緒だから楽しもうね
って言った。
高校行ったらみんなでクラスが一緒だと良いな、って思った。
卒業まで後少し。今を楽しもうと思った。 ❞
何この小学生が宿題で提出するみたいな拙い文章の日記。(
『…あれ、 何で田辺たちの名前が書いてあるの…?』
田辺、田中、田川は、私の会社の同僚であり幼馴染である。
この世界にも同姓の友人が居るのかな。
前は高校から一緒だったはずだけど…
もしかしたらこの世界は、元いた世界のパラレルワールドなのかも知れない。
この世界で私は今高校生であり、田川達は中学もしくはそれ以前からの付き合い。
そして、人間関係や環境など、あちこちに違いがある…
そうであれば私が同姓同名であること、容姿が高校時代の私まんまなこと、
田辺達との付き合いなどにも納得がいく。
『並行した世界線なのかなぁ、此処って。』
日記の記述を更に読み込もうとした時、時計が深夜0時を告げる鐘を鳴らす。
『げ、もう深夜回った…!!?』
今日の体感3時間くらいなんだけど。
いそいそと布団に戻り、明日の朝にでも早起きして見てみようなんて考えながら、
私は転生初日を終えたのだった。