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目次
この世界に住まう者。-Prologue -
表の社会と裏の社会。
これは裏に住む者達のお話。
今日も新たに1人、この世界に足を踏み入れる。
彼は一体どうなっていくのだろうか__。
弥生side
始まりは、一つのネットでの投稿だった。
弥生「…ん?なにこれ…裏社会?」
ボクは興味本位でそのページを開いた。
そこには、大抵の人は信じないようなことばかりが書いてあった。
『この世界には裏社会と呼ばれる世界がある。
裏社会には、様々な組織が日々抗争している。
裏社会組織のトップになれば、望むことが何でもできるからだ。
叶うかどうかは置いといて、だ。
例えば、百億円が欲しいのならもらえるし、
戦争をなくしたい、でも叶う可能性は大いにある。
政府が言うことを聞くようになる。
ほんの一瞬…たった一度だけ。
ただ、このシステムを悪用する者も現れ始めた。
どうか、キミの手でこの世界を平和にして欲しい。
〇〇…そこが、裏社会への道だ。
来る気のある者は、某月某日、そこに集え。』
だと。なんだ、これ?
…まあ、|こっち《表》で生きていける気もしないし、生きてく気もないし、
半分くらい希望残して賭けに出ますか。
行って減るもんもないしな。
えーと?〇〇?…クッソ近いやん。
よく今まで気がつかなかったなぁ…
てことで、早速行くか。
---
着いた(すみません行ってる途中のは書けませんでした)
---
…ここ?
暗…。
弥生「やっぱ来るんじゃなかった…」
昼といえど明かりは少なく、人通りもない。
正直言うと怖い。
??「やあ。キミは裏社会に来る気のある子かな?」
弥生「!?だ、誰…?」
Prologue終了です。
??は誰なんでしょうね…
次回もお楽しみに!
この世界に住まう者。第一話
弥生「!?だ、誰…?」
---
??「僕かい?」
楼「僕は楼。この世界の誘導人…と言ったら分かるかな?」
なんなんだこの人は。
気配も足音も全くしなかった。
でも、あそこに書いてあったのがもし本当なのだとしたら…
この人は多分、相当の実力者。
反論したらもしかしたら、死ぬかもしれない。
そう思っていると、楼と名乗る男が口を開いた。
楼「君はなぜ、この世界に来たんだい?」
弥生「…ん〜、まあ、人にはいえない事情があるんですわ。…それでも言わなきゃいけない?」
楼「いや、言わなくて良いよ。聞いてみただけだから」
楼「まあ、僕が君に聞きたいことは一つ。君は本当に、この裏世界で生きていく覚悟はあるかな?」
…覚悟、か。
んなもん…
弥生「此処にきた時点でとっくにあるよ」
楼「ふふ、そうかい。」
楼「…じゃあ一つ、僕からの忠告。」
楼「欲だけを見て生きてはいけないよ。欲に溺れて帰れない人間だっているんだ」
…?どういうことだ?
楼「多分わかってると思うけど、この世界は組織の抗争の中でトップになれば、望むことがなんでもできるんだ。そんなこの世界の選択肢は2つだけ。欲に溺れて消えるか、欲を見てそこで生き抜こうとするか。これを聞いて改めて、どうしたい?」
…欲か。
正直自分は、欲はあまりない。
ただ表で生きたくないから此処に来た、ってだけで。
ならもう、答えは決まっている。
弥生「…行くしかないじゃん?そんなもんさ!」
楼「…そうかい、じゃあ僕は止めないよ。気をつけていってらっしゃい。」
楼「ここから突き当たりまでまっすぐ、そのあと右に曲がったら大きなビルがあるから。そこで入る組織・コードネーム・役職を決め、全組織のボスたちと顔合わせをする。…頑張っておいで。」
…突き当たり右のビル。
やることが多いなぁ。
まあでも行くって決めたんだし。
今更引き返すわけにもいかないし。
少しばかり、頑張ってみますか!
弥生「はい。ありがとうございました!」
楼「いえいえ。僕は基本的に此処の近くにいるからさ、トップになったらまたいつか会いに来てよ。」
弥生「はい!では、いってきます!」
楼「…もし生きてたら、ね…」
弥生「?何か言いました?」
楼「いやいや、なんでもないよ。いってらっしゃい」
彼は静かに手を振って見送ってくれた。
もしかしたら誤解してるだけで、案外良い人なのかもしれないな。
ボクも度々振り返っては手を振り、やがて見えなくなった。
突き当たりを…此処か。
右に曲がって、大きいビル…。
これかな?
大きいと言っても、せいぜい6階建てくらいのビルだった。
外の壁はところどころヒビが入っていたり色が落ちていたりしていたが、
内装はそこそこ綺麗だ。
普通のオフィスのような見た目。
少しイメージと違う。
もっとこう…スラムみたいな感じかと思った。
そう思いながら少し進むと、人が数人いた。
おそらく此処で処理とかをする人だろう。
その中の一人が、話しかけてきた。
受付人「こんにちは。裏世界へのご希望ですか?」
弥生「は、はい…夜光弥生といいます。」
本当にイメージと違う。
受付人「夜光様…ですか。楼様から話は聞いております。それでは、所属組織、コードネーム、役職を決めていきます。ちなみに、夜光様の情報はこちらに共有されております。プライバシーはもちろん守りますのでご安心ください。」
いつの間に情報が漏れてた?
名前から調べたんかな…
すごいなぁ。
受付人「まずは所属組織です。ご希望の場所はございますか?」
そう言われて、おそらく裏世界の組織であろう
一覧を渡された。
ご希望と言われましてもねぇ…ボクこの世界のこと全く知らないんすわ。
…とりあえず目についたので良いか。
弥生「じゃあえっと、此処で…」
受付人「えーと…〇〇ですね、かしこまりました。」
受付人「次に、コードネームの決定です。これは、お好きなように決めていただいて結構です。」
お好きなようにって…
うーん…
悩んでいると、ふと小さい頃のあだ名がやっこさんだったことを思い出した。
でも流石にやっこさんはダサい。
もうすこしマシなものはないものか。
…スマイリー?
前、友達に「弥生っていっつも笑顔だよな」
と言われたことがある。
そこから一時的に、あだ名がスマイル、又はスマイリーになったことがある。
スマイリーはまあ、良いんじゃないか?
弥生「じゃあ、スマイリーでお願いします。」
受付人「かしこまりました。」
ほとんど適当につけたけど、いざ決定すると
意外と愛着が湧くもんだ。
これで自分も、裏世界の人間になったのか。
あまり実感はないが、そう認識すれば
いつのまにか緊張で強張っていた表情が少し緩まった。
…最後は、役職決めか。
ボクは得意なことがあまり無いからなぁ。
どこに配属されるのやら。
受付人「役職は、顔合わせが終わったのち、それぞれの部隊で試験をしてもらい、ボスの方に決めてもらうという形になります。これはまた後日決定致しますので、先に全組織のボスとの顔合わせをします。私も隣にいますので、ご心配なさらず。」
弥生「はい。よろしくお願いします。」
受付人「〜、〜。〜」
なにか機械に向かって話している。
おそらく通信機的な何かなのだろう。
他の人を集めているのかな?
わからないことだらけだ。
また誰かに教えてもらおう。
受付人「準備が整いました。こちらへどうぞ」
そう言って案内されたのは、大きな部屋。
壁は白く塗られており、カーペットが赤色。
結構警戒してたのだが、少し拍子抜けした。
キィィ…
鉄製の扉がゆっくりと開かれる。
そして、中に続々と人が集まる。
受付人「皆様揃いましたね。それでは、顔合わせの開始です!」
裏世界といえど一つの街だった場所なんで設備は一応しっかりしてますし、
法律が適応されていないというだけで、Wi-Fiもネットも使えるし
裏世界の外の人へ連絡もできます。
まあ法律が適応されていない喧嘩だらけの一つの街と思ってもらえれば結構です。
二話もぜひ楽しんでくださいね!
それでは〜