ぼクがシんだノ何回メ?¿
3回?5回?10回メ¿?
残念、どれもフ正解。
今夜は返してあゲないヨ。
正カイするまでずっと続ク。
『ぼクがシんだノ何回メ?¿』
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目次
『いチ』森の洋館にて。
不思議な雰囲気を纏った森の奥深く、沢山の広葉樹に囲まれた洋館の中、エントランスホールに、少年が横たわっていた。
赤いカーペットの上、死人のように真っ白な肌。
埃まみれの洋館に、ただ1人。
彼を見つめる者は、ヒトでないものばかり。
そんな洋館の中に、不気味な、声ともなんとも言えない音が響く。
『ぼクがシんだノ何回メ?¿』
ヒトの心を忘れたモノ達が、一気に洋館の外へ追いやられる。
少年がパチリ、と目を開いた。
少年の瞳に映ったものはただ1つ。
爛れた肌に、何処を見ているか分からない、今にも取れそうな血走った眼球。口が裂けるほどにつり上がった口角。
服は真っ黒で、頭からはヘドロのようなモノが垂れている。
これほど、バケモノという言葉が当てはまる存在を、見たことがあるだろうか。
恐怖のあまり、言葉を失う。
これからどうなる?殺される?質問はなんだった?覚えていない。覚えていない!!答えられなかったらどうなる?適当に答えたらどうなる??
少年の心に現れた質問の数々に、答えてくれるモノなどいない。
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▶ 少年は、気を失った !
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『に』古いお城にて。
薔薇と鋭いトゲの生えたツルに覆われた光の入らない古いお城にて。
ある少女が、お城の奥の奥。
まるで王女様が住んでいたかのような豪華な薔薇が彫られた壁に、埃は被っているもののふわふわ漂う『ナニカ』によってきらきらと淡く輝くシャンデリア。
女の子が夢見る素敵なお部屋とは、このことなのではないかというほど、幻想的な空間。
そんなお部屋のベットの上。
少女は、色褪せた桃色の布団の上に横たわっていた。
シャンデリアに灯る『ナニカ』達が、少女の周りに集まってくる。
そんな『ナニカ』達を牽制するかのように、声のような摩訶不思議な音が響く。
「あタシがシんだノ何回メ?¿」
『ナニカ』は隠れるかのように、シャンデリアの中に飛び込んだ。
少女はパチリ、とその瞳を開いた。
目に入ったのは、まるで人形のようなモノだった。
まるで目のような、取れかけたチェック柄の大きなボタン。
ツギハギが沢山ある、薄汚れた色とりどりのワンピース。
片方だけたれたウサギのような大きな耳。
まるで捨てられた人形のよう。
少女は声を出そうとしたが、喉が焼けるような激痛がし、声が出せなくなってしまった。
さらには、人形のようなモノを見ているうちに、ぐるぐると目が回ってきた。
身体は重く、起き上がることすら出来ない。
そのうち、だんだんと睡魔に襲われていった。
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▶ 少女は、眠りについた !
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