文豪ストレイドッグスの6人目の猟犬(架空)のお話です。元組合所属らしいです。
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6人目の猟犬は元組合
ノリと勢いのままに書いたお話です。アニメ勢の人ネタバレ注意かも。
私はアヤカ・ウィルソン。カナダと日本のハーフの18歳で、今は猟犬に所属している。異能は『空間移動』と『創造』。空間移動は私を中心とした半径1mの範囲をそのまま移動できるという能力で、創造は自分が仕組みを理解しているものをなんでも作れるという能力。髪の毛や爪などその人のDNAがわかるものがあれば人だって作れる。探偵社に負けるまで、私は組合に所属していた。15歳で猟犬に入り、16歳で組合に入った私はなんだかんだ結構忙しかった。猟犬に入っているが、改造手術は受けていない。月1での維持手術が面倒だし、組合での仕事に支障があったら困るから。そして、今、私は元同僚のルーシーの異能である、異能空間にいる。
---
「なんの用?指名手配中の探偵社だよね、この人たち」
「僕らは、貴女の力を借りたいんです」
誰だっけこの白髪の……あ、白鯨での戦いで団長を倒した……
「中島敦!!」
「え、あ、僕のこと知ってるんですか?」
「知ってるよ。私、元組合だし。それでルーシーも私を呼んだんでしょ?」
「相変わらず勘が鋭くて助かるわ。詳細はこちらの方に聞いて」
そう言ってルーシーはハンチング帽を被った黒髪の男性を手で示した。
「ぱぱーっと自己紹介するよ。僕、探偵社の江戸川乱歩。世界一の異能を持つ世界一の名探偵。よろしく」
「アヤカ・ウィルソン。異能とかについてはルーシーから聞いてるでしょ。よろしく」
面倒くさいので端的に挨拶する。
「とりあえずもう本題入っちゃうね〜。君の所属する猟犬部隊の隊長、福地桜痴が天人五衰の首領の神威、っていうのは知ってる?」
「知ってる」
「それで、君に福地桜痴を討つ為の協力をしてもらいたいんだ。君は異能を2つ持っているし、どちらも強力だ。それで、君を利用したい」
「利用だなんて、正直に言ってくれて助かるよ。で、その見返りは?」
タダではやんねえぞ、と遠回しに言う。
「すまんが、今の俺達には貴様に見返りをやる余裕などない。もし事件が解決しても、事後処理に手を焼くだろう」
誰だっけコイツも。えーっと確か、国木田とかそんな感じのやつ。
「わかったよ。しゃーねーな。さっさと作戦を話せ。私も暇じゃない」
「それはね......」
どうも、好きな人はピアノが弾けるということを知りハイスペックさとギャップに萌えているぱるしいです。どうでしたか?好評だったら続き書くので良ければファンレターください。
6人目の猟犬は元組合 第弍話
多分ここからが本編です。三人称視点で進めようかな。
「賛成しないね」
『!!』
乱歩から作戦を聞いたアヤカのストレート言葉に、全員の顔が強張った。
「っ……でもっ……福地桜痴を……神威を倒すには、貴女の協力が不可欠なんです!賛成しないとなると……」
「うるさいなあ」
必死な敦の叫びを聞いても、アヤカは動じる様子がない。それどころか、呑気に欠伸をしている。
「いつまで協力とかほざいてんの?アンタらは」
「理由を聞かせてもらえるかな」
静かな声で乱歩は問い掛けるが、その声には少しの焦燥が混じっていた。
「あのなあ……大っ体、アンタらの考えが弱いの。できるだけ被害を減らす、とかそんな平和ボケ思想で生きてるから今こんなことになってるんじゃないの?」
「無辜の民が死ぬ事で平和が訪れたとして、それは俺の理想ではない」
間髪入れずに、国木田が反論する。
「そんなの猟犬の私の知ったことじゃない。理想論だけではナントカカントカって、アンタ、指名手配されてすぐに言ってた気がするけど」
「何故それを……」
「それは今はどうでもいい。ともかく、何故アンタらは排他的な思想にならない?悪は潰す。善は得する。簡単な話じゃん。犠牲が出たところで、失われた命が戻ってくることは無い。アンタらが一番知っているはずだと思うけど?」
全員が黙り込んだ。極端だし、言い方も悪いが、アヤカの言っていることは間違っていないからだ。
「はあーー。こういう静寂、私嫌いなんだよなー。しかたないな、クイズでもしようか」
「そんな呑気な……」
「虎のお前、焦りすぎ。やろうと思えば福地なんて私がいつでも殺せるっつーの」
衝撃的な宣告に、敦は固まった。
「じゃ、問題出すからちゃんと答えてよ?問題です。私の異能『創造』と『空間移動』のどちらかは、元から持っている異能ではない。さて、どちらが生まれた時には持っていなかった異能でしょうか?」
「えーと……」
敦や、他の面々も真剣に考え始めた。
「創造という異能は、異能の中でもかなりの異端だ。そんな強い能力、生まれながらに持っているはずがない」
国木田は言った。だが、アヤカは何も言わない。
「はい!わかりません!」
賢治は勢い良く手を挙げた。アヤカは、呆れたように笑う。
「正直だなw 正解発表しようか。正解は……『空間移動 』でした!」
『!?』
その場にいたルーシーとアヤカ以外の全員が、迚も驚いた顔をした。
「実はね、私の異能『創造』は、異能自体を作ることもできる。『空間移動』は異能から生まれた異能なんだ。自分で言うのもアレだけど、多分、私は世界一の異能者だね」
「いや、それは違う。世界一の異能者は僕だ。何せ僕の『超推理』はひと目で真相を見抜いちゃうもんね!」
乱歩が反応する。
「戦闘能力は皆無じゃん。アンタの『超推理』ってやつも、私なんか一瞬で作れるよ」
「ええー!」
もはや本題が何かわからない。頬を膨らませた乱歩のことを笑っていたアヤカは、ふと真顔になった。
「でもね、そんな私にも作れないものが一つだけある」
「それは……何なんですか?」
敦が問いかける。
「『世界』だ。例えばこの事件だったら、『探偵社が無実の世界』。『犯罪のない世界』、『異能者がいない世界』………そもそも、世界という言葉が抽象的すぎるんだ。『世界』とはなんだ?この地球という惑星か?太陽系も宇宙も全て含めて世界か?」
アヤカは、真顔のまま語り続ける。
「惑星なんか、作ろうと思ったら作れる。宇宙にだって、行こうと思えば行ける。異能を作れば、なんでも分かる。でも世界だけは、この世界だけは、私が解明できない大きな謎なんだ」
アヤカは先程とは違い、静かなトーンで話していた。
「あのーすみません」
あまり話していない、谷崎が手を挙げて発言した。
「貴女のようなそこまですごい異能者が、なんで全然世に知られてないんですか?」
「あー、それは多分、私が組合に居たからだな。組合は一応追われる立場だから、外で簡単に異能を使わない方がいいんだ。私は組合の団員であり、猟犬隊員だ。そこまで公にしてられないだろ」
「あのー、アヤカさんはこれまで何を見て何を抱えて生きてきたんですか?」
敦が唐突にそんなことを聞いた。
「どうした急に」
「いやなんか、アヤカさんは僕と同い年なのに大人な感じがして……きっと僕とは違うものを見て生きて来たのかなーって……」
「ははっ。そうかそうか。いいよ、要するに私の過去が知りたいんだな。話すよ」
そう言ってアヤカは、態勢を整えて話し始めた。
どうもどうもぱるしいです。このお話実は6月ぐらいから書いてました……二次創作がほぼ初挑戦のためめっちゃ時間かかっちゃって……w 良ければ感想ください。頑張ったので。
きっかけとかを話していくゥ
どうも、珍しく情緒不安定メンタルボロボロのぱるしいです。
今日はですね、あのー、アヤカが生まれた経緯?とかきっかけ?とかを話していきます。
文ストの二次創作を一番最初に書いた時は、武装探偵社に潜入してた猟犬隊員という設定でアヤカを書いていました。でも武装探偵社に所属してるキャラってありがちだしなんか普通じゃね?と思い自分が大好きであり、あまり二次創作で出てこない組合メンバーにしました。
さあ組合に入れるとなったら外国人にしなければ、だがしかし猟犬に入るなら日本人のほうがいいのでは?などなど色々考え、ハーフという設定にしました。組合って『北米の異能者集団』ですけどその時の馬鹿な私は『北欧の異能者集団』だと思っててスウェーデンと日本のハーフにしてたんですよw で、漫画を読み直していた時にミスに気づいて慌ててカナダと日本のハーフに直しましたw
名前は割と適当です。(おい)オリキャラを作ると決めた以上、まだ本編に出てきていない文豪を使うという選択肢はなかったです。(ていうか忘れてた) 名前は日本人っぽく、名字は外国人っぽくって感じにしたら『アヤカ・ウィルソン』になりました。
異能については本当にやらかしたと思ってます。こんな異能があったらなーとか思って欲張って2つにして、ついでにチートな感じにしちゃう?とか思ってたらめっちゃ強い感じの異能になってました。
まあ、とりあえずこんな感じですね!このお話の新しいお話はいま頑張って書いてるので!お待ちください!
アヤカのキャラデザ
https://d.kuku.lu/tss5pyy7c
今回はしっかり自分で絵描きました!!組合にいたときの服です!!アヤカは組合のときは日本での仕事が多かったので日本でも浮かない普通の格好を意識してこんな感じの服になったらしいです!!
ちゃんと読み込めたら教えてください!デザインに対しての感想もいただけたら嬉しいです!
6人目の猟犬は元組合 第参話
私は、生まれはカナダだし、実家もカナダにある。幼稚園のときまでは普通に現地の子と同じ幼稚園に通ってたから、日本語も話せなかった。両親がそれを心配して、小学校からは日本人学校に通った。父親が人と異能だけを作れる異能力者で、母親が人と異能以外のものを作れる異能力者だから、その2人の血を引いて私にはこの異能を持って生まれたんだろうな。12歳で、初めて来日した。あ、横浜にも行ったよ。それで、ショッピングモールに行ったんだ。そしたら、爆破予告がされて、黒ずくめの服を着て刃物を持った男達が何人もいて、立てこもり事件が起きたんだ。私は状況をすぐ理解して異能力を使って事件を解決した。少し遅れて軍警が到着して、そこで猟犬に勧誘された。でも両親に止められて、年齢のことを考えて14歳で入隊した。それから1年後、組合に入った。軍警から、フィッツジェラルドの監視のために潜入しろ、との命令を受けたからね。組合に入るために、勧誘されるために自分で仕向けた。ま、その方法は内緒だ。知ってるのは福地だけだよ。私ももう、誰かに話すつもりはないけど。
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『…………』
アヤカが話し終えてからは、静寂だけが流れていた。12歳で立てこもり事件を解決、14歳という若さで猟犬に入隊し、その翌年には組合に入るという異色の経歴。その驚きで、ルーシー以外の全員が固まっていた。
「ていうか、なんでそんな黙ってんの?なんか聞きたいことない?」
「………お前は、探偵社の味方か?猟犬や、世論の味方か?」
少し間を置いて、国木田が問いかけた。これからの運命を左右すると言っても過言ではない質問に、全員が息を呑む。
「…………なんだ、そんな話か。私は別にどっちの味方でもないよ。探偵社の無実も、世界のことも、私はどうでもいい。私が信じてるのは私だけだからな。私は団長と同じで、勝ちそうな方に味方する。ただ猟犬っていう立場である以上、簡単にお前らに味方する事はしない」
ハッキリとした言葉に、また全員黙る。
「じゃ、私はそろそろ行くから。あの作戦じゃ、私は協力しない。考え直して、また連絡しろ」
アヤカはそう告げて、アンの部屋を出ていった。
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「アンタ、組合であのアヤカと一緒だったんだろ?アンタにとってアヤカはどんな所が凄いんだ?初対面のアタシ達には、イマイチよくわかんないよ」
与謝野がルーシーに問いかける。ルーシーは少し考えて、こう答えた。
「一番に出てくるのは、異能だけじゃないあの子本人の強さね。私、あの子が組合に入ってきた時、一度このアンの部屋に入れたことがあるの。それもこういう形でじゃなくて、そちらの社員とマフィアのおじ様も一緒に入れた時みたいにね。アンに追いかけられながら鍵を奪って出る、っていう形で。そしたらあの子、異能を全く使わずに部屋から出ることに成功したのよ。最初は本当にびっくりしたけど、今思えばあの子、猟犬に入って訓練を積んでいたからあそこまで出来たのよね。あとは、語学能力かしらね。日本語と英語はもちろんだけど、ヨーロッパの言葉とかアジアの言葉とかは、仕事で必要な言葉だけらしいけど、覚えてるそうよ。書類仕事はルイーザちゃんに押し付けてること多かったけど、あの子自身の頭脳はルイーザちゃんよりも上なんじゃないかしら」
「組合の作戦参謀よりも上……?じゃあ何でアヤカさんがいながら、あの戦いで組合が負けたんだ?」
敦がルーシーに聞いた。
「あの子、見ての通りあんな感じでしょう?組織に所属して前線に立つこともあるけど、向上心はないし勝敗にも興味は無いの。逆に、あんな感じだから組合でも猟犬でも上手くやって行けてるのね。それにアヤカは自分が納得しない限りちゃんと協力はしないし、納得してないのに協力してくれたとしても本気は出してくれないのよ」
そして、アンの部屋に沈黙が流れる。数十秒後、敦が口を開いた。
「まずは、アヤカさんを説得することから始めませんか?一筋縄では行かないと思いますけど……」
「しかし、そんなことをやっている暇があるのか?身を粉にして頼む時間があったら自分達で作戦を実行した方が早いだろう」
国木田が厳しい顔で言う。
「でも、アヤカさんが味方についてくれれば僕達もきっと有利に立ち回れるはずです。説得と、少しだけ作戦の見直しをしましょう」
「わかった。作戦は僕が練り直すから、君らはとりあえずあの子の説得を優先にして」
「わかりました」
そう乱歩が声を掛け、アヤカを説得するための話し合いが始まった。
どうも、千葉にある某ネズミの国のランドの方に行ってきたぱるしいです。カチューシャ買えました。このお話10月ぐらいから書いてたんですけどめっっっちゃくちゃ時間かかりました。ここから先の展開全然考えてないです。やばいです。
6人目の猟犬は元組合 第肆話
「アヤカ」
アンの部屋を出て、町中を歩いているアヤカに一人の女性が声を掛けた。
「ハンナ、久しぶり」
ハンナと呼ばれた女性は、アヤカを見て驚いた顔をした。
「アヤカ……その制服、警察?」
「軍警。今は日本の軍警の部隊の一員として、仕事してる」
「そうなんだ。中学卒業してからアヤカ、学校来なかったよね。転校したの?」
その質問に、アヤカは黙り込んだ。カナダの義務教育は州によって違うが、アヤカやハンナの住んでいたノバスコシア州では14歳まで中学校に通い、17歳までシニアハイスクール(日本で言う高校)に通うことになっている。が、アヤカは14歳で猟犬に入隊し、シニアハイスクールにはほとんど通っていなかったために説明ができないのだ。
「………うん。そんな感じ。ハンナは今何してるの?」
「普通に学校通ってるよ。先週から日本に留学しに来てさ、外出てみたらアヤカに会えたから。でも全然人いないよね。なんかどっかの探偵社が指名手配されてるみたいだけど」
アヤカはまた黙り込んだ。いま自分が捜査してる案件だからだ。
「アヤカ、警察なんでしょ?頑張って捕まえてね。せっかく日本来たのに、そんな人達に殺されちゃうとかなったら私嫌だもん」
「うん。そこの所は大丈夫。心配しないで。日本留学頑張って、ちゃんと楽しんでね」
「ありがと!仕事落ち着いたら連絡してね。ご飯でも行こ!」
「了解。またね」
アヤカはハンナと別れると1人路地裏に入り、座り込んだ。
「………どうしたらいいんだろ」
猟犬に入ってからの4年間と、組合での3年間。半端なく忙しかったけど、とても楽しかった。数ヶ月前の三社鼎立の時はちょっとだけ仕事をサボったけど、今までで一番大きい案件だったから内心ワクワクしながらやっていた。でも今は、その時とは比べ物にならない程の重圧を感じでいる。福地の正体だって入隊した時から見抜いていたし、天人五衰の情報もほぼ把握している。なのに、どうすれば上手くいくのか、わからない。自分1人にという訳では無いけど日本、いや世界、というか人類の運命が握られてると言っても過言では無いのだ。
_______自分に酔っていたのかもしれない。
アヤカは唐突にそう感じた。
異能すらも作ることができる異能を持ち、14歳という若さで猟犬に入隊。組合に潜入するという仕事を任され、大きな成果は挙げずとも任されたことに誇りを持っていた。こんな作戦じゃ協力しない、考え直してからまた呼べ、などと偉そうな態度をとっていた自分が急に馬鹿らしく思えてきた。自分はそんな事を言えた立場では無い、と気づいたからだ。あそこにいた中島敦は犬猿の仲であるマフィアの芥川と協力して団長を倒した。泉鏡花は自分が猟犬に入った時と同じ年齢で35人殺した。国木田は太宰と共に蒼の使徒の事件を解決させた。江戸川乱歩は生まれながらに素晴らしい頭脳の持ち主だ。社長の福沢は異能無しで福地と渡り合える強さを持っている。異能だけに縋り、自分の力を過信していた。結局は、何が起こるか分かっていても仲間のことを助けられない弱い人間だ。そう、冷たい路地裏で考えていた。
どうも、土曜授業あるのが嫌すぎて起きられないであろうぱるしいです。今朝起きる時も謎にシンジ君の「逃げちゃダメだ」を脳内再生しまくってから7時に起きました。6時半に起きるつもりでした。ということで話題がかなり逸れましたが、4話はどうでしたか?更新頻度が遅くて申し訳ないんですがこれからテスト期間に入るのでまた更新止まると思いますが、待っていてくれると嬉しいです。
Happy birthday,Ayaka
--- 組合の場合 ---
『Good morning!! and,Happy birthday!』
「Wow…」
6月8日。私は、組合での誕生日を迎えた。朝起きるなり団長を中心にハイテンションなスタインベックやトウェイン、まだ眠いのか半目のルーシー、すました顔のミッチェルやホーソーンやメルヴィルが私に向けてクラッカーを鳴らした。
「朝から何……って、別に聞かなくてもわかるけどさ」
「誕生日おめでとう、アヤカ!君の好きなメロン沢山用意したよ!」
トウェインがそう言ってきて緑色のメロンやオレンジ色のメロンが沢山乗った皿を見せてきた。
「ありがとう。嬉しいんだけど一旦朝ごはん食べてもいい?」
朝起きて着替えて自分の部屋出たらいきなりクラッカー鳴らされるとは思わなかったよ。
「え、じゃあ僕も一緒に食べていい?まだ食べてないんだよね!」
「あー、うん。いいよ。他のみんなは?」
「スタインベックとミッチェルとホーソーンとメルヴィルはもう食べたよ。ルーシーはさっき起きたとこだから、まだかな」
「ルーシー、朝ごはん一緒に食べるー?」
「そうするわ………ああ、眠い」
---
「えー、アヤカ強くない?」
「私に狙撃の技術教えたのアンタだからね」
朝ごはんを食べ終えて、何をするのかと団長に聞くと「誕生日なんだからアヤカがしたいことをすればいい」と言われたのでトウェインとライフル射撃対決をしている。10回撃って当たった的の点数の合計が高い方が勝ち、というルールで。
「ねえ、これ負けたら罰ゲームってある?」
「考えてないけど聞いてくるってことは欲しいってことかな?じゃあ考えてあげよう」
「あ、僕絶対無駄なこと言ったな……」
どうしようかな。よし、決めた。
「負けたらアンの部屋行き」
「よりにもよってなんでそんな鬼畜なやつにするの!てかアヤカが何かするんじゃないの?」
「なんも思いつかないからさー。いいでしょ、別に」
そして10個撃ち終わり、案の定私が勝った。
「うう……アンの部屋行きだ………」
「さっきのは冗談よ。もう1回勝負する!」
「え、マジ?次は絶対勝つ!」
「かかって来い!」
---
『Happy Birthday to you, Happy Birthday to you, Happy birthday dear Ayaka~. Happy Birthday to you~』
「ほら!ロウソク消して!」
「わかってるって!」
夜。豪華な料理を食べ、最後に沢山のメロンが乗ったバースデーケーキを食べた。しかも、皆がバースデーソングも歌ってくれた。
「はい、アヤカ。これ誕生日プレゼント。どれが誰からのやつか当ててみて!」
「えー………」
私は大量のプレゼントの包みを渡され、1個1個手に取って確かめた。
「これは……聖書か。ナサニエルかな。このオシャレな服は…………ミッチェル?あ、すごいサイズぴったり。これは多分スタインベックだ」
「すごいねアヤカ!全問正解!」
「組合は皆癖が強いからね。特徴が覚えやすくて助かるよ」
「え、何が助かるの?」
おっと危ない、猟犬の仕事のことがバレる。
「本当にありがとう。これからもよろしくね、皆」
『|Of course《もちろん》!』
---
--- 猟犬の場合 ---
「アヤカ、誕生日おめでとうなのじゃ」
「その口調で言ってるの面白いですね」
「喧嘩売っておるのか?」
「すみません」
組合から距離を置き、本格的に猟犬で活動するようになって初めての誕生日を迎えた。
「誕生日おめでとう。小官特製のわさびメロンだ」
そうだ、鐵腸さんは同じ色の食べ物合わせがちなんだ。
「全く、鐵腸さんはアヤカの舌を殺す気ですか?」
「いや、全くそんなつもりはないが。条野こそ、ちゃんとプレゼントは準備しているんだろうな?」
「当たり前じゃないですか。同僚の誕生日ですよ?」
ああ、なんか2人がバチバチしてる。いつも通りだけど。
「はい、誕生日プレゼントです」
「あざーす。中身なんだろ」
「ぜひ開けてみてください」
私は包み紙が破れないよう、そーっと開ける。その様子を見ていた条野さんが不思議そうな顔をしていた。
「欧米の人は包み紙をビリビリに破いて開けるというイメージがありましたが、アヤカは違うんですね」
「はい。一応半分日本人なので。ていうか、見えてないのにわかるんですね」
「開ける音は聞こえますからね」
なるほど。私は上手いこと包み紙を開けると、ヘアブラシとヘアオイルが入っていた。
「おお〜、オシャレなやつだ……」
「女性にプレゼントを渡したことがほとんどないので、気に入らなかったらすみません」
「いえいえ、めっちゃ気に入りました。大切に使いますね」
「条野、その発言は儂のことを女性として見ていないように聞こえるが」
「言葉の綾ですよ。お気になさらず」
立原はいないけど、さっき『誕生日おめでとう』と連絡をくれたし次会う時にプレゼントもくれるみたいだった。いい一年にするぞ!と今決意したのはいいけど、誕生日にわさびメロンか………
おはこんにちばんは、久しぶりにメンタルと肌が荒れてるぱるしいです。誕生日当日の夜に書き始めて終わらなくて翌日は出かけてて2日遅れの投稿です。アヤカちゃんごめんね。企画の方も参加ありがとうございました。嬉しすぎてほぼ泣きながら読んでました。これからもよろしくお願いします。