編集者:❃虹色うさぎ❃
おにロリ(恋愛ではない)の日常系のお話にする予定です。初めて小説を書くので拙い文章だったり表現がおかしかったりしますが気に入って頂けると幸いです。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
第1話 出会い
「…はぁ」
寒空の下、思わず出たため息が一瞬白く顔の周りを覆うと、またすぐに淡雪のように溶けていった。
こんなことをこの高校生程度の少年は、公園のブランコでここ数時間続けてばかりいる。
「帰りてぇな…」
と言葉が漏れると隣のブランコに座っていた幼稚園児くらいの少女が首を傾げながら話しかけてきた。
「おにいさんどうしたの?げんきないよ?けんかしちゃった?」
(喧嘩、ね…それならどれほど良かったか)
と少し苛立ちを覚えながらも大人げないなと思い直し口元だけの軽い笑みを浮かべると
「えっと…。大人には色々あるんだよ。…それよりも一人?家の人はどこ?」
とキョロキョロと辺りを見回す。すると少女は慌てた様子でオロオロとしながら
「あ…!かってにうごいちゃだめっていわれてたのに…。いいにおいがするほうにきちゃった!」
今にも泣きそうな顔で涙を流すまいと涙が決壊するを堪えていた少女を見て、少年は焦りながら少女に目線を合わせる為にしゃがみ込むと頭をポンポンと軽く撫で、
「一緒に探してあげるから安心して」
と微笑みながら言った。それを見た少女は、くしゃりと笑いながら
「えへへ、やっぱりおにいさんいいにおいする〜」
と少年に抱きついた。抱きつかれた少年が
(え?いい匂いってオレのことだったのか…?何の匂いのことだろ?)
と思案していると、少女は首を傾げながら
「ねぇ、おにいさんのおなまえはなぁに?わたしはみずきだよ!」
と名前を尋ねてきた。
「|玲斗《れいと》。|崎口玲斗《さきぐちれいと》だよ。」
それを聞いた瑞希は目をキラキラと輝かせながら
「れいと!おにいさんのおなまえはさきぐちれいと!」
と新しく知った名前を鼻歌交じりに繰り返した。
---
そんなこんなで瑞希の保護者を探す為、瑞希が元いた場所まで来た道順と同じように辿って行った。
「ここ?待ってろって言われたのは…」
玲斗が尋ねると、瑞希はコクンと首を縦に振り首肯した。
そこは公園から約15分先にある、地元で有名な名家の専属シェフ、の一番弟子が営んでいるという三つ星レストランの前のベンチだった。
(何でこんなところに…。そもそもこんな小さな子放っておくなよ。)
と心の中で詩音の保護者に悪態をつきながらも、途中で疲れたと言った為おんぶしていた瑞希を背中から下ろし一緒に待つことにした。
その間、玲斗は瑞希の遊びに付き合っていた。そして瑞希がキャハキャハと喜びながら笑っているとレストランの扉が開き、慌てた様子のコック帽を被った20代前半くらいの青年が飛び出してきた。そして
「瑞希お嬢様!?こんなところにいたんですか
!?」
と素早く瑞希に駆け寄った。玲斗が
(お嬢様…?)
と頭に?を浮かべていると、ほっとしたように胸を撫で下ろした青年が玲斗に気づいた様子で
「瑞希お嬢様、こちらの方は?」
と瑞希に問い掛けた。瑞希は玲斗の足の後ろに隠れるともじもじとしながら
「れいとだよ。まいごになってたのをたすけてくれたの…。」
と消え入りそうな声で告げた。どうやら瑞希は人見知りしやすいタイプらしく、なぜか玲斗だけは例外だったようだ。そんなことを考えながら玲斗が改めて事情を説明する。
「公園のブランコに一人でいて、迷子だって言うから元いた場所まで連れてきたんす。」
「そうでしたか…。すみません、お手数をお掛け致しました。」
と深々と頭を下げると青年は名を名乗った。
「私は瑞希お嬢様の御屋敷で専属シェフをされている方の弟子でして、|春風颯志《はるかぜそうし》と申します。本日は瑞希お嬢様とその御両親が私の店を訪ねてきて下さったのですが、打ち合わせで少しだけ目を離してしまい、その隙に迷子になって仕舞われたようでして。」
申し訳なさそうに苦い笑いを浮かべると颯志は思いついたように、
「そうだ。宜しければ見つけて下さった御礼に私の料理を召し上がっていって下さい。瑞希お嬢様の御両親にも連絡しておきますね。」
と先程とは打って変わって明るい笑みを浮かべた。玲斗は名家の当主たちと合うという事に、少し面倒な事になりそうだという懸念を浮かべたが、やはり高級レストランの料理を食べたいという欲には勝てず
「では、お言葉に甘えて…。ありがとうございます。」
と今後の人生を揺るがすことになる分かれ道への返事を軽くしてしまうのだった。
初めての執筆なので拙い文章だったと思いますが…お読み頂き有難う御座いました。不定期で更新していくつもりですが、ストックはいくつかあるのであと数話はすぐに上がる予定です。キャラクターの見た目を書くタイミングが無かったのでここで軽く説明します。
崎口玲斗
目の色は紫で、白っぽい金髪(染めてる)に、ピアスを左耳に2個、右耳に1つ着けていて、左耳にはイヤーカフが1つつけている。また、左目の下に泣きぼくろがあり、身長は167センチ、八重歯が生えてる。睫毛の長い美少年。
朝星瑞希
猫耳のような2つのお団子をしており、蝶とリボンが合体したような髪留めをつけている。髪の色は紫で、瞳の色はワイン色。八重歯が生えている。
春風颯志
長いコック帽にエプロンを着ている。茶色がかった黒髪で目の色は青みがかった緑色。身長は176センチ。
こんな感じです。正直瑞希と玲斗のイラストを描いて、この子達に設定をつけたいなと思い書きた小説なので、細かい設定はまだあまりついていませんが緩く書いていきたいと思います。
第2話 面接
そんなこんなで、玲斗はレストランの中へと案内された。店内は、清潔感のある白を基調としつつも、アクセントに金色が使用されていて高級感があり、窓にあるステンドグラスが日光によって照らされ、店内をカラフルに彩っていた。
「こちらのお席にお掛けになってお待ちください。只今瑞希お嬢様の御両親に連絡しますので、いらっしゃいましたら料理を提供致しますね。その間瑞希お嬢様のことを見ていて下さいますか?玲斗さんには懐いていらっしゃるご様子なので…。」
と颯志は優しく微笑むと、失礼しますと言い残し厨房の奥へと消えていった。すると玲斗の手を握って隣でじっとしていた瑞希が
「れいともいっしょにごはんたべれるの、うれしい!」
と玲斗の手をとりながらぴょんぴょんと飛び跳ねた。それを見ながら口元を少し綻ばせると「じゃあ座ろうか」
と言いながら席に着いた。が、瑞希は特別に用意されていた子供用の椅子ではなく玲斗の膝へとよじ登り座った。実は玲斗はあまり人は好きではないタイプなのでベタベタとされるのは苦手な方なのだが、ニコニコと笑顔を浮かべられるとまぁ良いかと思ってしまった。
「れいとはなんさい?わたしはこのまえ6さいになったんだよ!」
と満面の笑みを浮かべながら問うてきた。
「オレは17歳だよ。けどもうすぐ18になるな…。」
と目の前の幼き少女を見て、しみじみと年をとったなと、物思いに耽った。そう、もうすぐ成人するのだ。もう大人には頼っていけなくなっていくのだから自立しなければと自身を鼓舞した。しかし、そんなことなど全く知らぬ瑞希は
「12さい?としうえなんだね〜」
と能天気に、数字を色々言ってしまったせいで合ってるとも間違ってるとも言えない計算を始めてしまった。6歳にしては賢い方だろうか…。
そんなことをしていると厨房から颯志が出てきて
「すぐに到着されるそうです。見てて頂きありがとうございま…」
と言いかけ心底驚いたような表情で
「本当に良く懐かれているんですね…!御家族以外には人見知りだと有名なんですよ。」
と玲斗に抱きついている瑞希を見て呟いた。それを聞いて玲斗は少しむず痒さを感じながらも3人で瑞希の親の到着を待つことにした。会話の中で、颯志についての情報もいくつか得た。
年齢は23歳で、弟子入りしたのは16歳のときだったこと。また、店を構えて三つ星を獲得しているにも関わらず、まだ修行を積みたいということで瑞希の家でシェフとして働くことを提案され、今日はその面接も兼ねた食事会だったこと。それを聞いて玲斗は
(そんな大事な日に迷子になられてこの人も大変だな…。)
と颯志に少し同情した。すると、店の外から足音が聞こえてきてガチャリと扉が開いた。
「まま!ぱぱ!」
と瑞希が玲斗の上から降りて呼ぶと、上品そうな婦人が瑞希に駆け寄ってきて
「瑞希!無事で良かったわ!心配するから勝手にどこかに行っちゃ駄目でしょう…。皆さんにもご迷惑をお掛けして…。」
と安堵したような表情で瑞希を抱きしめた。「ごめんなさい…。」
と反省した表情で言うとハッとしたように玲斗の元へと向かい、足をぎゅ〜っと
「貴方が瑞希を保護してくださった方ですか?」
と瑞希の母親と一緒に入ってきた身だしなみの整った父親であろう男性が玲斗に問い掛けてきた。
「は、はい。」
玲斗は荘厳な雰囲気に息を呑まれ、少し声が裏返ってしまった。それを聞き、緊張が伝わったのだろう、瑞希の両親は微笑みながら
「そう畏まらないで下さい。改めまして瑞希の父と母です。保護して頂き本当に有難う御座いました。食事をご一緒させて頂けるとは春風さんからお伺いしていますが…、他にも何かきちんと御礼をさせて下さい。」
と提案してきた。玲斗がどうしたものかと思考していると、瑞希のお腹がぐ〜と鳴った。瑞希が照れたように
「おなかすいちゃった…。」
と、にへらと笑みを浮かべて呟いた。それを聞いた颯志が
「ふふ、只今お食事を用意して参りますね。」
とペコリとお辞儀をして厨房へと向かった。
---
それから四人は同じテーブルへと座った。玲斗はまたも厳粛な雰囲気に緊張していたが、瑞希の父と母は優しく微笑み、瑞希は玲斗の方へと手を伸ばしている。すると、
「改めまして、私は瑞希の父の|朝星壮一《あさぼしそういち》です。こちらは妻の|朝星静香《あさぼししずか》です。」
と会釈をしながら自己紹介してきた。玲斗も慌てて
「崎口玲斗です…!」
と名乗った。
暫くすると、どうやらコース料理らしく、前菜、メインディッシュ、デザートの順で運ばれてきた。こんな料理を食べる機会がない玲斗は目を輝かせながら舌鼓を打っていた。一方、食べ慣れているであろう瑞希はそんな玲斗を見て、
「れいと、かわいいね!わたしのもわけてあげる〜。」
とお肉や果物を玲斗に分け与えていた。そんな様子を壮一と静香は微笑ましそうに眺めていた。
---
食事が終わると颯志も交えて五人で談笑していた。因みに瑞希は駄々をこねて玲斗の膝の上へと移動することに成功したので椅子は四つしか使われていない。すると静香が
「そういえば話が途切れてしまったままでしたね。きちんと御礼がしたいので、宜しければご家族に御挨拶させて頂けないでしょうか。」
と切り出すと玲斗は気まずそうに
「…えっと、家族は何ていうか…いません。」
と目を逸らしながら呟いた。静香は慌ててすみませんと謝り、瑞希は
「れいと、ひとりなの…?」
と悲しそうな顔でギュッと玲斗の腕を抱きしめた。そんな瑞希の背中をポンポンと優しく撫でると、大丈夫だよと微笑みながら囁いた。
「失礼ながら…いつから御一人で?」
と躊躇いながら静香が尋ねると
「母は数年前に他界したんですけど、一人になったのは一週間前ですね…。父が家出してしまって…。」
と乾いた笑みを作った。それを見た静香は慎重な面持ちで
「…でしたら、金銭面で御困りではないでしょうか?宜しければサポートさせて頂けませんか?」
と提案してきた。玲斗は慌てて首を左右に振った。流石に迷子を保護した見返りとしては大きすぎる。すると、それを見た壮一が考え込み、
「では、うちで住み込みで働くというのはどうでしょうか?あぁ、勿論学校には通って頂いて構いませんし、専門的な技術も要求はしません。ただ、私も妻も忙しくて中々この子に構ってあげられず…寂しい思いを沢山させてしまっているので、遊び相手になってあげて欲しいのです。この子が私達以外に心を開くのは珍しいので…。」
決断は今すぐでなくても良いので、とつけ加えると、どうか…!と頭を下げてきた。どうしたものかと考えていると瑞希が瞳を輝かせて
「れいとといっしょにくらせるの!?わーい!」
と喜んでしまった。こんなに喜んでいる少女に向かって否定するのは心が痛む。それに何より実際に金銭的な問題には直面していたところだったので渡りに船であった。そのため玲斗は
「そうですね…。では、働かせて下さい。」
と返事をするのだった。
第3話 職場
それから颯志以外の四人(颯志はどうやら来週から屋敷で雇われることが決まったらしい)は店の外に出て専属の運転手のいる車に乗り込むと朝星家の屋敷へと向かった。屋敷は赤レンガを基調とした西洋風の建物で、時計台や噴水、花などありとあらゆる優雅なものが勢揃いしており、まるで映画にでも出てきそうなほど美しい造形だった。車を下り、屋敷の中へと足を踏み入れると、立派な白髭を生やしたスーツ姿の使用人が出迎えに来た。
「お帰りなさいませ。旦那様。奥様。お嬢様。」
と深くお辞儀をし、その後に玲斗に気づいた様子で
「おや、御来客の方ですかな?はじめまして、私は執事長を務めさせて頂いております|羊川治《ひつじかわおさむ》と申します。以後、お見知りおきを…。」
とこれまた深くお辞儀をした。オドオドとしながら玲斗はこちらこそ、とお辞儀をした。今日だけで卒業式並みにお辞儀をしている気がする…。すると壮一が玲斗の紹介をした。
「こちらは崎口玲斗君だ。実は今日瑞希が迷子になってしまってね…。その時に瑞希を連れてきてくれたんだ。」
「それはそれは、そうでしたか。改めて私からも御礼を申し上げます。お嬢様を見つけて頂き有難う御座いました。」
羊川がもう一度玲斗に向かって頭を下げた。そして、
「それでなんだが、玲斗君は身寄りがないようでね…。御礼も兼ねて瑞希も珍しく懐いているものだから、学業に支障が無い範囲で瑞希の遊び相手として住み込みで働いて貰うことにしたんだ。」
と壮一が告げると、羊川は目をキランッと光らせて
「瑞希お嬢様が…!成る程成る程、そうで御座いましたか。それならば是非指導は私にお任せ下さい。必ずや立派な執事に育ててみせましょう。」
と嬉しそうに宣言した。
「あ、いや、あくまでも御礼を兼ねているのだからそこまで厳粛に指導しなくても…。それに別に執事という訳では…」
と壮一が慌てて訂正しようとすると、
「甘いですぞ。旦那様。瑞希お嬢様の遊び相手が必要なのはせいぜいあと数年程度でしょう。数年後も仕事を続けてもらうならば早いうちから何かスキルを身に着けて頂いた方が玲斗さんの為にもなりますぞ。」
と自信満々に説得してきた。玲斗は少し考えた末、
「そうですね…。では指導お願いします。羊川さん。」
と返事をした。
---
それからとりあえず指導は明日からということで玲斗は案内された自室で頭の中を整理していた。
(今日はホントに色々あったなぁ…。ってか今更だけどそもそもオレが執事とか大丈夫だろうか?敬語苦手だし、何よりピアスも空けまくってて髪も染めてるぞ???その上で誘ったのだから服装は意外と自由なんだろうか…。)
するとドアがコンコンっとノックされたので、どうぞ、と返事をした。
「れいと〜!れいとはうちのこになったんだよね!?じゃあれいとのほうがおにいさんだけどおねえちゃんはわたし?」
とパタパタと入ってきた瑞希が満面の笑みを浮かべながら尋ねてきた。
「残念だけど使用人になったってだけで瑞希ちゃ…お嬢様の兄妹や家族になった訳じゃないんだ…ですよ?」
と返答した。すると瑞希は不機嫌そうな表情をする。そんなに姉という存在になることに憧れていたのだろうか…。と考えていると
「よびかたとしゃべりかたそれじゃやだ!」
とほっぺを膨らませて御立腹なご様子だ。使用人になるのだから敬うべきかと思ったのに中々難しいなと玲斗は思いつつも
「はいはい。わかったよ瑞希ちゃん?」
と呼びかけた。すると瑞希はご機嫌になった様で、うん!とニコニコとしながら返答をし、
「それと、さっきのまちがってるよ!ままもぱぱも、おうちではたらいてるひとはみんなかぞくだってゆってるもん!」
とえっへんと自慢気に話した。どうやらこの職場はかなりのホワイトのようだ。
---
夕食の時間になり、本日二度目の豪華な食事と対面した。主食はパンでメインはハンバーグ、野菜スープやデザートなどが並べられている。
これは颯志の師匠が作った料理のようだ。食べてみると玲斗はまたもや、とろける様な笑みを浮かべながら味わって食べている。驚くべきことに全ての使用人が主人達と同じ食事を摂ることができるそうだ。なんと素晴らしい職場なのだろう…と玲斗が感動していると、この料理を作ったダンディな雰囲気の中年男性である颯志の師匠こと専属シェフが挨拶をしてきた。
「やぁ、話は聞いてるよ。私はこの屋敷の専属シェフの|志津山権三郎《しずやまごんざぶろう》だ。これからこの屋敷で働くんだって?宜しくお願いするよ…。」
と握手をする為手を差し出してきたのでそれに応えて握手をする。
「知ってると思うけど、私の弟子が来週からこの屋敷で働くんだ。この屋敷の中じゃ比較的年齢も近いだろうし仲良くしてやってくれると助かるよ。」
と微笑みながら言った。それに対し、玲斗は不器用に笑いながら
「こ、こちらこそ…!」
とペコリと勢い良く頭を下げた。
---
その後、玲斗が自室へと戻り休息を取っていると再び扉がノックされた。来客者は先程と同じ瑞希である。手には瑞希の身体の幅と同じくらいの大きな赤ずきんの絵本を持っている。瑞希はパタパタと玲斗の元へと走ってきて、
「れいと!あかずきんさん、よんで?」
とキラキラした瞳をこちらに向けて頼んできた。玲斗は小学生の頃の音読はサボっていたので朗読には自信がないが、これからはこういったことが仕事になるのだろう。練習も兼ねて読んでみることにした。玲斗は、いいよ。と返事すると2人でソファーに腰掛け…ようとしたが結局瑞希は玲斗の膝の上へとよし登ってきた。余程のお気に入りポジションらしい。それから玲斗は朗読を始めた。
「赤ずきんは……」
---
朗読し終わると瑞希はウトウトとしながら寝ぼけ眼を擦っていた。それを見た玲斗が
「そろそろ寝る時間だよ。部屋に戻れる?」
と尋ねると瑞希はコクンと頷き、おやすみなさい…。と言って扉の外へと姿を消した。それを見届けた玲斗は自分も寝ようと思い、ベッドに横になると疲れていたのか、スヤスヤと眠りの世界へと誘われたのだった…。