皆さんからキャラクター案を頂きそのキャラ達を登場させた小説です。
キャラの外見設定は追加させて頂きました。
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目次
聖女じゃないと捨てられたので気ままに生きると決めました!〜でも、なんで毎回面倒ごとに巻き込まれるの……!?〜
頑張って書いていきます!よろしくお願いします!
私はその時寝ていた。
それはもう爆睡していて、いい夢を見てて。
「うへぇ……ふぅ、推し……尊い……ま、さかチケットあたる……なんて……」
……そんな寝言も言って。
だから。寝てたから気づかなかったのだ。
……異世界召喚の魔法陣が私の体の下に浮かんでいたことに。
「……この人が、聖女様?」
誰かの声が聞こえる。
「嘘だろ……なんてだらしない」
……失礼、な…………。
「おい……起きろ。聖女として恥ずかしくないのか」
ガクガクと揺らされ、やっと私は起き上がる。
「……ん〜……?どこここ……布団ない……寒い!!まだ真冬よ布団脱がすとか何考えてるの?!」
「ヒェッ?!な、なんの話!?」
「……ってあなた誰?」
ようやく我に帰る。
何ここ。そしてこの人達は誰?
……誘拐されたのかな?
いやそれにしても豪華な部屋ね。広い。私もこんな豪邸に住みたい。
……いかんいかん現実逃避が捗った。
「……状況を説明して」
そこにいた人達に説明を求める。
「……とりあえず、お着替えをさせて頂いてもよろしいですか?」
「え?」
……そういえば私、パジャマのままだった。
用意された服に着替え終わった。
「……この服、すごい色々ついてるんだけれど……高そう……」
装飾品の多さにビビる。
万が一汚したりしたら……怖い!!!!考えるのやめようっ……。
「着替え終わりました」
とそこにいた人に言うと、
「それでは詳しい説明を致します」と説明を始めてくれた。
説明によればどうやらこの世界は私の暮らしていた場所とは違う世界の様だ。
異世界召喚かぁ。漫画でよくあるやつ。
この世界には魔物がいて魔物を浄化するのが聖女。
魔物は手強いやつばかりで騎士でも倒すのキツいけどそれを一瞬で倒すのが聖女だ。
ごく稀に魔物を従えるテイマーとかいるらしいけど。
で、聖女は魔物を浄化する役割を持つが、浄化していくうちに聖女の力は薄れていくらしい。
聖女の力がないと魔物は増え続ける一方だから困ってて、『そうだ!別の世界から召喚しよう!』ってなったらしい。
……なんで別の国から召喚しよう!って発想になるかな?召喚した人間が聖女とは限らなくない?
って聞いたら「それは国の秘密ですので」と言われた。
「……で、私に聖女になれと?」
「はい。そうですね、そうじゃないと召喚した意味がないですから」
「……でも聖女の力ってどうやって使うの?」
「ああ、それは、こう、手を組んで『魔物よ消えろ』って考えたら光が舞ってぱぁぁあ〜って……」
「……へぇ?」
わからない。
「とりあえず、貴方には聖女の座について頂きます」
「え、直ぐ?!」
「はい」
「ええぇ……心の準備とか、させてくんないのね?」
「……急がないと国が滅亡します。魔物の数は既に2000を超えています。今は前の聖女様が残った力で頑張ってくれてはいますが」
「……ふぅん」
「では、外に出て力を使いましょう。大丈夫、すぐに感覚をつかめます」
私はそう促されて外へ出た。
「……『魔物よ、消えろ』」
ぱぁあああぁ…………。
「光った!成功か?」
「……いや」
「これ、光が舞っただけ……では?」
「ああ、そういえば急ぎすぎて鑑定して聖女か確かめてもらうのを忘れていた。鑑定士を呼べ」
……え、急ぎすぎてそんな大切なこと忘れてたの?
そんな、なんか……大丈夫?
「鑑定士をお呼びしました!」
「どうも、では、《鑑定》」
私の心臓の辺りが青く光る。
「……鑑定結果」
ごくん、と周りの人たちが唾を飲んだ。
「この人の能力は……『いつでもどこでも光を灯し明るくできる』力……でした」
…………なにそれ?
あ、でも地味に嬉しいかも。
夜ゴミ捨て行く時とか……便利ね。
「……この人、聖女じゃないですね……」
「……………ですね」
私がしょうもないこと考えてるうちに周囲から絶望の目を向けられはじめている気がする。
私に訴えられても…………貴方達が勝手に読んだんでしょう?
「聖女じゃない、なら捨てますか」
「ですね」
……………はい??
「では、捨てさせて頂きます『一般人様』」
「……は、ちょっと待って……ッ?」
「では」
抵抗する私の体の下に魔法陣が浮かんだ。
「何、をッ……!」
魔法陣が光る。
……それを1人だけ、呆然と見つめている人がいた。
それは、黒髪のー…………。
いかにも『俺様』って言いそうな外見(偏見)の、イケメンだった。
気づくと私は平原にいた。
「どこよここ!!!」
異世界召喚0日目。
……捨てられた。
はい。いかがでしたでしょうか。
主人公はだいふくさんから提案頂いた「ヒリ」です。上手く書けているかわかりませんが…、楽しく描きました。最後登場(?)したのはユムくんさんから提案頂いた第一王子です。これからもっと登場させる予定です、よろしくお願いします!
第二話 イケメンに助けてもらいまして
2話目です!よろしくお願いします!
「はぁ……夜が明けちゃった」
|あの出来事《すてられて》から一日くらい経った。
あの人たち、私が聖女じゃないとわかったからって手のひらを返すの早すぎない!?
「食べ物もないし……やばいこれ生きていけるかな」
ここは本当に草しかない平原。一日生きていけただけでも奇跡かもしれない。
「どうしよう……」
このまま空腹で倒れたりとかしたら……誰もいない孤独で私は……。
考えるだけでゾワっとした。
これでもし私が……○んだら……殺人って言ってもいいレベルよね」
密室○人の平原版的な……。
いや平原だから密室ではないんだけどっ!!
「……それにしてもまじでお腹すいたんだけど」
昼ご飯を食べず昼寝して昼寝中に異世界召喚されたから昨日の朝以来まともな食べ物を食べていない。
「誰かー、助けて……」
とりあえず叫ぶ。
お腹が減っているからかあまり大きな声は出なかった。
「……うぅ、神様ァ」
情けない声を出した時──……。
「オイ」
後ろから不機嫌な声が聞こえた。
「オイ、お前」
振り返ると、そこにはこの平原に転移させられる直前に見た黒髪で俺様系(偏見)イケメンがいた。
なんでこんなところに?
この人は豪華な建物のところにいたはずだ。
「まさか、貴方もこの場所に強制ワープさせられたのですか?」
「アホか!」
デコピンされた。痛い。
「第一声がそれか?おかしいだろ。俺は転移魔法でここまで来てやっただけだ」
……わー、やっぱり俺様系だった。思わず目を細めた。
「おい。変な顔で見るのやめろ。……お前が飢え死にしてたら後味が悪いから俺が直々に来てやったんだぞ」
そう言うとイケメンは空中からバスケットを取り出して私に差し出してきた。
アイテムボックスってやつか……。初めて見た。そりゃそうか。元いた世界にはには魔法なんてなかったのだから。
私が物珍しそうに見てたらイケメンは「驚いたか?」と勝ち誇った顔で言ってくる。
「これは俺の国の名産物のパンだ。ありがたく食べろ」
へー、めいさんぶつかぁ……って、え?
「食べていいんですか?」
「あ“?そのために来てやったのに食べないとか言わないよな?」
圧。
「た、食べます。ありがたく」
そう言ってパンを口に入れる。
「……美味しい」
なんか、めっっちゃ久しぶりにまともな食べ物を食べた気がする。……昨日ぶりなはずなのに。
「ありがとうございます」
私はイケメンに向かって笑顔でお礼を言った。
「……俺が勝手にやった事だ。礼などいらん」
あ、照れ隠ししてる。
「ふふ」
「何笑ってんだ!」
そんなやりとりをして、私はパンを全部食べた。
「美味しかったぁ……」
「だろ?」
自慢げに言うイケメン。
「……でもこれからどうしようかなぁ」
そう。パンが美味しくて忘れていたけれど、私は今平原にいるのだ。
寝床もないし食べ物もない。
折角幸せな気持ちになったけど、一気に現実に引き戻されてしまった。
「それなら、俺が拾ってやろう」
……え?
「拾って……?」
「あぁ。拾う。これでも第一王子だ。人間の1人2人保護するのは簡単だ」
……ぇ、この人第一王子だったの?
「……保護していただけるのですか」
「あぁ。でも俺がお前を保護したのがバレたら捨てた奴らが文句ばかり言うだろうから、内密に保護しよう。ただある程度の自由は与えてやる」
まじで?
めっちゃ都合のいい話だけど……。
「ありがたく、お言葉に甘えさせて頂きます」
「おぅ、これからよろしく」
──異世界転移1日目。
イケメン王子に拾われた。
いかがでしたでしょうか?
今回は第一王子のレンが登場しました!
ユムくん様、素敵なキャラ案をありがとうございます!
よければ感想ファンレター等頂けると嬉しいです!
第三話 準備。
私はイケメン王子(名前はレンと言うらしい)と今、平原にて話し合いを行なっている。
話し合いの話題は今後どう過ごすか、だ。
「さっきも言った通り、お前が望むなら王宮で内密に匿いつつある程度自由な暮らしを設けてやる。
だがそれにはある程度の時間が必要になる。だから、お前は平原で待ってろ。で、準備が出来次第俺が迎えに来る。……というのでいいか?」
ご飯は毎日持ってくるし寝床もふかふかのやつを貸してやる、と付け加えるレンさん。
私的に、願ってもない申し出なので潔く受け入れる。
「もちろん、それで大丈夫です。……むしろなんでそこまでしてくださるのでしょうか?」
ふと気になった。こんな見ず知らずの私にここまで良くしてくれてる理由が。
「ん?……あぁ、お前は違う世界からここに召喚されてきただろ?だからもうお前も立派な国民だ。自分の国の奴を飢え死にさせたくないしな」
と頭を掻きながらぶっきらぼうに言うレンさん。
その言葉と態度に思わず笑う。
「ありがとうございます」
「……だから!礼はいらない!」
そう言うレンさんの耳は赤くなっていた。
「あ、そういえば」
続けて、私は思い出す。
「私は、ヒリと申します。名乗るのが遅くなってすみません」
忘れてたので咄嗟に挨拶する。
「ああ、気にするな。ヒリ。よろしく」
レンさんはそう言って微笑んだ。
約束通り、ご飯と寝床を持ってきてくれたレンさん。
「おぉ……あ、フカフカだ……パンも美味しそう」
すごく重そうでふっわふわな布団と、前食べたのとは違う種類のパンに目を輝かせる。
「だろ?パンは『美味しそう』なんじゃなくて『美味しい』んだよ」
鼻高くして自慢気に言うレンさんをちょっと可愛いなと思ってしまった。
「……で、最終確認だが。俺は一回王宮に戻って国王に話をつけてくる。国王ならお前を保護するのに賛成してくれるだろう……俺と考え方が似てるからな。そこは安心してもらって大丈夫だ。……で、ご飯は毎日持ってくる。王宮でヒリを迎え入れる準備が出来次第俺が迎えに来る。……でいいな?」
「はい。大丈夫です」
私は真剣な眼差しでレンさんを見据えて、「お願いしますね」と言った。
そんな私にレンさんは余裕の笑みで、
「ああ。任せろ」
と言って、転移魔法でワープした。
1人取り残されたけれど、不思議と孤独は感じなかった。
三話目です!読んでくださりありがとうございます!
次回で多分奴隷ちゃんが登場できると思いますので、よろしくお願いします!
もしよければ感想、参加(参加は自主企画までお願いします…!)お待ちしています。
第四話 奴隷を助けました
あれから4日。
レンさんは約束通り毎日パンを持ってきてくれている。
美味しいんだけど……、こうもパンばかり食べていると……米が恋しくなってきた。
果たして、この世界に米はあるのだろうか。なかったらどうしよう……自分で作れるかな?
そして何より、飢え死にこそしないもののぼーっとしている時間が多すぎて脳がボケてしまわないか少し心配である。ということで私は頭の中でずっと九九の歌を歌っている。
九九の歌をもう3回ほど心の中で歌っていた時、後ろからもう聞き慣れたレンさんの声が聞こえてきた。
「おい、今日も持ってきたぞ」
「!レンさん」
「今日はサービス付きだ」
そう言ってレンさんが差し出してきたバスケットの中には、なんとパンと、──お椀に入った米があった。
「えぁ!?米!?」
「あ?なんだ米を知ってるのか?」
「知ってるも何も、これ、私の世界の主食ですよ!」
つい興奮して熱く語ってしまう。
「そうなのか。じゃあ、丁度よかった」
そう言ってバスケットを差し出すレンさんはもはや神に見えた。
「すまないが、俺は明日はここに来れない。ちょっと忙しくてな……」
そう言って遠くを見つめるレンさん。
忘れてたけどこの人はこの国の第一王子だ。そりゃ忙しいだろう。なのに私に構ってくれてて、なんだか申し訳ない。
「パンも明日の分もバスケットに入れておいたから、計画的に食べろよ」
「あ、はい」
多分私が一番に手をつけるのは米だけど。
「じゃあ……また明後日」
「はい、また明後日、よろしくお願いします」
そんな言葉を交わすといつも通りレンさんは転移魔法でワープしていった。
「そろそろお昼時だし、ついに米に手を出しますか……!」
私はワクワクしながらお米に手を伸ばす。ありがたいことにお箸までいれてくれてた。
遠慮なくその箸を使わせてもらって、食事前の挨拶を言葉にしようとした時、
誰かの声が聞こえてきた。
「え……人?」
まずい。見つかってしまい「お前何者だ!成敗致す!」とか言われたらどうしよ……。そんなことを考えていると話し声が聞こえてきた。
可愛い女の子の声と、下卑た男の声。
「っまってください私、ちゃんと働きます!!だから!」
「捨てないで、と?そんな都合のいい話あるかよ」
声が聞こえると同時にバチン!と痛々しい音が響く。
私は思わず小さく悲鳴を漏らす。
「じゃあな。せいぜい足掻いて飢え死にしろ」
男がそう吐き捨てると、もう話し声は聞こえなくなった。
「男は、もうここを去ったのかな……?」
私は恐る恐る声の聞こえてきた方に近づく。
すると、そこにいたのは静かに泣く少女だった。
「……大丈夫?」
「……!?」
声をかけると少女は怯えながらこちらを振り向く。
その顔は涙で濡れていた。
「……誰、ですか」
「私は、ヒリ。……あなたは?」
「……私は、サツキ……です」
暫く沈黙する。
「……ヒリさんも……捨てられたんですか?」
……『も』ということはこの子もなのだろう。
この世界は平原に人を捨てる習慣でもあるのかな?もしそうだったら流石に許せないんだけど……。
「そう。私も捨てられたわ」
「……そうなんですか……」
そう言ってサツキちゃんはまた静かに泣き出す。
私はどうしたものかとオロオロしてしまう。……するとサツキちゃんのお腹がグゥ〜となった。
「……ぁ……」
恥ずかしそうに顔を赤らめるサツキちゃん。可愛い。
「……ふふ。ちょっと待ってて。パンを持ってくるから」
そう言って私はレンさんからいただいたパンのバスケットを持ってきた。
「どうぞ」
私がさぁ!と勧めるとサツキちゃんはよほどお腹がすいていたのか直ぐにパクリとかぶりついた。
「……美味しい」
……笑顔で泣くサツキちゃん。
その様子に私も少しだけ和む。
「……私、幼い時に両親を亡くして。その後、奴隷商人に拾われたんですけど……私、家事以外に取り柄もないし、食事料の無駄だってすてれられちゃいました。……5年以上私を匿ってくれてただけでも……有り難かったです」
そう言ってふにゃっと笑うサツキちゃん。
これは、完全に……強がりだ。
「……辛かったね」
そう言えば、サツキちゃんは小さく嗚咽を漏らした。
それにしても、この世界は治安悪すぎない……?
私は留めどころのない怒りをなんとか抑えて考える。
そして、私はサツキちゃんが自分のことを話してくれたのに自分だけ話さないのもどうかと思うし、「違う世界から来て捨てられた」ことを話す。本当は軽々とこう言うことを話しちゃダメなんだろうけど。
「そうなんですか……」
泣き止んだサツキちゃんは私の話をポカンとして聞いていた。
「とにかく、食料ならまだあるし、数日間一緒にここにいましょう」
明後日になればレンさんがここにきてくれる。そしたらサツキちゃんも匿ってくれないかお願いしてみよう。
そう考えて、私も念願の米を頬張った。
レンさんがここにくる日が来た。
私達は只今ドキドキしながらレンさんを待っている。
なんてプレゼンすればいいかな?と言うのをとにかく悶々と考えていた。
暫くして、後ろから声が聞こえた。
「待たせたな…………あ?……誰だ?」
「あ、レンさん」
私はいまだ!とばかりにプレゼンを始める。
「……で、サツキちゃんも匿ってもらえないかなって……」
「……今日、ヒリを匿う準備ができたから迎えに来たんだが?もう一回国王に申請しに行かないといけねぇじゃねえか……」
でもここで見捨てるのは俺も嫌だしな……とちょっと苛立ったように言うレンさん。少し顔色悪いし、私のために頑張ってくれたんだろうな……ということがわかり申し訳なくなるが私はサツキちゃんを見捨てたくない。
「……あの。私、家事が得意ですし……ヒリさんのメイドという形で保護していただけないでしょうか」
黙々とサツキちゃんを見捨てずに済む方法考えていると、|当の本人《サツキちゃん》が口を開く。
なるほど……メイド……異世界だしそういうのもあるわけか……。
「あー……それなら、ヒリの専属メイドとして保護してやろう。今、ヒリのお世話係の任命に困っていたところだし丁度いいな。|お前《ヒリ》も文句ないよな?」
「あっはい」
なんか……あっさり説得成功したっぽい。
何はともあれよかった。
「じゃあ2人まとめて転移するか。俺に捕まってろよ?手を離したら承知しないからな?」
「「はい!」」
「じゃあ……転移するぞ」
──シュンッ──
──結構長い間いた平原にお別れして、私は異世界で新生活を始めていく。
投稿遅くなってしまい誠に申し訳ございません🙏
これからも更新は不定期なので時と場合により遅くなったり早かったりしてしまいますがご了承下さい。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
また第五話でお会いしましょう〜
第五話 王宮へやってきました
なんとか、2日連続で更新できました!
それでは本編をどうぞ〜
──転移魔法でワープした先は、王宮の中と思われる場所だった。
「ついたぞ」
「おぉ〜……」
やっぱり豪華だなぁ……王宮って場所は……。
「ここが……王宮ですか?」
サツキちゃんは、目をパチクリさせて呆然としながらそう呟く。
庶民生まれのサツキちゃんには、王宮は最も遠い場所だったのだろう。
平原に居る間に、サツキちゃんの事を色々教えてもらったのだ。
レンさんはそんなふうに目を輝かせている私達に言う。
「いいか、まず、……お前」
「あっ、はい!」
「サツキと言ったか」
「!はい、サツキと申します……!」
名乗って、綺麗なお辞儀サツキちゃん。
そっか……王子殿下には、こういう風に礼儀正しく振舞うのが普通なのか……。
そう思うと私のレンさん(第一王子)に対する態度って、もしかしなくとも不敬……?
私がそんなことを考えている間にも、レンさんとサツキちゃんの話は進んでいってたようで、
「おいヒリ」
「……あ、はい、なんでしょう」
「お前も来い」
「えっ、どこに?」
話を聞いてなかった私がぽかんとした感じで問うとレンさんは
「話聞いてたか?」
と不満顔で言った。
「……いいえ、全く……」
馬鹿正直にそう言うと長い溜息を吐いた末にレンさんは、
「とにかく……ついてこい」
そう言って、すたすたと歩きだす。
私とサツキちゃんは慌ててそれについていった。
レンさんについていき歩くこと2分くらい。
着いたのは……神々しい雰囲気を放つ部屋だった。
「入れ」
「あ……はい。おじゃまします」
「お邪魔いたします……」
レンさんに続いてポカンとしたままの私、サツキちゃんが入室。
バタン、と音を立ててドアが閉まった瞬間、ぶわっと風が吹き抜けたような感覚がした。
「……何今の?」
思わず疑問を声に出す。
「俺がこの部屋に防音結界魔法をかけた。これで、秘密話を心置きなくできる」
説明によると防音結界魔法をかけた部屋には誰も入れなくなって、誰も結界内にいる人たちの会話を聞けなくなるらしい。
……盗賊とかにうまいこと使われたらどうするのだろう?
ただでさえこの世界治安悪いんだから|……《多分》。
と思っていると私の心を読んだのかレンさんは「王家の者しか使えない魔法だ」と説明を付け加えてくれる。なんか安心した。
「本題に移るぞ」
コホンっと咳払いをしてレンさんは言う。
それに私とサツキちゃんも真剣に耳を傾けた。
「まず、以前にも言ったように、ヒリのことを秘密裏に匿いつつある程度の自由を与える。外出などをする際には俺に言ってくれ。転移魔法で送ってやるから。……で、ヒリの外出にはサツキ、お前に付き添ってもらう。庶民生まれなら下民街のこともある程度知っているだろうからな。そしてここからすぐ右隣の、少し年季の入った白色のドアの部屋がヒリの部屋だ。サツキもヒリの部屋で寝ろ。サツキ用のベッドは余っていたものを後ほど移動させるからそれを使え。食事は俺の信用できる部下がお前の部屋に持って行かせる。……何かほかに疑問があれば言え。それと、これ」
レンさんは立ち上がって私とサツキちゃんに何かを差し出す。
「これは……?」
それは腕につけれる、いくつかのボタンのついている何かだった。
「それは連絡魔道具だ。青のボタンを押すと俺に、ピンクはヒリに、緑はサツキにメッセージが送れる」
「魔道具……!?っすごいです!庶民生まれの私にはもったいないくらいの品です……!」
そう言って微笑むサツキちゃん。
……ざっくりと例えるとスマートウォッチみたいなものかな……。
「困った時に連絡しろ。ある程度は応える」
そう言ってレンさんは腕につけた私たちとおそろいの魔道具を見せてくれた。
レンさんの話が終わると私とサツキちゃんは用意された自分の部屋に向かう。
先程いた部屋の右隣には、聞いてた通り年季の入った白色のドアがあった。
「ここが私たちの部屋ね」
「そうですね」
私はドアノブに手をかける。
――ここ数日間で随分色々な出来事があったな。
なんて思いながらドアを開けると、その向こうにあったのは――…………。
……泥棒が入った後のように荒らされた、酷い有様の部屋だった。
「レンさ――――――――――ん!!!!!」
私が勢いよく、先程までいた部屋のドアを開けると、レンさんは一瞬面食らったがすぐに「何かあったのか?」と真剣な表情で聞いてくる。
「部屋が!!部屋が……泥棒に荒らされたみたいになってます!!」
私はレンさんを連れて右隣の部屋へ行く。
「……なんだこれは」
レンさんもこの状況は予想外だったようで驚いている。
「誰かが侵入したのでしょうか……?」
サツキちゃんが不安そうに問う。
「……いや」
レンさんは数秒だけ目をつぶって、口を開く。
「微かに魔力の気配がする。……泥棒ではなく」
言葉を一度区切り、静かにレンさんは言う。
「魔物が侵入したのだろう」
なんとか書き上げれました!
魔物が侵入したという不穏な展開で終わりました。
次回も読んでいただけると幸いです。
第六話 魔物
第6話更新できました!
「魔物……?」
それって私が|ここ《異世界》にくることになった原因の?
「今まで王宮に魔物が入り込むことなんてなかった。警備もちゃんと日々強化しているが……」
レンさんは複雑そうに表情を歪ませる。
「ぁ、あの、大丈夫なのでしょうか……?ここにいたらまた、魔物が襲ってくる可能性はありませんか……?」
サツキちゃんが少し震えながら言う。
「……そうだな……まだ王宮内に潜んでいるかもしれない」
「え、それやばいのでは!?」
「あぁ。やばい」
険しい顔で私の言葉を肯定したレンさん。否定して欲しかったと思いつつ同時にどうしたらいいかを考える。……が、私はこの世界のことも王宮のことも何も知らない。つまり、ここで私が役に立てることなどない。むしろ足手纏いだろう。
「……とりあえず、この連絡用魔道具で王宮の者たちに連絡を取る。そうすれば騎士に護衛についてもらえるから少しは安心できるだろう」
レンさんはポケットからもう一つ連絡用魔道具を取り出す。
──が、その時強風が吹き、目を瞑った。風がおさまり目を開けるとレンさんの手からは連絡用魔道具がなくなっていた。
「……ッヒリ!サツキ!気をつけろ!!」
レンさんが大声で叫んだ。
「え?」
──ドンっ!
レンさんに押されてふらつく。
私と手を繋いでいたサツキちゃんも倒れそうになる。
……そんな私とサツキちゃんの横を素早い何かが通った。
「えっ……何……この子たち?」
「……魔物だ。それも、Sランク級が三匹」
「えっ!?」
思わずびくりと叫んだのはサツキちゃん。
Sランクって……漫画とかでよくある魔物の最上位?
え……三匹も?あれ、もしかして絶体絶命……?異世界生活終わり?
……走馬灯はまだ見えないようで、よかった。
そんなことを考えていたら再び地面を蹴る音が聞こえた。後ろは壁で、逃げ場がない状態で魔物三匹が飛びついてくる。
--- あ、終わった……? ---
ぎゅっと目を閉じる。
サツキちゃん、守れなくてごめん。レンさん、拾ってくれたのにごめん。
--- ──やられる── ---
……5秒後、頬にジャリジャリした感覚が走り、目を開ける。
「え?」
横を見るともふもふした狼みたいな何かが私を舐めくりまわしていた。
レンさんもサツキちゃんも流石に呆気に取られている。
「……魔物が懐いた?」
レンさんの驚きを隠せない声が聞こえる。
「ま、魔物が懐くのって、テイマーくらいですよね?」
「あぁ。……ヒリ、お前、テイマーなのか?」
「え、知りませんけど……」
だって私異世界人ですし。
『このニンゲンの匂い、好き。あったかい』
『うん。あったかい。好き〜!』
『ずるい!私も舐めたいのに!』
……ん?喋った?
「今喋ったのこの子達ですよね?」
「…………ああ」
「魔物って意思疎通できるんですか?」
「いや、普通はできない」
「……じゃあこの子達なんなんですか?」
「魔物だ」
「いやそれは知ってるんですよ」
「……一旦、魔物含めて話し合いを行おうか……」
レンさんはもう疲れた顔でそう言う。
お手数おかけします。
……私だって面倒ごとには巻き込まれたくないんですけどね!?
第7話もよろしくお願いします。
第七話 懐かれたようです……?
やっと更新できました、!毎回毎回最新話更新が遅くて本当に申し訳ございません🙇
良ければ読んでみて下さい…!
「……よし、じゃあ説明してもらおうか?」
私たちは今、荒らされていた部屋で会議を開いている。
《荒らされた》、と過去形なのはこんなことがあったからだ。
---
「話し合いするのに場所を移そうか……」
レンさんがそう言ってこの荒らされた部屋を出ようとする。だが、
『えー……この部屋じゃだめ?』
魔物の1人──赤い毛並みの子がそう言って唇を尖らせる。
「は?……このぐちゃぐちゃした部屋じゃ落ち着いて会議もできないだろ」
「お前らが荒らしたんだろ……」という目で魔物を見るレンさん。
『あ……僕たちはこの部屋でもいい。森の中みたいな感じで、落ち着く。けど、ニンゲンはそうはイカナイのか……』
何かに納得した様子でもう1人の魔物──青い毛並みの子が言う。
『あ、それなら俺に任せてよ!』
ドヤ顔で名乗り出たのは、全体的に黒いけど、顔の周りが白い魔物。
『ーーー』
……ん?
「あれ、誰か今……何か言いましたか……?」
サツキちゃんが戸惑いながら問う。
なんか……言葉にできないけど、確かに何か聞こえた様な気がする。
『今のは魔物が魔法を使う時に唱える呪文だよ。心の中で唱えても発動はするけど、声に出すと効果が強まるんだ』
青い毛並みの子が教えてくれる。
「へー……」
……今更ながら、異世界って不思議で溢れてるなと思う。
……ん?
「今、魔法って言った?え、部屋の中で魔法使ったの?大惨事にならない?ただでさえ荒らされた後なのにこれ以上荒らされたら困るよ?!」
私は慌ててそういうが、直後に魔法が発動した。部屋の中に光が充満する。眩しくて目を瞑る。
『目、開けていいよ』
黒&白色毛並みの魔物の声がして私は目を開ける。
──そこには、綺麗な整理整頓された部屋があった。
「えっ」
サツキちゃんはそう声をもらして驚いている。
レンさんも少しだけ目を丸くしている。
私といえば口があいたまま閉じてくれない。
「え、何したの??」
『部屋を荒らす前の状態に戻したんだよ?』
青い毛並みの子がケロッとしながらいう。……ていうか荒らしたって自覚あったんだ……?
『これでニンゲンも落ち着くだろ?』
黒&白の毛並みの魔物はえへん!と自慢げにこちらに顔を向けてくる。
『じゃあ、ここで、会議始める?』赤い毛並みの子がレンさんに問う。
「……ぁ、ああ、そうだな」
レンさんは気を取り直してそう言った。
---
「で、じゃあ説明をしてもらおうか」
改めて、魔物達に向かってそう言い放つレンさん。その顔は少し疲れている。
「また王に事情を説明に行かないといけないのか……はぁ……」
なんて呟きが口から漏れていたのを私の耳がキャッチした。……ご迷惑おかけします。
「ヒリ」
「はいっ?」
「魔物に懐かれる心当たりは?」
「……全くないですねぇ……」
強いて言うなら、異世界転移特典、とか?
「じゃあ、そこの魔物3人」
レンさんは私から魔物に視線を移す。
そこからはもう質問責めだ。ここからはわかりやすく省略しよう。
……以下、赤い毛並みの子→赤、青い毛並みの子→青、黒&白の毛並みの子→黒となっております。
--- Q.何故ヒリに懐いたの? ---
--- A ---
赤『いい雰囲気がした』
青『そうそう。なんかよかった』
黒『魔物を寄せ付ける何かを感じた!』
--- Q.何故部屋を荒らしたの? ---
--- A ---
赤『私たちはニンゲンの匂いにつられてここに来た。魔法で部屋に入ったはいいものの肝心のニンゲン
見当たらなかった』
青『でもニンゲンの匂いしたから』
黒『どこかに隠れてるのかと思って、魔法とかで物を退けたりして探してた』
--- Q.ヒリのどこに惹かれたの? ---
--- A ---
赤、青、黒『『『ヒカリの気配がした』』』
---
……光の気配?……なにそれ?
「ヒリ、心当たりは?」
ちょ、レンさん、顔がちょっと怖いです!
「いや、そう言われても、な──……」
ない、と言いかけた時、一つだけ思い出した事があった。
「……もしかして、私の使える魔法?の事?」
確か、鑑定士が言ってた、『光を舞わすだけの能力』だっけ?
私は一瞬集中して、光を出す。
「これ?」
『『『そうそれ!』』』
どうやらあたったらしい。
『魅惑の光ぃ!』
『あー、いいー』
『いやぁ、良い……』
同じ様な事を言いながらはしゃぐSランク級の魔物三匹。
なんか……可愛いな、と思ってしまった。
「で、でもこの光はただ光るだけのものでしょう?」
『え、チガウよ?』
『それ、魔力の塊。僕たちの食糧になる』
『うん。美味しそうだなぁ!』
やはりよくわからないことを言う三匹。
「……詳しく説明してくれるか……」
もう何かを諦めた様にそういうレンさん。
すると、サツキちゃんが口を挟む。
「あ、あの……こんな時にすみません……ですが、先ほどから見ていると、欲が……。あ、あの!魔物さんたち!撫でてもいいですか!?」
勇気を出して魔物たちに言うサツキちゃん。健気。
『『『いいよー』』』
あっさりOKが出た。
「や、やった……!ありがとうございます!」
サツキちゃんは遠慮なくモフる。
……なんか一気に癒されたわ。
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サツキちゃんに撫でられながら魔物たちが説明してくれた内容をまとめると、こうなる。
「つまりヒリは魔法を使う時に必要とされる魔力量が半端なくて、光の粒はその魔力を放出する魔法で、魔力が餌の魔物の食糧にピッタリだ、ということか……」
レンさんが言うには魔物は人間で言うところの朝昼晩の食事全部が魔力なのだと。
ただ食事(魔力)を得るためには人間から魔力を分けてもらったりする必要があるらしい。
昔は人間と魔物が共存していたため魔物も食事に困らなかったが最近は何故か魔物と人間は敵対しているため、魔物は人間を襲って|食事《魔力》を補充する。ただ襲われた人間は魔物に反撃する。
簡単に言うと終わらぬ喧嘩というわけだ。
「……つまり私は最高の食糧の持ち主なの?」
『『『そうそう』』』
……なるほど?
『つまり私たちをここに住ませてほしいな〜』
『お願い⭐︎』
『これからよろしくお願いしますー』
「え、ちょ、勝手に決めないで……」
「ヒリさん、この子たちの毛並み、ふわっふわです……」
私は反論しようとした。けれどサツキちゃんは多分無意識だろうけど私に否定させまいと言葉を被せてきた。多分本人はそのつもりはないのだろうけど、私はウッとなった。
「……レンさん」
「……王に交渉してくる。…………魔物たちに名前でもつけてやれ」
私はレンさんの方を見る。するとそんな答えが返ってきた。多分「勝手にしろ」って感じの意図だと思う。有り難い。
レンさんがこの部屋を出ていったら、私は早速名前を考えた。
「じゃあ、赤い子はレイで青い子はリーフで黒い子はフランでどう」
まぁ思いついたのを適当に言っただけだが、『『『良い!』』』と思いのほか大絶賛だった。
1時間後、レンさんが「許可取れたぞ……」と疲れたオーラを放ちながら返ってきた。
「魔物が現れたって……説明むずすぎだろ。ヒリが来てから色々ありすぎだ」
またまたそう呟いていたのが聞こえた。本当、なんかすみません。
ともかく、サツキちゃんも魔物たちの毛並みを気に入ったみたいで、一緒に住めると喜んでいた。
……疲れたからもうこういうことが起こらないといいな……。
今回はすごく長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
烏音様のレーナ、次の回くらいで登場できると思うので、もう少しお待ちください…!すみません🙇
もう一度、感謝を述べさせて下さい。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!