編集者:ふりる🕊️𓂃𓈒𓏸︎︎︎︎ 👓🎀同担〇
少年探偵団に新メンが加わった感じです
KIDやれーくんも出てきますん
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目次
💊
コナンは、博士のビートルに乗って、夕方の帰路についていた。
事件の捜査で杯戸町に行っていたのだ。
「しかし、今回も完璧な推理じゃったのぉ。まさかあんなトリックを使っていたなんての」
博士が感心して言った。
「現場の違和感に気づけばすぐに分かったよ。それより、このビートル、もうオンボロなんじゃねーのか?」
確かに、さっきからビートルは少しの段差でガタガタと大きく揺れてしまう。
「そうなんじゃよ…………そろそろ違う車に変えようと思っておるんじゃがなぁ……でもビートルも手放せんし………」
博士が顔をしかめて言うと、コナンは少し苦笑いを浮かべた。
すると、少し遠くの方に、何かが落ちているのが見えた。
「なあ、なんか服みてーなの落ちてないか
?」
確かにそれは服が丸まって落ちているように見えた。
「どこからか飛んできたのかのぉ……」
少し近づくと、コナンはハッとした。
「あれって………もしかして…!博士、降ろしてくれ!」
博士が戸惑いつつ車を停めると、コナンはドアを勢いよく開けて走り出した。
「あ、おい新一!」
博士も急いでコナンを追いかける。
コナンが落ちている物に駆け寄ると、それは服ではなく、がぼがぼの服を着て倒れている女の子だった。
それを見てコナンは目を見開いた。
「やっぱり………こいつは………!アポトキシンの仕業だ…………!」
「え!?」
阿笠博士は驚いてコナンの方を見た。
「じゃ、じゃあこの子も、組織に関係する人なのか?」
「ああ、その可能性が高い、が………」
すると、女の子が「ん…………」と目を覚ました。
「起きたか!?」
コナンがハッと振り向くと、女の子はこちらを向いて大きく目を見開いた。
「え………く、どう…?」
「え?」
女の子は慌てて口に手を当てたが、明らかに彼女は工藤と言っていた。
「なんで、オレの名前…………」
すると女の子はハッとして自分の体を見た。
「私………もしかしてあの薬………」
コナンは博士と顔を見合わせ、女の子に訊いた。
「なあ、なんでオレや薬のことを知ってんだ?名前、教えてくれねーか。」
すると女の子は目をそらし、
「名前は………教え……られない……」
とつぶやいた。
「はぁ?」
「だって………私は……あなたのライバルである……怪盗キッドの妹なんだから……………」
1話です!(ばり短ぇw)2話すぐ書くからお楽しみにー!
🏠
「|怪盗キッド《あいつ》の妹ぉー?」
コナンが少し訝しみながら女の子の方を見た。
「本当だってば!」
少しムッとしながら女の子は答えた。
「まあでも、それならオレや薬のことをあいつから聞いていてもおかしくないし、本名を教えられねーのにも説明がつくけど……」
「そんなに疑うなら、明日|快斗《兄ちゃん》と会ってみれば?私も自分の物とか持ってこなくちゃいけないし……」
まだ少し疑い気味のコナンに、女の子はそう言った。
「持ってくるって……もしかして博士ん家に住む気かよ?」
「じゃが、もうウチには空き部屋はないんじゃよ。部屋のほとんどは実験とかに使っておるからのぉ……毛利くんの所なら住めそうじゃがのぉ」
「そうだな……あとで電話してみるか……博士、1回博士ん家に行くぞ」
「お、おぅ……………ほら、君は後部座席に。」
コナンと博士が車に乗り込み、女の子は戸惑いながらも後部座席に乗った。
「灰原ー!いるかー?」
「何……?こんな時間に。あなた今日杯戸町行ってたんじゃないの?」
「ああ、実は帰り道にさ……」
そう言ってコナンが少しずれると、後ろからだぼだぼの服を着た女の子がひょこっと出てきた。灰原の顔が険しくなる。
「新たな被害者……かしら……」
「ああ、怪盗キッドの妹らしくてな……」
女の子はコナンに向かって、
「誰?あの可愛い子」
と聞いた。
「可愛いか……?灰原哀って言うんだ。元々組織の科学者で、おめーが飲まされた薬を作った人」
「あんた、聞こえてるわよ。」
灰原がムスッとした顔でコナンの方を向いた。
「わ、わり……」
「で、名前はどうするの。博士。」
灰原が持っていた本をテーブルに置き、女の子のほうに近づいた。まじまじと見て、少しハッとした顔になる。女の子の方も、灰原を見てなにか心当たりがあるようだ。
「そうじゃな…哀君もアイリーン・アドラーから取っておるし…下の名前は凛、とかどうじゃのぉ」
「いいんじゃない。凛って顔してるし。」
「どうゆうこと……」
女の子の方は、少し苦笑い気味だった。
「じゃあ、苗字は石澤、とかどう?シャーロック・ホームズのロックは石って意味もあるし。」
「いいのぉ!君もそれでいいかい?」
女の子……凛は、こくり、と頷いた。
「じゃあ2人と同じ学校に手続きしなきゃならんから、今日は哀君と同じ部屋になってしまうがここに泊まってもらうかのぉ」
「じゃあ、オレも。」
「で、明日キッドに会うって、どうやって会うんだよ」
コナンが灰原の淹れたお茶を飲みながら言う。凛は灰原の服を借り、お茶をゆっくりと飲んだ。
「そりゃあ近所のどっかに待ち合わせして、兄ちゃんには名探偵に変装した状態で話せばいいんっじゃね?」
「なるほどね…」
「私のことについて、話さなきゃいけないこともあるだろうし。」
「話さなきゃいけないこと?」
凛は控えめにふっと笑った。それ以上は話したくない、とでも言うかのように。
「とりあえず今日は私の部屋で寝ることね。アポトキシンは体に負荷がかかるから、しっかりと休ませるのよ。」
灰原は自分の部屋に布団を敷きにあくびをしながら行った。凛と2人きりになったコナンは、スマホをしまった。
「今返信があって、おっちゃんや蘭もおめーを出迎えるって言ってたし、安心して寝れんじゃねーか。あとはおめーがキッドに連絡したらオレも寝る。」
「あぁ、そうだね」
凛も自分のスマホを取り出し、少し操作をして電話をかけた
「もしもし、兄ちゃん?」
『なんだ?急に呼び方変えたのかよ。』
「あ、いや、今隣に兄ちゃんの言う名探偵さんがいるからさ。」
『はあ?』
なぜ|名探偵《あいつ》と接点のない妹が一緒にいるのか。
「実はさあ、私も名探偵とおんなじ薬飲まされちゃって……」
『え!?………て、おめぇ、裏切ったのかよ?』
通話ごしでもキッドがシラケた顔をしているのがわかる。
「そうじゃない。それで石澤凛っていう名前になったから、これからよろしく。」
『名探偵の家に居候するのか?』
「まあそのつもり。で、明日荷物とか取りに行くからさあ、そうだねぇ、米花東公園にでも荷物持って来てくんねーか?」
口調が世良と全く同じだなぁ、 とコナンは思った。
『あ?なんで?』
「名探偵も一緒に行きたいってさ。好きなように変装して会ってあげたら?私のことについて、自分ではいいたくないし。」
『はぁ、まあいいけど。じゃあ明日の10時な。オレもう眠いから寝る。じゃあな』
「あ、うん」
ぷつっと電話が切れ、スマホをポケットに入れた。
「どうだった?」
「明日の10時米花東公園。」
「OK。じゃあオレも寝てくる。おやすみ。あ、灰原の部屋はそこの廊下の突き当たりな。」
「わかった、おやすみ。」
ふぅ…
🏫
「んで、なんでオレに変装してんだよ。」
「いーじゃねーか。こっちの方がラクなんだからよ。」
コナンと凛は新一に変装したキッドと落ち合った。
凛はベンチに荷物を置き、中の物を確認している。
「凛が自分のことについて言わなきゃいけないことがあるって言ってたけど、何なんだ?」
少し遠くの鉄棒に寄りかかったコナンがキッドに聞いた。
「あぁ、極度の先端恐怖症のことか。」
「先端恐怖症?」
意外な言葉に、コナンが驚く。
「あいつ、ガキの時に…………」
---
凛は、キッドと母の3人で、街を出歩いていた。母が真ん中にいて、両隣に凛とキッドが手を繋いでいた。
すると、凛は人混みの中、ひらひらと舞う蝶が見えた。追いかけようとした時、歩いていた他の人の靴につまづいてしまった。
「あ、ご、ごめんなさ………」
凛が見上げると、それは酒に酔った男だった。
「あぁ?なんだお前?」
凛がやばい、と思ったのも束の間、男は包丁を取り出して凛を抱き上げた。よくある人質のパターンだ、と少し思ったが、それは想像より怖いものだった。
「キャアアアアアアアア!」
男からどんどん人が遠ざかっていった。
キッドと母も青ざめている。
「ちょっとでも近づいたらこいつの命はねぇぞ!」
耳元で大きな怒鳴り声をあげられ、耳がギンギンするようだった。
「警察呼ばなきゃ!」
周囲の人達は続々と警察を呼んでいたが、お構いなしというように男はなおも怒鳴り続けた。
包丁は凛の首元1センチまで近づいていた。
警察が来てからも、男はずっと怒鳴っていた。
警察が少しずつ近づいているのに気づいた男は、包丁を凛の首元ではなく、目に先端を近づけた。
「こうなってもいいのか!?」
と男が大きな声で言うと、警察は近づくのをやめた。
凛は相当な恐怖のどん底だった。包丁を目に突きつけられているのがなお怖かった。
男はフッと笑って、包丁を首元に戻した。
だんだん男は刺激が足りなくなったのか凛の首に少し包丁を刺した。ほんの少しだけなのに、息が急に苦しくなった気がしてきた。
これ以上はまずいと思ったのか、警察は銃を発砲し、男の腕に被弾した。
凛は地面に倒れ込み、男は確保された。
凛は首から血を少し流し、すぐに救急車に運ばれた。
「大丈夫!?」
母が走ってきた。
「この子の親御さんですか?」
救急隊員が聞くと、母は頷き、キッドと一緒に救急車に乗り凛と病院に向かった。
幸い首には皮膚にしか包丁が入っていなかったので、何日かしたらすぐに回復した。
---
「って事があって、そっから刃物と先端、あと大きな声とか音が怖くなっちまったんだよ」
「なるほど……」
コナンも納得したようだ。
向こうのベンチでは凛がカバンの中に入っているルービックキューブを見つめて微笑んでいた。
それを見たコナンはキッドに尋ねた。
「ルービックキューブ好きなのか?」
「あぁ、なんかプロ級になってたな。あいつめっちゃ理系だから……」
「理系?」
「あぁ。特に数学が大好きで、確か5桁くらいまでは数秒で暗算できるんだ。科学系も人より詳しいな。」
「へ、へぇ……」
(5桁暗算て………)
コナンは凛がいる方を向きながら少し苦笑いしていた。すると、何か思い出したようにコナンがキッドの方を向いた。
「そういやぁ、あいつ、組織と何か関係あるのか?」
キッドが少し目を見開いて何かを言おうとしたとき、
「関係はないよ」
と後ろから凛の声がした。少し微笑んでいるようにも見えたが、荷物を入れたリュックを抱えていたので、よっこらしょ、と言うと、その笑みは消え去った。
「じゃあ、なんで薬を飲まされたんだよ?」
「あぁ、それは……」
凛は薬を飲まされた経緯を話した。
「なるほど…お前が地面に落ちてた組織の情報を誤って拾ってしまったから口封じされたんだな。」
「うん。なんて書いてあったかは見てないけど…」
「じゃ、オレの任務はここまでってことで。」
公園を去ろうとするキッドに、凛が
「あ、あとで電話すっから。」
と声をかけた。
「おう。」
阿笠邸の前で、蘭と小五郎が待っていた。
「君が凛ちゃん?よろしくね!私は毛利蘭!こっちはお父さんの…」
「名探偵、毛利小五郎だ!」
2人が自己紹介をする。凛はニコッと笑って、蘭と小五郎に向かって
「よろしく!」
といった。
毛利探偵事務所に着くと、さっそく部屋に連れられた。
「ごめん、こんな小さな部屋しかないんだけど、大丈夫?」
「うん!ありがとう!」
凛が荷物を出し始める。
蘭が部屋から出ると、コナンが凛に声をかけた。
「なぁ、オメー、キッドの手伝いとかはするのか?」
すると凛は背中をコナンに向け、荷物を整理しながら答えた。
「えぇ?まぁ、たまーに帰ってきた時とかに多少手伝うくらいだよ。」
「帰ってきた時?」
「私、中学から関西の美術学校行ってるから、寮にいたんだよね」
思いがけない言葉にコナンが驚く。
「関西の美術学校?に『行ってる』って……お前何歳だよ?」
すると凛はふっと笑って
「17歳。おめーと同い年だよ。新一くん。」
とコナンの方を向いてウインクした。
「えっ…………」
(おいおいマジかよ……)
コナンは内心で苦笑いした。
ごめんなさい展開早すぎ案件