星のおくりびと

編集者:るるる
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目次

    姿も見えぬ星

    ____アハハハッ… フフ… キャ…キャ… 小さな子供の遊び声が聞こえる。 「シュテル!」 幼い誰かに呼ばれた気がして、目を開けると、そこは孤児院の庭だった。 「何ぼーっとしてんだよ!」 「遊ぼう!」 うん、と返事はできなくても、俺は直ぐに立ち上がった。 広くも狭くもない、高い塀に囲まれた、芝生が黄色く輝くほど、暖かな光のみが差し込む、懐かしい孤児院の庭。 何度四角い空を見上げては、早く外に出たいなんて思ったか。 だけど結局は、居場所はここだけとわかって、ミルクとパンを食べて眠って。 「シュテルが鬼!」 「シュテウからにげろー!」 俺は何故か、なかなか動けなかった。 どうしてか、動いてしまってはいけない様な気がして。 「どうしてうごかないの」 と言う声は、聞こえそうで、聞こえなかった。 あぁ、やっぱり。 これは夢だ。

    おたずね者の星

    はぁっ、はぁっ、 逃げなきゃ あいつが あいつがくる 空を見上げれば、俺を目掛けて火の玉が獲物を狙うタカの様に飛んでくる。 地面につけば、一瞬で炎が柱となり、地面へ燃え広がってゆく。 足が痛い 広がった炎のゆらめきの間から、鋭い眼をした巨大な何かが迫ってきているのが一瞬見えた。 待って。と言おうにも、言葉なぞ通じるわけはないと、俺はわからなかった。 あっ ドサッ 焼けただれてしまったのだろうか。 足が動かない。 逃げろ、と唱えても、動かない。 置物のように しゅぅううううう… 音が聞こえる。 あいつが見える。 金色の目をし、鋭い牙を持った、闇夜の様に暗い毛色。 触れるだけで切り裂かれそうな爪、大きな耳。 俺の前に、巨大な口内が迫り来る。 あぁ ろくな人生じゃなかったなぁ せめて 親の顔くらい 見ておきたかったなぁ…