閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
激弱勇者の魔王討伐日記
新シリーズ
僕・・・マルは友達と公園に遊びに来ていた。
友達というのは、幼馴染で喧嘩が得意なルイと、代々続く魔法使いの血統の娘・ネナ。
そしてクソ平凡な僕というメンツだ。
「公園に来たは良いものの・・・暇だな」「ゲームの一つくらい持ってくればよかったわね・・・」「そうだね・・・」ちなみに僕達は今、暇を持て余していた。
「・・・そうだ、なーなー、勇者の剣抜いてみねぇ?」「「賛成」」
勇者の剣というのは、公園の真ん中に突き刺さっている古い剣のことだ。
なんでも先代の勇者が魔王を一度倒したあと、此処に突き刺したらしい。
もともと此処は空き地だったが、30年ほど前に工事があってこの公園になった。
「えー、でもさ、この剣が抜けたら勇者ってことでしょ?魔王倒しに行くんでしょ?大丈夫かな・・・」とネナがつぶやく。「大丈夫だって!俺達が勇者なわけn」「ねー、抜けたんだけど」「「What?」」
友達二人が話している間に、剣は僕の手によって引っこ抜かれてしまった。
「うん。どうやって抜けたのか説明してもらおうか、マル?」ルイが僕の肩をしっかり掴む。痛い。顔も笑っているけど目は笑ってない。怖いよ。「あー・・・抜こ、と思って持ち上げたら抜けた」「どうやったらそんな簡単に抜けるの?・・・てか、魔王倒しに行かないとじゃない?それだと」「「あっ」」
ネナの言葉に、僕は硬直した。
「というわけで村長、こいつが勇者の剣を抜きました」「離せ!離せよぉぉぉぉ!」
僕は二人に引きずられて、村長の居る家に連れて行かれた。
「ほう・・・じゃ、マル、近くの酒場で仲間を見繕って魔王討伐に出てくれ」「嫌でs」「断るか?(圧)」
「いいえ何でもありません行ってきます」
こうして僕は村長の圧に耐えかねて、魔王討伐に行くことになりました・・・
「じゃぁ、行ってくるわ・・・」「「行ってら」」「お前ら軽くない?僕死ぬかもしれないんだよ?」
「大丈夫お前は死なない」「そうよ!頑張ってね!マル!」「お前らはどこからその自信が出てくるんだよ・・・」
「・・・ほら、学校のレースで最下位だったやつでも魔王は倒せるって!」「・・・そうよ、たとえマルの握力が12だったとしても勝てるわ!」「勝てねぇよぉぉぉ!」
「てかお前、もう行ってこいよ。隣町の酒場まで行かないといけないんだろ?電車もうすぐじゃねぇか?」「うわっ、マジだ!?・・・じゃぁ行ってくる・・・」「頑張れよ」「応援してるからね!」
こうして僕は走って電車に乗り込んだ。
頑張りましたァァァ
続きをお楽しみに!できればファンレターも送ってくれると励みになります!
激弱勇者の魔王討伐日記 2話
電車に乗り込んだマル。
ちょっとハリ◯タ風味っぽい・・・
「はぁ、はぁ・・・間に合ってよかった・・・」
僕はすんでの所で電車に駆け込んだ。
僕が乗ってるのは、それぞれの座席・・・が個室になってる、ハリ◯タみたいなやつだ。
僕が住んでいた村はド田舎だったので、都会の方に行く電車は2日に一本程しかない。
開いていた席に座る。
流れていく景色が綺麗だ。住んでいた村がどんどん遠くに行き、緑と水平線と少しの住宅が見える。
「ええと・・・かなり遠くまで行かないといけないんだよな・・・それよりお腹すいたな」
僕は大きなカバンを探る。着替えと村で集めてくれたお金、そして・・・
「ネナが作ってくれた弁当!もう昼だし食べようかな・・・」晩ご飯はどこかのお店でどうにかしよう。
ぱかり、と弁当を開けると、美味しそうな白米が顔をのぞかせた。
唐揚げとポテサラも入っている。野菜を入れてくれるあたり、ネナの優しさが見えた。
「いただきます」手を合わせて、口に運ぶ。
「・・・う、うまっ・・・!」流石ネナ。ネナは料理上手だったので街の女子たちの鏡とまで言われていた。
たまーに学校で弁当をつまませてもらったことはあるが・・・一人で食べるとその旨さに圧倒される。
きれいな景色とうまい弁当。
「これが魔王討伐のために乗ってる電車じゃなければな・・・」
と自分で言って苦笑する。
その後、弁当を食べ終わった頃にとある駅についた。
「ここは・・・まだまだ通過点の駅だな」
ゆっくりしていると、個室の扉を軽く叩かれる。
「はーい」と返事をすると、金髪を細めのツインテールにした、幼く見える少女が顔を出した。
服からして・・・魔法使いのところの家だろうか。
「すみません・・・ここ、相席してもいいですか?」「あ、大丈夫ですよ」
僕は急いで荷物を寄せる。少女は「ありがとうございます」と言って、席に座った。
「あの・・・」しばらくして、少女が口を開く。「その剣って・・・勇者の剣、ですよね?」「あ、はい・・・地元に刺さっていたのがなんでか僕の力で抜けてしまって・・・今から都会のところの酒場に行って、仲間を探すつもりなんです」「そうなんですか・・・あの!」少女が意を決したように僕の顔を見つめる。
「魔王退治、連れて行ってください!私も魔王を倒したいんです!」「え、いいの・・・?じゃぁいいけど・・・君はどんな事ができる?」なんだこの面接みたいなの。
「私は見ての通り魔法が使えます!だいたいのやつは使えて・・・上級魔法も少し!」「上級魔法使えるんだ!?」「なんてったって、A街のシャンティ家の一人娘は私ですから!」「まじか!」
A街のシャンティ家と言ったら、ネナと同じような、魔法使いの名門の家だ。
その家だったら上級魔法も使えるよう特訓されているし、何より戦力になる!
「じゃぁ、一緒について来てもいいですよ!あ、僕の名前はマルです」「ありがとうございます!私はカルテ、カルテ・シャンティです!」
酒場に行くよりも先に仲間を一人ゲットできてよかった・・・
「そういえば、マルさんは何か剣以外の攻撃はありますか?」「あ」
すっっっっっかり忘れてた・・・!
僕全く剣道とかしたことないんだけど・・・!?
1311文字イイイ
頑張ったよ・・・
ファンレターもよろしくおねがいします!
激弱勇者の魔王討伐日記 3話
まっっっっっったく戦うすべを持ってなかったマル!どうすんの!?
「えっ・・・全く何もご存知ないと?」カルテが目を丸くする。「お恥ずかしながら・・・ずっと魔物も来ないレベルの平和すぎる村にいましたからね・・・」「じゃ、じゃぁ!」カルテが僕の手を握る。
「私がマルさんに魔法、教えて差し上げます!」
こうして、カルテによるミニ魔法修行が始まった。
「マルさんは剣がありますし・・・先に防御魔法をお教えしますね」「あ、はい」
「マルさんの性格的に・・・防御と言ってもバリア系が得意そうですね・・・」「そうなんですか?」「はい!」
カルテの話によると、魔法というものは、感情や性格に深い関係を持つらしい。
気持ちが高ぶっていれば、魔法の威力も強くなる。
「と言っても、まだ少ししか話してないじゃないですか・・・」「あ、私・・・というか私は家系の中でもダントツで魔法のセンスがあるそうで・・・」「えっ、すごいじゃん!」「えへ、そうですかね・・・って、本題に戻るんですけど・・・練習してできるようになった魔術で、相手の得意な魔法がわかる、っていうのがあるんです。失礼ですけど、教えるってなったときに実は使ってみてて・・・」「それで、防御系が得意っぽかったと・・・」「はい、でも、剣も使えて防御もできるってなったらかなり強いですよ!」「そ、そうなんだ・・・」「では早速教えて行きますね!」
「というか今思ったんだけど・・・僕ずっと一般人だったんだけど・・・魔法って誰でも使えるものなの?」「はい!」
カルテによると、魔法は実質、誰でも使えるらしい。
僕達一般人が魔法を使えない理由は、使おうと思ってないからと、魔法の出し方をわかってないかららしい。
「じゃぁ教えますね・・・魔法を使おうと思うときは・・・」ゴクリ、と生唾を飲み込む。
「だいたい気合で行きます!」
「・・・ハ?」「使うぞー、と思ったらだいたい使えますよ〜。まぁ、使う魔法のイメージが湧いてないと駄目ですけど・・・そうだ」カルテがほっ、と軽く力むと、彼女の指先にマッチくらいの小さい炎がポッ、とついた。
「こんな感じで、指先にマッチくらいの炎を出すイメージをしてみてください!」「こ、こうかな・・・」自分にできるのかな・・・まぁとりあえず・・・魔法使うぞー!えっと、指先に小さい火・・・
ボッ🔥
・・・とはならず。
「う、うーん・・・ッ」「ま、まぁ普通そうらしいですよ!私と一緒に練習してやれるようになりましょ!」
「らしい」ってことは、カルテは1発で成功させたのか・・・
「この基礎魔法が使えるようになったら、だいたいの魔法は使えるようになりますから!」
こうして、僕とカルテは指先マッチの練習を続けることにした。
1112文字〜
ファンレターくれ(渇望)
激弱勇者の魔王討伐日記 4話
電車の中で火の練習してるけど・・・こいつら大丈夫なのかな(((((((
30分後
ボッ🔥
「はぁ、はぁ、で、出来たっ・・・!!」「すごいですマルさん・・・!よく頑張りましたね!!」
カルテに教えてもらいながら、僕はやっと、指先に小さな炎を出すことが出来た。
「それにしても・・・めっっちゃ疲れた・・・」「やっぱりそうですよね・・・マルさんみたいな一般人が魔法をいきなり使おうとするとそうなるんですよね・・・でも!これで大体の魔法は使えるようになったと思いますよ!まだまだ低級と中級をちょっとぐらいだと思いますけど・・・」
「低級と中級で自分と人を守れるのか・・・?」「うっ・・・ま、まあ、そうかも知れませんけど・・・とりあえず、やってたらどんどん上達してきますから!」
とにかくバリアの練習をしましょう、と彼女は僕に語りかけてきた。
「要領はさっきと同じで、バリアを出すぞ〜って思いながらやると出来ますよ。あ、硬度とか大きさ・形をイメージしながらやるとやりやすいと思います!試しに私に向かってバリアを張ってみてください!」
さっきと同じ、か・・・難しいな・・・。僕は手をカルテの方へ向けた。えーと、硬度は硬いほうが良いよな。形はまぁ、丸くするとして・・・
ぼんっ
「ん・・・なんか、出来ましたか?」「ちょっと待ってください!」カルテが僕の空中にかざした手――の、その前にある空中に触れる。
「で、出来てます・・・」「へ?」「かなりちっちゃいですけど・・・バリア、作れてますよ!!」「えッ!?」「ちょっと失礼しますね!」と言って、カルテは再び指先にミニ炎を作り出し、僕の手に向かってそれを投げる。
炎は僕の手に触れることなく、その直前の空間にぶつかって、霧散した。
「す、すごい・・・!」「まだまだですけど凄いです!やっぱり炎の基礎をやっとけば大体の魔法は出来るようになるんですよ!」
カルテが指先に今度は小さな光を出して、空間に当てる。すると、僕の手の直前に、両手のひらを覆うくらいの、コンタクトレンズのような形をしたバリアがあるのが確認できた。
「頑張ればもっと大きくて強度があるものも作れますよ!例えば・・・」バリア、とカルテが小さくつぶやく。「少し、私を照らしてみてください」「う、うん」さっきのカルテのように指先に光を出すのはまだ教えてもらってないので、バッグから懐中電灯を取り出してカルテを照らす。
すると彼女の体は、大きい球体状のバリアに覆われていた。
「すっげー・・・」「でしょう?マルさんもいずれはこんなのを創れるようになるんですよ!」
それは嬉しい。
「というわけで・・・しばらくバリアの練習でもしましょうか!」「うん!」
僕はやっと、バリアが張れるようになり、酒場に近い駅につくまでバリアの練習をすることにした。
1140文字ぴったりだった〜
ファンレターよろぴく
激弱勇者の魔王討伐日記 5話
やっと街だよん
少し大きめのバリアも張れるようになった頃。
「カルテ、次の駅で降りるから、そろそろ準備したほうがいいよ」「あ、はい!」
『次は〇〇駅、〇〇駅』
アナウンスが鳴る頃、僕達は個室から出て都会に足を踏み入れた。
「ここが都会・・・アーバンシティ・・・」
都会の中でも最も都会的とされる街・アーバンシティ。
シティとか付いてるあたり、凄いおしゃれな街だ。完全な都会。
(※東京とかを思い浮かべてください←作者は田舎者)
「地図から見て・・・酒場はあっちですね」カルテが街のパンフレットを片手に右手を指差す。
「じゃぁ行こうか・・・」「はい!」僕達は地図を頼りに、酒場のもとに向かった。
「ここか・・・」結構でかい。
ここは酒場と一緒にホテルも経営しているらしいので、今日は泊まるつもりで来た。が、予想以上に大きい。
「すみません」と、とりあえず僕は酒場のおじさんに声をかけてきた。「魔王討伐のための仲間を探してるんですけど・・・」「ああ、悪いな坊っちゃん・・・」おじさんが申し訳無さそうに頭をかく。
「最近そんなやつが多くてよ・・・有能なやつは全部他のやつに持ってかれちまったぜ・・・」
「え?」えええええええええええええええええええっっっっっっっっっっ!?
そんなの終わりだ・・・「あ、でも、一応まだ仲間候補はいるから探してみると良いぜ!」「あ、はい、ありがとうおじさん」
僕達はおじさんにお礼を言って、仲間を探し始めた。
「あの」「「ん?」」僕の袖が引っ張られる。
そこには僕達と同い年ぐらいの少女がいた。「どうしたんですか?」「あの、あなた達、勇者様、ですよね・・・?」「まぁ、そうですね」不本意になっちゃったけど。
「ヒーラー、です、パーティーに、加えてくれませんか・・・?」とぎれとぎれの言葉で話す少女。「ヒーラー、ですか」
ヒーラーとは、まぁ回復術やアイテムをいっぱい持ってる人のことだ。
まぁカルテも魔法使いだから回復魔法ぐらいは使えるだろうけど、きっと銭闘の方に回すことになると思うから、採用しておいて損はない。
「いいですよ!」「え、いいんですか、やった」とぎれとぎれの言葉の端々と、表情から嬉しさがにじみ出ている。「あ、お名前を教えていただいても?」「あ、私は、リンと言います、よろしくおねがいします」「リンさんね、よろしく!僕はマル。こっちは魔法使いのカルテ。」「ん、カルテ・・・?」リンがカルテの顔をまじまじと見て、やがて気づく。「カルテ・・・?久しぶり、覚えてる・・・?」「まさか、リンちゃん!?久しぶりだねっ・・・元気してた!?」「私は、元気だよ・・・カルテも、元気そうで、良かった」
ほぇ?
さぁ新事実が発覚しましたね〜
今回の文字数は1113文字!
ファンレターと応援よろしく!
激弱勇者の魔王討伐日記 6話
「私達、幼馴染なんです」背の低いリンはカルテの影に隠れながら、僕をじっと見ている。「子供の頃、家が近かったんです・・・リンの家もまぁまぁな名家だったので、交流もよくありました。リンは子供の頃に引っ越して行っちゃったけど、まさかここで会えるとは・・・ねぇリン、どうしてリンは魔王討伐に?」確かにこんな細くてか弱い少女が一人で旅に出るのは不似合いと言っていい。・・・カルテも細いからそんな人を殺せる視線で僕を見ないでください。僕が悪かった。というかあなたは読心魔法でも使ったのか。
「私・・・家宝を、魔王に取られたんです・・・」「「ええ!?」」僕とカルテの声が重なる。「リンのところの家宝って、確か万能薬だよね?代々継ぎ足しされてるあれ・・・」「万能薬?」「はい、どんな傷にも効くし、水に溶かして飲めばどんな病気も治るんです。でもどうして家宝が盗まれたの?」
「お母様が・・・重い、借金を抱えていて。借金を返済できるお金と、万能薬が対価だったと・・・」「そうだったのね・・・」「おかげで、借金はなくなりました。私は、家宝を取り返してくるよう、お父様に言われたので・・・ついでに村の人が奪われた薬も・・・」
「なるほど。・・・じゃぁついてきていいよ!」おいでよ、と僕が差し出した手を、リンは掴んだ。
「あと足りない役職は?」「たくさんいれば居るほどいいと思うけど・・・荷物とか考えると最小限の人数がいいよね。だとしたら剣士とか、火力系がほしいかな、カルテも居るけど、もう一人くらいほしいなと」「・・・ぃ」「別の酒場を探しましょう。もう誰もいなさそうですし・・・」「・・・ぉぃ」「そう・・・だね」「おい!!聞こえないのか!!」「「「え?」」」「今の声、どこから・・・」「あ・・・!」リンが床を指差す。
足元に、弓を背負った狐がいた。
「もしかして、獣人・・・」「そうだ」ふふん、と狐が鼻を鳴らす。「俺は弓兵だ、連れて行かないか」「弓兵か・・・どうして魔王討伐に行きたいんだ?」「そこのヒーラーのお前!万能薬と言ったな?」「え、はい・・・」急に話しかけられて、リンがたじろぐ。「俺は元々森の医者だ!流行り病を治すための薬が必要だ。金はいいから万能薬を一瓶分、対価にパーティーに入れろ!」「・・・そうか。いいよ」「マルさん、良いんですか!?」「うん。森に住んでいる獣人なら色々食べられるものに詳しいし、火力がもう一つ、サブウェポンで欲しかったんだ・・・」
もう一つ言えない理由は、流石に男が欲しかった!!女子ばっかりだと肩身が狭い!
「本当か!?やったぞ・・・!俺は狐の獣人のフウマ、よろしくな」「よろしく、フウマ」
1106文字!
ファンレターありがとうございました!
次は魔王視点の話でもしましょうかね・・・