7月のある暑い日。
夏休みに入り、るながシェアハウスに帰省してきた。
11人でるなのおかえりパーティを開くことになり、じゃぱぱはプレゼントを用意しようと言い出す。
そこでもふがある本を持ってきたのだが、それは誰も見たことがない本で・・・
12人の忘れられない夏が始まった。
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目次
chapter 0
じゃぱぱ
|天海大和《あまみやまと》
23歳
のあ
|桃井乃愛《ももせのあ》
24
たっつん
|黄瀬竜也《きせたつや》
25
ゆあん
|姫澤優亜《ひめさわゆうあ》
16歳
シヴァ
|柴本翠《しばもとみどり》
25
どぬく
|雪代どぬく《ゆきしろどぬく》
19
うり
|宇野莉音《うのりおん》
21
えと
|橙野恵麻《とうのえま》
19
ヒロ
|灰瀬真弘《かいせまひろ》
20
なおきり
|桐谷直樹《きりたになおき》
26
もふ
|森山文人《もりやまふみと》
20
るな
|水城瑠奈《みずきるな》
17
|吉備百香《きびのももか》
桃太郎の精霊
22
|赤瀬リキ《あかせりき》
力太郎の精霊
26
|眠野いばら《ねむりのいばら》
眠れる森の美女の精霊
23
|小野寺華奈《おのでらかな》
親指姫の精霊
16
|花咲翁《はなさきおきな》
花咲か爺さんの精霊
22
|白里刹那《しらさとせつな》
雪女の精霊
18
|片霧五十鈴《かたぎりいすず》
舌切り雀の精霊
21
|金田志熊《かねだしぐま》
金太郎の精霊
20
|白里結姫《しらさとゆき》
白雪姫の精霊
18
|国枝有栖《くにえだありす》
不思議の国のアリスの精霊
23
|赤瀬リン《あかせりん》
赤ずきんの精霊
20
|島浦拓海《しまうらたくみ》
浦島太郎の精霊
19
chapter 1
7月中旬。
ある暑い夏の日のこと。
るな「ただいま〜!」
全員「おかえり〜!!」
夏休みに入ったるなが、シェアハウスに帰ってきた。
じゃぱぱ「久しぶりるな!元気だったか?」
るな「この通り元気です!」
えと「るな〜!おかえり〜!」
のあ「心配したんですよ〜!」
るな「えへへ、夏休みなので帰省しちゃいました!」
なおきり「そうだ!せっかく帰ってきたんですから、パーティしません?」
全員「さんせーい!」
じゃぱぱ「じゃあさ、るなにプレゼント渡そうよ!」
この一言が、彼等の不思議な物語の始まりとなった。
もふ「うーん・・・どうしよう」
もふは書庫にある本をあげることにした。
もふ「医学大学だし、医学の本と・・・るなが好きそうな漫画も入れとくか。・・・あ」
ふと、おしゃれな表紙の本を手に取った。
もふ(こんな本あったっけ?まぁ部屋のインテリアにしてもらうか)
もふはプレゼントボックスに、3冊の本を入れた。
じゃぱぱ「俺のプレゼントは、これ!水色のブレスレット!」
るな「綺麗です!るなのメンバーカラーにしてくれたんですか?ありがとうございます!」
のあ「私からのプレゼントは、手作りのマカロンです!」
るな「すごい・・・マカロン食べたことない!嬉しいです!」
たっつん「俺はこれや!るなに合う香水!」
るな「香水!?こんな高いのもらっていいんですか!?ありがとうございます!」
ゆあん「俺のは・・・はい、新しいゲームコントローラー」
るな「水色だ〜!ありがとうございます!これでなんのゲームしよっかな〜」
シヴァ「俺は・・・ジャーン、マフラーだよ」
るな「ふわふわであったかい・・・。嬉しいです、大事にします!」
どぬく「俺はね、はい!白いリボンカチューシャ!」
るな「可愛いぃぃぃぃ!絶対大切にします!ありがとうございます!」
うり「俺のもすごいぞ〜?ほい、俺たちみたいな新衣装!」
るな「わざわざ作ってくれたんですか?赤いカーディガンもある!」
えと「私はね、はい!るなと同じ水色のカバンだよ!」
るな「おしゃれですね!なんだか大人になった気分です!」
ヒロ「俺はこれ!るなさんの誕生石のネックレス!」
るな「これも高そう・・・。こんなのもらっちゃっていいんですか?ありがとうございます!」
なおきり「僕は花です!ヒスイランで花束を作ってみたんですよ」
るな「ヒスイランってこんな色なんですね!すごく綺麗です!」
もふ「俺はこれ。医学の本と漫画、それとおしゃれな感じの本」
るな「私のために選んでくれたんですか!ありがとうございます!」
もふが渡した異様な本に、じゃぱぱ達は違和感を感じた。
chapter 2
じゃぱぱ「そんな本、あったっけ?」
もふ「おしゃれだし、部屋のインテリアになるかと思って」
えと「これ、世界の童話全集って書いてあるよ」
るな「色々な話が載ってます!」
なおきり「有名な話も、マイナーな話もありますね」
たっつん「ようわからんけど、もうこの話は終わりにしようや。俺腹減ったわ」
たっつんの言葉で、12人は席につき、食事を食べ始めた。いつしか本のことは忘れていた。
翌日。
ヒロ「じゃ、行ってきます!」
ヒロ、うり、ゆあんは夏休み中に部活があるため学校に行かなければならない。
ちなみにるなは部活に入っていないらしい。
ゆあん「じゃ、俺こっちだから!」
うり「また後でな〜」
2人は同じ大学で、うりはテニスサークル、ヒロはゲーム部に所属していた。
うり「お前のとこで作ってるゲーム、今どんな感じ?」
ヒロ「結構いい感じだよ。今日で完成すると思う」
うり「すげぇな。お前は何担当?」
ヒロ「キャラ名を考えるのと、声入れ」
うり「お前イケボってやつだもんな。お前らしいわ」
ところが、学校に足を踏み入れた途端、2人は目を疑った。
ヒロ「何・・・ここ」
うり「学校じゃない、よな?」
そこは、荒れ果てた街。どう考えても日本ではない。
じゃぱぱ「あれ、ヒロくんにうりりん?」
ヒロ「じゃぱぱさん!」
うり「じゃぱさんもこっちに?」
るな「や、やっと見つけた・・・」
じゃぱぱ「るな!?」
ヒロ「るなさんも・・・?どういうことだろう」
じゃぱぱ「とりあえず、ここから出る方法を考えよう」
4人は街を歩き始めた。見渡す限り壊れた住宅街が続くだけで、何もない。
うり「なんか、戦争でも起こったみたいだな・・・」
るな「ちょっと怖いです、何かいるかも・・・」
すると、突然大きな音が響いた。
じゃぱぱ「なんだ!?」
ヒロ「あ・・・あれ・・・!」
ヒロが指差した先に、怪物がいた。怪物は理解不能な言葉を叫んで暴れている。
るな「あれ、絶対やばいやつですって!どうすれば・・・!」
じゃぱぱ「とにかく逃げるしかない!」
4人は踵を返してかけだした。だが、怪物は後ろにもいた。
じりじりと追い詰められていく4人。もう助かる方法はない・・・。
?「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
4人が絶望した時、1人の女の子が現れた。女の子は桃色の刀を持っていて、その刀で怪物を斬り倒してくれた。
百香「あたしは|吉備百香《きびのももか》!みんな大丈夫!?」
女の子・・・百香は慌てたように言った。