誰もが宝石と、その宝石についている妖精を持っている時代。
主人公の神崎レナは、世界でただ1人宝石と妖精を持っていない女の子。
それが理由でよくいじめられるレナは、妖精を探す旅に出ることを決意する__
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魔法の宝石I-1 妖精を持たない者
どうも、インフルエンザにやられたけど2日で熱が下がって(まだ学校には行けない)時間割が休んだら面倒なものが多すぎて死んでいる短編カフェ@小雪です!
魔法の宝石、なんか前まで書いてたやつを編集してちょっと物語の流れ変えてたら
『あれ!?これ、ちょっとだいぶ最後の方のやつじゃない!?』ってなりまして。
ちょっと、最初の方のやつをしばらく書かせていただきますので、前までのものは非公開となります。
なるべくはやく再度公開できるように頑張りますので、ご了承ください。
「ねえ、レナ、まだ学校来てるよ?やばくない?」
「やばいやばい。なんで来れるんだろうね〜。あれだけいじめられてるのに。」
「頭おかしいんだよ。そっか〜、じゃあもっとお仕置きしてあげなきゃだね♡」
お仕置きってなに?私、あなたたちに何かしましたか?
なんでいじめられてる人が逃げなきゃいけないんですか?
いじめてる人たちこそ、来ないべきなのに。
まあ、無理だよね。
みんな、自分が正しいと思って生きているから。
自分の考えに反するものは、容赦なく排除していい__
みんな、心のどこかでそう思っているから。
まあ多分、私もそうだけど。
---
私は、レナ。
私のいるこの世界には、妖精がいる。
赤ちゃんが産まれると、その子の“宝石”が現れて、その宝石の妖精がその子のパートナーになる。
その宝石と妖精を使った授業だってある。
それぐらい、いるのが当たり前のものなの。
先生とかにも聞いたし、本を読んで調べたりもしたけど、それを持っていないのは、世界中で1人しかいない。
それが、私・レナなんだ。
---
「ねえレナ、どうして、そんなに平然としていられるわけ?この学校で、っていうか私の知る限り、宝石と妖精持ってないの、あなたしかいないんだけど?」
「…そうだね。」
今、私を見下ろしているのはリズ・ルビー。
ルビーの妖精使いだ。
「__ねえ、だから、どうしてそんなに平然としていられるのかって聞いてるんだけど?*ルゥ、………。」
「……。ウンウン(頷いた)」 *妖精の名前です
「…?」
目の前で、火が閃いた。
あ、やばい__
なんて、思う間もなく、その火は私にぶつけられた。
__ジッ。
もちろん、私は火傷した。
リズはうまく自分の体を痣だらけにした。
そして先生を呼びつけて、この痣はレナにされた。怒ってしまってうっかり火傷させてしまったと言った。
「…レナさん?」
その声には、また?という響きが込められていた。
毎日毎日、こういうことをして私をいじめて遊ぶリズたちのせいだ。
実際いじめられているのは私だけれど、私がいじめていると思われているんだろうな。まあ、どうでもいいや…
言ったって、こんな学校の人たちに通じるはず、ないもんね。
---
「ねえ、レナ。また、リズさんを殴ったって、先生から連絡が来たわよ。どうかしたの?本当に、どうして…レナは、人を殴るような子じゃなかったでしょう?」
「だから、あっちが勝手にやってるんだって」
「勝手にやってるって何よ。」
「私を火傷させた後、自分で殴ってたんだよ。」
淡々と事実を説明する。
「……ねえレナ。本当に、どうしちゃったの?いっつもそう言うけど……本当に…レナ。レナは、そう言って誤魔化すような子じゃなかったわ__」
ああ、もう五月蝿い。
本当なのに。
まあ、そうだね。信じるはずないのは知ってる。
……ねえ、どうして?
どうして、妖精がいないから。宝石がないから。
みんなと違うから。
好きでそうしてるわけでもない、私にしたら当たり前のそのことで、
どうして、ここまでのことを私はされないといけないわけ?
1287文字。
1番初めと比べて、多分だいぶ、ブラックだったような気がしないでもないんですけど……
Ⅰ-2も楽しみにしていてくださると嬉しいです。
魔法の宝石 I-2 日常に疲れた私は
魔法の宝石、I-2です!
自主企画に参加していただいた方々、ありがとうございます!
今回、あと次回、多分主人公のやばさがMAXです。気をつけてください!!
本文どうぞ!
ああ、疲れた。なんでこうもいじめられなければ…
妖精も宝石もないけど、私は人なのに。
いじめられるためのサンドバッグじゃないんだよ?
妖精と宝石を持っていることが、人である条件なの?
でも、私は確かに人で、機械でもなんでもない。
……はは、私は一体誰に主張してるんだろう。
---
「ねえー今日はどうするー?リズー」
独特の間延びした声。
__リズ、と、ダイヤモンドのヨルだ。
またいつもの通り、暴力を受ける。
その時、1人の人影が見えた。
「すいませーん、おくれましたあ〜!……あっ!この子ですか?いじめ放題のサンドバッグって!」
「ちょっとアレン、大きい声でそんな物騒なことを言うのはやめてちょうだい。」
「そうだよー別にー、意味もなしにいじめてるわけじゃないしねぇー」
「あ、すいません!ええっと__妖精を持ってない可哀想な人、初めまして!あたし、アレン・ソルピー、アレキサンドライトの妖精使い!いっぱいいじめさせてもらうね♡よろしく!」
「……」
げんなりとそいつ__アレンを見る。
サイコパス、それともパッパラパー?腹黒さが圧倒的に透けて見えて、無邪気っぽさがまるで感じられない。
「__じゃあアレン、私たちは一度戻るわね。人目には気をつけること。特に先生はね。」
「ええー?私なれてないんですから、先輩たちどっちかはいてくださいよー。」
「え?__はあ、(面倒だな)じゃあ、ゾーレン呼んでくるから。じゃあね」
__ゾーレン。ゾーレンか。
しばらくすると、1人の男がやってきた。
「…チッ、なんだよ。__お前は誰だ?」
「ゾーレンさんですか?あたしアレン・ソルピーです!」
「__ゾーレンだ。で、なんで俺は呼ばれたんだ?」
「あたし初めてだけど、先輩たちが帰るっていうから、いてくださいって言ったらゾーレンさん呼んでくるって」
「はあー……わかった。__おい、さっさと行け」
「え、で、でも__」(妖精、ララ)
「お前に発言権はない、さっさと行け」
「………ごめんなさいっ!__ポムグラネイト」
手榴弾が飛んでくる。それを、ああ、飛んできてるなあ、と見つめる。
「__っ」
小さいけれど威力の強い爆破が起こる。
「おい、手間取らせるな。ずっとやってろって何回言えばわかるんだ」
「……いやだ…わたし、こんなこと…………」
「自分にポムグラネイト」
「…っあ」
大きい爆破が彼女を包んだ。
妖精を持つ相手に全ての権限はあるから、妖精は自分に技を使うことも望まれればするしかない。
「まだ反抗するか?」」
「もういやです!こんなこと、したくな…」
ポムグラネイトの爆破が次々と彼女を襲い、彼女は火傷だらけになった。
「__さっさとしろよ」
「____っ!」
ララはまったく善人だ。底抜けの善人だけれど、こうまでされたらもう、私をいじめるしかない。普通そうだろう。いくら底抜けにいい人でも、途中で、なんでこうまでしてやらなければならないんだ、という怒りが湧き上がってくるものだ。
アレン・アレキサンドライトはそれを楽しそうにみている。どうやら本当にサイコパスなようだ。
「先輩、すごいですね!よーし、あたしもー!キララ(妖精)、アレキサンドライト・デブリー!」
大量のアレキサンドライトの欠片。
そこまで深くもないけれど、いくつかが刺さった。
そこに、ララのロードライト__熱を発生させる技がかさなり、熱さと痛みが襲った。
「あー、楽しかった!それじゃああたし、そろそろ帰ります!なので先輩も、帰りたかったら帰ってもらって結構ですよ!ありがとうございました〜!」
「じゃあ、ララはもう少しやってろ。俺は帰る。」
「えっ__」
「あと15分やったら帰ってこい。こいつと馴れ合いごっこなんてしたら、ポムグラネイトが五つ以上、お前に当たるからな」
「__」
ララは絶句した。ゾーレンが自分に当てるのに要求するのは、普通の妖精だったら二、三発くらったら死ぬぐらいの強さなのだ。
でもララはタフで、このゾーレンという主人から逃れられない。
可哀想だな。
そのあと、私はガーネット・ロープという宝石ほど硬い縄でしばられ、ポムグラネイトとロードライトを当て続けられた。
---
家にはもう親がいて、私は訳のわからないものを見るような目と、ゴミを見るような目が混ざったような酷い目で見られた。
言い返す気力もなく、自分の部屋へと行った。
気分を変えたくて、早めに風呂へ行くことにした。
湯船の温かさに浸かると、もう戻りたくなくなった。このまま消えてしまえないだろうか。
冗談のように軽く、本気でそう思った。
__まあ、無理だよね。
立ち上がり、とてつもない喪失感を覚えながら風呂を出た。
その喪失感と、消えてしまえないかという考えは、なかなか消えてくれなかった。
はい__どうでしたでしょうか?
アレン・ソルピー→純白凍土様
https://tanpen.net/novel/5f0f8c18-687e-4ff7-bfa1-5b969eaf3daa/
ゾーレン→紅虹 蚯蚓様
https://tanpen.net/novel/6753c252-ea59-41d6-8542-210058f70066/
わりと今回アレンジさせていただきました…年齢とか、キャラの一部とか。ちなみにヨルは普通にオリキャラです。
自主企画参加ありがとうございました!他に参加してもらったものも、少しずつ出していきます。
魔法の宝石I-3 ……
前回言った通り鬱度MAX。
同時に四話目も出すので、どうかそれで安心してください。
それでは本文どうぞ!(本当にやばいです。気をつけてください)
……
---
ただ、急に来たんだ。ダメな波が。
視野が狭まってバカになっていたんだ。わかってる。わかってたんだ。ただ、ただ波に飲まれたんだ。
バカになってるだけなんだって、わかってた。
理由なんてなく、波に飲まれて、「死」しか見えなくなったんだ。
急に辛くなって、一気に今まで押し留めていたものが流れ出してきて。まるで、ダムが決壊したみたいに、一瞬で私が壊れたんだ。
どうにもならないことも、意味がないことも、ぜんぶ、わかっていたのに。
---
気分がとにかく悪かったけど、それにも気づかないぐらい視野が狭まっていた。
むりだむりだむりだむりだむりだ、いきられないいきられないいきられないいきられないいきられないって、ただそればっかりを脳が叫んでいた。
その発作が起こったのが学校だったのが、幸だったのか不幸だったのかわからない。
屋上に走って、止める術もなく飛び降りたくなった。
ただもう止めることができなくて、爆発のような勢いで飛び降りた。
私は、すぐに意識を失った。
437文字です、はい。
安心してください、どうか安心してください。
そして引かないで!ごめんなさい最近暗いよね!
はい…
これ以上暗くならないよう気をつけます。
ありがとうございました。
魔法の宝石Ⅰ-4 アメジストの光
こんにちは。
頑張って、第二話出した翌日に第三話、四話執筆しております。
4月1日に出すように設定してるけど。
それでは早速ですが本文どうぞ。
…
「……?」
目が覚めた。え、目が覚めた?
左胸は鼓動で少し動いている。
……死にそびれたのか。なんだ。
気絶したというのに、まだあの勢いは消えてくれていなくて、そばにあった窓から飛び降りようとした。
そのとき、ぐいっ、と、窓と逆方向に引っ張られた。
邪魔だな、と思って引っ張られた方向を向くと、
「…相当死にたいんだね。」
アメジストを思わせる、アメジストの妖精使いと思われる女の子がいた。
「…誰?」
「ショウだよ。ショウ・アメジスト。アンタは…レナ、だっけ?」
「あなたが邪魔したの?」
「そりゃあね。屋上でのんびりしてたら突然来た子がフェンス乗り越えて落ちようとするんだもん。怒られる筋合いはないと思うんだけど?っていうか謝ってほしいよ。私がどれだけビビったと思ってる?」
「そんなの知らないよ。死ぬとか生きるとか、それは本人が決めることでしょ。権利を侵害しないでもらっていい?」
「それならせめて場所は選んでくれないかなぁ?人の憩いの場が恐怖の場に変わるとこだったんだけど。それも権利侵害ってことになると思うけど?」
「少なくとも、今から私が死ぬのは勝手だと思わない?」
「思わない。それなら家で勝手に死んでくれる?それかいじめっ子の前で死んでよ。アンタの死っていう決断に加担したやつの前で死んで。私はアンタをいじめもなにもしてないし。」
「……」
面倒だな、と思ったけれど、もう正直、勢いは薄れてきていた。
ああ、本当にいっそ、あの勢いのまま死んでしまえれば楽だったのに、と思って、怒りと悲しみが同時に襲いかかったけれど、その前に安堵が来てしまっていた。
ほんとうに、邪魔で、面倒臭い。
そう思いながら、結局私は死ぬ気が失せて、なんだか面白くなって笑ってしまった。
682文字です。
短かったけど勘弁してください。
はい、第四話の新キャラは、神宮寺イトさんのショウ・アメジストでした!
https://tanpen.net/novel/cfde518f-a303-4211-af1e-627d4a7b66bd/
かっこよく書いたつもりです…どうでしたか?
続きもぜひ楽しみにしててください。ありがとうございました。