天界に住む2人(+もう1人)の天使の冒険の話。
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目次
エデン・テイル
カタカナ英語の「テイル」には二種類ありますが、今回のテイルは、「尻尾」という意味ではなく、「物語」と言う意味の「テイル」です。 Tail ←尻尾 Tale ←物語 のように、綴りが違います。
キャハハハハ・・・
アハハハハ・・・・
幻想的な浮島に、子供たちの笑い声が響く。
その一方、ある学園では、11歳ほどの子供から20歳の大人たちまでが、しっかりと整列していた。
「私立ヴァリアント学園の生徒達。これより、実技試験を行う」
隊列から少し離れた場所に一人、厳しそうな顔つきの男性が立っていた。
「実技試験の内容は去年と同じ。我らの住む天界の下、つまり現世に降りて調査してきてください」
質問は?、そう聞かれた生徒たちの中に、一人だけ手を挙げた。生徒たちの視線が、手を挙げた生徒に集まる。
「何ですか?」
「調査内容は何ですか!」
質問した生徒は幼く、11歳ほどだった。
「内容は完全に自由です。評価方法については、調査レポートを見て、点数を決めます」
それだけ言い、この学校の校長は黙ってしまった。
---
「・・・というわけなので、明日現世に出発します。いいね?」
「「はーい」」
「それじゃ、寮に戻ってください」
この学校は完全寮生活で、複数人同じ部屋で生活している。
「ほらミーア!早く寮に行こ!」
「うん!」
ミーアの寮は3人で、ミーア、ルカ、エマで生活していた。
「あっ、ファル!」
「へ?あぁ、ミーアか・・・」
ミーアが話しかけたのは同い年の男の子、ファルだった。
「明日の調査、もちろん私と行くよね?」
「っ!まっ、まぁ?行ってあげても、いい、けど・・・」
ファルは少し顔を赤くして答えた。
「へへ!私達は、ここに来た時からずっと一緒だもんね!」
そう言い残して、ミーアは去っていった。
「断れるワケ、ないだろぉ・・・」
ファルは呟いた。
最近メイドインアビスにハマりまして、ほぼメイドインアビスみたいなお話になってしまいました。今お休みもらってますが、これ復帰って訳じゃないです。思いついて、「これだ!!」ってなったからいち早く見てもらいたくて我慢できずに投稿しただけです。主の体調等が良くなって、万全を期したら完全復帰します。日記はちょくちょく書くつもりなので、楽しみにしててください。
エデン・テイル 2
ネタがほぼない状態で書き始めている我・・・
カランカラン・・・
起床時間を知らせるベルが鳴り響く。
学園の寮に、朝が来た。
「ミーア、朝だよぉ・・・」
眠たそうにエマがミーアを起こす。
「んぁ・・・あとちょっとだけぇ」
「ふふ、今日は現世に調査に行くんでしょ?」
そうルカが言った瞬間、ミーアは大慌てで起き上がった。
「た、大変だっ!急いで準備しなきゃ!!」
「もぉ、ミーアったら・・・」
エマが苦笑しながら準備するミーアを見守った。
「さて、私達も準備準備!」
他の2人も、支度を始めた。
---
「これから7日間、現世に降りますが、決して油断しない事、危険な場所にはいかない事。約束を破って死んでも、自己責任ですよ」
この世界の現世は、通常とは全く違った。
なぜなら、1000年以上も時間が過ぎていたからだ。
令和の時代から長い年月が過ぎ、昔では考えられないような世界になっていたのだ。生き物も、危険なものから無害なものまで、多種多様な原生生物であふれかえっている。
「それでは、自分たちで決めたチームごとに、現世へ降りて行ってください」
そう言われると、次々にチームが長い階段を下りて行った。
「ファル!!そろそろ私達の番だよ!」
「うん・・・」
「何ぃ~?怖いのぉ?」
そうミーアにからかわれたファルは、顔を赤くして怒った。
「ちげーよっ!ただ、現世は危ないって聞いてるから・・・」
学園の実技試験は年に一回行われているのだが、ミーア達は11歳、新入生なので、現世に行くのは初めてだった。
「きっと大丈夫だよ~。確かに先輩たちからお話は聞いてるけど・・・、帰ってこない先輩なんていなかったでしょ?」
「そうだけど・・・」
今のところ学園から死者は出ていない。だが、けが人は年に何人か出てきているので、ファルが緊張するのも普通だった。
「あっ!次私達だぁっ!!」
ミーアがそう小さく叫んだ。
「ほら!ファル早く!!」
「待ってってばぁ!」
「待てないよ!待ちに待った冒険だもん!」
「行こう!新しい冒険へ!」
ただ、2人に待っていたのは
楽しい冒険でも、
幸せな調査でもなかった。
不穏な感じで終わりました~^^ まぁ、タグにグロテスクって入れてるから大丈夫だよねっ!というかこれそもそもメイドインアビスイメージで作ってるから、メイドインアビス知ってる人なら予想つくだろ! そして予想以上に高評価でちょっと内心ビビってる人。(凄く嬉しいけどね☆)
エデン・テイル 3
荒廃した現世へ向かうミーアとファルだったが・・・
ロープを下った先にあったものは、現代の文化とはかけ離れた、荒廃した現世だった。まだ周りには、たくさんの生徒達が、グループで相談している。
「ねぇ、どこから行く?」
「あ、安全そうなとこ・・・」
「え~!せっかくなら、面白そうな所いこーよ!」
「えええ!?やだよ!なにかあったら・・・」
ファルが話していた時だった。
「グォォオォオオオォオオオ!!!!」
「!? 何!?」
「へぁ!?何の音だよぉ!」
謎の咆哮が轟いた。
周りの生徒達はパニックになり、逃げ惑う。
その時、
「キャッ!?何これ!」
「降りてきたらこれって・・・」
ミーアのルームメイト、ルカとエマが降りて来た。
「エマ!それにルカも!私もよく分からなくて・・・」
ミーアがエマ達に近づいた時だった。
「ミーア!危ない!」
ファルがミーア達を抱え込み、倒れ込んだ。
その瞬間、瓦礫がミーアが立っていた場所へ落下した。
「ひえ・・・。ファル、ありがと・・・」
「・・・気をつけろよ」
そんな会話の途中、
「ガオォォオォオォオォォォオ!!!」
大きな咆哮と共に、声の主が現れた。
大きな狼を連想する見た目、頭にはユニコーンのような|角《つの》。
水色で、腹や顎に行くにつれて、段々と白っぽく色素が薄れていた。
「何この怪物!?」
「とにかく、逃げないと!」
周りのパニックが激しくなる。
ミーア達は、パニック集団にあっという間にもみくちゃにされた。
「むぐ・・・!ふぁ、ファル~!どこ~!」
「んぐぐ・・・こ、ここ!」
集団をなんとかかき分け、ミーアとファルは合流した。
しかし、
「グォォオォオオオォオオオ!!!!」
怪物は、パニック集団の中へ突っ込んだ。
「キャアアアアアアア!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怪物は次々に人を喰らっていく。
「あ・・・ぁあ・・・」
「ミーア!とにかくあっちに!」
ミーアはファルに手を取られ、人のいない場所へ連れていかれた。
怪物は未だに人々をなぎ払ったり、噛み千切ったりしていく。辺りには、血しぶきが舞った。
「あ・・・ふぁ・・・ファル・・・」
「・・・ミーア・・・大丈夫・・・」
段々と、人が少なくなり、代わりに飛び散った内臓が増えていく。
周りにほとんど人がいなくなった時だった。
怪物が、こちらを向いた。
「ひっ・・・」
「に・・・逃げないと・・・」
そう言うファルだったが、足がすくんで動けなかった。
「誰かぁ・・・助けて・・・」
助けを求めるミーアに、無慈悲にも怪物は近づいていった。
「ちょっと待って」
どこかから、そんな声が聞こえた。
「誰・・・?」
ミーアは何ながら顔を上げた。
「その子を襲うのは、やめなさい!」
近くの瓦礫の上に、ミーアと同じくらいの年の子供が立っていた。
短く髪をくくっており、背中には大きなリュックを背負っている。
「グルルルル・・・」
怪物が子供の方を見た。
しかし、そこにはもう子供はいなかった。
「早く、逃げるよ」
「えっ!?」
「うわっ!?いつの間に!?」
さっきの子供は、ミーアの横へ来ていた。
子供は、ミーアとファルの手を取ると、2人の手を引っ張って走り出した。
今回、クソグロいですね。あの、忠告しときますと、この話、こんな感じです。 そして、新しい登場人物が出てきました!この子はこれからレギュラーとして絶対に出てきますので、お楽しみに!
エデン・テイル 4
得体の知れない子供に助けられた2人だったが・・・
謎の子供に連れられ、走ること数分。
「あぅぅ・・・ま、待ってぇ・・・」
「わわ、ごめんね、疲れたよね、あとちょっと・・・」
学校から一度も外を出たことないミーアにとって、現世はとてつもなく広かった。
「ほら、あそこ。あそこは安全、だから・・・」
謎の子供が指さす方向には、周りの瓦礫よりは幾分か形の残った小屋があった。
ミーアは小屋に入るなり、すぐさま床に座り込んだ。
「ひぇ~・・・、現世なめてた・・・」
疲れ果てたミーアを、子供はじっと見つめた。
「・・・やっぱり、薄々気づいてたけど、天使なんだね、君たち」
「うん。僕らは天界の冒険者見習い。年に一回、ここに来てるんだ」
説明するファルに、子供は「そっか」と相槌を打った。
「それより、君って一体・・・」
「あ、僕の事、話してなかったね」
そう言うと、立ち上がり、ファル達の方を向いた。
「僕はリアン。ここの、最後の管理人」
少し俯いて、そう自己紹介をした。
「「管理人?」」
2人は聞き覚えのない単語に、首を傾げた。
「えっと、ここ、現世は昔、とても栄えていたんだ」
それからリアンは、昔の現世の様子、人類の絶滅、自分に託された使命を話した。
「ねぇ、託された使命って、なに?」
「あ、僕の使命はね・・・」
「人類の復刻だよ」
暗い顔をしたリアンを、お人好しのミーアが何も聞かずにいられるわけがなく、ミーアは質問した。
「リアンは・・・人類を救いたくないの?」
「うん・・・だって」
「だって?」
「人類が滅んだのは、人類の、自分自身のせいだから」
「そうなの?」
人類が滅んだ世界、それは、自分勝手に生きて来た結果だった。
「そんな奴らをまた創り出したって、また勝手に滅ぶだけ。そんな無意味な事に、努力したくない」
リアンの言葉は、小さくも、大きな決意を持っていた。
「・・・それに、ここの住民は、いい奴も多いんだ。もし人間が復活したら、彼らの居場所がなくなっちゃう」
リアンはそう言って笑った。
「そうそう、聞きたかった事があるんだけど・・・」
ミーアはそっと手を挙げた。
「さっきの怪物・・・多分だけど、去年はいなかったはずだよね?なんで今年になって出てきたの?」
「あの子・・・だよね。僕も・・・分からないんだ・・・でも、多分」
「何年か前から、ここの住民が何かに怯えるようになったんだ」
「それも・・・君ら天使が、ここに来た時に」
なんでここの住民たちは何かに怯えるのでしょうねぇ・・・。最近あまり小説上げられず、すみません!
エデン・テイル 5
☆原生生物豆知識☆
原生生物には、レベルがあり、レベル1からレベル5まである。
ただ、レベル5の生物に関してはほぼデータがない。
「私達が来ると・・・住民が怯える・・・?」
「俺らが何かしてる・・・のか?」
困惑する2人を前に、リアンは「分からない」と呟いた。
「まだ確定ではないから、決めつけるのは早いけど・・・その可能性は大きいかな・・・」
「それじゃ、あの怪物は、自分たちを守る為に攻撃したかもしれないの?」
「うん。あの子は元々そこまで敵対しなかったはずなんだ。だから、去年までは天使たちも安全に帰ってきてた」
3人は黙り込んでしまった。もし天使たちが原生生物に手を出していたとすると、全ての辻褄が合ってしまうのだ。
「自分たちのせい・・・なのか・・・」
ファルは申し訳なさそうにした。
「憧れてた先輩たちは・・・一体・・・」
落ち込む2人を見かねて、リアンは一つ提案した。
「ねぇ、一度、あそこへ戻ってみない?」
「うわ・・・酷い」
「地獄絵図だな」
怪物が現れたあの場所は、血みどろで、見るに堪えない場所になっていた。
「・・・これじゃきっと・・・ルカとエマも・・・」
ミーアは目に小さな涙を浮かべた。
「・・・しょうがないよ・・・こうなったのも、僕らのせいだ」
「・・・あ、あれ・・・」
ミーアの視線の先には、紅く汚れたブレスレットがあった。
「・・・エマが付けてた・・・お守り・・・」
辛そうに目をこするミーアを見かねたファルは、ブレスレットを拾い上げ、ミーアの手首に通した。
「・・・ファル?」
「ミーアが持っててくれた方が、彼女達も嬉しいよ」
「・・・うん!」
ミーアは明るく笑った。
「ねぇファル」
「?」
「ロープは千切れちゃってもう戻れないし、このまま冒険しない?」
「はぁぁ!?!?おまっ、こんな危険な場所で暮らすのか!?」
「じゃあ、どうするの?このまま野垂れ死ぬの?」
そのミーアの発言には、ファルもどうすることも出来なかった。
「ねぇ、2人とも」
2人の会話に、リアンも参加した。
「僕も・・・一緒に行っていい・・・?」
ミーアとファルは、顔を見合わせ笑った。
「勿論!」
ミーアは元気よくそう言った。その声は、大きな空洞になっているこの場所に反響し、少しだけ、場を明るくした。
リアンも、幸せそうに笑った。
今回から原生生物豆知識を付ける事にしました!
それと、このお話に関する質問とかを募集することにしました。
ミーア達の誕生日とか、ビジュアルとか。
もし全然来なかったらやめるか、こっちで考えて出します☆
それじゃあまたにぇ~!
エデン・テイル 6
☆原生生物豆知識☆
オーバードーズ・・・レベル2。「何か」を求め徘徊する、元人間。
人間だった頃に、許されない禁忌を犯している。
個体によるが、襲ってきたりも。
「冒険に出るとすると、危険と隣り合わせになるから、気を許しちゃだめだよ」
「うん!そのあたりの事は、ちゃんと学校で習ってるよ!」
任せろ、と言わんばかりのミーアに、リアンとファルは苦笑した。
「さて・・・どこから回る?」
ミーアの発言に、ファルは「お出かけかよ」と突っ込んだ。
「・・・」
「・・・リアン?どうしたの?」
「えっと・・・あの辺りから、何かの気配がして・・・」
「あの辺り?」
リアンの指さす方向には、暗い洞窟のような場所があった。
「・・・行ってみよう」
「ミーア!?流石に危ないって!何かいるんだろ!?」
ファルは必死にミーアを止めたが、ミーアはリアンと手を繋ぎながら2人で行ってしまった。
「・・・~~~っ!分かったよ!行けばいいんだろ!行けばぁ!」
ファルは後ろからついていった。
洞窟の中は、少し血生臭かった。
奥に進むに連れて、その匂いは強くなる。
グルルルル・・・
「あれ・・・この声・・・」
聞き覚えのある唸り声。
「・・・あの子だ」
リアンは、洞窟の奥を覗き込み、呟いた。
ミーアも隣で覗き込む。
「あ・・・あの怪物・・・!」
「えっ!?に、逃げよう!?ヤバいって!」
ファルは逃げ出そうとしたが、2人共逃げ出す気配がないので、しぶしぶ2人の後ろに隠れた。
「ねぇ、リアン、あの子怪我してる」
怪物の手には、深い傷があり、そこから血が流れ出ていた。
「ほんとだ・・・助けてあげられないかな」
「ばっ、馬鹿!殺されるぞ!」
ファルは止めたが、その時にはもう、2人共怪物に近づいていた。
「グルルル・・・」
怪物はミーア達を睨み、唸る。
「・・・大丈夫。危害は加えないからね」
ミーアがそうほほ笑むと、怪物の顔が少し和らいだ。
「ウウゥ・・・」
「よしよし・・・この怪我・・・もしかして」
「ミーアには、何か思い当たる物があるの?」
「私達天使が仕掛けた、罠かも・・・」
ミーアは申し訳なさそうに怪物の手を撫でた。その手は、ミーアの顔ほどの大きさで、所々血が付いているものの、真っ白で、幻想的な雰囲気を出していた。
「ごめんね。何か、手当てするものは・・・」
「それなら、僕に任せて」
リアンが怪物の前に座り、目をつぶると、リアンの首から下がっていたペンダントが、ぼうっと光りだした。
「・・・!?」
ミーアは目を見開いた。
なぜなら、
怪物の傷が、徐々に治っていったからだ。
コハク色のペンダントは、リアンが目を開けるまで光輝いた。
リアンの能力、見晒せやーー!!
てなわけで、また次回だ~!