4月中に本編第一話を上げようと思っています。

キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン　と、終学活終了の合図と同時に一斉に騒がしくなる教室。雑談をしている子も居れば、廊下に出て走り回るやつもいる。普通に帰るやつや、準備が遅くて友達を待たせているやつ…。ホントに色んな人が居る中で、初恋を自覚してしまった奴までいた。 ……それが、私、川井 遥である。 小学校6年生になり、一週間が経った今日、私は小学校1年生の頃から同じクラスの平井 翔太に自分が恋をしていると気付いたのである。 「ﾊｱ…」 遥は小さな溜息を零した。と、その時、 『ガツン！』 いつの間にやら遥の机の前に立っていた"そいつ"が消しゴムを投げつけてきた。 「いでっ」 「ヤイ、ノロマ顔が辛気くせえぞ。」 見上げるとそこには翔太が居た。 ．．．前言撤回。私がこんな奴に恋してるわけがない。 消しゴムは、拾って投げ返してやった。 「アタッ」 翔太が間抜けな声をだた。いい気味だ。 これからどんな事が起こるのか、それは遥にも、もちろん翔太にも分からないだろう。二人はその後、人の少なくなった放課後の教室でしばらく、意味も無く消しゴムの投げ合い戦争をしていたのだった。