1話を読んでいただければ、世界観をだいたい把握できると思います
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鳩の国 1話
神ミテラがこの世界を作り、動物に人間の知性と形を与えた時、世界は混乱状態だった。
種族同士で争い、その争いは長きに渡り続いて沢山の命をなくしてしまった。
鳩の種族、トロイはそれが許せなかった。
トロイは6人の仲間と協力してこの世界をまとめ、後に伝説的な救世主として語られるようになった。
7人はそれぞれ国を作り、王や女王としてこの世界を守った。
トロイはアステリという国を作り、ベラという美しい女性と婚約した。
二人の間に生まれたのがこの私、スター。
パパは私に、平和と幸せを教えてくれた。
争いから何年か経った今日、いつまでも続く平和への願いを込めて、舞踏会がアステリの城で行われていた。
そこには各地から集まった名家から庶民まで、沢山の者が集まっていた。
「…遅い」
スターがそうつぶやくと、召使が言う。
「両陛下…遅いですね」
「少し、様子を見てくる」
スターが玉座から席を立つと、小走りで両親の部屋へと向かう。
豪華なドレスのせいで、走りにくそうだ。
スターがノックし、部屋に入る。
「!?…」
スターの目線の先には血を流し倒れているベラと、それを魂が抜けたような目で見つめるトロイ。
その手には、血がべたりと付いていた。
目の前の衝撃的な出来事を目にしたスターはその場にへたり込んで気絶してしまった。
トロイは部屋の大きな窓を突き破り、飛び去っていった。
スターが目を覚ますと、そこは城ではなかった。
スターの周りを3人が取り囲んでいた。
「大丈夫?」
カラスのような見た目の女性が声をかける。
「貴方は…?」
スターが問うと女性が答える。
「私はディア、そっちのウサギの女性がロージー、で狼の男性がウノ。」
「よろしくー」
「…」
ウノが明るく言うが、対照的にロージーは何も言わない
「挨拶ぐらいしなよ」
「触るな!」
ウノがロージーの肩に手を置くと、ロージーは激しく怒る。
「何でそんなに怒るんだよ…」
「…」
ロージーはまた黙り込む。
「…なぜ私はここに?」
「王が国と城を破壊したの 城から逃げる途中、ウノが女王と貴方を発見して…」
「!?」
城のある方へと目線を向けると、そこには瓦礫しか残っていなかった。
「……」
悲惨な状況に、スターは言葉が出てこない。
「なぜ王はこんなことを…」
「パパを探さないと…」
スターは指輪の上の部分を開けると緑の宝石が見え、光線が現れる。
「それは?」
ウノが聞くと、スターが答える。
「私が求める物を示してくれる指輪。 母から貰った物よ。」
「ふーん」
「早く行こう」
ディアがスターを引き止める。
「待って、王を見つけてどうするの?」
「それは…」
「始末に決まってるでしょ」
ウノが当たり前のように答える
「ウノ! あんた何言ってんの!」
ディアが怒鳴るが、ウノは何とも思っていないようだ。
スターは今にも泣きそうだ。
「…とにかく、王を探して、何でやったのか突き止めよう。 話はそれから。」
「…分かったよ」
ウノは不満そうだ。
4人は光線を追って、歩き出した。
続きが書けるよう頑張ります
鳩の国 2話
アステリの城から立ち昇る黒煙が、遠くの空をどんよりと汚している。
つい数時間前まで、そこには音楽と笑い声が溢れていた。スターは泥にまみれた豪華なドレスの裾を握りしめ、一歩一歩、重い足を引きずるようにして歩いていた。
スターの小さな体には、この悲劇はあまりに重すぎた。
「……ねえ、少し休まない? みんなもう限界よ」
一行の静寂を破ったのは、カラスのような見た目の女性、ディアの声だった。
しかし、先頭を行くスターの耳には届かない。
彼女の視線は、指輪から伸びる淡い緑色の光線に釘付けになっていた。
この光の先に、母を奪い、国を壊した父・トロイがいる。
「無駄だよディア。お姫様はパパに会いたくて必死なんだ」
後ろからウノが、わざとらしいほど軽い調子で声を上げる。
「でもさ、そんなフラフラで追いついたところで何ができる? 相手はあの『伝説の救世主』サマだぜ。今のあいつは、俺たちの知ってる王様じゃない」
ウノがふらふらと歩み寄り、隣を歩くロージーの肩に手を置こうとした。その瞬間。
「触るなッ!」
ロージーが鋭く叫び、ウノの手を激しく弾き飛ばした。
その瞳には、隠しきれない拒絶と、静かな怒りが宿っている。
二人の間に流れた凍りつくような空気。
「おっと……相変わらず厳しいねえ」
ウノは両手を上げておどけて見せたが、その目は笑っていない。
彼はそのまま、スターの背中に向かって、冷ややかな、けれどどこか確信に満ちた言葉を投げかける。
「……王を見つけて、どうするつもりだ?」
スターの足が、ぴたりと止まった。
「……わからない。でも、パパに聞かなきゃ。どうして、あんなことをしたのか」
「理由があればいいけどな」
ウノの口角が、わずかに歪む。
「俺は、あいつをただ追いかけてるわけじゃない。救世主が何を血迷ったか知らないが……犯した罪には、それなりの報いが必要だと思わないか?」
ウノの言葉の裏に潜む、うっすらとした憎悪。
それは刃物のように鋭くはないが、氷ような冷たさを含んでいた。
父を信じたいと願うスターの心に、言いようのない不安が広がっていく。
「……行こう」
ロージーが、今日初めて自分から言葉を発した。
ウノを避けるようにしてスターの横を通り過ぎ、前へと進む。
その横顔には、誰にも触れさせない孤独な壁がそびえ立っていた。
スターは震える指で、母の形見である指輪を強く握りしめた。
緑の光線は、容赦なく荒れ果てた荒野の先を指し示している。
平和と幸せを教えてくれた父の背中を目指し、スターは再び、重い一歩を踏み出した。
…これ読んでる人いるのか?