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未来永劫雨傘
短編小説をお試しで書いてみました…!
なので自信がないですが、ファンレターなどくださると嬉しいです!
私は|宵崎 夢羽亜《よいざき むうあ》。
お父さんの仕事の関係で2週間ほど前に引っ越してきたばかりだ。
そして今、新しく通っている学校に向かっているのだが────
いた。
**あいつが、いた。**
「あいつ」は私の目の前にある小さなバス停で、茶髪のロングヘア、パーカー、そして雨傘という組み合わせで立っている。
これは一般的によく見る、ごく普通の光景だろう。
それも雨の日なら。…そう、今日は晴れ…いやそれを超えて雲一つない快晴なのだ。
そうすると、なぜ雨傘を差しているのか────ということになる。
引っ越してきてから今のところ「あいつ」は天気など関係なく、毎朝雨傘を差してこのバス停で立っている。
一瞬、日傘かな?と思ったときもあったが、やはりよく見ると傘で間違いなかった。
考えれば考えるのほど謎だ。
そして、どうしてこんな快晴の日に雨傘を差しているのかを本人に訊いてみたいが、時間の余裕もないし、話しかける自信もない。
…そう思い、私はバス停を通り過ぎた。
---
次の日、私は今日も学校へと向かっていた。
今日は快晴までとは行かないが、ごく普通の晴れだ。…なのに、「あいつ」はあのバス停の前で今日も雨傘を差している。
本当になぜだろうか。
**知りたい。知りたい知りたい知りたい…!**
そんな唐突な好奇心で、「あいつ」に話しかけてみる。なぜか昨日の自分とは打って変わって、話しかける恐怖心や不安はなかったのだ。…まあ、時間に余裕があるわけではないのだが。
「あの…!」
「どうしたの?」
「あいつ」は私の方を向き、落ち着いた声で言った。
…なんとなくだが声からして優しそうな人で私は安心する。
「どうして毎日雨傘を差してるんですか…?」
「…ふふ、急だね」
「あいつ」は優しく微笑し言った。
**「私の心は晴れだったときがないの────」**