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リメイク版 嘘はこの町の掟違反
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遠くで銃声がした。だけどもう戻れない。だから私は行く。思いを背負って
ここは山の中にひっそりとある自然豊かなとっても平和な町だ。犯罪や争いごとは一度も起こったことがなく、街にいる人は全員兄弟のように仲良しだ。
私、”つき”は町の小さな学校へ通っている。町にある唯一の学園で、見かける生徒は全員顔見知り。そう、この町の境界には特殊な有刺鉄線が置かれていて外の世界の住人はこちらには一切侵入や干渉できない。私達もそうだ。前に町の外に出ようとした人は次の日何かの動物になって戻って来る。だから、町には赤の他人がいることは”絶対”にない。絶対に
「入学式楽しみだねー!」「うんうん!楽しみー」
廊下を通りかかると楽しそうにはしゃぐ女子二人のクラスメイトの声がした。近所の双子だ。いつ見ても同じ顔がならんでいて少し面白い。そう思い、教室への足を急がせると
「はぁ〜〜いもしもし〜皆様聞こえていますかぁ?」
という声が突然放送で流れた。近くの生徒達がざわついていると
「あぁ〜ごめんなさい私としたことが自己紹介が遅れました。私は新しい町の長であり、”リズ”という者です。どうぞお見知りおきを」
この声...何処かで知ってる...でもどこで?
なんだか嫌な予感がする
「皆様校庭へ集合です。おもしろーいものがみれますよ?」
わたしはその声につられて校庭へと向かった
リメイク版 嘘はこの町の掟違反#2
全員が校庭に到着した頃校庭の向こうから檻に入れられたネズミが二匹が長のもとへ運ばれてきた。
「よろしい全員つきましたね。では質問です。皆さんこれはなんだと思いますか?」
と言い長は檻の鍵を開け、二匹のネズミを手の上にのせた
「どう考えてもネズミ」「なんでこんな問題出すんだろう」「え誰だろ?」
と生徒達がざわついている。そうなるのも当然だ。
「実はこれみんなと同じ生徒だった”もの”なんですよ?あー驚きました?」
長の一言で場が凍りついた。
「バサッ」
私は持っていた本を落とした。今朝あった双子の姉妹がどこにも見当たらない。まさかあの姉妹がネズミなのか?でも人間がネズミになるなんて、でもどうやって通常ならありえないはず。
頭の中が混乱する
「簡単なことですよー”嘘をついたから”ネズミになったんです!」
長はにっこりと笑ってそう説明した。手足が震える。その笑顔が笑っているはずなのに私は怖くて怖くてたまらなかった。
「大丈夫です!もとに戻らな......」
長の声が突然途切れた。
その後のことは覚えていない。重いまぶたを開けるとそこは学校の保健室だった。眩しい光が瞳の中に一斉に入ってきた。
「ここ....どこ..てか痛っ」
私の頭には包帯が巻かれていた。どうやら怪我をしたようだ
ふとベッドの隣を見ると一人の少女が私をびくびくしながら見ている
でもどこかで見たことがあるような..とりあえず制服からみてここの生徒だろうか、一人で看病してもらって申し訳ないな。後でなにかお礼しよう..
「あっあのっお怪我、だ大丈夫ですか」
そういって少女はお茶と落とした本を渡してくれた。あとから聞くに、私はあの後気を失ってその場で倒れたらしい。お茶を飲み落ち着いた後、少女に集会のその後を聞くと一つのメモを渡してくれた。
「もとに戻る方法は一つ!自分の嘘、罪を改めることです。まあ場合によって戻れなくなる場合もありますがね。集会は以上です。皆様教室に戻ってください〜」
「あ、嘘ついたらあなたも私が動物にしてやりますからね?ふふ」
そう言うと長はまたにっこりと笑い執事と共に去っていった....らしい
「すごい細かいところまでメモしてくれてたんだね...ありがとう」
そう私が言うと少女はホッとしたように肩を下ろした。
「とんでもない...!あなたは命の恩人ですから....私は1年のみかです。覚えていますか?」
.....あれ、私この子とあったことがあるっけ?でもどこかで見たことが...
「ごめんなさい...どこかであったことがあるんだけど思い出せないわ..私も一年のつきよ」
「覚えてないのも当然ですよね.....!大丈夫です!よろしくお願いします」
学園からの帰り道、偶然家が近くだったのでみかと一緒に帰ることにした。正直一人で帰るのは少し怖かったから嬉しい。
「つきさんはっ」「つきでいいわよ」みかは少しの間を開けて「...つきはっこの町おかしいと思う?」え...そんなことこの町の中で一瞬たりとも思ったことがなかった。そもそも外の世界に一切出れない町なんて言われてみれば確かに、人間が動物に変えられる魔法...?そんなのがあるなんて初めて知った。
「ねえ...こんなおかしい町から一緒に出ようよ!」
そう身を乗り出して、大きな声でみかが言った。
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リメイク版 嘘はこの町の掟違反#3
「おお..」
私は思わず声が出て後ずさりした。彼女がそこまで考えていると分からなかったし、あまりにも真剣すぎる瞳で見てくるので驚いた。
「あ...突然ごめんなさい。でも、つきもこの町はおかしいと思っているんだよね?だったら...」
「でも町から逃げるのは賛成する。なんだか危険だし」
そう言うと彼女の曇っていた顔がパァァと晴れた。(なんだかわかりやすい子だな...なんか犬みたいに尻尾振ってるみたいで可愛い)
「ではまた明日...!図書室で会いましょう!」
「ええ..また明日ね」
そう言うと彼女は私と反対方向の家へ向かっていった。なんだかこんなふうに帰るのは初めてだな..少し胸のあたりが暖かくなった。
「ハッ..」
私は紫色に染まり、星が見えてきた夜空を見て急いで家に帰った。毎日通っているはずの道、途中にある果樹園、風に揺れる金色のススキ。今日はなんだか目に見えるものがいつもと違う気がした。
(こんな日がいつまでも続けばいいな)
「行ってきます!」
私は学校への道を急いだ。幸い遅刻にはならなかった。良かった...
下駄箱を出ると長がいつの間にか目の前に立っていた。鳥肌が立った
「あなた...集会で倒れた生徒ですね?もう怪我は癒えましたか?」
覗き込んでくるように長は私の近くによった。
「会ではすいませんでした。傷はもう大丈夫です。」
本当は怖くてたまらない。はやいことこの場を去ろうとした。しかし長に右手を捕まれた。頬に汗がつたる。足は震える
「さすが、カミツキの娘さんですね。よくできている子です。」
「え?」
「何でもありません。授業、がんばってくださいね?つきさん。」
そう言うと長は目の前から消えた。危ない...心臓が飛び出るかと思った
気になることがたくさんありすぎる...早くみかに会いたい...
「キーンコーンカーンコーン」
授業開始前のチャイムがなった。その前に授業だ。私は教室への足を急がせた。
リメイク版 嘘はこの町の掟違反#4
「ガララッ...」
教室の扉を開けると中は静まり返っていた。昨日の件があったからだろうか。みかは違うクラスなのか...ん?あの人っていつも長の隣にいる執事じゃん。当然のように席に座っている。あの人って生徒だったんだ意外...整った顔がなんか大人っぽいから勝手に勘違いしてたな。
「早く席につけ、お 花 畑」
と涼しい顔で執事が言った。は?お花畑?もしかして私のことか?初めて話してそれはないだろ...と言いたい気持ちをぐっと堪えて席についた。最悪なことに、執事の席は私の隣だった。なんでだよ...
隣がものすごく気になるを抑えて授業に集中した。
チャイムが鳴った。授業の終わりだ。
「んん...やっと終わった。一日が長く感じるっ」
わたしは背伸びをして席から立ち上がった。やっとおわった...
教室の扉をみるとみかがひょっこりとこちらを見ていた。
「「あ...」」
「図書室で待とうと思ったんですけど、待ちきれなくて来ちゃいました」