6つの魔法グループはかつて固い絆で結ばれていた。
しかし、ある事件をきっかけに仲間割れが起こり、バラバラに。
水のグループのリーダー・ドライは、壊れた絆を取り戻そうと動き出すが、
それぞれが抱える過去と秘密が彼らを待ち受けていた――。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
織りなす魔法。1話
こん〜! どもHaruです! 今回は結構こだわりたいところだけどこだわってないかも(?)
応援よろしくお願いします! あと あとがき「おつはる〜」しかこのシリーズ書きません
(なぜ?)
青空が広がる広場に、六つのグループのリーダーたちが自然と集まっていた。
それぞれの個性がにじむ表情に、和やかな空気が漂っている。
「また朝からぼんやりしてるな、リアン」
雷のカイが冗談っぽく声をかけると、炎のリアンは目をこすりながら苦笑した。
「うるさいな……朝はほんと苦手なんだよ、俺は」
自然のリアムは、そんなリアンに優しく笑いかける。
「まあまあ、無理しないで。今日もいい天気だし、楽しまなきゃね」
水のドライはクールな表情のまま、仲間の体調を気遣うように目を細めた。
「カイ、最近寝不足なんじゃないか?顔色が悪いぞ」
「うっ……見抜かれたか」
カイは照れ隠しのように頭をかいた。
一方、光のテオはお気に入りのアクセサリーをいじりながら、明るい声を響かせる。
「今日はみんなで集まれて本当に嬉しいな。こういう時間、大事にしたいよね」
影のゼインは少し離れた場所で腕を組み、黙ったまま皆を見ていた。
表情は変わらず淡々としているが、その瞳はどこか遠くを見ているようだった。
「ゼイン、今日は何か言ったら?」
テオがにっこり笑いかけるが、ゼインは一言だけ短く返す。
「……いい」
その短い返事に、誰もそれ以上は聞かなかった。静かな時間が流れる。
リアムは足元の草花を摘みながら、ふと小さく笑う。
「こんな穏やかな日が、ずっと続けばいいのに」
カイはみんなの道具をさりげなく確認しながら、内心で同じ願いを抱いていた。
だが、そんな平和な時間も、長くは続かないのかもしれなかった。
翌日――。
いつものように集まったリーダーたちは、変わらぬ日常のように会話を交わしていた。
しかし、その中でふと、誰かが口にした一言が、場の空気を変えてしまう。
「ねぇ、ドライって昔、あの海辺の村で何があったんだっけ?」
それは軽い冗談のつもりだった。
だが、その言葉が出た瞬間、空気が凍りついた。
ドライは穏やかな表情を静かに消し、目を伏せた。
「そんな昔のこと、今さら話すことでもないさ」
彼の声はかすかに震えていた――気づかれないように。
全員が沈黙した。
誰もが知っている。
ドライの心の奥には、決して触れてはならない傷があるということを。
そして、その傷が今も彼を縛っているということを。
沈黙を破ったのは、炎のリアンだった。
「おっと、こんな暗い話はやめようぜ!今日は楽しく過ごすって決めたんだから!」
わざとらしい愛想笑いとともに話題を変えようとしたが、冷えた空気は完全には戻らない。
「そうだな……そういえばさ」
テオがスマホを取り出しながら、少し話をそらすように口を開く。
「最近ネットでさ、俺たちのグループのことがちょっと騒がれてるらしいんだよね。僕も詳しくは見てないけど」
「え?どんなこと?」
カイがいつもより真面目な顔つきで問いかける。
テオは少しカイの様子を見ながら、スマホの画面を見せた。
「こんな感じで書かれてた」
『もうあきれたわ〜 こんなヤバい過去持ちの連中が集まる場所なんていたくない』
その言葉に、全員が一斉に目を伏せた。
カイの表情がピンと張り詰めたように固くなる。
「まさか……こんなことが広まってるなんて……!」
スマホを握る手に力が入り、彼の呼吸は浅くなっていく。
「俺がもっとちゃんと管理してれば……
仲間を守れていれば、こんなことにはならなかったのに……!」
焦りと後悔が交錯し、カイの瞳に一瞬だけ迷いが走る。
だが――
その目は、すぐに決意の光を取り戻した。
おつはる〜!
織りなす魔法。2話
こん〜!どもHaruです☆ ぜひ応援よろしくお願いします!
ファンレター1つにつき1話投稿するよ〜! ぜひファンレターしてね!(なんかリアンとリアムって似て過ぎて区別つかないんだけど。(は?作者だろ))
青空は昨日と同じように広がっていた。
けれど、広場に流れる空気は、どこか違っていた。
木々が優しく風に揺れても、誰もその音に気づかない。
6人のリーダーたちは、昨日と同じ場所に集まっていた。
でもその中心には、かすかに広がる“沈黙”があった。
ドライは、いつものように一番に来てベンチに座っていた。
手には水の入った小さなボトル。けれどそれを飲むこともなく、ただ静かに目を伏せていた。
その横顔は静かすぎて、まるで水面に落ちた一滴の石の音まで聞こえそうなほど。
「なあ…昨日のこと、まだ気にしてるのか?」
カイが思い切って声をかけた。
どこかぎこちない、けれど優しい声。
ドライは、少しだけ目を細めて、ゆっくりと息を吐いた。
「……別に。慣れてるさ、こういうのは」
その返事は、あまりにも淡々としていて――
逆に、どれだけの痛みを飲み込んでいるかが伝わってくるようだった。
近くにいたリアムが、摘んだ花を指でくるくると回しながら、そっと呟いた。
「昨日のドライの顔、初めて見た気がする……強い人ほど、無理するんだね」
リアンは、あくびをしながら草の上にごろりと寝転がった。
けれどその目は覚めていた。
誰よりも無邪気に見える彼も、空気の変化に気づいていた。
「ネットのやつ、ほんっとむかつくな。なんでわざわざそういうこと書くかね?」
「無駄。誰かが勝手に言ってるだけ......」
ゼインが低い声でぽつりと言った。
スマホをポケットにしまいながら、顔は誰にも向けていない。
けれど、テオはその指がわずかに震えているのに気づいていた。
「……ゼインも、見たんだね」
テオはアクセサリーをいじりながら、少し声を落として言った。
いつもの明るさを保とうとしていたが、その笑みはどこか張りつめていた。
「……ま、あれはさすがに言いすぎだよ」
そう続けたテオの声に、他のメンバーも目を伏せた。
`『もうあきれたわ〜こんなやばい過去持ちの連中が集まるところにいたくない』`
あの書き込みが、皆の心に影を落としていた。
一言の悪意が、少しずつ心の深くに染み込んでいく。
カイは無意識に、ベルトに下げた道具袋を確認した。
誰にも見せない癖だった。自分が整えてきたこのチームが、バラバラになってしまわないように。
それだけを、ずっと心の奥で願っていた。
「今日、どっか出かけてみない?」
リアムがふっと空を見上げながら、ぽつりと提案した。
「ずっとこの広場じゃ、気持ちも晴れないし。森の方、今花がいっぱい咲いてるよ」
「……それ、いいな」
テオがそっと同意する。
リアンも大きく伸びをしながら、立ち上がった。
「んー!じゃあさ、今日は花見と行くか?リアムの特製サラダも食べたいしな〜」
「え、作ってくれるの?」
カイがちょっと驚いた顔で振り向くと、リアムはふわりと笑った。
「うん、みんなが食べてくれるなら、いくらでも作るよ」
一瞬、柔らかい空気が流れた――
が、そのとき、ゼインのスマホが震えた。
彼は音もなくそれを取り出し、画面を見た。
差出人不明のメッセージが一件。そこにはこう書かれていた。
「お前たちは知らない。
まだ、何も終わってなんかいない」
ゼインは顔を動かさずに画面を閉じた。
けれど、その視線の奥には、何か別の“ざわめき”が確かに宿っていた。
そしてこの時、誰も気づいていなかった。
この静かな違和感が、やがて6人の関係に大きな波を起こしていくことを――
---
---
---
昼下がりの陽射しが、緩やかに森の木々の隙間から差し込んでいた。
6人はいつもの集まりより少しだけ静かな空気のなか、森の奥の小さな広場に腰を下ろしていた。
草の上にリアムが魔法で作った簡易なテーブルを作り、木々の枝に飾るように光の粒が浮かんでいる。
その穏やかさは、まるで昨日の一件などなかったかのようだった。
……けれど、誰もが気づいていた。
言葉の端々に滲む、微かな緊張と沈黙の重みを。
「できたよ、サラダ。今日はバジルを多めにしてみたんだ」
リアムが魔法で整えた色鮮やかな料理を差し出すと、テオがぱっと笑顔になる。
「わぁ、さすがリアム。彩りまで完璧だね!写真撮りたくなるくらい!」
リアムは照れたように笑う。「……植物はね、素直なんだよ。気持ちを込めれば、ちゃんと応えてくれる」
「人間もそうだといいのにね」
そう呟いたのは、カイだった。彼は小さな声で言ったあと、自分でも少し驚いたように口をつぐんだ。
沈黙。
「なんだよ、カイ。急にポエムか?」
リアンが軽口を叩いて場を和ませようと笑う。
カイはわずかに肩をすくめ、照れ隠しのように笑い返した。
「いや、なんでもない。ただの独り言」
その瞬間、ゼインがポケットをまさぐるようにして、静かに口を開く。
「……俺のスマホ見た?」
全員が一斉にゼインの方を向いた。
普段なら、彼がこんな些細なことを口にするとは考えられない。
「見てないよ?」テオが首を傾げる。「落とした?」
「いや……ロックをかけていたけど、画面がついてた。だけ」
ゼインの声はいつも通りだが、どこか探るような鋭さがにじんでいた。
「……誰もそんなことしないよ」
ドライが低い声で言った。その目は、いつもの穏やかさとは違い、鋭い光を宿していた。
「ま、まさか外部の誰かが……?また、例のネットの話みたいに」
テオが言葉を濁すように言う。
「……なあ」リアムが口を開いた。「こういうときこそ、信じ合わなきゃダメだよ」
その一言に、誰もが返事をしなかった。
信じたい――
けれど、「疑い」という名の棘は、すでにどこかに刺さっていた。
カイは少し離れた場所で、誰にも聞こえないように小さく呟いた。
「……“信じる”って、どうすればいいんだよ……」
彼のポケットには、昨夜から繰り返し開いているフォルダがある。
そこには、グループの記録、行動履歴、道具の使用状況――
仲間たちのデータが詰まっていた。
彼は“守るため”に集めていた。
でも、今、その行動すら――
「……俺は、間違ってないよな……?」
誰にも聞こえない問いが、森に消えた。
そして、その誰にも聞こえない呟きを、ただ1人だけ――
ゼインが、木陰の奥から、静かに見つめていた。
---
---
---
---
夕暮れの柔らかな光が森の木々をオレンジ色に染めていた。
広場から少し離れた場所、カイは大きな樹の根元に腰を下ろし、手元の端末に視線を落としている。
周囲の声や笑い声は次第に遠くなり、彼だけが異質な緊張感に包まれていた。
画面にはメンバーそれぞれの過去の行動ログや体調、魔力量の推移が細かく記録されている。
カイは、仲間を守るために必要な情報として、誰にも言わずこっそり監視を続けてきたのだ。
指が止まったのは、数日前に同期されたゼインのデータ。
暗号化されたファイルの中に、どうしても目を背けたくなる言葉が並んでいた。
「裏切り」「偽り」「記録の削除」……
カイの胸が重く締めつけられる。
まさか、ゼインがあのネットの投稿に関係しているのではないか——。
「そんなことあるはずがない……でも……」
彼の視線が揺れた。
突然、背後から柔らかい声が響いた。
「何してるの?」
振り返ると、自然のリアムが笑顔で立っていた。
手にはさっき作ったばかりの野菜スティックの皿を持っている。
「……いや、ちょっと道具の点検を」
カイは咄嗟に言い訳をした。
リアムは眉をひそめることもなく、ただ静かに微笑んだ。
「そっか。カイはいつもみんなのこと見てるよね」
「頼もしいけど、時々、自分のことも見てあげてほしいな」
カイの指が画面から離れ、ゆっくりと俯く。
リアムはそのままスティックを彼の前に置き、優しく言葉を残して去っていった。
一人取り残されたカイは、暗い気持ちと向き合うしかなかった。
そして数分後、端末に異変が起きる。
「アクセスログ不正検出」——警告の赤い文字が画面に浮かんだ。
「誰か……俺の端末に入ったのか?」
焦った指がアクセス履歴を調べると、瞬間的に“Dry Gray”の名が一瞬だけ表示されては消えた。
「ドライ……?」
カイの心は動揺でざわつき始めていた。
彼の中で、疑念と後悔、そして守りたいという気持ちが入り混じり、静かに波紋を広げていく。
森のざわめきに紛れて、仲間の未来を揺るがす“小さな違和感”が確実に広がっていた。
おつはる〜!(まじでリアンとリアムって区別使いなよね!ね ね? (こいつが馬鹿なだけ。))
織りなす魔法。3話
こん〜! ファンレター1つにつき1話投稿中だよ☆
朝の空気は澄んでいた。
太陽の光は木々の間をすり抜け、静かにいつもの広場を照らしている。
でも、カイの胸の奥は、その光とは裏腹に、重たく冷えていた。
ベンチに腰掛けた彼は、手元のスマホを何度もスクロールしては、また戻し、そして閉じる。
画面には、仲間たちのデータが並んでいた。
体調、魔力量の推移、昨日の行動記録。
「……異常なし。……のはず、なんだけどな」
呟いた声に、誰の返事も返ってこない。
それでも、カイは続けて画面を見つめた。
守りたいと思っていた。
誰よりも。
だからこそ、気づきたくなかった。自分が今、何をしているのかを。
「……これで、いいんだよな。俺は……ちゃんと、守れてるんだよな?」
その問いは誰にも届かず、広場の風に紛れて消えていった。
――そのとき。
「おはよ〜カイ。今日も早いな」
リアンの声が背後から響く。
気配を隠すようにしていたはずが、いつの間にか彼が立っていた。
カイは少しだけ肩を揺らし、スマホを素早くポケットにしまった。
「ああ、おはよう。ちょっと、眠れなくて」
「……また、気張りすぎてるんじゃねぇの? お前、そういうとこあるからさ」
リアンはあくびを噛み殺しながら、草の上にドカッと腰を下ろした。
何気ないその言葉に、カイは一瞬だけ言葉を失った。
気張りすぎてる——
本当に、そうかもしれなかった。
でも、気を緩めた瞬間に、すべてが崩れる気がしていた。
「……うん。でも、大丈夫。みんなが安心して過ごせるようにしておきたいだけだから」
リアンは「ふーん」とだけ答えて、空を見上げる。
その背中に、カイはほんの少しだけ視線を落とした。
(こんなふうに、当たり前みたいに笑ってる時間が……続いてほしいんだ)
そう思えば思うほど、カイの胸の中には、“もしも”が膨らんでいった。
もし、また誰かが傷ついたら。
もし、またあの時みたいに取り返しのつかないことが起きたら。
だから、手放せなかった。
情報を、記録を、そして——疑いを。
彼はポケットに手を入れたまま、無言で仲間たちの声を聞いていた。
そして、その静かな決意と、ひそやかな歪みは、
やがて大きな“すれ違い”となって、広がっていくことになる。
---
そして、6人のリーダーたちがいつものように集まった。
だけど、どこか空気が違う。いつもの賑やかな会話は影を潜め、みんな少し距離を測るように様子を伺っているようだった。
テオがいつも通りの明るさで口を開く。
「ねえ、最近みんなで集まるの久しぶりだよね。何か楽しい話題でもないかな?」
だが、その声に返ってくるのは小さなうなずきや、控えめな微笑みだけだった。
リアンはそんな沈黙を破ろうと、軽い冗談を飛ばす。
「おいおい、こんなに静かじゃ、俺のギャグも笑われないな!」
しかし、周囲からはかすかな笑い声が漏れるものの、彼の期待したほどの反応は返ってこなかった。
ゼインは静かに腕を組み、鋭い目で一人ひとりの表情を見つめていた。
誰もが何かを隠しているようで、その目は決して見逃さない。
テオがその視線に気づき、少しだけ声を落とした。
「みんな、何かあったのか?話したいことがあったら、いつでも言ってほしいんだ」
しかし、その言葉にも答えはなく、重たい沈黙が広がった。
広場の風がそっと吹き抜け、木々の葉が揺れる。けれど、誰もその自然の音に耳を傾けなかった。
みんなが静かに座っている中、カイだけが落ち着かない様子で辺りを見回していた。
何度もポケットの中の小さな端末に手を伸ばし、誰にも気づかれないように画面を確認する。
彼の瞳は時折、仲間たちの顔を鋭く見つめるが、すぐにそらしてしまう。
「カイ、大丈夫か?」
テオが静かに声をかけるが、カイは軽く首を振るだけだった。
その手は震え、指先が端末の画面をなぞる動きもぎこちない。
まるで何かを隠そうとしているかのようだった。
リアムが気づき、そっと近づいてきて言った。
「無理しないで。みんな、君のこと信じてるよ」
だが、カイはぎこちなく笑い、言葉を濁した。
「うん、ただ……ちょっと気になることがあってな」
その言葉に、周囲の空気はますます重くなった。
誰もが何か秘密を抱えていると感じていたが、それを口に出す勇気はなかった。
カイの不自然な振る舞いが、みんなの心にさらなる影を落としていた。
広場の片端にはドライが静かにベンチに座っていた。
いつも通りの冷静な表情を保っているが、その瞳はどこか遠くを見ているようだった。
カイはそんなドライの横顔をちらりと見て、ゆっくりと近づいた。
「……ドライ」
ドライは顔を上げ、カイと視線が合う。
しかし、その目には言葉にならないものが漂っていた。
二人の間に、一瞬だけ重い沈黙が流れる。
「お前、最近何かあったのか?」カイが少しだけ声を落として尋ねる。
ドライはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと息を吐いた。
「別に。お前が勝手に気にしてるだけだと思うよ。」
その言葉は冷たくも聞こえたが、どこか脆さも感じさせた。
カイはその言葉の裏に隠れたものを見逃さず、さらに踏み込もうとした。
「俺たち、もう隠し事はやめようって決めたんじゃなかったか?」
ドライは視線をそらし、木の葉が風に揺れる音だけが静かに響いた。
「……そうだな」
短い返事の中に、かすかな共感と、そしてまだ言えない何かが隠れていた。
その微妙な間が、二人の間に張りつめた空気を少しだけ柔らげた。
けれど、その背後にはまだ、解けない影が潜んでいることを二人は知っていた。
おつはる〜!ちょっと変なところで切っちゃった☆ ごめんね。 スクロールお疲れ様!2351文字
織りなす魔法。 4話
こん〜! ファンレター1個につき1話投稿中 ぜひよろしく
木陰の中。
ゼインは、他の誰とも距離を置いたまま、静かにカイの背中を見つめていた。
言葉はない。
表情も変わらない。
だが、その瞳だけが、確かに何かを探るように揺れている。
(……あの時と、同じ匂いだ)
ゼインは思い出す。
まだ“裏切り者”と呼ばれる以前――
仲間の輪の中にいて、冗談を言い、笑い合っていた頃。
それでも、自分だけが見えなくなっていた。
「信じる」という感情が、怖くて仕方なかった。
カイの今の姿は、その時の自分とよく似ている。
必死で誰かを守ろうとして、結果的に誰からも心を閉ざされていった――
そんな過去をなぞるような、静かな孤独。
(……あいつ、どこまで踏み込んでる?)
ゼインはゆっくりと手を握る。
あの頃、止めてくれる誰かがいたら。
自分も、もっと違う道を選べたのかもしれない。
だからこそ――
カイが同じ道を進んでいるように思えて、怖かった。
(もし、本当に……あいつが何かを隠してるなら)
その時は――もう、傍観者ではいられない。
◆ 小さな亀裂の兆し
夕暮れの光が広場の片隅をオレンジに染める頃。
6人は、いつも通りの顔ぶれで集まっていた。
けれど、確かに――いつもとは“違う空気”が流れていた。
テオが明るく話題を振る。
「ねぇ、リアン!この前の焼き肉の話、またしてよ!」
リアンはいつものように腕を組みながら、ニヤッと笑って言った。
「しょうがねえな〜、あの時な、肉がさ、もうとろけるようでよぉ〜」
けれど、笑い声は一瞬だけ。
テオも、いつものようにノってくれない。
リアムは笑ってはいるが、目がどこかうつろだった。
ドライは無言のまま、草の上に座って空を見ている。
その背中が、妙に遠く感じた。
ゼインは木の陰で、誰よりも静かに周囲を見つめていた。
その視線は警戒心に満ち、全員の表情をひとつひとつ拾っている。
そしてカイ。
彼は、さりげない仕草で周囲を見ていたが、ほんのわずかに“浮いて”いた。
テオが冗談を言っても反応は薄く、リアムの提案にもすぐに同意しない。
視線は、仲間たちではなく、自分の足元やスマホの画面を何度も確認していた。
その些細な違和感が、誰の胸にも「言葉にできない不安」として残る。
(なんだろう、この感じ……)
誰も言わなかった。
でも、確かに感じていた。
小さな、けれど確かな“ひび割れ”が、チームの中心に生まれ始めていた。
夜。
部屋の灯りはすでに落ち、窓の外からは虫の声だけが静かに響いていた。
カイはベッドに腰を下ろし、スマホの画面を見つめている。
部屋は静かすぎるほど静かで、スマホの微かな振動音だけが、現実と彼をつないでいた。
画面には、メンバーのログ、行動記録、魔力の変動、装備の使用履歴。
日々のデータが整然と並び、まるで“チームの心拍”を映すようだった。
けれど、そこに――見慣れない通知がひとつ。
《匿名メッセージ:1件》
カイは指先でそっと開く。
そこに書かれていたのは、ただ一行。
「真実は、まだ隠されている。」
目が止まる。
しばらくの間、呼吸すらできなかった。
誰だ? なんのつもりだ?
どうして――俺の端末に?
頭の中がざわつく。
もしこれが、誰かの仕掛けた“罠”なら。
それとも、本当に……?
カイはスマホをそっと伏せた。
何も見えない天井をじっと見つめ、静かに息を吐く。
「……どうすればよかったんだろうな、俺……」
言葉にしても、答えは返ってこない。
ただ、夜の静寂がすべてを呑み込んでいった。
そして画面の通知は、消えることなくそこに残っていた。
《真実は、まだ隠されている。》
まるで、それこそが――
この物語の“始まり”であるかのように。
あんま長くないけど おつはる〜
織りなす魔法。5話
こん〜! どもHaruです☆ ファンレターありがとぉぉぉぉ 頑張って書きます!
あと謝らなきゃいけないことがあって、4話の最後ほぼ関係ないかもです..... なんか気分で書きたかったの!😭 ごめん☆ 🥺ゲーム怖い。
それで熱出ました☆ 38。 ヤバ☆ それで書き方変わりました! ごめんなさい。 心の声とかがリニューアルしたよ
ファンレター1個につき1話投稿中! あとぜひ欠けた輪っていう 小説も見てほしいな!(自信作)
あと『』は心の声です
夕陽が空を赤く染める。激しい戦いの終わり、地面には焦げ跡と倒れた木々が散らばり、風が乾いた葉を揺らしていた。リアンは手のひらに残る熱を感じながら、膝をついて火の玉を握り締め、
『……やっぱり使いすぎたか。体が痛い、熱すぎてつぶれそうだ。爆発の炎は強い。でも、次はもう使えないかもしれない…』
その背後から静かに歩み寄る足音。ドライ・グレイだった。彼の瞳は冷たく、しかしどこか優しさも滲んでいる。
「リアン、無理をしてはダメだ。君が倒れれば、このチームの火は消えてしまう。」
リアンは振り返り、少し苛立った様子で答えた。
「無理じゃない。俺はこれでみんなを守ってるんだ。お前の氷みたいに冷静にしてられたら楽だろな。」
ドライは口元を引き締め、言葉を選びながら言う。
「冷静であることは、力を正しく使うための条件だ。君の爆発的な炎は、使うたびに身体を蝕んでいる。それは仲間への負担でもある。」
リアンの目が一瞬険しく光った。
「負担だって? 俺は誰よりも前に出て戦ってるんだ。お前だって無理してるじゃないか。村を守れなかった過去を背負って。」
ドライは目を伏せて、小さく息を吐いた。
「……そうだ、過去は変えられない。だが、同じ過ちを繰り返してはいけないだろう?」
そのとき、テオが元気よく割って入った。
「まあまあ、二人とも!言い合いはやめよう。今は仲間が必要な時だろ?」
だが、リアンとドライの間にはまだ冷たい空気が漂っている。そんな二人の様子を、影の中からゼインが冷静に観察していた。彼の真っ黒な瞳は何も語らず、ただ静かに闇を操る指を動かしていた。
リアムは少し離れて、地面に落ちた小さな花を拾い上げる。
「みんな、疲れてるんだよ。心も体も。こんな時こそ、自然の力を借りて落ち着こう。」
カイは無言で拳を握りしめ、焦った表情で二人の様子を見つめていた。彼もまた、かつて仲間を失った過去が胸を締めつけていた。
リアンはふっと息を吐き、火を消す。
「……悪い。言い過ぎた。俺も、限界が近いのは分かってる。でも、みんなを守るためには、俺が前に出るしかないんだ。」
ドライはゆっくりと頷いた。
「分かっている。だが、ひとりで背負いすぎるな。僕たちはチームなんだから。」
テオは二人の間に入り、笑顔を浮かべた。
「そうさ。俺たちは仲間だ。時にはぶつかることもあるけど、信じ合わなきゃ意味がない。」
ゼインは無言のまま、冷たい視線をリアンに向けた。
その目はなにかを伝えようをしている目でもあり、心配も混じったゼインらしくない視線だった。
リアムは花を見つめながら、小さな声で言った。
「みんな、少し休もう。自然の力で、傷も心も癒せるはずだ。」
カイもようやく口を開いた。
「…俺たちは、また立ち上がらなきゃならない。失敗しても、やり直すしかないんだ。」
夕陽が沈み、闇が戦場を包み始める中、チームの絆はまだ揺らいでいる。しかし、それでも確かな「何か」が彼らを繋げているのだった。
おつはる〜!