最後の奴です。50個くらい入る気がします。
なお、小説を書くモチベが尽きたようで、エッセイが中心のようです。
~第一弾~
https://tanpen.net/novel/series/9506337a-33f5-405c-bab5-ddf449f44075/
~第二弾~
https://tanpen.net/novel/series/0b1e4a8a-763d-460b-ac67-6df2d261a615/
~第三弾~
https://tanpen.net/novel/series/fd614f32-50ee-4697-8381-f445232a6036/
~第四弾~
これ
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目次
傘の中の秘密
2025/6/3 18:31:02
傘の中の秘密。
傘の柄と言えば、外側の布地を想定するが、別に裏地にデザインがあってもよいのだ。
外側と内側。同じ色、同じ布地、同じデザイン。
揃える必要のない遊び心が、日常を彩る。
そういうアイデアから商品が作られたのか、そういう傘を見たことがある。
傘を開けば自分好みの世界。見た目はただの紺の傘だが、裏地にはいっぱい推しのキャラがプリントされている。
傘を開けば、推しに会える。そういう風に、身近に寄り添う商品を思いつけるといいなって思う。
約束だよ
2025/6/4 12:10:02
約束だよ。
理科室に入ると、アルコール薬品とマッチの消えた残り香が溶け込む雰囲気に囚われる。
整然と仕舞われた試験管、ビーカー。カシミール地方のように厳重に施錠された化学薬品棚。上下に移動する黒板。机、椅子、白い布で隠された顕微鏡。使ったことがある水道と、使ったことがない水道。ほこり臭い、カビ臭いにおい。
あそこだけ、教室とは違う世界観で動いているような。
一歩入る行為、それが誓願に似た何かを意味する。
授業だからという約束の元、縄張りに入ることを維持的に許可されているようで、本当は隠し階段のような目線で主は監視しているような。そんな不穏な気がするのだ。
恋か、愛か、それとも
2025/6/5 18:57:55
恋か、愛か、それとも。
Twitterに住んでるクリエイター紹介。
二次元のオリキャラの絵を描いてる人なのだが、オリキャラ絵と言っても人の形でなく、ゆるキャラ系の、擬人化した絵を描いている。つくも神風の道具に魂が乗り移る系だ。顔はデフォルメテイストにありがちな、黒い粒目に小文字のオーム。「ω」である。
道具に魂を宿すことは難しい。最近はAI絵師が絵師と名乗る者も割といるようだが、この人はそんな小細工、必要ないだろう。
かまぼこたん。ホットケーキたん。大根のヘタたん。
かまぼこたんは半月状に切られ、桃色に縁取られている。ホットケーキたんは、四角く切られたバターを乗せ、ハチミツを垂らされている。大根のヘタたんは、多少緑のヘタがリーゼント気味になっているが、白い身体であるダイコン部分を軽くつぶして、違和感を無かったことにしている。
絵師が中心であるが、時々暇になるらしい。
一日中、紙粘土をこねていたらしい。赤白緑など、色付き粘土を組み合わせ、オリキャラの実物立ち姿をSNSに投稿していた。それが精巧に作られていて感嘆の「いいね」を押してしまう。
先ほど紹介した3人?のオリキャラたちも紙粘土で作られていた。元絵と実物再現された紙粘土の比較があげられた。左は元絵、右は紙粘土。平面から立体への進化。瓜二つ。そっくりだった。
最近はグッズ化も挑戦しているらしい。
オリキャラの一つである金魚鉢たんも、何とかして平面から立体にさせようとクラウドファンディングをして寄付を募っている。紙粘土では飽き足らず、クッションにするらしい。鉢を透明なプラスチックケースにして、クッションケースとして出し入れする形。
アイデアがクリエイターだ。
鉢の形は、つぼ型で、口は人間の首のようにくびれているタイプだ。鉢の中には淡水と、揺らめく水草と、デフォルメされた赤い金魚が一匹いて、泳いでいる。
ふわぁ……と金魚があくびをすると、金魚鉢たんもあくびする。移るんだ! と金魚が快活に言葉を投げかけ、鉢はにっこり。鉢の性格はルンバに乗って降りられなくなったり、ずっこけて中の水を零して泣いたりなどおっちょこちょい。でも、泣いた涙で中の水が補充されるという、目がどこについてるのか考えたくなる。
つまり、かわいいということだ!
わるるぎ(@warurugi)
主にゆるかわいいものを描いている人。たまにレジンを使った創作もする。
https://x.com/warurugi/status/1929859405060755557
水たまりに映る空
2025/6/7 10:45:23
・水たまりに映る空
ツイッターからの着想。
しろ◯んむぎゅうのぬい活写真を投稿する垢をフォローしている。その垢は、社会人の傍ら家の窓から空を見るのが好きらしい。最近近場でクソデカタワマンが建設されそうで泣きそうになったらしい。
なぜか。いずれは狭く切り取られてしまう空だからこそ、しろ◯んと一緒に目に焼き付けていたい。景色が変わりゆくのは仕方ない。だから、今の豊かな空を少しでも見ていたい。
そのポストを見た時、お題とリンクした。
水たまりの浮かぶ空。これは、かわいそうな空だ。
アスファルトによって削られ、中央の僅かしか映らない。それで、地上の構造物で大半は遮られている。視点によりけりだが、大半の視点はつまらないものが前面に映し出されている。近づけば近づくだけ映像は微妙なものになり、やがて(時間経過により)真っ暗になる。
そして、水たまりとは儚い鏡である。蒸発皿を炙るように、日常の常識という熱で徐々に輪郭から失い、中心はしぶとく残って、やがて地面と馴染んでしまう。結晶が残れば詩的だが、現実的には大問題である。もしやマイクロプラスチックが雲を作り、雨として溶け、落ちてきたのだとしたら。
先ほどのポストは続きがある。
クソデカタワマンは、ギリギリ景観に問題ないかなー、位の階数の高さで止まってくれたらしい。涙は止まっただろうか。しろ◯んむぎゅうはやすらぎを恵んでくれる。
さぁ行こう
2025/6/7 10:45:23
・さぁ行こう
書いたような気がするので過去を調べてみた。
類題の「さぁ冒険だ」だった。
覚えていないが、絵描き初心者が自信なさげなのを見かねて、自分の手のほうが創作者の先導をするようになった話だった。きがする。
同じような意味で、こちらのほうが広範だ。どうしようか。
一旦保留と右上の「OK」を押し、短い広告が流れる。すると、今まで見たことがないものが流れてきた。部屋の間取りの形を自動で調べてくれるアプリの宣伝だった。間取りの形をなぞるように、床と壁の隅にスマホを向ける。それで、直線に次の隅に行く。1.25mという表示。直角に曲がって次の隅へ。3.67m。次の隅へ。
そうやってカクカクと進んでいき、リビングを一筆書きした。ピカッと演出があって、リビングの空間が浮かび上がった。今見ると小学生の面積を求める複雑な平面図形だった。一瞬で面積が出てきた。あなたの住んでいる間取りは〇〇平方メートルです。
外国産アプリなので、実際できるかどうかは不明だが、技術的にはできるんじゃないかと思う。こうやってスマホをかざして今目の前にあるものの面積、体積はどのくらいかなーって、AI技術をそれとなく使っていそうな感じ。ものの輪郭をなぞるだけで分かるのはゲーム感覚で良い。
スマホ側から計算したがっているみたいで、ウズウズしている。さぁ行こう。物は幾らでもあるぞ。飽きるまでやろう。
似たようなニュアンスになった。
夢見る少女のように
2025/6/8 17:26:27
夢見る少女のように
本日も晴天なり。けれど心は曇天なり。
お外に出たほうが良いと思うけれど、そういう気分にならない日曜日。
2週間前に風邪をいわして、ちょっと咳が出ている。
昨日コミュニティで会話をしたせいで、喉が若干痛い。昨日町なかぷらぷら散策をして、13000歩以上歩いたらしい。休日でこれは、大したもんだ。と褒め称える。
身体を疲れさせて、泥のように眠る予定だった。
けれど、どうしてか眠れず、精神的夜更かししたために起床はズレて午前中は二度寝の餌食。
十年以上活躍している、現役の扇風機のモーター音が始終ひびく。コードはくたびれて長め。割りばしのつながったバージョンを長くしたような、コードの中央に溝があって、その溝を埋める黒い汚れが見える。何度拭いてもとれない年代物の汚れだ。
首振りにすると、余計人工的な風が強まり、それに当たると僕は予後不良の馬みたいになってしまう。規則正しいリズムより、できることなら自然な風に当たりたい。そして放熱したい。
でも、だからといって、直あてにしたら肌がかさかさ乾燥しちゃう。誰かがアドバイスしたように、壁打ちの視点。首を若干上方向にし、壁に当てて、入射角反射角通りに。扇風機の流れる風を部屋中に循環させるようにしている。
夢見る少女のように横たわっている、130センチのしろ◯ん。
それを抱いて、週末の時間を溶かしっぱなしだ。
でも、いいんだ。これで。
と思うことにした。みんなはスマホに取り憑かれて、余計にストレスを掛けている。明日という週明けを知らせる月曜日に背を向け、怯えている。
それよりか、ずっとマシ。
だらだらしながら、ネットで、お題を調べていた。
「いつまでも夢見る少女のままじゃいられないよね、私たち」
夢は、どこからやってきて、どこに消えて、何を消費させるのか。その答えを探すように、再び三度、夢のなかに誘われる。読みかけの本のタイトルは「抽象と具体」。
君と歩いた道
2025/6/9 18:41:18
・君と歩いた道
君と歩いた道は、世間にとっては無名である。
通学路という名の無名。中学校からの放課後だったと思う。
その道中、駅の北口付近でイベントを目撃した。
それは、線路の向こう側へ行こうとする悪ガキたち。
今ではちょっとどころかどこにも見かけない。不良だった。
授業をサボり、校舎の片隅でワルをやって、吸い殻を足で踏み潰して消している連中だ。生徒指導の先生に見つかったら、しょんぼりするどころか生意気な|蹲踞《そんきょ》の格好で悪態をつく。学ランのボタンは全開、黒のスラックスはだらだら。学校というものをバカにした、未開社会の文明だった。
そんな不良に憧れた中学生が、5人くらいの徒党を組んで、道路と線路を区切るフェンスを乗り越えようとする。
あっ、と僕も思った。君も思っただろう。
けれど、止める間もなく、入って注意を呼び止める仲でもなく、距離もなく。いわゆる危ない香り、臭いラフレシアには億劫だったから、通行人のままだった。
手慣れたやつが先に入り、乗り越える。「おい、早くしろよ」とくすんだ緑のフェンス越しに徒党を急かす。小柄の坊主がフェンスの網目に絡まって、手足が引っかからずにガシャンと鳴った。それを怒るどころか喜んでいた。たぶんきっと。怒られるかもしれないことに欲求不満だったのだろう。
若干|躊躇し《もたつい》たが、20秒以内に踏破した。それからは、マリカーの「カラカラさばく」のステージみたいに、線路を通って近くのホームへ走り出す。無銭乗車。改札を通らないヤツら。
降りる時はバレると思うが。
きっと怒られるだろうなー。と思いながら、君と無名の通学路を青春色にした。
どうしてこの世界は
2025/6/10 18:40:48
どうしてこの世界は
少し前から哲学をかじっている。
一番わかりやすく、世の中の人口に|膾炙《かいしゃ》しているのはデカルトらしい。「我思う、故に我在り」で有名な奴だ。僕はこの一文を参考にして、現代社会にこれを生み出した。
私たちは「勉強しすぎ、仕事しすぎ」を正当化しようとして「忙しい」という病に陥っている。「忙しい」という病=無我夢中、労働過多、思考過多になっている。座ってボーッとして、何もしないのは時間の無駄、自分の人生に対して無責任だ。休憩は思考が中断するので非効率。そう思い込む。
思考があって行動を生むので、「我思う。故に我在り」のデカルト的思考論を基準とした「我行動する、故に我在り」が現代社会の行動論になっている。
常に何かしないといけない……と思い込んで、自分を苦しめている。この行動論の逆は「我行動しない、故に我なし」だ、これが若者の無気力症候群や軽度うつを生んでネガティブ思考を生んだり、登校拒否をしたり不登校になったり、あげく自殺しようと企図する。
こんな感じでデカルトのことは軽くかじったので、次の哲学者をかじりに行こう。……なんでこんな簡単な内容、どこにも書いてないわけ? 腹が立つ。
美しい
2025/6/11 18:59:41
・美しい
美しい国、日本。
そんなスローガンを引っさげて総理大臣に舞い戻ったのは誰であろうか。うろ覚えであれば、それで結構。すぐに出てくるのであれば、もう忘れたほうが良いのではないか。
当時も、辞任した後も、数年後の惨劇も。すべて含めてみても。「ったく、どこが『美しい国』だ」と嘲りの笑いを持った人は、きっとその人自身の目が腐りきっているのだろう。色眼鏡どころか、まつ毛も角膜も濁ってしまって、誰が誰だかよく分からない。水晶体にヒビが入ってしまっている。
先日、任天堂Switch2を取り上げたネットニュースがあった。転売ヤーによる価格釣り上げ祭の影響がある。対策しなければ、子供たちに……、欲しい人に……渡らない。ゲームは人の手に渡って娯楽になる。その前に、転売ヤーの玩具にされたら、娯楽にならない。
そんな世間の論調に対し、有名人は語る。
「いや、転売ヤーだって小売の一種なんだから合法だろ。まあ、俺は今すぐ必要じゃねーから、Switch2の価格とかどうでもいいけど」
「うわっ、正論おじさんだ!」と僕は思った。
相変わらず冷ややかな目を、ここぞとばかりに投げかけている。コメンテーターとしては正しい意見ではある。正論だからだ。
正論とは、被害者の気持ちを汲み取らない冷や水のことである。例えば野球特有の駆け引きがあって。投手がデットボールを投げてしまいました。あーっと、これはどういうことか。手元が狂ってしまったか。実況席はちょっと心配げに中継する。しかし、ここで、
「いや、デットボール投げるくらいなら、ストライクど真ん中を投げた方が良いに決まってるでしょ」
こんな現場に冷や水を浴びせるような意見を聞いたら、「いやいや……」ってなりますね。
なぜかと言えば、書いた通り、野球特有の駆け引きがあって、手元が狂ってデットボールに……という流れですから。
正論って、実際の試合は見なくても言える意見ですね。そして、正しいけど事実に即していない。状況把握の理解を捨てた意見が正論です。
「試合見てたか? ルール分かっとるんか? お前、野球の駆け引きの何たるかが分かっとらん」
投手が一体何の球種を投げようとしたか、葛藤があって「あっ」となった。その論点から一番遠ざかり、さらに論点ずらしまでやっていく。これはデットボールよりも悪い大幅なボールではないか。
それに違和感なく「そうだそうだ! バッターに謝れ!」と迫る同調者も、同じくらいズレている。きっとこれらは冷酷・冷笑主義。こんな奴らにはなりたくない。なぜならポテチばかり喰ってぶくぶくお腹で不健康で、何の努力もせず威張ってばかりだからだ。
「たく、どこが『美しい国』だ」
うるせぇ。顔洗え、歯を磨け、髪洗え。部屋片付けろ、ボロい服着て仕事しろ。
なに、そんな努力、もうやってる? なら、低賃金同士仲良く悪態つこうぜ。今の首相はダメだダメだってな。
雨音に包まれて
2025/6/12 18:55:38
・雨音に包まれて
雨の日特有の異変が職場内に現れる。どこぞのタイミングで流行った『8番出口』のような異変。
通勤時間の朝のタイミング。僕よりも先に到着したらしい人々のせいだ。自販機や休憩スペース、廊下など。一応PCやプリンター、課ごとの島に対して配慮されているが、職場の雰囲気を乱しているには変わりない。
正体は、広げたまま置かれた傘の数々である。
たぶん、というか絶対。確信犯だろ。
傘についた雫を乾かしている。回り疲れたコマのように、コロッと。傘の布地越しに斜めになった支柱が覗き見える。誰が最初にやったか、よく知らんが、この異様なアジサイの傘は、雨が降るたびに増えているような気がする。
僕はその異様な傘の数に辟易しながら、傘立てに傘を立てに行く。そして、自席につく道のりにて、もう一度チラリと見た。
ここ、共用スペースなんだけど。
という、感想。異常。しかし、呆れたことに、もう慣れてしまっている。
コロナ禍みたいなものだ。内定を頂いたあと、初めてこの職場に来た時よりかは、マシになった。これが慣れというものか。
小中学生なら、傘の柄が華やかになるだろうが、ここは社会人の日常的空間。色合いは地味で、大きくて。燃えるゴミの日のごみステーションのように、くすんだビニール傘が置かれている。
あまりに異様さが際立ったのだろう。
先日、イントラネットでメールが流れてきた。
「床が濡れるし、湿気がこもるので、ちゃんと傘立てを使いなさい」
普段はひたすらに硬いWord文書なのだが、この時ばかりは清々しいくらいに文字の分量が少なかった。1枚の半ページも使っていない。職場内にてクレームが来たから対処したのだろう。「やれやれ」である。
効果はいかほどだろうか。この幼稚園児たちの多いビルが、雨音に包まれる日が少しだけ楽しみである。
君だけのメロディ / I Love…
2025/6/14 18:44:44
・君だけのメロディ
・I Love…
**君だけのメロディ**
サブカル系など、最近の中高生かハマっている曲がよくわかっていない。数年前はボカロなどを好んで聴いていたが、現在ではただ賑やかなだけ、急に始まって急に終わるような曲調が多く、心が離れてしまった。
RNAスプライシングを思い出す。RNAから不要な部分を取り除いて、タンパク質合成に必要な部分のみを繋ぎ合わせる現象。原核生物には見られず、真核生物特有の現象らしい。あれと一緒だ。
不特定多数だった彼女の耳から、機械でできた耳栓を取り上げる。サブカルのメロディを取り上げた。よく知らない音楽性だ。
まったく。限られた時間の中で、ほっとひと息つくところが見当たらない。これを中毒症状のように聴くから、頭が疲れるんだ。
僕は、そんなデジタル領域からノイズを取り除く作業をする。世に出たら、今まで必要だった領域が不要になるということを、コイツらの耳はまだ知らないでいる。
どうせ、ワイヤレスイヤホンのせいにする。
きっとそうだ。不出来な頭のせいにしない。
**I love…**
隣のスマホ画面を見ると、カビゴンが映っていた。通勤電車のことである。
カビゴンとは、ご存じ図体のでかいポケモンである。スマブラのモンスターボールにも出てくる奴である。
食いしん坊、よく眠る、体長35mで、道をふさいだりする。そんな奴限定の育成ゲームをしていた。
操作者の指が、ラムネジュースを作っていた。もちろん、スマホ画面のなかだ。素材の概念はあるのだろうか。お金さえあれば簡単に作れるタイプの代物だろうか。
完成したラムネがおぼんに置かれる。パフェで使われてそうなガラス容器に爽やかなで青いラムネの液体が入っている。ストローを差し、ライムを差し。カビゴンに差し出した。
奴はおぼんを持ち上げ、飲むという概念を省略して、そのまま豪快に傾けた。おぼんが平たいスープ容器に見える。顔が見えない。
数秒後、おぼんには空になったグラスのみが置かれている。そして、腹ごしらえが済んだように、ゴロンと眠った。
操作者の性別は女性だった。そのまま眠ったことを確認すると、カビゴンを弾き、別アプリを起動して、TikTokだったり、Instagramだったりと忙しない指を動かしまくった。
ノンデリカシーで仕方ないが、この女はカビゴンみたいな男が好きなんだろう。
もしも君が
2025/6/15 18:51:26
もしも君が梅雨だとしたら。
最近泣かなくなったね、気候変動で。
やっぱり心が原因じゃないんだね。結局外圧なんだよ。もっと泣けよ。
……と水を向けたら、短時間豪雨で洪水被害とか出てきたりするんだもん。ホント、最近の梅雨って付き合い方が難しい。