生理なんて女子だけだ。
そんなことを思っていたんだ。
妊娠なんてしない。
ちょっとぐらい大丈夫。
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目次
久しぶりの感覚
生まれつき、男子にだって子宮がついている人だっている。
そんなのわかっている。
「…げ、」
目黒蓮、生理再来。
本当に面倒くさい。
しかも今日のスケジュールを確認すると、
・ドラマの撮影
・それスノの収録
・すのちゅーぶの撮影
なんでこんな日にこんなに予定が詰まっているんだろう。
邪魔する、こんな子宮取ってしまいたい。
そんなことを思いながら、朝イチドラマの撮影に向かうために。
とりあえず顔を洗ってナプキンを用意しよう。
楽になる方法があるならいいのにな。
「ほら、見える?あの星を___」
朝イチの撮影はマシだった。
血がどろっとくる不快感、それだけ。
腹痛や頭痛、吐き気も全くなかった。
まだそれだけは楽だった。
「…ふ、はぁッ…」
撮影が終わってから急に腹痛が激しくなってきた。
汗も少しだけ垂れている気がする。
ズキズキと痛むお腹をさすりながら、それスノの撮影に向かった。
「いや、めぃめぃはかわいいしー」
「え、そう?」
いつも通り。…つらたん🥺
ダンスじゃないだけマシかな…
すのちゅーぶ撮影。
舘様、佐久間、康二。
「大丈夫、目黒?」
「舘さん…」
舘様は同族だから、このことも知っている。
「よし!撮るで!」
『どうもー!SnowManでーす!!!』
今日の企画はドライブ、食事、カラオケ。
「でね、しょっぴーがひどいの!!!」
「なんや、お前が悪いやん!」
「だね、佐久間。」
「舘様まで、!?!?」
「あ、ははw」
SnowManの皆といると幸せ…。
でも、お腹がすごく痛い。
「俺、猫ちゃんラテ飲みたい!!!」
「せやな…俺はタピオカ」
「ミルクティーで」
「…あ、じゃあ、はちみつティーで」
つらい。
冷や汗が止まらない。
こそっ
「大丈夫?」
「あ、舘さん…、大丈夫です。」
「?何してんのー?」
「いやー、めめの服にほこりが」
「ぇえー?めめだらしないでー」
「わ、あははw」
その後も収録は終えた。
今は佐久間が運転してくれてる。
「楽しかったなーwww」
「ねー!」
「…ッ、はぁ、」
「…めめ?」
「うゔ…ぅ''、あぁ…はぁッ」
「めめ、無理しすぎ。」
「え、めぃめぃ?」
「どしたの、!?」
「う''、大丈夫…っ、」
「大丈夫じゃない。佐久間、今すぐ婦人科」
「婦人科…!?」
「いいから早く!」
「わ、わかった!」
「めめ、大丈夫か?」
「舘、さん!ついたよ、婦人科!」
「よし、めめ、ちょっと持ち上げるよ」
「うぁ''…はい…ッ!、はぁ''っ」
「看護師さん!…って、あ!」
「目黒さんと舘さん!」
「なんだ、行きつけだったね、目黒。」
「…あぁ''、雪原…?」
「うん、」
「目黒さん、どうなさいました?」
「今日が多分一日目、朝から我慢してる。」
「…やはり、生理でも男性なので余計痛みが強いのですね。」
「めめ、生理…!?」
「うっそー!?佐久間さん風呂友なのに知らなかったの!?」
「うん、めめはいわゆる''両性具有''。男子のと女子のがついてる。」
「めめぇ…ごめんな無理させて…」
「とりあえず貧血気味なので、…」
ごめんね、みんな心配かけて。
でも、嬉しいな。
なんて、思っちゃダメだよね?
おはよう、優しい君へ
「ん…って、最悪…」
朝イチ、ぬるっとした感触が腹部を包み込んだ。
「うぇー…せーり」
生理はつらい。やだ。
暗くて怖くて、どろりとしている。
「…ふわ、おはよ、佐久間。」
「めめ、ボーイズデー」
「あ、わかった」
めめはわかってくれる。
めめやさしい。
「めめー、あったかいもの欲しい」
「ん、言うと思った。」
暖かい、少しハチミツの入ったホットミルク。
めめはキッチンから眺めている気配がするけど気にしない。
「ふー、ふーっ…あぢっ!」
「ぶふっwwww」
「ちょ、めめ笑うな!!!!」
めめは好き。
「ごめんねー、あ、暑かったねwww」
「んもぉ…めめったらー!」
「はいはい、これ」
ばなな。おいしい。
「そろそろ冷えたんじゃない?」
いつまでも優しい君が好きだ。
暖かい君の体
「う…わ、またかー、」
「ん?めめ、どした?」
「あぁ、佐久間…ちょっと待ってて」
吐き気が止まらない。
やだ、気持ち悪い。
せっかく佐久間が作ってくれたサンドイッチ。
吐きたくない…!
「はぁ…ッ…」
トイレの床にぺたん、と座り込むほど。
大丈夫。大丈夫。
「…ごふっ!?」
胃から何かが込み上げてくる。
「おぇっ…こぷッ、お''ぇッ…!?」
やだ、やだ、やだ!!!
いやだ。佐久間、佐久間!
「めめ!?開けて!開けて!!!」
「!?ッ、ごぷっ、」
無理無理、こんな所見せたくないし。
まずまず扉まで手が届かない。
「もしかして開けらんない?」
「ふーッ、はぁっ、お''ぇぇ…ッ」
涙が出てきた。
気持ち悪い。
ガチャっ
「ふーっ、!?」
「小銭あってよかった…開けられた。めめ!大丈夫?」
「あ…ッお''ぇ'…」
「大丈夫。ちょっと寄りかかっていいよ…」
「ありがとう…佐久間、」
「にゃは、だいじょーぶ!この佐久間様に任せなさい、」
「うん…」
「…めめ、妊娠してんじゃない?」
「えっ!?っ、ごほっ」
「ほら、3ヶ月前ヤったじゃん?そっからめめ生理ってきた?」
「…」
確かに、仕事に夢中で生理なんてそっちのけだった。
気にしてないけど、きてなかった…な。
「じゃあ、婦人科行こう!」
「…うん、」
ふと握られた手は暖かかった。
砂糖は甘く溶ける
流産、鬱関係が嫌いな方は
ブラウザバックしてください。
「照〜!!!」
どうも、深澤辰哉です!
この度妊娠しまして)))
まぁもうすぐ産まれるらしいんですよ。
でもね、めっっっっっっっっちゃ腹が痛いんだよ!!!
で、赤さんが腹を叩いてくれたんですよね!?
「ふっか、照買い物行ったよー」
「え''…まじ?佐久間」
「うん。」
「え〜…じゃ、佐久間ちょっと来て」
「はいはーい」
「赤さんがね、今腹叩いたんだよね」
「え!?!?マジ、触っていい?」
「うん」
「んわぁ…わかんねぇ!」
「馬鹿?、わら」
「うるせっ!」
「照帰ってきたよー、ふっかさーん」
「はーい!今行くね!」
「階段気をつけろよ〜!」
「わかってるよ!」
あれ、なんか少しふらふらするかも?
なんて思った。でも大丈夫かなって、降りた。
「…あ」
ゴゴゴゴっ?みたいな音がしておっこちた。
「ふっかさん、!?!?」
「しょ、た、…?」
「照!車、ふっかさんが階段からおっこちた、!!!」
「え!?!?ふっか、大丈夫!?」
「…???」
混乱、してたのかな。
「っ…常位胎盤早期剥離、です…」
「え、ってことは…、」
「赤ちゃんが助からない、です。」
「嘘だろ…ふっか、は?」
「そこはご心配なく。しかし、ストレスがどうなるかですね…」
赤ちゃんがいなくなったお腹を見つめる。
焼けた骨を見るといつも泣きそうになる。
「ふっかさん…」
「ふっかさんと階段を降りてたら、注意だけじゃなければっ…!!!」
「しょうたは悪くないよ。これは事故なんだから…っ」
「っ…。」
絶望しか、なかった。
眠る気も、なかった。
そんな機会すら、絶望が全て奪った。
未来が砕ける音がした。
「あぁ、照。俺、もう赤ちゃん見たくないや。」
思ってもないけど。
「ふっか…っ」
地獄、だった。